栃木県那須烏山市の国見地域、ここでは50年間大切に育てられていてるみかんがあります。国見のみかん園は2018年現在、5軒あります。そのうち3軒は80代の方が生産していて、「自分たちが生産できる間は頑張って作り続けよう」と仰っていました。今、その美味しさに出会えることを、大切に伝えたいですね。今年訪れたのは川俣みかん園、堂々と350本のみかんの木があります。標高266mの山の南斜面を活用した、日当たりの良いみかん畑です。清らかな空気の中、茨城県境や茂木町の山々を一望できます。品種は「宮川(みやかわ)」「興津(おきつ)」など早生がメインです。雨よりも乾燥に適したみかんにとって、ここは風が味方をしてくれる場所です。国見のみかんがリキュールに向いている理由があります。それは香りが良いことだけでなく、食材として安全なこと。ここでは、結実してから一切、みかんに農薬をかけません。川俣さんは、みかんの実に農薬をかけない理由を、「みかん狩りしながら、みんなが食べるから」とお話しされました。地元の幼稚園や学校の子供達が、毎年みかん狩りに訪れています。農薬散布時期は6月~8月に1回ずつ、虫と病気から守るためにかけて、あとは自然に伸びてくる足場の草刈りを行います。また、「果皮にワックスを塗らない」のもこだわりです。今回リキュールに使うのは、まさにその果皮です。こちらの貴重な果肉は、BARフルールドゥリスでカクテルとして振舞っていただきます。国見のみかんの糖度は12-13度あります。個人的にはアニスとの組み合わせがおすすめです。10kgのみかんからとった果皮を、栃木リキュール工場で加工していきます。果皮を乾燥させるのに、熱は使いません。国見が作った香気成分が変わってしまいます。満遍なく広げて、同じ栃木県の風と寒さでしっかりと自然乾燥させていきます。カラッと音がなるほどに仕上がりました。パキンと折ると、果皮に含まれるオイルから、温かみのあるいい香りがします。香りとともに、みかん畑で吸った綺麗な空気が思い起こされます。皆さんも、来年の11月はぜひ、国見のみかん狩りを訪ねてみてください。それでは、希少な国見みかん果皮素材でリキュールを作っていきます。
こちらは栃木県で採れた高級品種の落花生「ナカテユタカ」です。国内落花生の8割は千葉県で生産されていますが、実は、栃木県の清原地区や真岡市にかけても、落花生畑が広がります。そこには宝積寺層と呼ばれる、落花生の作付けに適した水捌けの良い堆積層があります。落花生の焙煎は、専門の焙煎職人にお願いしました。豆の収穫の秋から節分までは繁忙期なので、夏場に見学してきました。夏の焙煎は暑すぎて危険なので、工場は静かです。どんな設備か、見せてもらいましょう。豆の蒸し釜や、重たい豆を移動するための天井クレーンがあります。酒蔵さんの蒸米シーンに似ていますね。ゴゥンゴゥン。回転型の炭火煎りの機械です。この筒状の網の中に豆を入れて、回転させながら炭火で煎っていきます。こちらは回転させずに豆を煎る機械です。網を張った木枠に豆を広げて、フレームに乗せます。手前の黒いパーツが石臼のように回転すると、フレーム土台が平行に揺れ動いて、下からの炭火でじっくりと豆を煎っていきます。豆の水分状態によって調整が必要で、焙煎機を併用していくそうです。そうして丹精込めて炭火煎りしてもらった豆を、12月に届けていただきました。漬け込み加工して、明るい琥珀色のお酒になってきました。とてもいい香りです。琥珀色代表のお酒のウイスキーには、焦がした樫の木の香りが付いていますが、煎った落花生の香りもウッディーで、胸がキュンとなります。そして、豆は縁起もの。素材の香りやイメージをそのまま閉じ込めることのできるリキュールは、ダイレクトにシンプルな素材の表現ができて、けれど料理のように手間ひまかかった贅沢なお酒です。より美味しく、もっと届けられるように、どんどん楽しく作っていきます。
オニキスとは、お守りになる黒い石のことです。「オニキス・ドゥレテア(大地のオニキス)」という名前の黒豆リキュール。先日収穫した豆を、さらに炒って水分を飛ばしていきます。こんがり。パリッと。6時間かけて8kgを炒りました。黒豆酒の風味を作るのは、黒い皮でなく豆の方。黒豆はとても呑んべえで、アルコールをぐびぐび飲みます。飲まれる覚悟でいざ漬けます。瞬間温浸法で、炒り豆をジュワーっと。これぞ「酒を得た黒豆」。輝いてます!数日後、アントシアニンの深い赤色がとれました。さらに寝かせて、まろやかな黒色になってきました。いい香りです。次回はいよいよ、味を整えて瓶詰です。
畑からのスタートです!この手にようこそ!ここは栃木県下野市。清らかな川の流れ、広い関東平野、青い空がひたすら広がります。こちらの農家さんのおすすめポイントは、ズバリ「食べる人のことを考えた苺づくり」。実は、苺は農薬無しには生育しづらい、デリケートな生き物です。しかしこちらでは、苗のうちに光殺菌をして、実がなり始めてからは農薬を極力かけません。お酒に漬け込んでも安全・安心!フルーツの中でも、皮を剥かずにそのまま食べるものは意外と少数なのです。ハウスの外から虫が入った際には、益虫で捕食させて苺を被害から守ります。そんな手間ひまをかけて、大切に育てられた姫の名は「とちおとめ」です。さて、プルミエブーケは、初めての花束という意味です。みなさんにこのリキュールをお届けできると思うと、今からとても楽しみです。私の初仕込みに立ち会ってくださり、誠にありがとうございます。苺の投入式を行いました。栃木リキュールの初仕込み開始です!18時間経過で引揚げました。苺の香りが付いてロゼ色になりました。ここからは無漂白の綿布袋を使っていきます。まずはレッドローズを浸漬。わずかな酸味と渋みが感じられ、シガーのようなクセもあります。このプルミエブーケは、渋みを大事に、青春の甘酸っぱさを表現します。ダマスクローズと、苺の追加投入は、また後日。現在alc50%ですが、徐々に20%へ調整していきます。
リターン商品作成のために、素材を収穫してきました!50平米に連なる、黒豆畑の実りをいただきました!12月が黒豆本シーズンですが、一足先に。ハゼているサヤもありました。一人では無理なので、仲間を募って5人掛かりで。よく実っています!収穫3時間。サヤから豆を取り出すのは6時間かけても終わらない、豆漬けの日曜でした!当たり前ですが、私が一番大量に取り出してみせましたよ!技名を付けたいくらい。黒豆化できなかった赤い豆は、炊き込みご飯にして食べました。今年の豆も、栗のように上品で、風味バッチリです!みなさんお疲れさまでした!リキュール加工の続報をお楽しみに!