
いつもHITOFURIのプロジェクトをご覧いただき、誠にありがとうございます。
刀剣型ひとふり「白凪」の写真をご覧になり、
刀身に浮かぶ細かな線や濃淡を、
装飾として描いた模様だと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、白凪の表面に見える肌目は、あとから印刷したものでも、
同じ柄を転写したものでもありません。
今回は、なぜ一振ごとに違う表情が現れるのかをご紹介します。
【日本刀では、鋼の表情を「肌」として見る】
日本刀の鑑賞では、刃文だけでなく、
刀身そのものに現れる鋼の模様も大切な見どころの一つとされています。
玉鋼を熱し、槌で打ち、折り返して鍛える。
その工程によって鋼の層が重なり、
研ぎ上げた表面に木目や流れのような模様が現れます。
こうした地鉄の表情は、板目肌、柾目肌、杢目肌など、
見え方によってさまざまな言葉で表されてきました。
【白凪の肌目も、一振ごとに異なります】
白凪は日本刀そのものではありませんが、
日本刀に用いられる玉鋼を、
備前長船の刀匠・安藤広康が鍛えて制作します。
折り返し鍛錬によって重なった鋼の層を生かし、
静かな波を思わせる白銀の肌へ仕立てています。
玉鋼の状態や槌の重なり方は、一振ずつまったく同じにはなりません。
そのため、線の流れ、濃淡、光を受けたときの見え方にも、一振ごとの違いが生まれます。
規格品の模様が不揃いになったのではなく、
刀匠が玉鋼と向き合った時間が、それぞれ異なる表情として現れたものです。
【刀身の場所によって、見える景色が変わる】
白凪の肌目は、いつも同じように見えるわけではありません。
正面から光を受けたとき。
窓から入る自然光が斜めに当たったとき。
夜、落ち着いた照明の下で眺めたとき。
光の向きによって、先ほどまで見えなかった線が浮かび、別の濃淡が静かに現れます。
一振を見るたびに、玉鋼の中から新しい表情を見つける。
白凪は、その小さな変化を日々の傍らで眺めていただくための一振です。
ぜひプロジェクトページの写真を拡大し、
刀身に現れている線や濃淡にも目を向けてみてください。
プロジェクトページはこちら
https://camp-fire.jp/projects/961089/view
HITOFURIプロジェクト一同



