株式会社文化財マネージメントの宮本です。 木造地蔵菩薩像の修復作業が行われています。修復を担当していただいている「吉備文化財修復所」代表の牧野隆夫さんから、修復作業の解説と画像をいただきましたので、掲載します。今回は解体作業もあり、ダイナミックな印象を受ける工程です。 4.表面の清掃柔らかな刷毛で、表面に積もったホコリを払い落としました。清掃を行いながら、さらに細かな損傷部分を探します。次に湿らせた脱脂綿で、固くこびり付いた汚れを落としていきます。 (柔らかな刷毛でホコリを落としている) 写真はお像が座っていた「台座」の上面ですが、左半分が清掃作業前で右が作業後です。かなりすっきりとした印象になりました。 (台座上面の清掃前後 左半分が作業前で右半分が作業後) 5.解体作業頭、身体ともに、それぞれ数材を「膠(にかわ)」という接着剤で貼り合わせています。膠は動物(牛など)のコラーゲンで出来ています。時間が経つと接着力が弱くなり、材と材が外れてきてしまいます。あえて一度全てを解体して、新たにしっかりと組みなおします。膠の劣化が進んでいたため、容易に外すことができました。 (体幹部を前と後ろの部材に解体したところ 胎内の墨書がはっきり見える) (頭部を前と後ろの部材に解体したところ)





