支援してくださった皆さまのおかげで、5/14~19で開催していた写真展「導光 LEADING LIGHT」無事に終了しました。6日間で300人以上の方々がお越しくださいました。本当にありがとうございました。会場に足を運べなかった方にもどんな様子だったかご覧頂くため、こちらに活動報告として投稿させていただきます。会場は北千住BUoY入り口にリターンのお名前掲示をさせて頂きました。まずは地下1Fで10年前の「種」を観てもらいました。それから地上2Fに上がってもらい、自分の10年間の試行錯誤を追体験してもらいました。この部屋の奥で、職人たちの作業の映像を流して、じっくりと観てもらいました。最後に「芽」である、巨大カメラで撮影したガラスの写真と、彼らの作品を展示しました。巨大カメラとトラックに載せてた作業台も展示しました。この展示がゴールではなく、どうにか巡回して色々なところで展示して、一人でも多く日本の工芸、文化に触れてもらうことが出来るよう、思案していきます。もしかしたらまたクラウドファンディングに挑戦するかもしれません。その際にはもう一度、ご支援いただけましたら幸いです。まだまだ「芽」を撮り終えたところ。この先もこの作品を成長させられるよう、精進します。皆さま本当にありがとうございました。令和元年五月 外山亮介
15人目、兵庫県、鍛冶、千代鶴直秀さん。http://www.chiyozurusadahide.jp/鉄を叩いて鉋を作っています。職人たちを支える、道具を作る職人。かっこいい。16人目、広島、熊野筆、実森さんhttp://sanemori-seijitsudou.com/toppage.html書筆を作っています。いろいろな動物の毛の性質を知り、混ぜ、選別して整えていく繊細な作業。書きたい文字によって筆選びが変わる、と。そこまではなかなか辿り着けないと思うけど、自分らしい字が書けるようになりたい。17人目、佐賀、唐津焼、井上さんhttp://www.kyouzan.co.jp/jing_shan_yaoHP/HOME.html釉薬の流れを想像しながら形を作っていく。お茶道具としても有名な唐津焼。お話を伺っていて、日本の文化の深さを改めて知る。18人目、鹿児島、薩摩切子、鮫島さんhttps://www.satuma-vidro.co.jp/黒切子は薩摩だけ。透けない素材にカッティングを入れる技術。クリスタルの輝きに魅了される。アンブロタイプとも一緒に何か出来ないかな。。。明日は大分の竹工芸を撮影してきます。1人増えて全部で21人。あと3人。
だいぶ間が空いてしまいました。クラウドファンディングの期間は終わりましたが、撮影は進めています。リターンの「お礼のメール」ですが、20人の撮影が終わってから送らせていただきます。撮影の旅をしながら、写真のこと、工芸のこと、日本のことなどをいろいろと考えています。そんなことも含めた「お礼のメール」に出来ればと思っています。もう少々お時間をください。映像からの切り出し画像をアップしておきます。9人目、輪島木地師、辻さん部屋から廊下に溢れ出る粗木地たち。削る道具の方も自分の使いやすいように自分で作る。鍛冶屋さんでもあります。用途によって道具を使い分けます。木屑がかかってて使ってなさそうだけど、現役の道具たち。僕のカメラにもあっという間に木屑が積もってました。木地師さんは、表に名前の出ない仕事でした。名のある作家さんも、自分で木地を削る人は少ない。縁の下の力持ち的な存在。全国的に見ても、木地師さんはかなり少なくなっているようです。10人目、名古屋尾張七宝、池田さん。銀線を立てて壁のようにして下絵に合わせながら一つ一つ置いていきます。そこにガラスの釉薬を挿していきます。気の遠くなるような細かい作業。たくさんの色を使いながら。池田さんは、名古屋城本丸御殿を復元した際に、襖の取っ手などを制作したそう。歴史に残る作品が作れるのは素晴らしい。11人目、京地張り提灯、小嶋さん。小嶋さんは家族で分業をしている。お兄さんが竹割り。弟さんが和紙を貼る。イベントなどで使用する巨大な提灯なども手がけていて、大活躍中。工房は子供達の遊び場にもある。小嶋さん曰く、これが何代も続く理由だと。お兄さんも弟さんも、提灯をやる以外の道を考えたことがないと言っていた。10年前は撮影しなかったけど、今回は弟さんの肖像も撮影させてもらった。12人目(13人目)京仕立て、殿村さん着物の仕立て屋さん。着物は何度でも仕立て直せるように、全て手縫い。使う道具も、針一本と絹糸だけ。使いにくくなった針はマチ針に。生地にハサミは必要な分しか入れない。お婆さんから孫に。仕立てをほどいて、洗張りして、仕立て直す。若い頃の派手な色を、少し抑えて染め直すことも出来る。着物は見た目だけじゃなく、循環の形も素敵な民族衣装。13人目、土佐典具帖紙、濵田さん。濵田さんは0,03mmのとても薄い手漉き和紙を漉くことの出来る、日本で唯一の人物。職人仕事であるその仕事ももちろん続けられているけど、和紙のアーティストとしても活躍中。僕が訪ねたタイミングは作品の打ち合わせ中で、実作業をしていなかった。なので、映像は撮影せず、アンブロタイプだけを撮影した。15年間、土佐典具帖紙を漉き続けた経験があるからこそ生きるアートワーク。スカスカじゃない、職人からはみ出した作家さんたちは、本当にかっこいい。神宮前のTRUNK HOTELに作品があるそうなので、戻ったら観に行こうと思う。明日は兵庫の三木打刃物、鉋の鍛冶屋さんを撮影してきます。
この撮影にも少しづつ慣れてきて、携帯で写真を撮る余裕もちょっと出てきました。 機材はこんな感じで積んであって。 夜な夜な次の日に使う現像液を調合したりして。 ガラスを磨いたり。 で、その作業台で寝たりしてます。 で、こんな感じでカメラをセットさせてもらって、 (井波のトモル工房) 10年前からの手紙を読んでもらい、歩んできた道を振り返り、10年後を創造してもらいながらカメラの前に座ってもらいます。露光時間は、この日の光で1分間。 現在・過去・未来の20年分の想いが、この1枚に宿っています。 ストロボなどを使えばピタッと鮮明な写真に出来ますが、瞬間を切り取るのではなく、もっと長い時間とか、想いとか、光を撮りたかったのです。 (輪島のわじま塗の津田) こちらも1分間。 まだ折り返しにも来てません。 あと12人。頑張ります。
5人目は新潟の岡田蝋燭店の岡田さん。 櫨(はぜ)蝋燭を作っているところを撮影しました。 鍋に溶かした櫨蝋を手ですくい、塗り重ねて太さを出していきます。 繰り返し繰り返し。 先を切り落とします。何本も何本も。 このアングルでカメラを構えてると、スッと画面から消えては、ここにピタッと戻ってきます。 和蝋燭は芯が太く、炎が力強い。とてもかっこいい炎です。 日本でも生産するところはかなり減ってしまったようです。 6人目は輪島塗の沈金師、小川さん。 輪島塗は分業で漆器を作っています。木地師、塗師の丹精込めた仕事の後、鑿で削って加飾していきます。 網代文様の箸。 細心の注意を払いながら削って削って その上に金箔を貼っていきます。 1日置いてから、箔を剥がしていきます。 そうすると、削ったとこに金が残る。 ずっと見てました。 7人目は井波の木彫刻家、田中さん。 奥さんは漆芸家で、二人でトモル工房を営んでいます。 優しく、穏やかで美しい、人柄の出ている彫刻を作っています。 香港で展示をするらしく、その制作風景を見せてもらいました。 ただの木の塊だったところから 鑿を使い分け コンコンコンコンと。 だんだん姿を現してきます。 こちらもずっと見ていたくなる、とてもいい時間でした。 あと、楠が削られていくと、とてもいい香りがしました。 8人目、輪島塗の塗師、わじま塗の津田の津田さん。 刷毛を使う手首が柔らかくて、美しい所作。 細心の注意を払いながら、ホコリを取る。 先っぽは猫のヒゲだそう。 25年間塗師をしていて、まだまだ修行の身だ、と。 工芸の道は果てしない。