
未来につなごう能登/restaurant ecoutieresの川本 紀男です。 連日のご支援、本当にありがとうございます。
今日は、私たちが活動を続ける中でいただいた、「一生の宝物」をご紹介させてください。

これは、私たちが炊き出しに行った仮設住宅の方々からいただいた、手書きのお手紙と、食事の風景です。
■「買い物に行けない」という現実
今の能登の仮設住宅の現状を、少しお話しさせてください。
先日伺ったある地域では、最寄りのスーパーまで車で40分以上かかると聞きました 。 しかし、仮設住宅に残っているのは、車を持たない高齢者の方々がほとんどです 。
「昔は家の横に畑があってね、野菜なんてほとんど買ったことなかったのよ」 そう寂しそうに笑うお母さんたちが、今は配給されたお弁当や、移動販売で手に入る限られた食材だけで生活されています。 どうしても、食事は茶色いものや、同じ味付けのものに偏ってしまいます 。
「美味しいものを食べる」 そんな当たり前の喜びが、震災から2年経った今も、ここでは「贅沢」になってしまっているのです。
■「旅館のご飯みたいや」
そんな場所に、私たちがキッチンカーで温かい料理を届けた時のことです。
私たちは、ただお腹を満たすだけでなく、目でも楽しんでほしいと思い、彩りの豊かもたいせつにしています。
それを見た瞬間、お年寄りの方々の表情がパッと華やぎました。
「うわぁ、こんな綺麗なご飯、久しぶりに見た」
「まるで旅館に来たみたいやわ」
一口食べるごとに、「美味しい、美味しい」と涙を流して喜んでくださる方もいました。 狭い仮設住宅の部屋に引きこもりがちだった方々が 、この日は集会所に集まり、久しぶりに隣の人と笑い合いながら食事をされていました。
■心の栄養を届けるために
後日、こんなお手紙をいただきました。
『この1ヶ月、日々すごすことに精一杯でしたが、こんなにも美しくおいしいお食事をご提供頂き、感激しております。久しぶりの海藻がなつかしい味でした』
『おいしくいただきました。明日からまた、がんばれます。本当にありがとうございました』
この言葉を見たとき、私は料理人として震えました。
狭い部屋、プライバシーのない毎日、先の見えない不安 。 そんなギリギリの生活の中で、私たちが作った一食が、「明日を生きる力」に変わったのです。
私たちが大型キッチンカーを作って届けたいのは、単なるカロリーではありません。 「自分たちは見捨てられていない」という安心感と、「明日も生きていこう」と思える心の栄養です。
まだ、この温かさを届けられていない場所がたくさんあります。 どうか、この「宝物」のような手紙が、もっと多くの場所で生まれるように。 皆様のお力を貸してください。
未来につなごう能登/restaurant ecoutieres 川本 紀男



