
4月1日、来音は6月14日のプレオープンに向けて、工事を開始しました。
来音が入るくらたビルは2001年6月にくらた呉服店の店舗兼住居として二代目の両親が建てたもの。JR西条駅前再開発によって移転を余儀なくされたため、67歳の父が建てたのです。そんな年齢でよく建てたと今の私は感じます。
着物の在庫、室礼、風呂敷百枚、家財道具、子どもたちの成績表まで、ぎっしりこのビルの収納に残されていました。父亡き後、母と4年をかけて呉服店は廃業となり、母は私に呼び寄せられこの地を離れます。市役所すぐそばという好立地にも関わらずこのビルは6年間空き家となっていました。
誰も手をつけられない呉服店の商材と家族の思い出。私は今度は息子と一緒に最後の荷物を処分しました。仏壇も母に黙って捨てました。アルバムも必要なものを残し捨てました。心が張り裂けそうでした。
4月1日、来音の工事が始まりました。最後の荷物を整理します。ビルの2階に入る来音の工事をするために、きれいさっぱり荷物を動かしました。
どうしても捨てられないものが残りました。おばあちゃん、母、私の和箪笥です。これ、来音に戻ってきます。あるものに変身して。どうぞ楽しみにしていてください。
73日後に開業する来音でした。





