磨き直しを進めてきた過程を振り返る中で、改めて印象に残っている2025年初夏の蔵での取り組みを紹介します。磨き直しが決まった時点で、クリエイティブディレクター / デザイナーは何日も現地を歩き回り、水口酒造・仁喜多津について長時間のヒアリングを行ってきました。しかし、酒の魅力の中には言葉だけでは説明しきれない部分があります。そこでこの日は、仁喜多津らしさと、各酒が持つ味の違いについて、しっくりくるキーワードと感覚を徹底的に引き出すことを目的にワークを行いました。言葉中心ではなく感覚をそのまま出すため、描く前に必ずその酒を飲み、香り・口当たり・余韻などの感覚が残っているうちに手を動かしてもらいました。1)白黒+丸だけで表現する 2)一筆だけで表現する 3)カラーで表現する という3つのワークで表現していきます。描いて終わりではなく、筆の滲み、力の強弱、濃度、色の混ざり、色合いを一つずつ深掘りし、「なぜその表現になったのか」「どこがその酒らしいのか」を問い直しながら、杜氏・蔵元のイメージやこだわりを言語化しました。今振り返ると、「この酒をどう受け取ってほしいか」という造り手の意志を、飲み手の体験につながる形に整えていく工程だったように思います。得られたイメージは、味わいごとのボトルパターンや、仁喜多津全体のコンセプトを磨き上げる作業にも反映しています。今後も、こうした積み重ねを活動報告でお届けしていきます。どうぞ引き続き応援よろしくお願いいたします!






