期間は1年間、助成金は15万円。始まりました。1年後には会計報告と研究報告を行う必要があります。研究目的は、「・沖縄県における民事信託・家族信託の利用件数を、一定の限度はあるが把握すること。・実態を把握したうえで今後の普及推進の方法及び課題の考察。」です。まずは、アンケートの作成。沖縄県の全市町村の用地取得等担当者、公証センター、金融機関(ゆうちょ銀行を除きます。)、私が月に1回主催している講座の参加者の4種類。この方々向けに作成して発送作業を行います。アンケートを初めて作りましたが、友人から「集計のまとめ方まで考えて作った方が良いよ」のアドバイスが有益で、意識しました。返信用封筒を入れて、約70通を投函。皆さん答えてくれるのか。ドキドキしながら待ちます。
以前研修受講者全員でやりたいなと考えて、企画した一般社団法人不動産流通経営協会 の研究助成は、結局1人で申請して採択されませんでした。結果としては私の力不足です。一般財団法人住総研 にも研究助成を申請しましたが、ここでも採択されませんでした。残念。そして次は、一般財団法人司法協会の研究助成事業に応募してみました。出版事業もしていて、私の本棚にも10冊くらい書籍が並んでいます。申請書を出して5カ月後、採択の通知が来ました。期間は1年間、助成金は15万円です。始まります。
一か月後には、沖縄県で、二度目の一般向けセミナーと研修が行われました。研修は少し内容が違い、士業以外の専門家用(ファイナンシャルプランナーなど。)です。次は顧問の税理士と司法書士と一緒に研修としている、と3年前から言っていた沖縄銀行が研修を受けました。5~6人だったと思います。私が営業に行ったときに、対応した社員が私の顔を観て少し気まずそうにしています。名刺交換をしました。懇親会では沖縄銀行の社員からありがとうございます、と言われました。以前営業で断られたことを知らない社員もいると思い、応じました。協会の人の話では、一般市民向けのセミナーの後、琉球銀行と沖縄銀行から連日会食によるおもてなしがあったようです。今回も、沖縄発でチームを作り研究開発、という流れにはなりませんでした。私は不動産学会に入会して論文を書くことにしました。出来ることをやろう、やるしかなかったからです。なぜ、「民事信託を利用する必要があるのか」というような題で、千葉県に行って発表してきました。そして、今度は研究助成金の申請を1人で行います。
一般市民向けセミナー・研修を終えて、一週間後に沖縄の受講者同士で懇親会。銀行社員、士業の受講者全員が参加しました。既に1か月後にもう一度違う内容の研修を開催することも決まっています。銀行の法務部社員は、弁護士登録をしていて組織内での士業の働き方を聞くことが出来ました。その他には、「みんなで協力して。」「頑張ろう。」など耳あたりの良い言葉が飛び交います。私もその時は信じていたので、頷いていました。私からは、次回の一般市民向けセミナーは私の地元西原町で開催希望であることを琉球銀行の社員に伝えました。また、定期的に研究会を行いたい旨も全員に向かって伝えました。研究助成を受けた方、銀行などもやりやすいかなと考え、一般社団法人不動産流通経営協会 の研究助成にみんなで申し込みませんか?と全員に連絡しました。研究助成申請書の案を私が作って添付しました。返ってきた答えは、琉球銀行「忙しくて出来ない。」A司法書士、B司法書士「忙しくて出来ない。」C行政書士「忙しくて出来ない。」D宅地建物取引士「協力したい。見積書なら作る。」D宅地建物取引士と会って話したところ、研究助成申請書の予算経費について、見積書があった方が良いから、それなら作れるし、申請が通ったらやっても良い。それ以外は出来ない、ということでした。結局、共同研究ではなく、研究のための調査を、受託しても良い、ということでした。率直に、今回のセミナーや研修に費やしたエネルギー・時間はあまり意味がなかったような気になり、虚しさを感じました。
家族信託セミナーの翌日。9時から19時頃まで那覇市で2日間の研修が始まります。参加者は、私の他に司法書士が2名、行政書士1名、琉球銀行社員4名(そのうち法務部2名)、宅地建物取引士1名の9名でした。講師は、協会の代表的な2人の司法書士。1人の不動産会社所属の人によるコーチング。2人の司法書士は、これまで何百件も家族信託を作成している、ということでした。本当の所は分かりません。講義内容は、20万円の価値があるか、といえばない、と答えます。講師が絶対に正しいという前提での研修だったので、私としては、こんなもんだな、と思って自信が付くという価値があるくらいでした。金融機関の社員が参加するのは、協会としても初のようで、喜んでもらえたのは私にとっても良かったです。他の参加者からも、「琉球銀行が家族信託普及協会を呼んだと思っていました。宮城さんが呼んだんですね。ありがとうございます。」と言われて、これは沖縄で研究開発の機運が高まるかな、と内心思っていました。