アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、将来どのような医療やケアを望むのかを、周囲の人と共有していく取り組みです。一般には高齢者医療の文脈で語られることが多いものですが、実は高校生にとっても大きな意味を持つ考え方です。高校生の時期は、人生の選択が増え、自分が何を大切にして生きたいのかを模索する大切な時期です。ACP という概念に触れることで、「自分の価値観」や「人生で大切にしたいこと」を考えるきっかけが生まれます。これは医療に限らず、進路選択や人間関係、日々の行動の選択にまでつながる、重要な自己理解のプロセスです。また、突然の事故や病気は、年齢に関係なく誰にでも起こり得ます。「もしものとき、自分の思いを誰が伝えてくれるのか」という視点は、高校生にとって、自分の命や家族とのつながりを見つめる機会にもなります。実際、ACP に触れた若者たちの中には、家族と普段話さないテーマを共有できたという声もあり、家族間のコミュニケーションを深める契機にもなっています。さらに、医療・福祉分野を目指す高校生にとっては、ACP は将来の専門職としての姿勢にも直結します。患者や利用者の価値観を尊重し、寄り添う姿勢を理解するうえで、ACP は非常に重要なテーマです。このように、ACP は「死」や「医療」だけを扱うものではなく、若い世代が自分自身の生き方を考えるための、普遍的で本質的な学びにもつながっています。今回の取り組みを通じて、より多くの高校生が自分の人生観を見つめ直す機会を得られるよう、引き続き活動を続けてまいります。 齊藤




