
日頃より、まちなかスポーツフェスティバルへの温かいご支援を賜り、心より御礼申し上げます。本日は、私が長年抱き続けてきた「浜松のスポーツ界の将来像」について、そして私がなぜこの活動に全力を注いでいるのか、その理由をお伝えしたいと思います。
私がスポーツマネジメントを学び始めたのは、2013年、㈱スズキ在籍時代のことでした。二輪モータースポーツ担当として従事している中、故・広瀬一郎氏の著書を常に片手に、社業のあらゆる場面で読み返し、行動し、学び続けた日々が、現在の株式会社TOMORUNの創設へとつながりました。
創設から10年。
順風満帆とは言えず、数え切れないほどの苦難や課題に向き合ってきました。その中で私が特に学びの糧としたのが、戦前日本史です。特に、政府大本営連絡会議の一つひとつの意思決定が、国の行く末を大きく左右したように、
「組織の意思決定とは何か」
「どのように未来を選び取るのか」
その本質を知るために、今も学び続けています。
浜松市の中高生の競技スポーツ成熟度は、全国でもトップクラスと言われています私自身、かつて競技指導者として現場に立っていた経験から、指導者が“勝利”を求める気持ちは痛いほど理解しています。その積み重ねが、浜松の競技力を押し上げてきたことは間違いありません。しかし、部活動の地域移行が進む今、この成熟度が“足枷”となる場面も生まれています。
広瀬一郎氏が説いたように、スポーツのゼネラルマネジメントには、
①競技力を高めるフィールドマネジメント
②スポーツの価値を社会に広げ、資金を循環させるビジネスマネジメント
この両輪が欠かせません。
浜松では、競技団体(Athletic Association)が強い力を持つ構造が続いてきました。その結果、普及やビジネス、スポーツの裾野拡大に向けた取り組みが後回しになり、施設整備や地域スポーツの課題が複雑化している現状があります。
2011年に施行されたスポーツ基本法は、スポーツを「国民の権利」と位置づけ、第3条でこう定めています。
“すべての国民が、生涯にわたりスポーツに親しむ権利を有する”
さらに第4条では、
“スポーツは、心身の健全な発達、豊かな生活の実現に寄与する”
と明記されています。そして第10条では、地方公共団体に対し、スポーツ環境の整備、普及、振興の責務 を明確にしています。つまり、「競技者だけのスポーツ」から「市民全体のスポーツ」へ。 これこそが、国が示したスポーツの本来の姿です。
私は強く思います。
あらゆるスポーツの課題は、“市民全体のスポーツ”という視点に立ち返れば、必ず解決できる。 競技と普及の対立ではなく、市民の健康・交流・学びを中心に据えることで、すべての歯車は自然と噛み合い始めます。浜松には、この理念を体現できる“Sports Communication Association” と呼べるにふさわしい団体が数多く存在します。社会体育の推進を使命とし、市民スポーツの基盤を支えてきた組織です。この存在こそ、浜松のスポーツの未来を切り拓く鍵になると私は考えています。
小泉純一郎元首相が、ハンセン病訴訟の上告断念を決断した際に述べた
「行政の理よりも、政治の情だ」
という言葉は、今も私の胸に深く残っています。スポーツの課題も同じです。市長は庁内で唯一の政治家であり、政治的判断を下す立場にあります。その判断に込められた“情”を理解し、受け止め、行動することこそ、私たち現場の人間に求められる姿勢だと考えています。
対話なき対立では、未来は開けません。
必要なのは、“情を理解し、情で動くスポーツ界” です。まちなかスポーツフェスティバル実行委員会は、スポーツ普及の最前線として、子どもたちのスポーツ機会の拡大、中心市街地活性化計画に基づく回遊性向上、地域の社会課題の解決、これらに全力で挑んでまいります。
私たちは、やりきります。
そして、浜松のスポーツの未来を、皆さまと共に切り拓いていきます。
皆さまのご支援は、単なる寄付ではありません。
「浜松のスポーツの未来を、共に創る仲間になる」
という意思そのものです。私たちは、その想いに必ず応えます。
どうか引き続き、力をお貸しください。
実行委員長
中川 智博



