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荒廃した奥地人工林を『低コストで管理できる森林』へ!

日本の林業は衰退に歯止めがかからず、里山奥地の人工林は管理がままならぬ事態へと陥っています。私たちは人工林に隣接する天然林から広葉樹の侵入を誘導し、放棄された奥地の人工林を効率よく天然林へと戻すことで、多面的機能が高く、「低コストで管理できる森づくり技術」の開発と普及を目指します。

現在の支援総額

1,560,000円

173%

目標金額は900,000円

支援者数

145äşş

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2020/10/20に募集を開始し、 145人の支援により 1,560,000円の資金を集め、 2020/11/30に募集を終了しました

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荒廃した奥地人工林を『低コストで管理できる森林』へ!

現在の支援総額

1,560,000円

173%達成

終了

目標金額900,000円

支援者数145人

このプロジェクトは、2020/10/20に募集を開始し、 145人の支援により 1,560,000円の資金を集め、 2020/11/30に募集を終了しました

日本の林業は衰退に歯止めがかからず、里山奥地の人工林は管理がままならぬ事態へと陥っています。私たちは人工林に隣接する天然林から広葉樹の侵入を誘導し、放棄された奥地の人工林を効率よく天然林へと戻すことで、多面的機能が高く、「低コストで管理できる森づくり技術」の開発と普及を目指します。

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柚子の収穫今年もこの季節がやって参りました。平井中心部にある自販機のあたりは、柚子の香りで一杯です!今回も、毎度お馴染み種田山頭火の句から、柚子についての句をいくつかご紹介します。・柚子の香のほのぼの遠い山なみ・なんといふ空がなごやかな柚子の二つ三つこれは平井の様子を詠んだ句かな?と思うほど共感できる作品です。朝晩の冷え込みが厳しくなって、澄んだ空の下、少し鼻がツンとするような冷えた空気に、柚子の爽やかな香りが混じっている様子が脳裏に浮かびます。今年はお手伝いしつつ、写真を撮らせてもらう機会がありました。柚子の木は棘だらけで、手に刺さるわ、頭に刺さるわ、靴は貫通してくるわ、やっかいな木です。平井に来て1年目の際に、痛い思いをしたので、今年はヘルメットを被り二重に服を着て登山靴で挑みました。その結果、だいぶマシになりましたが、手を伸ばしたときに手首が露出して、その部分だけミミズ腫れになっていました。なんだか耳なし芳一みたいですね笑。収穫作業にはベテランの助っ人も欠かせません。高い位置の実は、枝付きのまま落とすので、後でヘタ取り作業が必要です。写真のお二人はとてつもない速さで、枝を落としていきます。収穫した柚子は軽トラに載せて、集落中心部にある加工場へ持ち込みます。この日は日曜にでしたが、多くの農家さんが持ち込んだ柚子であふれかえっていました。買い取られた柚子は、平井にある工場で加工されて、全国へ出荷されます。「古座川ゆず平井の里」で検索すると、オンラインでも購入することができるので、是非買ってみて下さい!ダイレクトマーケティングです笑。ちなみにオススメは「チューチュー柚香ちゃん」と「ゆずかりんとう」です。ゆずぽんやはちみつは言わずもがななので、それを購入したうえでこの二つを買うと良いでしょう!!平井の方々が喜びます!オオサンショウウオ先日、平井の川で地元小学校のオオサンショウウオ観察会が開かれました。未だに全体像を見たことが無いので、折角の機会ということで、一緒に見させていただくことにしました。撮影の許可も頂いたので、プライバシーに影響の出ない範囲で観察会の様子をご紹介いたします。まずは前日から仕掛けておいたワナを引き上げます。何度見ても、平井の川は本当に綺麗ですね。魚が泳いでいるのもはっきりと見えます。3カ所にしかけたワナで1匹かかっていました!比較的小型の個体だそうですが、子ども達も僕も大興奮です!捕獲されたオオサンショウウオは、身体計測を行います。測定項目は身長や体重の他にしっぽの高さなどがあります。先生の話によると、オオサンショウウオは、栄養をしっぽに蓄えるそうで、しっぽがパンパンに膨らんでいるほど、ご飯をたくさん食べている証拠なのだとか。今回の個体も、パンパンにしっぽが膨らんでいたので、食べ物には困っていない様子です。お腹はこんな感じ。とても可愛らしいですね。オオサンショウウオは、目が衰退していて、「何となく目の前で動いている奴がいたら食べておく」というスタンスとのこと。そのため、ぱっと見は可愛らしいですが、一度噛んだら死ぬまで離さないといわれるほどの力で噛んでくるそうです。僕の推しポイントは、このつぶらな手足ですね。子ども達も「赤ちゃんみたい」と絶賛していました。全体的にヌメヌメしていますが、手足の裏だけは滑りやすい川底をしっかりと歩けるように、ちょっとだけザラザラしています。観察が終わると、住処へ帰っていきます。川の中へ入ると、巧みに泳いであっという間に見えなくなってしまいました。大きい個体だと150㎝程度になることもあるそうなので、すくすく育って欲しいですね!真夜中の昆虫採集依頼でクスサンという蛾を採集しなければならず、真夜中にトラップをかけにいくというので付いて行ってみました。クスサンは「少年の日の思い出」でお馴染みの、クジャクヤママユの属するヤママユガ属の一種だそうです。写真は、クスサンでもクジャクヤママユでもありませんが、以前庁舎に止まっていたヤママユの仲間。昆虫とは思えないモフモフな背中と、綺麗な触角。透けている斑点など、非常に美しい虫です。当日19時過ぎからトラップを設置して待ちますが、3時間ほど待ってみても集まる気配がありません。どうやら、この日は気分じゃなかったようです。それにしても、この時間に研究林内にいるのは初めてです。やはり満点の星空が非常に綺麗でした。人工的な光が全く届かないので、星の光だけで手がほんのり認識できているのが分かりました。最近、集落の方の大正琴の演奏会を聞きに行った際に、曲の説明で「森閑」という単語があることを知りました。意味としては、ひっそりと静まり返っている様を指すそうですが、まさに深夜の森の中はその言葉がぴったりだと感じるひと時でした。毎木調査ついに終焉2020年から毎年2回行ってきた毎木調査も、10月最終週でついに終わりました。最後の1個体になったのは、葉の形が個人的に好きな種でもあるカクレミノ。人工林の林床で息をひそめて文字通り隠れていました。5嚴ポ10年後に彼らがどうなっているか、また来てみたいと思います。今後は、毎木調査で得られた生存率と成長量のデータをもとに、間伐の効果を評価していく予定です。11月末までには何らかの形で結果が示せると考えています。加えて、この後説明する菌根タイプ別の影響評価もしてみようと思うので、どうぞお楽しみに。リンボクこの半月の毎木調査でも、新たに入ってきた樹種がありました。それがリンボクです。バラ科サクラ属でサクラの仲間では珍しく常緑樹になっています。材は、弓や拍子木、薪炭材、薬の材料や染料などに使われていたそうです。リンボクはちょうど9~10月に花を咲かせます。白い穂状の花が目立っていますね。このくらいの大きさになると、実生のころの葉っぱに見られた鋸歯がなくなっています。材は作業場や資料室を漁ってみても見当たらなかったのですが、ネットの情報によると赤みがかっており、それが染料に利用されていたようです。サクラもかなり暖色の強い材なので、あんな感じなのでしょうか?菌根菌のタイプによるPSFの性質の違い前々回の活動報告で、アカガシとヤマザクラの植物-土壌フィードバックの方向性が異なる結果となったことをご紹介しました。今回は結果が異なった理由について、参考になりそうな論文を見つけたので、なるべく噛み砕いてご紹介していきます。なお、僕の不勉強で誤りがあるかもしれません。その際はご了承いただくと共にご連絡いただければ幸いです。ご紹介するのは次の論文です。オープンアクセスなので、皆さまもご覧いただけるかと思います。Kohmei Kadowaki, Satoshi Yamamoto, Hirotoshi Sato, Akifumi S. Tanabe, Amane Hidaka & Hirokazu Toju.  Mycorrhizal fungi mediate the direction and strength of plant–soil feedbacks differently between arbuscular mycorrhizal and ectomycorrhizal communities. Communications Biology 196 (2018) ă‚żă‚¤ăƒˆăƒŤă‚’ă™ă”ăç°Ąĺ˜ăŤă—ăŚă—ăžăˆă°ă€ă€ŒčŒć ščŒăŽă‚żă‚¤ăƒ—ăŒé•ăˆă°ć¤ç‰Š-土壌フィードバックの性質も異なってくるよ」みたいな感じです。では、菌根菌とは何か?というところから説明を始めていきます。菌根菌とは菌根菌とは、キノコとかカビなどと同じ生き物のグループで、その中でも特に植物の根と共生体(菌根)を作るものを指します。共生体の中では、菌根菌が林野水分を供給する代わりに、植物が光合成産物を供給しています。北半球の高等植物のうち7~8割は、この菌根菌と共生関係を築いています。ただ、関係性はかなりドライで、お互いに役に立たなくなれば契約解除されて、浸食されてしまうこともあるようです。この菌根菌ですが、共生体の形態でいくつかのグループに分けることが出来ます。その中でも、現在確認されているもののうちメジャーな2つのグループが、アーバスキュラー菌根菌と外生菌根菌です。アーバスキュラー菌根菌(AM)アーバスキュラー菌根菌は、最もメジャーな菌根菌であると考えられているグループです。根っこの中で樹枝状体と呼ばれる藪みたいな菌糸の塊を形成するのがアーバスキュラー菌根菌です。arbuscularという単語は、低木とか灌木らしいので、名前の通りの構造を作ると言えます。このアーバスキュラー菌根菌は陸上植物の80%と共生関係を築くことが出来ると言われています。古座川周辺の樹木だと、サクラ※やモミジ、ツバキ、クスノキ、サカキ、ヒサカキ、スギ、ヒノキなどがアーバスキュラー菌根菌と共生しています。※サクラは外生菌根菌にも感染するが、サクラと共生する外生菌根菌は寄生性を示して樹勢を弱める外生菌根菌(EM)対する外生菌根菌は、根っこの周りにまとわりつくように「ハルティヒネット」や「菌鞘」と呼ばれる構造を形成します。以前は外生菌根菌に対し、内生菌根菌が大きな分類としてありましたが、一括りにできないことが分かってきて、外生菌根菌だけが残り内生菌根菌は分裂したそうです。古座川周辺の樹木だと、アカマツ、コナラ、シイ、アカシデ、モミなどが外生菌根菌と共生しています。どれも群生することを頭の片隅に置いといてください。余談ですが、「ハルティヒネット」は森林科学科の授業で出てきた用語の中でも、トップクラスの語感の良い単語だと勝手に思っています。他には「Ecological legacies」とか、「Red Queen's Hypothesis」とかも格好良いですね。学部の頃の友達が作っていたバンドは「Dutch elm disease」という名前で、ニレ立ち枯れ病の英名でした。一度も演奏することなく、消えていきましたが良い思い出です。あとは、害虫であるカシノナガキクイムシの背中に空いている穴を指す「mycangia」も、個人的に耳から離れない単語です。植物土壌フィードバック次に、植物土壌フィードバックのおさらいです。植物が長年生育していると、その下にある土壌には、その植物と共生する菌類や特異的な病原菌が集まってきます。いわば、植物が土壌菌類を培養しているような状態です。その状態で、母樹の下に実生が生えてくると、実生は母樹によって形成された土壌の影響を受けます。この際に、母樹と同種の実生と別種の実生で、母樹の培養した土壌が異なる作用を受ける場合、植物-土壌フィードバックは森林動態に大きな影響を及ぼします。例えば、同種の方が強い負の影響を受けるとき、特定の種が優占する作用が抑制され、他種共存を促すことになります。一方で、同種が強い正の影響を受けるとき、特定の種が群生地を作る方向へと、群集構造が動いていくことになります。菌根菌のタイプがPSFに影響する?(Bunnett et al. 2017)この植物-土壌フィードバックは、これまで種レベルで議論されることがほとんどでした。つまり、ある一種の母樹について注視し、同種の実生と異種の実生が、どのような作用を受けるか。という点ばかりが注目されてきました。ところが、2017嚴きBunnettらが発表した論文によると、そうした一つ一つのフィードバックを多くの種で実験したところ、菌根菌のタイプによって方向性が決まっていることが明らかになりました(詳しくは当該論文のFig. 2 Plant-soil feedbacks for EM and AM species. をご覧ください)。これによると、EMではフィードバックが正の方向、つまり同種の生長を促進する方向。AMでは負の方向、つまり同種の生長を阻害する方向となっているようです。Bunnettら(2017)は、さらに次の3つの事実も明らかにします。①EM型樹木では菌根菌の感染率が高く、病原菌による病変が少ないこと。②AM型では菌根菌の感染率が低く、病原菌による病変が多いこと。③殺菌して菌根菌の感染を除去した状態で同種母樹の下に植えると実生のパフォーマンスが落ちること。以上3つの結果から、Bunnettら(2017)は、菌根菌と共生すると競合する種特異的な病原菌の感染を抑制されるので、種特異的な病原菌による同種阻害は常に生じており、菌根菌の感染率の違いがPSFの差として現れると結論付けました。PSFぎ2つの階層ここでPSFき2つの階層があることが分かります。一つは種特異的な病原菌が引き起こす従来研究が議論してきたPSF。もう一つは菌根菌が主導する菌根型で決定されうるPSFです。どちらも共に排他的ではありませんが、森林動態により強い影響を及ぼすのはどちらなのか、つまり森のルールでより根本的なのはどちらなのか、という疑問が生じてきます。Bunnettら(2017)のスタンスは、病原菌による同種阻害が元にあって、そのうえで正負を左右する要因として菌根菌がある、と言い換えることができます。Kadowaki et al. 2018の主張しかし、今回紹介するKadowakiら(2018)では、Bunnettら(2017)の研究が菌根菌の影響を正確に評価できていない可能性があると主張します。その理由の一つが、菌根型の組み合わせを全パターンで比較できていないことです。Bunnettら(2017)は、確かにPSFを菌根型で比較するという点と、異なる菌根型の母樹の下に実生を植えて実験を行ったという点で画期的でした。しかし、菌根型と種レベルのPSFの強さを比較するのでれば、同菌根型の異種という比較対象も設置しなければ、正確に評価できません。ということで、Kadowakiら(2018)では、すべての組み合わせで結果を求められるような実験デザインが組み立てられました。具体的には、EM型とAM型の母樹の下に、EM型とAM型の実生を植えます。それぞれの菌根型には、同種と異種が含まれる構造になっています。結果では結果です。本当は一つ一つのグラフを見ていきたいのですが、それをやると分からなくなるので、僕が勝手にまとめた樹状図を作りました(PSFの方向性のところは、相対的なプラスとマイナスです。0が付いているのは中立の場合もありうることを意味しています)。不正確な部分や誤りもあるかもしれませんが、ご了承下さい。Kadowaki et al. 2018 を元に作成分かりやすいAMについて注目してみて下さい。種が一致しない項目が2つ(同菌根型異種, 異菌根型異種)ありますが、同じ菌根型では中立~正のフィードバックを示すのに対し、異菌根型では中立~負の方向になっています。つまり、種の一致不一致よりも、菌根型の一致・不一致の方が説明として先にくると言えます。自分の研究への当てはめでは、Kadowakiら(2018)の結果に僕の研究を当てはめてみると、どうなるでしょうか?僕の研究では実生として、アカガシ(EM型)とヤマザクラ(AM型)を用いています。母樹は人工林はスギ・ヒノキなのでAM型。天然林はブナ科優占林なのでEM型。ヤマザクラはAM型となっています。以上の組み合わせを先の樹状図に当てはめると、次のようになります。アカガシの予想と実験結果上の図のように、Kadowakiら(2018)の結果から次のことが予想できます。①アカガシを天然林土壌で育てると中立~正のフィードバック②アカガシを人工林土壌で育てると中立~負のフィードバックでは、この予想を元に結果を見ていきましょう。なお、今回は簡単にするため食害のアリなしについては無視してください。 ç¸Śčť¸ăŻăƒ•ă‚Łăƒźăƒ‰ăƒăƒƒă‚ŻăŽć–šĺ‘性を示しがおり、0のラインより上ならば正のフィードバック。下ならば負のフィードバックとなります。箱ひげ図の下にアスタリスクがある場合は、統計的に有意な傾向と言えます。横軸は土壌のサンプリング場所で、人工林・天然林に加え、境界付近の土壌がセットされています。天然林について見てみると、中立的なフィードバックとなっています。一方人工林では負のフィードバックが観測されました。さらに、それらのフィードバックの方向性と強さに差があるか解析したところ、人工林では天然林よりも有意に負のフィードバックとなっており、中間地点ではちょうと人工林と天然林の中間的性質を示しました。つまり、Kadowakiら(2018)からできる予想と一致しました。ヤマザクラの予想と実験結果同じように以下の予想が可能です。①天然林土壌では中立~負のフィードバック②同種母樹の下では中立~負のフィードバック③人工林土壌では中立~正のフィードバックでは結果を見ていきましょう。天然林では負のフィードバック。母樹下でも負のフィードバック。人工林では中立的なフィードバックが観測されました。こちらも、それぞれのフィードバックの方向性と強さを比較すると、人工林は他の土壌よりも相対的に正の方向になっており、天然林と母樹下では相対的に負の方向となっていました。また、母樹下と天然林には有意差が見られませんでした。こちらも、Kadowakiら(2018)からできる予想と一致しました。 ăžă¨ă‚äťĽä¸ŠăŽă“ă¨ă‹ă‚‰ă€ĺƒ•ăŽç ”çŠśă§čŚ‹ă‚‰ă‚ŒăŸPSFの違いは菌根型のタイプの違いによって生じた可能性が大きいと考えられます。次回以降は、僕の研究が今回紹介したような先行研究に、新たにどんな知見を加えることが出来るか見ていきたいと思います。


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こんにちは。キンモクセイの香りに温もりを感じる季節になりましたね。研究林の玄関でも、ふと香りが漂ってきたので、芳源となる木を探してみたら、隣の廃校の片隅に植わっていました。オレンジ色の花は葉っぱの濃い緑と調和しつつ、一目でそれと分かる鮮やかさがありますね。キンモクセイは漢字も良く知られている通り「金木犀」と書きますが、「犀」という字は動物のサイを意味していて、樹皮がサイに似ていることが由来。ちなみに静岡県の県の木は、キンモクセイです。キンモクセイの軽い香りこのキンモクセイの香りが、人々に広く認識され季節を代表する香りに成り得たのは、偶然ではありません。その秘密は、香り成分にあります。キンモクセイの香り成分は、炭素が10個含まれるモノテルペン類から構成されています。このモノテルペン類は比較的軽い香り成分で、空中を飛ぶ蜂や蝶々などに、花の場所を知らせるのに適しています(ただし、キンモクセイの香り成分は昆虫の忌避成分が含まれており、何のために香りを出しているのか、はっきり分かっていません。もしかすると、媒介者を選抜するような香りになっているのでは?という可能性も考えられています)。一方、同じように香りの強い花としてランがありますね。ランの香りは、炭素が15個含まれるセスキテルペン類によって構成されています。キンモクセイの香りより炭素数が多く、比較的重い香り成分です。重いため、空気中を遠くまで漂うことはせず、地上を徘徊する蟻などの昆虫を引き寄せます。ランのように、重い香り成分によって花粉媒介者を引き寄せようとすると、どうしても狭い範囲で交配が生じてしまいます。近親交配が重なり、負の遺伝子が蓄積してしまえば、その個体群は絶滅の危機に陥る可能性があります。一方で、軽い香り成分によって遠くから花粉媒介者を引き寄せることができれば、香り成分は大量に必要になりますが、そうしたリスクは減らすことが可能です。したがって、花粉媒介のための香り誘導は、重い香りから軽い香りに進化したと考えられています。ただ、キンモクセイに関していえば、先ほど注釈で説明した通り、香りの意義が不明なうえ、日本では中国から雄株だけが伝来し、挿し木で増えたのでそこらじゅう雄株ばかりです。そのため、いくら香りを播いたとしても、人の鼻に消費されるだけ…。その背景を知ると、キンモクセイの香りが何とも物悲しい香りに思えてきました。元気を出して欲しいです。この点については、富山大学理学部のサイトに詳しく載っていたので、興味のある方はご覧ください。ヤマハギ続いてこちらは、ヤマハギです(たぶん)。ヤマハギは万葉集で最も多く読まれた植物だそうで、この列島に馴染み深い植物みたいですね。色々調べて、一番気に入った歌をご紹介したいと思います。秋風は 涼しくなりぬ 馬並めて いざ野に行かな 萩の花見に (詠み人知らず)少し寒い季節になってきた秋晴れの日に、ちょっと遠出して良い風景を見に行きたい。と思うのは、今も昔も変わらないようですね。詠み人知らずというのもまたそそります。昔の歌を読んでいると、いくら技術が進歩しても人が自然や人間関係に抱く感覚が、全く変わっていないことに驚かされます。「美」という感覚が、時代背景や文化によって刷り込まれたものである、という話はよく耳にしますが、対自然観というのはそうした相互作用を超越した、生物としての根源的なものなのかもしれないなぁと思いました。人の心理が生物学的適応によって進化してきたと仮定し研究を進める学問に、進化心理学なるものがあるそうで、もしかしたらそこにヒントがあるかもしれませんね。個人的には、メタバースのような新たな空間が生まれつつある現代において、新たな自然感覚が人間に生じたら面白いなぁと思ったり思わなかったり。毎木調査進捗この1か月はずっと間伐地の毎木調査を行っています。現時点で40プロット中20プロットほどが終了しました。今回で3年目になりますが、未だに新参者の種が入ってくるので驚きです。カラスザンショウやヤマザクラは、間伐後すぐに生えてきて、さすが先駆種だなぁと思わされましたが、中には今か今かとタイミングを伺って恐る恐る入ってくる種もあるようです。今日は、そんな新入り達をご紹介します。ウリハダカエデ大きなカエデみたいな葉っぱを付けるムクロジ科カエデ属の木です。西日本では、比較的標高の高いところで見られる種です。同じカエデ属の中でも非常に大きな葉っぱを付けていて、触るとごわごわと毛があるのが分かります。そしてウリハダカエデの特徴は何といっても樹皮ですね。漢字で「瓜膚楓」と書くように、緑色の瓜のような樹皮をしています。若い間は緑色の枝を出す種は見かけますが、大人になっても緑色の樹皮で貫き通す我の強さがいいですね!ウリハダカエデ成木の樹皮ベランダに生えていた瓜ところが、驚いたことに、花言葉は遠慮とか自制らしいです。成長も早く、周りを気にせずぐんぐん伸びる印象があるので、どこらへんが遠慮がちに見えたのか不思議です。調べてみると、どうやら花が目立たないことが由来だそうです。確かにカエデ属は紅葉に目が行きがちで、「花なんて咲いてたんだ」という感想を抱いてしまいます。ただ5月ぐらいにちょっとよく見てみると、小さい花が沢山ぶら下がっています。見つけようとしなければ気付けない美しさ、といったところですかね。※ハウチワカエデの花似たような話で、非常に小さな日本画があると聞いたことがあります。その絵は、鑑賞者が何が描いてあるのだろう?と気になって、壁に近づくことで、視界から外界を遮ります。外界からの遮断というのは、茶道において茶室に入る際に小さい入り口をくぐるようなもので、美的感覚のスイッチを入れるのに役立つそうです。普段とは異なるレンズで森を見ることで、新しい発見ができるかもしれませんね。ヤマグルマヤマグルマは去年の予備実験で使った種ですね。沢沿いの崖っぷちを好むような種なので、あまり尾根沿いには住んでいませんが、調査地周辺には数本自生しています。トリモチが採れる種としても利用されてきた歴史もあります。ヤマグルマの成木ヤマグルマという名前は、下から見上げたときに、葉っぱが輪っかのようについている様子が車輪に見えたことが由来だそうです。常緑樹ですが落葉前は葉っぱが紅葉するのも特徴です。常緑樹といえど、同じ葉っぱを一生使い続けるわけではありません。…が、中には使い続ける木もいます。それも長ければ2000年以上!!その名もウェルウィッチア、和名を”奇想天外”といいます。上の写真は、東京都調布市にある神代植物公園の乾燥地帯コーナーにあるウェルウィッチアです。ウェルウィッチアは、ナミブ砂漠の一部に生息しています。裸子植物なので分類上は樹木になります。二枚の葉っぱは、10m以上になることもあり、地面にベターっと這いつくばって2000年も生きます。格好良いですね!個性がぶっ飛んでいる木は大好きです。ちょっと調べていたら、ウェルウィッチアを種から育てている人のブログを発見しました。数千年に及ぶ個体の歴史の1ページ目かもしれません笑。さてさて、話をヤマグルマに戻します。ヤマグルマを語るうえで欠かせないのが、その独特な組織です。道管と仮道管ヤマグルマの特徴をご紹介するには、まず針葉樹と広葉樹の水の運び方の違いについて知る必要があります。この詳しい説明は、自分が樹木生理学の授業に興味が持てなかったこともあり、今まで避けていましたが、今回詳しい友人に指導を仰いで決着をつけることにしました!まず簡単に樹木の体がどのように形成されるのかご紹介します。樹木は、樹皮の少し内側にある形成層と呼ばれる部分で細胞分裂を繰り返しており、その内側には、過去に形成層が作った細胞が蓄積されていきます。蓄積されていく細胞は分裂できなくなると、支持機能や通水機能を担う木部細胞に分化していきます。この過程で細胞は死ぬので、木の大部分は死んだ細胞で構成されており、生きている細胞は全体の数%にすぎません。形成層は自身が蓄積した細胞たちによって外側へ押し出され、段々と木全体が肥大成長(水平方向の成長)していきます。この肥大成長が草本と木本を分ける基準です(竹は肥大成長しないが便宜的に木本に分類される)。針葉樹と広葉樹では、形成層で作り出された細胞が、通水機能や支持機能を持った木部細胞へと変化していく過程やその構造が異なります。針葉樹 仮道管まずは針葉樹です。針葉樹では形成層で作られた細胞の細胞壁の内側に、新たに二次的な細胞壁が形成されます。この二次壁にはリグニンと呼ばれる高分子の物質が含まれていて、植物の体を構成するセルロースやヘミセルロースどうしを繋ぐことで、強度を高めています。二次壁が形成されると、中にあった細胞が死んで、原形質が消え空洞になります。ただし、一部分だけ二次壁が形成されず、一次壁が弁のような役割を果たす部分があります。この構造を壁孔と呼び、空洞になった細胞間の連絡を可能にする構造となっています。この壁孔を持った空洞の構造物を仮道管と呼びます。仮道管が連なると、木の中に通り道が出来るのが想像できると思います。この通り道を使うことで根っこから吸い上げられ水が、上へ上へと昇っていくことが可能になるのです。この仮道管は、針葉樹に見られる通水機能と支持機能を持った構造です。針葉樹 板目面 千原鴻志氏提供ここで学部時代の友人である千原君に送ってもらった本物の画像を見てみましょう(上の写真)。まずは板目面(丸太を中心を通らない部分で割ったときの断面)からです。縦に長い部屋がいくつもあるのが分かります。これが仮道管です。ちなみに中央付近にある小さな部屋のあつまりは、放射組織といって水平方向の構造をしています。役割については、まだ分かっていない部分も多いそうなのですが、木化に必要な物質の輸送や、水の通り道に空気が入ってしまったときに泡を取り除く役割があることなどが分かってきているそうです。針葉樹 柾目面 千原鴻志氏提供 çśšă„ăŚćŸžç›Žé˘ďźˆä¸¸ĺ¤Şă‚’çœŸă‚“ä¸­ă§ĺ‰˛ăŁăŸă¨ăăŽć–­é˘ďź‰ です。板目面のときと同じように、仮道管が見えます。また、よく見てみると壁孔が縦に並んで口を開けているのが分かります。ここを通って水がとなりの細胞へと運ばれていきます。針葉樹 木口面 千原鴻志氏提供  最後に木口面です。小さい部屋が無数に見えますね。この部屋一つ一つが仮道管になります。よく見ると、部屋の大きさが異なる部分があるのが分かると思います。比較的大きい部屋があるあたりは、生長スピードが速い春から夏にかけて生長した部分で、早材と呼ばれます。一方、小さく密度が高くなっている部分は、夏の終わりから秋にかけて成長した部分で、晩材と呼ばれます。春先に比べ生長が遅くなっているので、部屋も小さめになっています。針葉樹 木口面 千原鴻志氏提供  この早材と晩材の繰り返しによって、丸太断面に見られる年輪が出来ます。そのため、晩材から次の晩材までが、1年間で生長した範囲と言えます。針葉樹 木口面 千原鴻志氏提供 ă“ă“ă§ĺ…ˆăťăŠăŽă“ăŽç”ťĺƒăŤćˆťă‚Šăžă™ă€‚ă‚ˆăčŚ‹ă‚‹ă¨ă€ĺˇŚăŽć–šăŒć—Šćă¨ć™ŠćăŽé•ă„ăŒăŻăŁăă‚Šă—ăŚă„ăžă™ă­ă€‚č˝č‘‰é‡č‘‰ć¨šă§ă‚ă‚‹ă‚ŤăƒŠăƒžăƒ„ăŻă€č‘‰ăŁăąă‚’č˝ă¨ă™ă¨ä¸€ć°—ăŤç”Ÿé•ˇăŒé…ăăŞă‚‹ăŽă§ă€ă“ăŽă‚ˆă†ăŤăŻăŁăă‚Šă¨ă—ăŸé•ă„ăŒçžă‚Œă‚„ă™ă„ă§ă™ă€‚ć—ĽćœŹăŤč‡Şç”Ÿă™ă‚‹č˝č‘‰é‡č‘‰ć¨šăŻă‚ŤăƒŠăƒžăƒ„ă ă‘ăŞăŽă§ă€ĺˇŚĺ´ăŽćăŻă‚ŤăƒŠăƒžăƒ„ăŽĺŻčƒ˝ć€§ăŒéŤ˜ă„ă¨č€ƒăˆă‚‰ă‚Œăžă™ă€‚ă“ăŽă‚ˆă†ăŤçľ„çš”ăŽăĄă‚‡ăŁă¨ă—ăŸé•ă„ă‹ă‚‰ćœ¨ćăŽć¨šç¨ŽĺŒĺŽšăŒĺŻčƒ˝ăŤăŞă‚Šăžă™ă€‚ĺşƒč‘‰ć¨šă€€é“çŽĄçśšă„ăŚă€ĺşƒč‘‰ć¨šă§ă™ă€‚ĺşƒč‘‰ć¨šă‚‚ĺ˝˘ćˆĺą¤ă§ä˝œă‚‰ă‚ŒăŸç´°čƒžă‹ă‚‰ĺ§‹ăžă‚‹ă¨ă“ă‚ăŻä¸€çˇ’ă§ă™ă€‚ă—ă‹ă—ă€äşŒćŹĄĺŁăŒĺ˝˘ćˆă•ă‚Œă‚‹ćŽľéšŽă§ă€ä¸€ă¤ä¸€ă¤ăŽç´°čƒžă§ăŻăŞăă€č¤‡ć•°ăŽç´°čƒžă‚’ă˛ă¨ăžă¨ăžă‚Šă¨ă—ăŚă€äşŒćŹĄĺŁăŒĺ˝˘ćˆă•ă‚Œăžă™ă€‚çśšă„ăŚä¸­ăŽç´°čƒžăŒć­ťăŹă¨ă€ä¸€ćœŹăŽé•ˇă„ă‚šăƒˆăƒ­ăƒźăŽă‚ˆă†ăŞć§‹é€ ăŤăŞă‚Šăžă™ă€‚ă“ăŽć§‹é€ ă‚’é“çŽĄă¨ĺ‘źăłăžă™ă€‚é“çŽĄăŤăŻă€ă‚‚ă¨ă‚‚ă¨ă‚ăŁăŸç´°čƒžĺŒĺŁŤăŽćŽĽĺˆéƒ¨ăŤçŠżĺ­”ă¨ĺ‘źă°ă‚Œă‚‹äşŒćŹĄĺŁă‚‚ä¸€ćŹĄĺŁă‚‚ăŞă„çŠ´ăŒé–‹ă„ăŚă„ă‚‹ăŽăŒç‰šĺž´ă§ă€ć°´ăŻăƒŽăƒłă‚šăƒˆăƒŹă‚šă§ă‚šăƒ ăƒźă‚şăŤç§ťĺ‹•ă§ăăžă™ă€‚é•ˇă„ă‚šăƒˆăƒ­ăƒźăŠă†ă—ăŻă€äťŽé“çŽĄă¨ĺŒă˜ă‚ˆă†ăŤĺŁĺ­”ă§ă¤ăŞăŒăŁăŚă„ăžă™ă€‚ă¤ăžă‚Šă€é“çŽĄăŽç‰šĺž´ăŻă€ć°´ăŒă‚šăƒ ăƒźă‚şăŤé€šă‚Œă‚‹çŠżĺ­”ăŤă‚ˆăŁăŚă€é•ˇă„ç­’çŠśăŽć§‹é€ ăŒĺ‡şćĽăŚă„ă‚‹ç‚šă§ă™ă€‚ă“ă‚ŒăŒă€ĺşƒč‘‰ć¨šăŤĺşƒăăżă‚‰ă‚Œă‚‹ć§‹é€ ăŤăŞă‚Šăžă™ă€‚ă§ăŻă“ăĄă‚‰ă‚‚ĺŽŸéš›ăŽĺ†™çœŸă‚’čŚ‹ăŚă„ăăžă—ă‚‡ă†ă€‚ĺşƒč‘‰ć¨š 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したがって、大量に水を輸送することができれば、今まで以上に光合成ができるかもしれません。しかし、季節が変わり寒くなってくると、道管内の水分が凍結することがあります。凍結した氷には微量の空気が含まれます。春先になってこの氷が解けると、道管は一本の管が長いため、細かな空気が集まって大きな気泡になってしまうことがあります。そうすると、水の通り道がそこで遮断され、水が運べずに枯れてしまいます。一方、仮道管は春先に微量な空気が出てきても、一個一個の細胞が小さく区切られているので、大きな空気の塊になることがありません。そのため、空気の遮断による枯れに強いと考えられます。ヤマグルマは樹木界のペンギンさて、壮大な回り道をしてしまいましたが、ヤマグルマに戻りましょう。ヤマグルマがなぜ変わっているかというと、彼は広葉樹であるにも関わらず道管を持っていない種だからです。ヤマグルマ 木口面 井口撮影顕微鏡をのぞいてみても、道管らしい穴は見当たりません。なぜ、ヤマグルマは広葉樹なのに道管を持っていないのでしょうか?広葉樹が針葉樹から進化したことを考えると、ヤマグルマが進化の途中の種なのでは?という仮説が一つ浮かびますね。しかしこの案は、系統樹を見ると否定される可能性が高いそうです(このあたりのことは、木質の形成 珏2版]: バイオマス科学への招待 福島ほか 24pに詳細が書かれています)。簡単に言えば、進化過程というより、もっと進化している種であることが、否定の理由のようです。そのため、ヤマグルマは一度は獲得した道管を、どこかのタイミングで失ったと考えられています。まるで、一度飛ぶことを覚えたのに、やっぱり辞めて水中を泳ぐことにしたペンギンのようですね。ヤマグルマの話しで盛り上がりすぎてしまったので、今回はこの辺にしようと思います。研究紹介の続きは、10月後半で致します。どうぞお楽しみに。


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こんにちは。台風が通過してから一気に秋が深まった感じがしますね。冬になったら札幌へ戻って修論の執筆に専念し始めるので、和歌山にいるのもあとちょっとになりました。ようやく地域のことが分かってきたばかりなので、名残惜しいことこの上ありません。なお、活動報告については12月末まで月2回更新致します。その後は、論文完成後に最後の投稿をしたいと考えています。引き続きよろしくお願い致します。さてさて、台風14号が近づいてきた際には、平井も強い風が吹いていました。その影響で、研究林まで続く道にも倒木が。台風明けは、道路に倒れてきた木を切り刻んでどかす作業から始まります。都市部とは比べ物にならないくらい、沢山の枝葉も落ちてくるので、アスファルトが見えないくらいのところもちらほら。林内では結構大きな木も倒れていました。こちらは、80年ぐらい前まで苗畑だった場所。その後遷移が進み、今ではアカマツが成長して巨木になっています。しかし、今回の台風でそのアカマツのうち、幹が腐朽していたものが倒れたようです。遷移初期種の最期といったところでしょうか。遷移が進んでいることを実感できる光景は、そう多くはないのでちょっと感動しました。僕の調査プロット内でも、3m級のユズリハが一本折れていました。調査を開始した2019年以来、間伐作業の他でこの大きさの木が倒れたのは初めてです。3年も調査を続けていると、森が少しずつ、しかし着実に変化していることを実感しますね。雨も物凄い音を立てながら降っていたので、川の水量もいつもの倍以上ありました。調査をしている尾根まで、ゴーっという音が響いてきます。山の毎木調査そんな台風の合間をぬって、いよいよ最後の毎木調査が始まりました。もう日が落ちるのが早くなってきたので、朝一で山に登って調査を進めています。こんな急斜面で約1万個体の毎木調査をやるのも人生で最後でしょう(最後であって欲しい)。はじめは、この斜面をスイスイ降りていく職員さんを、同じ人間とは思えなかった私ですが、今ではどんな斜面も登り降りできる気がします!!土壌操作実験 結果土壌操作実験の結果が一部整ってきたので、速報としてご紹介したいと思います。なお、今回の結果は暫定的なもので、今後の解析方法の変更や修正によって大きく変わる可能性があります。また、他者の目を通っていない状況ですので、誤りを含む可能性もあります。ご了承ください。実験の概要についてちょっと長めに説明しますので、結果をご覧になりたい方はスクロールしてください!行っていたのは、「樹木の多様性がどのように維持されているか?」という問いに関する実験です。この問いに関する大きな仮説であるJanzen-Connnell仮説を軸として、研究を展開します。何度も同じ図を用いてしまって申し訳ないですが、J-C仮説は上の図のように、ある母樹と、その周囲に分布する実生を想定します。実生の密度が高い母樹付近は、その種が大好きな天敵が集まってくるので、同種が育ちにくい環境になります(黒丸)。そこへ他種が入ることで、全体の多様性が維持されていると考えられます。今回私は、ここでいう「天敵」が土壌菌類であると考えました。国内で行われた実生の枯死因を調査した研究(Seiwa et al. 2008)で、土壌菌類に由来する枯死率が高かったことや、実際に土壌菌類が実生の生存率に及ぼす影響を調べた研究(Packer & Clay 2000, Augspurger & Kelly 1984)で、効果が確かめられていることが根拠です。この土壌菌類が媒介する母樹と実生の関係性は、植物-土壌フィードバック(PSF)と呼ばれています。このPSFのコンテキストの中で、そのスケールを広げてみようとしたのが、今回僕が行った研究です。これまでのPSFは、ある一つの種の母樹とその実生に注目されていました。しかし、L.Maronら( 2013)によると、母樹がいない場合でも、ジェネラリストによってPSFがマイナスに働く可能性が示唆されています。L.Maronらの研究は、大陸間における外来種の原生地と移入先でのPSFを見比べたものです。僕は、この原生地と移入地の関係性を、広葉樹にとっての天然林、人工林へ平行移動して考えてみました。広葉樹にとって母樹が集まる天然林は、原生地のようなもの。種子が散布されて広がった先の人工林は、移入地のようなものです。ここでL. Maronらの指摘するようなジェネラリストによる効果があれば、種レベルでのPSFとは別に、林相スケールでのPSFがあることを指摘できると考えられます。実験方法実験方法も簡単におさらいします。下の図のように、天然林、人工林、その境にある孤立したサクラ母樹の3カ所で、土壌を採取します。これらの3種類の土壌の各半分を電子レンジでチンして殺菌します。ここまでで6種類の処理ができましたね。次に、これらの土壌にヤマザクラとアカガシの実生を植えていきます。なお、アカガシの役割は、ヤマザクラで示された応答が、種特異的な物なのか広葉樹に広く言えるものなのかを見ることです。植え終わったら、さらに6種類の処理の半分で、葉っぱに穴を開けていきます。この処理には二つ役割があります。一つは土壌菌類が実生の分布に及ぼす相対的な影響力を見ること。もう一つは、昆虫の食害によるPSFの変化を見ることです。一つ目の理由について詳しく説明します。実生の分布を規定する要因は、今回注目している土壌菌類の影響のほかにも、沢山考えられます。例えば、鹿の食害や土壌栄養分、日照条件や斜面方位、標高などです。その中でも、密度依存性が高く土壌菌類と同じようにJ-C仮説の天敵の候補となっているのが、昆虫です。この昆虫の食害と土壌菌類、どちらの方が影響力が大きいのか調べることが、1つ目の理由です。二つ目の理由は、地上部の食害が地下部の植物と土壌菌類の関係に影響を及ぼすことがあるためです。Heinezeら(2000)によると、食害があるときと無いときで、異なるPSFの方向性を示す植物種があることが指摘されています。このような事象があった際に観察できるようにしておくため、食害を模した穴を葉っぱにあけました。以上のような処理を終え、温室で10週間栽培しました。そして9月上旬に、それらの収穫をし、成長量を測定しました。その解析と結果が今回になります。成長量とフィードバックの計算方法成長量(G)=実験後の計測値/実験前の計測値フィードバック(FB)=ln(未殺菌土壌でのG/殺菌土壌でのG)※ランダムに並べた実生を処理ごとに背の順(実験前計測値)で番号(1~20)をつけ、同じ番号の実生をペアとして1つぎFB値を算出した。それを20ペアで行い、各処理20個ずつのFBデータセットを算出した。FBの方向(正負)については、殺菌済土壌と未殺菌土壌における成長量の差を、実験開始前の樹高をランダム要因として分散分析を行った。成長量には現時点で葉面積と樹高を用いている。今後、バイオマスを入れる予定。この計算によって、土壌菌類の効果が樹木にとって正の効果(成長や生存を促進する)を示す場合、つまり未殺菌土壌の方が成長量が殺菌土壌より大きい場合、フィードバックは正の値を示すことになります。一方、土壌菌類の効果が負の場合、すなわち未殺菌土壌の成長量が、殺菌土壌より小さい場合、logの( )内が1より小さくなるので、マイナスの値をとることになります。なお、この算出方法はHeinze et al. 2000を参考にしています。※葉面積については、ヤマザクラ・アカガシを各100枚ずつ用いて、葉っぱの軸の長さと葉面積の関係式を求め、その式を用いて算出した値を解析に利用している。葉面積はImageJを用いて求めた。模擬食害の部分は穴が埋まっているものとして面積を算出した。予想ここで僕の仮説、つまり種よりも広い林相スケールのJ-C効果がない場合と、ある場合で、どのような結果になるか予想を立てておきます(簡単にするため食害はいったん無視します)。まず、林相スケールのJ-C効果が無い場合は、母樹から離れるにしたがって、どの方向にも等しく効果が波及するはずです。そのため、①母樹で最もPSFが負の方向へ強く働き、②人工林と天然林では母樹付近よりも負の効果が緩和され、かつ同程度の効果が生じていると考えられます。それを示したのが、下の図の左側のグラフです。一方で、林相スケールのJ-C効果がある場合、人工林と天然林の間にもフィードバックの強さに差が生じることが予想されます。ヤマザクラやアカガシは天然林を母集団とする種なので、僕の仮説が正しければ、天然林は人工林よりもフィードバックが負の方向に働いていることが予想されます。従来の研究で天然林内でも母樹の負の効果が確認できているため、母樹と林相の効果の強さは、 母樹の方が強いと予想できます。そのため、林相スケールのJ-C効果がある場合は、母樹付近で最もフィードバックが負に働き、続いて天然林、さらに人工林と言う順で、負の効果が緩和されると予想できます。それが、右のグラフです。ここから結果!予想を立てたところで、いよいよ結果です。まずヤマザクラの葉面積で成長量を求めたときの結果です。縦軸が葉面積の成長量で求めた、植物土壌フィードバック(FB)の数値です。その場所の土壌菌類が、実生の成長を助けているのであれば、0より上に、成長を阻害しているならば0より下に、箱ひげ図がくるようになっています。林相スケールのJ-C効果については、支持するような結果となりました。それは、母樹から等しい距離だけ離れているのにも拘らず、人工林側の方が負の効果が抑制されていることから分かります。次に、模擬食害の効果ですが、今回の実験では食害の有無により変化は見られませんでした。つまり、地上部のストレスは地下部における土壌菌類と植物との影響に、それほど大きな影響を与えていないことを示唆しています。また、地上部の食害よりも、土壌菌類の効果の方が強いことも示唆しています。また、興味深いのは、母樹の効果と天然林の効果が同程度であることです。従来の研究では、天然林でも母樹から離れるほど、負の効果が抑制されることが示されていました。しかし、今回の結果からは、ヤマザクラの母樹の効果が見受けられません。解釈に困るところではありますが、もしかすると、地域によっては母樹よりも林相の効果が強い場所があるのではないかと、今は考えています。続いて、樹高を使って求めたFB値を、縦軸にとった場合の結果です。多くの結果は、葉面積を縦軸にした場合と同じ結果となりました。続いて、アカガシです。まずは葉っぱの面積を用いた場合の結果です。なお、ここで示されている「母樹下」はヤマザクラの母樹下のことで、人工林と天然林の境界を指しています。ヤマザクラで生じた結果が、アカガシでも観察できれば、ヤマザクラ以外の広葉樹も天然林の負の影響を受けている可能性を指摘できます。しかし、アカガシでは人工林・母樹下・天然林のフィードバックの強さの間に、有意差は見られませんでした。それどころか、FBの方向性が有意か否か見てみると、人工林や境界では有意に負の効果が生じているのに対し、天然林では土壌菌類の効果が中立的になっていました。さらに、樹高を元に算出した成長量を用いると、今度は明らかにヤマザクラと真逆の応答を示していることが分かりました。つまり、人工林の土壌菌類の方が、天然林の土壌菌類よりも、実生の成長に対して負の影響を及ぼしていることが読み取れます。次回へのまとめヤマザクラの結果から、林相スケールで植物-土壌フィードバックが生じていることは示唆されました。しかし、アカガシの結果を踏まえると、その効果は植物種によって異なる可能性があります。この違いがなぜ生じたのか、次回考察していきたいと思います。-----------------------------------------------森林経営管理制度の速報さてさて、間伐実験の方にも関係がある森林経営管理制度の取組状況 令和3年度速報が、林野庁から出たので見てみたいと思います。個人的に気になるのは、①所有者への意向調査のうち、どれくらいの人が委託を望んでいるのか、という点と、②所有者不明の森林の取り扱い事例。です。この2点について注目してみていくことにしましょう。①山林所有者への意向調査令和元年度に制度が始まって以降、所有者への意向調査が済んだのは、面積ベースで5割とのことです。もっと時間がかかるのかなぁと思っていたので、意外に進んでいて驚きました。回答のうち、市町村への委託を望むとする回答は、面積ベースで4割ほどとのことです。逆に所有者自らが管理を希望する、と回答したのは3割ほどとなっていました(残りの3割はその他)。個人的には、市町村への委託を希望する人がもっと多いものかと思っていました。というのも、山村を歩く中で出会う山林所有者は、口をそろえて「お荷物状態だ」と仰るのを聞いていたからです。結局のところ、データを取っていたわけではないので、しっかりと所有者の意向を確認すれば、このような結果になるのかもしれません。もしくは、早い段階で回答するような山林所有者は、森林に対する意識が高かったり、大面積を所有していたりする人が多く、その結果、所有者自らが管理を希望する、と回答した割合が多いのかもしれません。その場合は、残り半分の意向調査で、市町村への委託を希望する割合が高くなることも考えられます。ちなみに、市町村へ管理を委託された森林のうち、林業経営に適さない森林の一部で、広葉樹を誘導した混交林化が計画されています。②所有者不明森林への対応所有権の保護が厳しい日本において、所有者不明の土地といえども、行政が手を出すことは難しい状況が続いていました。森林経営管理制度では、そのような森林に対し、所有者の探索や公告などの一定の手続きを経れば、市町村に経営管理権を設定できる特例措置が認められています。速報によりますと、特例措置の前段階である、所有者の探索に乗り出したのが50市町村。特例措置を実行したのが、鳥取県若桜町の1つのみだそうです。まだ、制度が始まって3年しかたっておらす、手続きの時間を考えると早いのか遅いのか判断しかねますが、1つでも特例措置の実行例があると、後が続きやすいかもしれませんね。鳥取県若桜町の事例は、山地災害リスクの高い場所だったようで、行政も速やかな対応を目指したのかもしれません。森林環境譲与税の未消化お次は、森林環境譲与税についてです。ご存知の通り、パリ協定の温室効果ガス削減目標達成、災害防止や森林の多面的機能のための森林整備に必要な地方財源の確保を目的として創設された税です。確保された財源は、森林面積と人口を考慮して全自治体に配分されることになっています。この配分について、問題視する記事が新聞に載っていました。森林財源を持て余す都市部 国が一律基準で配分、全額未消化も 脱炭素へ有効活用課題 日本経済新聞9月6日配分を計算する際、人口が配分比率の30%を占めており、金額を大きく左右する形になっています。そのため、整備費を必要としているような地方の自治体に十分にお金が回らない一方で、都市部の自治体では未消化で貯金されているケースがあるそうです。例えば、東京都の檜原村は人工林が村の面積の5割を占めていますが、2021年度の譲与税は2541万円でした。一方で人工林の無い23区の平均は3444万円でバランスがよくありません。林野庁と総務省が2021ĺš´22月にまとめた調査結果では、2019~2020年度に自治体に配分された500億円のうち、54%が未執行のまま積み立てられたとされています。当初の予定では、都市部でも木製品の需要喚起などへの利用が見込まれていましたが、上手く使われていないようです。そんななか、有効に利用しようとする動きもあります。千葉県浦安市では、2021嚴庌き1361万円の譲与税がありました。しかし、市内に整備の必要な森林はありません。そのため、森林整備を必要とする山武市の整備費を500万円肩代わりすることにしました。カーボンオフセットなどにも活用する予定だそうです。2024年からは、東日本大震災の復興に充てている財源を付け替え、住民税に上乗せされる1000円分が、森林環境税となります。国民が直接負担する形になるため、これまで以上に利用先を見極めていく必要があると記事は指摘します。人口要因を5%まで落とした方が妥当だとする意見もある一方で、都市部の住民の理解を得るためには、人口比を下げすぎないことも重要です。脱炭素という大きな目的のために有効な財源の配分が求められています。個人的には、現状のままの配分方法で良いように思います。都市部が持てあますのは環境に関する知識がある人材の不足が原因であり、人材さえ揃えれば、むしろ同じ金額で2回分の森林・木材産業貢献が可能になると考えます。どういうことかというと、まず、都市部の市町村にお金が回り、それが環境教育や木材利用促進という形で使われると、そのお金は地方へ動きます。地方へ行ったお金は、地方の木材関連産業の収入を増やし、森林整備費も増えることが期待できます。それだけではなく、環境教育での訪問や木材調達における定期的な関係性が出来れば、森林環境税以外の部分でお金が回り始める可能性もあります。最初から地方ばかりに財源を配分していると、このような関係性は希薄になるかもしれません。お金だけでなく、人も都市部に集中する社会においては、人の動きも考慮したお金の使い方が望ましいと僕は思いました。是非、皆さまの意見もお聞かせ下さい!それではまた次回、お会いしましょう!


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こんばんは。この前、田植えの報告を書いたと思ったら、もう収穫の時期ですね。稲が植わっている間は、まだ夏だと言い張ることができますが、はぜ掛けが始まってしまったら、否応なしに秋を受け入れるしかありません。そんなわけで、今回は稲刈の様子からご紹介したいと思います。夏の間日差しを浴びて青々と茂っていた稲は…この季節になると、乾燥して小金色になります。こんな風に色が変わったら、台風の間を見計らって稲刈をします。この日は、秋になったとはいえ、まだまだ日差しが強く照り付け、なかなかの暑さでした。まずは、機械を入れられない隅っこの方を、鎌を使って刈っていきます。平井の田圃は平野部のように四角く整備されていない棚田なので、畦が綺麗な曲線を描いています。棚田は一枚あたりの面積が難しく、機械を導入しても効率が悪かったり、そもそも機械を入れられないような場所もあったりと、維持が難しいと聞きます。それでも平井の中心部の棚田は、まだまだ現役で使われていて生活感が感じられる風景です。写真に写っている方は、この前のポツンと一軒家で紹介されていたおばあちゃんです。この日も、朝から駆け付け凄い勢いで稲を刈っていきます。このおばあちゃんは背丈が稲とほぼ一緒なので、田んぼの反対側から見ると、ほとんど姿が見えません。ちょこっと白い帽子の先端が見えるぐらいです。それにも関わらず、休憩もせず誰よりも元気に作業をこなしていきます。ちなみに、この日は僕も少しだけお手伝いさせてもらったのですが、日差しが強くて直ぐにバテてしまいました。自分でやってみると、ばあさんの体力がいかに並はずれているか思い知らされました。とても、90歳の一歩手前とは思えません。手で刈り取った稲は、去年の藁を使って束ねていきます(機械の場合は糸で自動的に括られるようです。便利ですねぇ)。こちらの方も、80を越えてなお現役です。一枚の田んぼが刈り終わってきたら、「なる」と呼ばれる稲を干すための棒を組み立てていきます。「なる」は呼び方に地域差があって、「長木」「はさ」「はぜ」「稲木」「稲杭」などなど様々です。皆様の地域では何と呼びますか?なるを組み立てたら、束ねた稲を架けていきます。ここで、別の田んぼを干し終わったご近所さんが、助っ人に来てくれました。果てしなく感じた作業も、10人も集まればあっという間に進んでいきます。稲で覆われていた田んぼが刈り取られると、隠れていた生き物が一斉に出てきます。バッタやカメムシが慌てて逃げ場を探しているようです。そうして出てきた虫を捕まえようと、トンボも集まっていきました。飛んでいるトンボにピントを合わせるのは至難の業なので、逆光で撮って光らせてみました。休憩している方々の頭上にある白い点々が、全部トンボです。昆虫界の食物連鎖でトップに君臨するトンボは、虫たちに取って脅威の天敵です。最近では、その関係性を使って、オニヤンマのストラップを身に付けることで、アブ避けにする人も多いそうです。実際かなりの効果があるらしいので試してみたいなあと思っています。毎晩合唱していたカエルたちの子どもも旅立っていきます。また来年、戻ってくると良いですね。結局、この日は大勢の助っ人が加わったこともあり、日没前に全ての田んぼを干し終えることが出来ました。あとは数日間干しっぱなしにします。水浴びが大好きな近所のワンちゃんも、秋の風を心地よさそうに受けています。毛色が稲の色と馴染んでますね~今年は、稲の乾燥状態が良かったらしく、干し終えた2-3日後にはもう回収作業に入っていました。来週は台風も近づいているそうなので、ちょうど良いタイミングでした。収穫された稲。一連の作業を見ていると、米の味を噛みしめながら食べたい衝動にかられます。”収穫”という一番楽しい部分しかお手伝いしていませんが、また来年も手伝いに来たいです。ククサ作りさて話題は変わって、ククサ作りについてです。ククサとはスカンジナビア半島の北部やロシアの一部地域に住むサーミ人の伝統的な木製マグカップのことを指します。サーミ人はトナカイの遊牧で有名な少数民族です(※ただし、実際にトナカイ遊牧を行うサーミ人はごく一部の山岳サーミと呼ばれる人々で、大多数は異なる生活様式をしていた。トナカイ遊牧を行うことが、異民族の特徴とされ課税された時代もあり、他民族からの押し付け的な意味合いが含まれることもあった)。彼らが樺の節瘤(ふしこぶ)の材を使って作っていたのがククサです。瘤とは、木にできる腫瘍のようなものです。時々森を歩いていると、木に大きなコブが出来ているのを見ることがあると思いますが、あれです。形成される理由は、害虫や落雷などの外的要因から、病気や遺伝的なものなど内的要因まで色々です。瘤材は、面白い杢(模様)が出るので、日本でも好んで用いられることがあります。そのククサを研究林でも作ってみようということになりました。というのも、クラウドファンディングのツアーで行っている木工体験の一環で、このククサが選ばれたためです。ただ、樺の瘤材など、欲しい時にタイミングよく簡単に手に入るものではないので、今回はスギとイヌザクラを用いて千井さんが試作してくれました。イヌザクラはサクラと名乗っているものの、葉っぱも樹皮も花の付き方も全然ソメイヨシノやヤマザクラと似ていません。東京農工大の紹介によると、花は試験管を洗うたわしのような感じらしいです。スギは針葉樹なので加工しやすいそうですが、広葉樹のイヌザクラは堅く、コップの穴を掘るのにかなり手こずったそうです。研究林にはコップのための機械など無いので、ドリルで何カ所か穴を開けたら、ひたすら鑿で整形していきます。最終的には、上の写真のようにめちゃくちゃ綺麗な形に仕上げてくれました。きっと、持ち手の曲線は人間工学の膨大な研究に基づき、複雑な計算によって導き出された最適な設計になっているに違いありません。まあ冗談ですが、それぐらい綺麗な仕上がりでした。形が出来たらひたすら煮込んでいきます。実は、この試作品は第2群で、初めて作ったスギのマグカップは乾燥中にヒビが入ってしまい、底から飲み物が漏れてしまいました。千井さんの調べによると、煮詰めることでヒビ割れ防止の効果があるようで、1日中ぐつぐつ煮込んでいきます。透明だった水は、夕方ごろには真っ黒に変わっていました。たったコップ1個分で、この黒さ。一体何が滲出しているのでしょうか。化学分野が苦手すぎて何にも分かりません。香りは、木の風呂に入った残り湯みたいな何とも言えない感じでした。茹で上がったものがこちら(手前)です。元の状態(奥)と比べると、全然色が違いますね。なんでこんな色になるのか、ご存知の方がいたらご教示くださると幸いです。茹で上がったものを、タオルで包んでゆっくり乾燥させたのち、来林した支援者の方に最後の研磨作業を行ってもらいました。「工作に集中すると時間が経つのを忘れて打ち込んでしまう」という支援者の方。本当に黙々と磨いておられました笑。少し削ると元の白い材が出てきたのも面白いポイントです。今回は時間がなく、途中で終わってしまいましたが、スギの方のマグカップを僕が研磨中なので完成したらまた報告に載せたいと思います。土壌操作実験さて、10週間の生育期間が終わり、温室のヤマザクラとアカガシも収穫の時期がやって参りました。あんなに小さかった子たちも、寒冷紗越しに夏の日差しを浴びてすくすく育ってくれました。特にサクラの成長は著しく、流石先駆種だなぁと思わされました。まずは彼らの身体測定です。樹高と基部直径を図っていきます。身体測定が終わった実生は、バイオマス(質量)を量るために土を落としていきます。また、地上部と地下部で応答が異なる場合があるので、分離して保管します。これを480個体に行います。終わったものがこちらです。ここから、葉面積を出すために、一枚一枚の葉の長さを計測していきます。ヤマザクラの封筒は桜餅の匂いがして、食欲をそそります。こんな感じで一枚一枚、計5000枚程度を測っていきます。座りっぱなしで腰が痛くなりました。気になる結果は…、まだ解析し終わっていないので、次回以降にご紹介したいと思います!お楽しみに。


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今晩は。8月も終わり、いよいよ秋になりますね。withコロナの雰囲気もだいぶ浸透して、久しぶりの旅行にでかけた方も多いのではないでしょうか。古座川の川沿いも、沢山のテントが張られて賑やかな声が聞こえていました。いつも、いいなぁと思いながら買い物に行っています。送り盆8月後半、平井は送り盆から始まります。平井の送り火は天高く上げるのが特徴です。去年と同じく、研究林職員さんの家の送り火を見せてもらいました。 送り火でも、研究林のアカマツ材が松明に使われます。長~い竹の先っちょに松明をくくりつけ、火を点けたら準備完了です。良い感じに燃えてますねぇ。生憎の天気でしたが、火を点ける瞬間は、なんとか小康を保っていました。この竹を立てるのですが…ムムっ。去年よりもかなり大きいです。対角線を使っても、準備していたレンズでは全体像を捉えることが出来ませんでした。遠くに移動して、なんとか全体を撮ることができました。割箸を燃やすぐらいの送り火しか見たことなかった僕からすると、この大きさはやはり驚きです。 人と比較すると、その大きさが分かるかと思います。成人男性6人分ぐらいありそうですね。あとは、倒れないように固定して完了です。この高さになれば、使う竹も腕より太いですね。雲のかかった山と相まって、神秘的な雰囲気が醸し出されます。昔は、神社からの道沿いに松明が並んで、それはそれは綺麗だったとのことです。こんな大きな送り火が並んでいたら、今頃有名な地域行事になっていたかもしれませんね。送り盆のもう一つの行事は精霊流しです。里芋の葉っぱにおにぎりを乗っけて平井川へ流します。去年、一昨年は、この存在を知らなかったので、写真を撮れる最後のチャンスでした。まずは河原へ行って、お線香と蝋燭を立てます。この日も朝から土砂降りでしたが、雨脚が弱まった瞬間を見計らって一気に進めます。ぽちゃんと着水しお供え物が流れていきます。すぐに沈んじゃうのかなぁと思って見ていましたが、葉っぱが大きいのでバランスを保って流れていきます。川は連日の雨で、増水中。もはやウォータースライダーのように、とてつもない勢いでお供え物が流れていきます。精霊流しと聞くと、ゆったりと広々した川の上をゆらゆらと流れていくようなイメージがありますが、山間部はそう甘くはないみたいですね。ご先祖様も、さぞかし楽しく(?)帰れることでしょう笑。地元中学校の職業体験送り盆が終わって1週間ぐらい経ったころ、ふもとの中学校の2人が職業体験で和歌山研究林へ来てくれました。プログラムは3日間で、研究や森林管理、木工作業などを行います。初日は、樹種同定の旅です。研究にしても木工のための伐木にしても、お目当ての木を探し出せないと始まりません…。と、偉そうに言いつつも、僕もまだまだ全然分からない木ばっかりです。いかんせん、北海道より種類が多いし、葉っぱが分厚くてツヤツヤしているので、全部同じに見えてしまいます。ヒメシャラそれでも、さすが中学生です。教えてあげた種名どころか、説明まで一言一句覚えていたので本当にびっくりしました!中でも、すぐに覚えられていたのがヒメシャラです。樹皮が他の樹種と明らかに違い、暗い照葉樹林の中でも存在感を放っています。中学生の感性に言わせると、「ムキムキに見える」とのことでした。言われてみれば、たしかにボディービルダーの鍛え上げられた太腿のように見えてきました。血管も浮き上がってる??2日目は、覚えた樹種を使ってコースター作りです。樹種はヒメシャラ、カゴノキ、トチノキ、クリがありました。好きな一つを選んで切るところから始めます。こちらは、話題のヒメシャラを選んだようです。糸鋸を使って慎重に切っていきます。このヒメシャラ、実はとっっても硬い木で、以前輪切りを作ろうと鋸で切った際は、翌日腕が筋肉痛になってしまいました。そんな木ですので、糸鋸で切るにしてもちょっとずつ進んでいくことになります。糸鋸と言えば、僕が小学生のころ、力加減が分からなくて頻繁に刃を折っていたのを思い出しました。こちらはカゴノキを選んで、八角形に切っていくようです。樹種同定をするときに「カゴノキは切ったらソーダの香りがする」と言っているのですが、なかなか理解者が現れることはありませんでした。しかし、彼は「本当だ!」と同意してくれました!よき理解者が得られて嬉しく思います。八角形と言えば、八角形の古墳は畿内の大王にのみ許された形といいます。それを考えると、近畿地方で1枚1枚丁寧に作られるコースターにふさわしい形と言えるでしょう。見本を見せてくれる職員さんたち3日目は、地拵え作業のお手伝いです。ユズリハだらけになっていた場所に、別の種を植えようという計画があるので、その準備をします。地拵えは、植林のための作業スペースや安全性を確保しつつ、土砂の移動を食い止める作業です。傾斜地に段々を作って、林地残材や枯れ枝を整理していきます。写真は枝葉を堰き止めて、段々を作るための杭を打っているところです。職員さん達が見本を見せてくれます。ちなみに、使っているハンマーの頭の部分は例のヒメシャラです。ハンマーに使えてしまうぐらい硬いことがよく分かりますね。午前中を使って作業を進めると、かなり整った感じになりました。枝葉で段々が作られているのが分かりますでしょうか。緩傾斜地なので、想像しづらいかもしれませんが、急傾斜地だと、この段々があるのと無いので安全性や効率が変わってくるそうです。なかなか大変な作業ですが、急傾斜地の多い日本の林業では大事な作業ですね。外来種と土壌微生物前回は論文(Maron et al. 2014)のイントロと方法をご紹介したので、今回は結果と考察をご紹介していきたいと思います。ただし、著作権の問題で図表の画像を載せることが出来ないので、言葉のみの説明となります。ご了承下さい。まずは、原生地と移入地におけるフィードバックの方向性(つまり、ある種を育てた土壌が、同種の実生の成長を促進するか or 抑制するか)についてです。ざっくりまとめると、原生地では有意な負のフィードバックが多かったのに対し移入地では、中立な反応を示しました。※ここでいうフィードバックとは、殺菌処理をしたものに対する成長量(バイオマス)の増減をいう。次に地上部のバイオマスについてです。原生地では対象となる6種のうち4種が、殺菌によって有意にバイオマスが増加していました。一方で、移入地では殺菌による効果が見られませんでした。地下部のバイオマスも似たような傾向となりました。以上の結果から、PSF(植物ー土壌フィードバック)は原生地と移入地で強さや方向性が異なることが示されました。つまり、原生地では同種の存在が負の影響を及ぼし、移入地では同種がいてもあまり影響はないということです。ということは、外来種は新たな地に侵入することで、負の効果から離脱し、成長しやすくなると考えれます。つまり、天敵となる菌から解放されることで、競争的優位が促進されるという「天敵解放仮説」を支持する結果となりました。この論文の面白いところは、これまで種レベルで考えられてきたPSFが、より大きなスケールでも生じている可能性を示したところです。従来の研究が示してきたように、同種密度が高いときに負のフィードバックが生じる場合、原生地、移入地に拘わらず、フィードバックは負の方向になるはずです。しかし、移入地では中立という結果になりました。ということは、原生地の土壌だけに負の影響を及ぼすような土壌微生物群が居たと考えられます。では、どうしてより大きなスケールでPSFが生じるのでしょうか?従来の種レベルの負のPSFで考えられてきたドライバーは、その種だけに感染するスペシャリスト的な病原菌を想定していました。しかし、今回の実験では、原生地においても実験対象種が存在しない場所から土壌が採取されました。そのため、大陸間で異なるフィードバックの性質を示したことを考えると、このスペシャリスト以外にドライバーがいることが示唆されます。著者はこのドライバーとして、ジェネラリストの可能性があると述べていました。ジェネラリストとは、特に好き嫌いせずに感染するものを言います(好き嫌いしないので、スペシャリストに比べるとジェネラリストの影響は広く浅いイメージです。そのため効果が見えにくい可能性があります。←これは僕の考えで、論文に明記されているわけではありません)。このジェネラリストの効果が、原生地で長い時間をかけて蓄積されたことで、原生地ではジェネラリストだけでも負のフィードバックが生じ得たのではないか、ということです。一方の移入地では、微生物群集の相違から、感染して負の影響を及ぼし得る病原菌が少ないと考えられます。以上が、この論文の紹介でした。これまでは、スペシャリストによる種レベルのPSFばかりが注目されてきました。しかし、この論文によって、ジェネラリストがより大きなスケールでPSFを生じさせている可能性が示唆されました。ここからは、私の考えです。ジェネラリストの蓄積によってPSFが生じるならば、天然林と人工林でも異なるPSFの結果が生じるのではないかと考えました。というのも、天然林には、人工林よりも多くの種が分布しています。そのため、広葉樹を好むようなジェネラリスト(専門性の低いスペシャリストともいえる)が居た場合、天然林の方が負のフィードバックを生じさせやすいと考えられます。その結果、広葉樹は天敵解放仮説に則って、天然林よりも人工林内の方が更新しやすいと言える可能性があります。まだ、結果は分かりませんが、来月以降の実験でこのあたりを明らかにしていきたいと思います。どうぞお楽しみに。説明し損ねたので、最後に付けたすと、今回の報告のトップにあった画像は、アカメガシワの葉っぱです。虫くいが大量にあったので、太陽にかざしてみると、星が瞬くようにきらめいていました。