2020/01/01 12:00

こんにちは料理人の白鳥翔大です。

今回は僕の自己紹介と意気込み、なぜチームに加わったのかをお話ししたいと思います。


静岡の田舎で育った僕は小さい頃から、イモリ、カメを捕まえては飼ってみたり、お風呂みたいなバカでかい水槽で熱帯魚を家で育てたりするような theわんぱく少年でした。

特にお気に入りだったのは家の横にある小さな川でする鮎の銛突き。

捕まえた鮎たち。

これが本当に難しい。水の中を新幹線の様に泳ぎながらも、まるで踊っているかの様な不規則なリズムのターン。ずっと熱中になり、夏になると朝から晩まで毎日通って遊んでいました。(今でも帰郷してするたびに欠かさず行きます。)

今思うと、自ら魚を捕る→自ら調理する  が日常の遊びの延長線にあり、大自然の中で美味しい!!を幼いながらに体感していました。

そんな子ですから、自然と食にも目覚め、朝ごはんを食べながら「今日夜ご飯どうする?」と何度も聞く無邪気な少年が出来上がり、聞くたびに母は「とりあえず朝ごはん食べて笑」と笑い呆れていました。

「なんで料理の道に、、、?」と聞かれることが多いですが「知らぬ間にいつの間にか好きになってた、、、」とだけいつも答えます。


決心を固めたのは高校の進路選択。

好きなことしか頑張れない性格は自分が一番よくわかっていた事と、料理って職にしなくても必要になるし、最悪料理できるかっこいいパパのはなれるなと楽観的な考えも持ち合わせながら専門学校へ行き『L'Effervescence 』へ就職します。

調理場でいろんなことを学びました。フレンチが好きでというよりかは(実際は焼肉が大好き)、素材の丁寧な扱い方と活かし方、調理工程におけるなぜ?を一番噛み砕いて学べると思ったからの決意でした。

実りのある6年間でした。休みの日に生産者さんの所にみんなで行くのが何よりも楽しく、食材の愛し方を学びました。そしてそれらが美味しさに直結することを学びました。


次に選んだ場所はデンマークにあるレストラン『relae』『koks』でした。

『relae』は世界で一番サスティナブルなレストランの賞を2年連続で取っている様な、食材を大切にしている店です。

relaeの外観。北欧の地をシェフ自ら耕し、タネを撒いて育て、料理をして世界中から来るお客さんに自ら説明をして食べてもらう。植物の一生に寄り添いながら料理する。何物にも代え難い体験をする事が出来ました。


『koks』はアイスランドの近くのフェロー諸島にあるレストランです。嶮しい自然が広がってる山間にポツンある、世界一行くのが大変とまで言われているレストランです。

koksの外観。

岩石の地面と強風で野菜や木は育つのが不可能、鯨と羊を余す所無く使い、数少ない食材のレパートリーをアイデアとテクニックで昇華させる店は、恵まれた自然を持つ日本の食文化とは逆の体験でした。

天候や自然環境にどれだけ支えてもらっているかを痛感させられた経験でもありました。

異国の地で共に働いた仲間たち。


ある休日。

フェロー諸島の海岸で、スーパーの安いシナモンロールを持って今後について考えている時に祐太から電話がなりました。

「命を大切にするレストランを作りたい。」彼の熱い気持ちを聞いる内に、自然と「やろう!」と言っていました。1万キロ離れた電話での約束は忘れられないものになりました。

各々が今までしてきた冒険が段々と束になって、いつの間にかみんなの冒険になっていきました。


ANTCICADAは、地球を愛し、探究するレストランです。
肉も、魚も、野菜も、虫も、分けへだてなく愛し五感で味わいます。

僕は料理人として肉も、魚も、野菜も、虫も、分けへだてなく愛して、おいしいだけでなく、何か今までとは違った視点や価値観を拡げるきっかけを見出せたらなと思います。

命を大切にしていきます。


そしてこれから始まる冒険は、皆さんと一緒に日々味わっていけたらと思います。

「食は作業ではない、冒険だ。」


ANTCICADA 白鳥翔大