未来につなごう能登/restaurant ecoutieresの川本 紀男です。連日のご支援、そして温かい応援のメッセージ、本当にありがとうございます。 皆様の言葉が、折れそうになる私たちの心を支える何よりのエネルギーになっています。クラウドファンディング終了まで、残り11日。今日は、私がなぜこのプロジェクトに人生をかけているのか。 その「原点」について、少し個人的な話をさせてください。■料理人の父と、ひとりぼっちの夕食「なぜ、ミシュランの星を持つシェフが、わざわざ被災地でキッチンカーを?」そう聞かれることがよくあります。 確かに、レストランの厨房と被災地の炊き出し現場は、対極にあるかもしれません。ですが、私の中では、この2つは一本の線で繋がっています。実は、私の亡き父も料理人でした。 父はいつも忙しく、家にいる時間はほとんどありませんでした。幼い頃の記憶にあるのは、厨房に立つ父の、広くて遠い背中だけです。私が夕食をとるとき、父はまだ仕事中。母も忙しく、私は一人でテレビを見ながら食事をすることが日常でした。テレビドラマの中で流れる、家族みんなで食卓を囲み、今日あったことを話しながら笑い合う光景。それは私にとって、手の届かない、強烈な「憧れ」でした。「料理があれば、人は笑顔になれる。会話が生まれる」私が料理の道に進んだのは、自分が憧れていた「団らんの時間」を、自分の手で作り出したかったからなのかもしれません。■能登の仮設住宅で見た景色震災後、炊き出しのために能登の被災地を訪れたとき、私は幼い頃の自分を思い出しました。狭い仮設住宅。十分に料理ができる台所はありません。 お弁当が配られても、それぞれの部屋に持ち帰り、一人で黙々と食べる高齢者の方々。「ここに来てから1日中、誰とも話さん日があるんや」そうこぼすおばあちゃんの寂しそうな顔を見たとき、胸が締め付けられました。 食事は本来、人を幸せにする時間のはずです。それが、孤独を感じる時間になってしまっている現実。 「このままではいけない」私の料理人としての魂が、そう叫びました。■届けたいのは「栄養」だけじゃない私たちが作りたい大型キッチンカーは、単に温かい食事を運ぶだけの車ではありません。キッチンカーの周りに温かい料理の香りが漂えば、人は自然と集まってきます。 「今日のスープ、美味しいね」「あらぁ、あんたも来とったんか」そんな何気ない会話が生まれます。私がこのプロジェクトで能登に届けたいのは、単なる胃袋を満たすための栄養ではありません。 かつて私が憧れた、「美味しいね」と言い合える、あの温かい「団らんの時間」そのものなのです。このキッチンカーが、被災地の集会所になり、仮設住宅のリビングルームになる。 それが、私の願いです。残り11日。 この夢を現実に変えるために、どうか皆様のお力をお貸しください。 一緒に、能登に笑顔の食卓を取り戻しましょう。未来につなごう能登/restaurant ecoutieres 川本 紀男




