サラスースーは、「誰も取り残されない教室」を目指して、カンボジア・シェムリアップ州の農村部に実験校を開校し、現地の教師たちと共に日々取り組みを進めてきました。私たちがつくりたいのは、教師が一方的に知識を与える場ではなく、子どもたち一人ひとりの学びに丁寧に寄り添い、子ども自身が自分の力で考え、仲間と支え合いながら学んでいけるような教室です。そこでは、教師は「喋る人」ではなく、「子どもと共に学ぶ人」としての役割を担います。授業中はむしろ静かに子どもたちの様子を観察し、どの子がどこでつまずいているのか、どうすれば自分の力で前に進むことができるのか、あるいは他の子どもの力を借りられるかといったことを常に考えながら、必要なときに最小限の支援を行います。こうした教師の姿勢を育てるために、私たちは「授業研究」を大切にしています。月に一度の授業研究では、教師たちが自分の授業を振り返り、「この子はなぜここで立ち止まったのか」「もっと子どもを信じて待てなかったか」といった問いを通して、子どもの姿から新たな気づきを得ています。そうしたプロセスを何度も繰り返すことで、教師も子どもも共に成長し、教室の中に対話と観察に根ざした学びの循環が生まれつつあります。サラスースーが育てたいのは、特別なスーパーティーチャーではありません。私たちが目指しているのは、子どもたちの違いに気づき、その違いを大切にしながら寄り添い続けることのできる先生を、現地の学校現場で一人でも多く増やしていくことです。そして、そのような教室が広がることによって、子どもたちが安心して学び、挑戦できる環境が整っていくと信じています。この取り組みを、今後はカンボジア国内にとどまらず、日本やベトナムの教育者とも共有しながら、「誰も取り残されない学びの場」を国や地域を越えて広げていきたいと考えています。これからも、教育の現場に関わる皆さまと共に、一歩ずつ丁寧に歩んでまいります。応援をどうぞよろしくお願いいたします!





