荒廃した奥地人工林を『低コストで管理できる森林』へ!

日本の林業は衰退に歯止めがかからず、里山奥地の人工林は管理がままならぬ事態へと陥っています。私たちは人工林に隣接する天然林から広葉樹の侵入を誘導し、放棄された奥地の人工林を効率よく天然林へと戻すことで、多面的機能が高く、「低コストで管理できる森づくり技術」の開発と普及を目指します。

現在の支援総額

1,560,000

173%

目標金額は900,000円

支援者数

145

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2020/10/20に募集を開始し、 145人の支援により 1,560,000円の資金を集め、 2020/11/30に募集を終了しました

荒廃した奥地人工林を『低コストで管理できる森林』へ!

現在の支援総額

1,560,000

173%達成

終了

目標金額900,000

支援者数145

このプロジェクトは、2020/10/20に募集を開始し、 145人の支援により 1,560,000円の資金を集め、 2020/11/30に募集を終了しました

日本の林業は衰退に歯止めがかからず、里山奥地の人工林は管理がままならぬ事態へと陥っています。私たちは人工林に隣接する天然林から広葉樹の侵入を誘導し、放棄された奥地の人工林を効率よく天然林へと戻すことで、多面的機能が高く、「低コストで管理できる森づくり技術」の開発と普及を目指します。

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3月前半活動報告
2022/03/15 23:13

いよいよ花粉シーズン到来!今年もこの季節がやってきました!負けずに頑張っていきましょう!今日は以下のトピックでお話していきます。①どんぐりの発根!こんどこそ!②どんぐりの豊凶周期③コウヤマキのお酒④新聞記事から日本の林業の課題それではどうぞご覧ください!どんぐりついに発根!今後こそ播種したどんぐりからの発根が確認されました!!!!失敗してしまったのではないかと不安になっていたので、嬉しさも数倍です!無事発芽するところまで育ってくれ!と祈ります。和歌山研究林の温室のどんぐり温室ではこんな調子のどんぐりですが、散歩中に偶然、どんぐり発根多発地帯を発見しました。どんぐりを食べるリスやネズミ、虫が少なかったのか、はたまた豊作年で大量のどんぐりが散布されたのか。気になるところです。どんぐり発根多発地帯豊凶周期について豊作凶作は、どんぐりに限らず多くの樹木でも見られる現象ですが、その理由については様々な説があります。樹木生理的な面からは、種子を生産するのに必要な養分がたっぷり溜まったときに一斉に種子を散布して、溜まるまでは小出しにするという説があります。人間でも子育てが大変なように、樹木も毎年子どもを送り出していたら力尽きてしまうので、元気なときにまとめて送り出すようなイメージです。生理的な面でのもう一つの説明は、気象条件による影響です。一般的に樹木は高温・乾燥の夏の翌年は、よく実をつけるという事例があるそうです。これは高温・乾燥条件で花芽形成が促進されるためだとされています。参考:ドングリの豊凶 -コナラ種子生産について- 岐阜県森林研究所また、進化的な面からはネズミなど天敵との関係が豊凶周期を作り出したとも考えられます。毎年沢山のどんぐりを播いていると、それを食べる天敵も増えてしまいます。これを繰り返すと、そのうち播いたどんぐりを食べつくされてしまうかもしれません。そこで、凶作年を設定すれば天敵が減ります。天敵が少ない状態で再び大量のどんぐりを播けば、定着率が上がると考えられます。つまり、どんぐりの生存戦略として、豊凶周期が定着したのではないか、という説です。個人的には、天敵が関わってくる後者の仮説の方がストーリーがあって面白いなと感じます。何を考えているのやらコウヤマキ・クロモジのお酒!真面目な新聞記事の内容に移る前に、面白い話題をご紹介します。それが木で香り付けしたお酒です。今月12日の新聞に載っていて、僕の大好きなコウヤマキの香りがするお酒がある!と思ってテンションが上がったので、皆さまにも共有したいと思います。記事では国産樹木を使った様々なお酒が紹介されています。中でも注目が、クロモジとコウヤマキを使った商品。クロモジを利用したのが「香の雫」という商品。コウヤマキを使ったのが「槙 KOZUE」という商品です。以前、個人的に好きな木の香りランキングを取り上げたことがありますが、どちらも上位に来る大好きな香りの一つです。クロモジは、高級爪楊枝材として有名で、最近ではのど飴やアロマの原料にも使われており人気の高い種です。一方のコウヤマキは、我らが和歌山を代表する観光地の高野山を名前に関した樹種で、美しい樹形で有名です。香りも非常に上品で、私は「森林の香りをわらび餅に詰めたような香り」であると主張しています。水に強い性質もあるので、お風呂の材に使われることもありますが、成長がゆっくりで流通量も少なく高級材となっています。コウヤマキ記事で紹介されていた「槙 KOZUE」は、高野山のある和歌山県の酒造で作られているようなので、是非一度酒造まで足を運んでみたいですね。コウヤマキだけでなく、温州ミカンの皮なども利用されていて、森林浴をしているような気分になるらしいです。和歌山県を体現するような飲み物ですね。新聞記事からさて、先週予告しましたように、日本経済新聞において、林業の抱える課題について3回に渡って特集記事が組まれていたので、解説しながらご紹介したいと思います。特集記事では大きく以下の3つのトピックが載っていました。1. 放置される人工林2. 木材流通網における連携不足3. なぜ国内林業は補助金に依存するようになったのか?このうち、今日は1と2についてご紹介いたします(3は興味深い内容なので次回深く考察します!)。1. 放置される人工林元記事:荒ぶる放置林 座礁近づく「緑の資産」 日経まずは、本プロジェクトのきっかけにもなった、荒廃する人工林の話題です。拡大造林期に急速に広がった人工林は、間伐などの管理を想定して植えらています。しかし、外材の輸入自由化や木材価格の低下、建築様式の変化などが生じた結果、国内林業がお金にならなくなり、放置される森林が増えてしまいました。そのため、木々は密なまま細長く育ち、林床には光が届かず下層植生が育たない暗い森林が広がってしまいました。このような森林は倒木などが発生しやすく、自然災害時に、人々の生活へ被害を及ぼす危険性があります。実際に、2019年に、千葉県内で発生した大規模停電も、こうした放置林が台風への抵抗性を失い、倒木が電線に引っかかった影響が大きいとみられています。また、放置林は、国際的に炭素吸収源と認められる森林の基準を満たさないことがあり、国内の人工林1000haのうち約2割は吸収源にならないという意見もあります。樹木の持つ炭素貯留機能は、脱炭素時代に欠かせない機能の一つですが、その機能も管理不足により低下すると考えられているためです。皆伐後の再造林も問題に加えて問題になっているのは、皆伐後の再造林です。人工林を利用しようと、皆伐したは良いものの、林業従事者不足や意識の低い事業者によって、再造林されない造林未済地がこの3年で3割増えたといいます。この増加分がどのように増えたものなのか、記事の中で考察されてはいませんでしたが、私は主伐が増えたことで、連動して造林未済地が増えたのではないかと考えます。では、なぜ主伐が増えたのか。この点について私は、2つの理由を考えました。一つは主伐向けの補助金狙いの事業が増えたことです。前述したように、拡大造林期に植栽し、伐期に達した人工林の利用を促進するために、主伐向けの補助金を設定する自治体が増えています。こうした制度を利用する動きが増えたことで、主伐が増加していることは十分に考えられます。もう一つは、燃料用チップ需要の増加です。昨年度、木材自給率が40%を超えましたが、この上昇には燃料用チップとして消費された木材の影響が大きいとされています。脱炭素化へ向けた野心的な目標設定を達成するために、バイオマス発電事業の拡大が求められ、大量の燃料が必要となりました。発電事業者はプラントを稼働させるために何とか燃料をかき集めなければいけないので、まとまった量の木材を欲します。その結果、「まとめて買い取ってくれるなら」と、山で主伐が増加した可能性は大いにあります。(バイオマス発電に関する賛否の議論は、長くなってしまうので今回は割愛します。詳しくは2021年4月前半の活動報告でご紹介しております)。いずれにせよ、植林しなければ木材といえど循環型社会の形成には貢献しません。皆伐後の監視体制が整っていないことについて、危機感を持って対応する必要があると考えられます。また、造林に関しては技術を持つ事業者が不足しているという話も聞きます。ドローンによる苗木運搬など、新たな技術活用を推進すると共に、技術をもつ事業体の優遇措置などを講じる必要があると私は考えます。木材流通網における連携不足 Reference:ウッドショックが映す現実 再生モデルは一握り 日経二つ目の課題が、木材流通網における連携不足です。記事では森林界隈で有名な西粟倉村の事例を紹介することで、対比的に国内流通網の課題が指摘されていました。日本では川上の素材生産の現場から、川下のハウスメーカーなどの消費現場に辿り着くまでに、多くの仲介者が関わっています。森林の所有者は業者や森林組合に施業を委託し、切り出された木材は市場で競りに出ます。競り落とされた材は製材会社と問屋を経由し、場合によってはプレカット工場を経てハウスメーカーなどの消費地に届きます。こうした長いサプライチェーンは、流通量の緩衝材的役割を果たしたり、ニッチな需要を探して付加価値を高めたりという利点もある一方で、川下と川上の連携を困難にしてしまいます。素材生産者が木材の利用先を把握できないので、柔軟な生産計画を立てられないためです。西粟倉村ではこうした問題を解決するため、流通経路のシンプル化を進めました。軸となっているのは「株式会社百森」という会社です。この会社は村民と交渉し林分の集約化をするところから、森林組合に委託するところまでの計画を作ります。さらに、最終的に村内の木材加工会社、兼木製品販売会社である「西粟倉・森の学校」に木材を直接販売するところまで担っています。つまり、「百森」が素材生産(川上)から消費(川下)までを見通せるような流通システムを作っているのです。その結果、川下のニーズに応じて素材生産を行うという連携が容易になりました。また、森林所有者にも自分の山の木がどのように使われ、どれくらいの収益になったのか、情報が共有されます。収益の半分は森林所有者へ還元されるため、住民の百森への施業委託のインセンティブとなり、依頼が増加します。その結果、施業の効率化の障壁となっていた林地の集約化なども促進されるという好循環が生まれたといいます。どんな町になっているのか、一度足を運んでみたいですね!ウッドショックで露呈した川下と川上の相互不信この西粟倉村のように川上と川下の連携がとれている事例は、全国的に見ればごく少数です。ウッドショックではそのような一面が浮き彫りとなりました。そもそも、ウッドショックはアメリカにおける需要の見込み違いから始まりました。製材会社はコロナの感染拡大による景気の落ち込みを予想し、大幅減産に踏み切っていましたが、実際には郊外の一戸建て需要が高まってしまったためです。このアメリカでの出来事は、木材の半分を輸入に頼る日本でも影響を及ぼしました。品不足は木材価格の急騰を引き起こし、ハウスメーカーでは工事の遅れを余儀なくされた事例も発生しました。しかし、なぜ木材価格が高騰したのにも拘らず、国産材は大量生産しなかったのでしょうか?普通に考えたらビジネスチャンスの到来に胸を躍らせるはずです。記事は、その原因が川上と川下の相互不信にあると言います。その仕組みを説明するため、少々建築様式の変化について説明します。かつて主流だった軸組工法と異なり、近年主流なのは枠組み壁工法(ツーバイフォー工法)で、工場で予め規定の大きさに加工されたプレカット材が必要になります。均質性が求められるプレカット材には、十分に乾燥した材が必要になりますが、日本に多い小規模な製材会社にとって、乾燥設備の導入はコスト面でのハードルが高い存在になっています。そのため、たとえ木材価格が高騰したとしても、「外材の輸入自由化によって市場を失った」という過去を知る事業者は、価格高騰が落ち着いた際に、再び需要が落ち込むのではないかと不信になってしまい、設備投資に踏み切れないのです。その結果、国産材は大量生産が出来ず価格も量も安定しないというイメージが付きまとい、川下での需要も離れてしまうという負の連鎖が生じています。この相互不信を払拭しなければなりませんが、そのためには西粟倉村のようなシンプルな流通網を構築して、長期的な計画を立てるための密なコミュニケーションが必要になるというわけです。さて、課題ばかりの林業で暗い気持ちになってしまいますが、日本の森林面積の40%にも及ぶ、国家規模の大規模な植林が始まってから、未だ1世紀も経っていないと考えると、課題に直面するのは当然ともいえます。他産業よりも生産サイクルが異常に長いぶん、必然的に課題の解決にも長い時間を要すると思います。この試行錯誤が今後1000年の指針作りに重要になることは間違いないと思うので、悲観的になりすぎずに取り組み続けていくべきだと僕は思います。ということで、次回は、なぜ国内林業が補助金に依存するようになってしまったのか、と言う部分についてご紹介したいと思います!


2月後半 活動報告
2022/02/28 23:35

前回の活動報告を挙げた翌日、今期一番の大雪が降りました。何回も雪を取り上げては「紀南では珍しい!」と声を大にして発信してきたので、なんだかオオカミ少年のようになってきてしまいましたが、本当に雪は珍しいはずなんです…。今年が偶然雪が多かっただけなんです。畑もご覧の通り。結構ふかふかになるまで積もりました。山の中なので隘路の凍結が怖いところですが、道には既に轍が出来ていました。比較的暖かかったので、皆さんこれなら大丈夫ということで車を走らせているようです。恐るべし。前回取り上げた梅の花にも雪が!こうやって見ると、梅の花がほんのりベージュ色をしているのが分かります。まさに冬の終わりを告げるほのかな温もりの色ですね。前回よりも沢山の蕾が開き、春はもうすぐそこです!どんぐりの状況以前、どんぐりの芽が出てきた!と報告しましたが、観察を続けたところ、ただの雑草だったことが判明しました笑。どんぐりはもう少し冬眠を続けるようです。どうにか芽が生えてきてくれることを祈りつつ、観察を続けます。どんぐりや他の樹種を使った、新たな実験については、3月末か4月にご紹介できればと思います。どうぞお楽しみに。ただの雑草だった芽ナラ枯れさて、今日の主題はナラ枯れです。現在、全国の森林で問題となっているので、お聞きになったことがある方も多いと思います。下の写真は実家の近所のクヌギに貼ってあった張り紙です。ナラ枯れが原因で、伐採を行う必要がある書いてあります。一体なぜこんなことになってしまったのか、今日は原因を探っていきたいと思います。まず初めにナラ枯れ病の発生の流れを見ていきます。登場人物は①ナラ類(ブナ科の一部の樹種。コナラ属やクリ、シイ、マテバシイなど)と、②カシノナガキクイムシ、③カビの仲間のナラ菌です。被害木全ての始まりは、6~7月にカシノナガキクイムシのオスが、健全なナラ類の個体に飛来するところから始まります。ナラ類に飛来したカシノナガキクイムシのオスは、集合フェロモンを拡散し仲間を呼び寄せます。そして集まってきた仲間と共に、幹の内部へと潜り込んでいきます。そこへメスが交尾しにやってくるのですが、このカシノナガキクイムシのメスはなんと、背中に菌の胞子を貯蔵、運搬する専用ポケットを持っています。その名も「マイカンギア」(個人的にこのポケットの名前が、とてもカッコ良いので気に入っています)。なぜ彼女らがそんなポケットを持っているかというと、カシノナガキクイムシにとって菌の胞子は餌となるからだそうです。ここで、彼女らが餌となる菌類だけを運ぶのであれば、まだ良いのですが、実際には様々な菌が混ざってしまいます。その一つがナラ菌です。カシノナガキクイムシの穿入孔 ナラ菌はカシノナガキクイムシがせっせと掘った穴を使って、ナラ類の樹体内に感染を広げていきます。ナラ菌自体はカビの仲間なので、セルロースなどの木質資源を分解する能力は低いようですが、問題は樹木側の応答です。感染したナラ類も黙って見ているわけではありません。菌に感染されたことを感じると、抵抗するための二次代謝産物を生産して防御態勢をとります。しかしこの二次代謝産物には油っぽいものが含まれており、健全な部分に滲みだして広がってしまうと、水の通り道を塞いでしまいます。つまり、防御態勢は通水機能とトレードオフの関係にあり、感染範囲が広すぎると、ナラ類は自身の防御反応が原因で枯死してしまうのです。穿入孔のある個体の根本にはカシノナガキクイムシのかじった木屑が積もっているまた、カシノナガキクイムシは樹木に作った穴の中で産卵をし、幼虫が孵化します。母親の背中に乗ってきた酵母が穴の中で豊富に育っているので、幼虫たちはそれを食べてすくすく育ち旅立ちます。一つの穴から数十~数百の個体が巣立り、樹木1個体あたりでは数万頭にも及ぶカシノナガキクイムシが発生することもあるそうです。被害木は樹液が滲出していることも多いその数万頭がさらに数万頭…と言う風に指数関数的に増えていくことを考えると、事態の恐ろしさが分かって頂けると思います。その"ヤバい"事態が2000年代以降、北日本と西日本の日本海側を中心に広がり始め、次第に太平洋側へと広がり、最後に関東地方が残りました。しかし2019年に東京で初めて被害が確認されると、2020年代以降急激に拡大し、あっという間に多摩全域に広がってしまいました(新聞でも取り上げられていました)。ちなみに北海道ではこれまで確認されていませんでしたが、2020年の夏に道南の福島町で初めてカシノナガキクイムシが確認されました。詳しくはこちら。伐倒処理された個体の木口面 孔道が見える辺材部の変色がナラ菌の影響かは不明なぜナラ枯れは増えたのか?昆虫の分布の拡大と聞くと、温暖化と関係がありそうだと考える方も多いかもしれません。私もそう思っていたのですが、今回記事を書くにあたり学び直してみると、どうもそうではないようです。林野庁補助事業として日本森林技術協会が平成24年度にまとめたナラ枯れ被害 対策マニュアル を見てみると、ナラ類とカシノナガキクイムシの遺伝子構成は両者とも、フォッサマグナあたりを境に、南北で分かれているそうです。これは中部地方の山間部で個体群の移動が制限された結果、地域ごとに軍拡競争が進んできた結果と考えられます。もし、拡散によりナラ枯れの被害が拡大しているのであれば、遺伝子構成は単調なまま広がるか、もしくはごちゃ混ぜなはずです。しかし綺麗に遺伝子構成が分かれているということは、拡散によって被害拡大が生じているわけではないことを示しています。ちょっと散歩しただけで、こんな穴だらけの個体が山ほどありましたでは何が原因なのか。前述のマニュアルではナラ類の大径木化が原因だろうと書かれていました。カシノナガキクイムシは細いナラ類には寄生しにくく、大径木を好んで棲みつく性質を持っています。大径木が増えると、カシノナガキクイムシが増殖しやすい環境が整うことになり、大発生するというわけです。なぜナラ類の大径木は増えたのか?ではなぜ、ナラ類の大径木が増えたのでしょうか?そこで森林総合研究所 関西支所が発行している「ナラ枯れの被害をどう減らすか ―里山林を守るために― 」(2007発行, 2012改訂)を見てみましょう。この文献によると、ナラ枯れの拡大にはエネルギー利用の変化が大きく関わっているといいます。武蔵野の雑木林戦後、薪炭材に代わり石油が生活のエネルギー源となると、それまで里山で薪として利用されていた木々が利用されなくなります。定期的に人々に利用されていた森では、木々は大きくなることが出来ず、細いまま維持されます。しかし人が利用しなくなれば、木は切られずに大きく太く育ちます。その結果大径木が増えたというわけです。特にナラ類は薪にもよく利用されていた種なので、人為の変化による影響は大きかったのではないでしょうか。ここで疑問になるのは、「保全すべき状態」とはどの状態なのか?ということ。人為が減った今カシノナガキクイムシが繁茂するようになったというならば、原自然的な状態はカシノナガキクイムシが蔓延る状態とも考えられます。また、人にとって丁度良い状態を目指すのであるならば、昆虫の大量発生による不快感、景観価値の損失、根株による土壌保全などの観点からカシノナガキクイムシを排除する必要があるとも言えます。極端な例では、放っておいてもカシノナガキクイムシが大径木を食べつくした結果、自身の個体数を賄えなくなり減少し、平衡状態へ収束していくことも考えられます。人為と自然のバランスやいかに恐らく、どれが正解というわけではなく地域によっての使い分けが必要でしょう。例えば、都市公園や里山保全林など人為的管理が文化として根付き、今後もその文化や景観を残そうという計画がある地域では、積極的に対策を行うべきかと思います。一方、奥山に関しては、こうした積極的保全を行う地域に影響がないのであれば、そこまで人間が責任を持つ必要もないように私は思います。皆さんはどのように考えますか??日経新聞「森林崩壊」からさて、皆様の中にも既に読まれた方もいらっしゃるかもしれませんが、2月末に日本経済新聞の中で日本の森林・林業における課題が3日間にわたって特集されておりました。本来であれば、今回の活動報告で取り上げたかったのですが、長くなってしまったので次の活動報告で取り上げたいと思います。もし気になる方がいれば、個人的に要約をnoteにまとめておいたので、ご覧ください。2/21:荒ぶる放置林 座礁近づく「緑の資産」 日経  要約①2/22:ウッドショックが映す現実 再生モデルは一握り 日経 要約②2/24:「林業は所有者を犠牲にしてきた」 元農水官僚の独白 日経 要約③


2月前半 活動報告
2022/02/15 19:37

北海道での豪雪だけでなく関東でも何回か雪が降ったようですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。今冬は雪が多い平井ですが、2月になってからも再び雪が積もりました。今度は溶ける前に積雪に気付いたので、しっかり俯瞰写真を撮ることが出来ました!今月前半は、所用が重なってしまい研究面での進捗があまりなかったので、今回は梅特集ということで進めていきたいと思います。ご容赦頂ければ幸いです。雪が積もって寒々とした装いですが、庁舎の周りにある梅の木には、ちらちらと花が咲き始めました。 松尾芭蕉の弟子である服部嵐雪は、丁度この頃の様子を「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」と詠んだそうです。冬に梅が一輪咲いている様子に、かすかな春の温もりを感じた様子が良く伝わって深い共感を覚えますね!梅の花梅は、いかにも「日本原産ですよ~」というような佇まいですが、実は中国原産で大昔に日本へ連れられてきました。とはいえ、梅は古代から文化に深く関わってきました。中でも和歌に詠まれた梅の描写からは、古代の人々も現代人と同じように梅の花を楽しんでいたことが活き活きと伝わってきます。同じく春に咲く花として日本に住む人々に大人気なのが桜ですが、梅は香りが豊かな点が桜と異なります。目いっぱいに楽しむ桜と、鼻でも楽しめる梅といったところでしょうか。その様子が良く描かれているのが古今和歌集です。特に気に入った2つを紹介したいと思います。春の夜の やみはあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やはかくるる 古今和歌集 詠み人:凡河内躬恒訳(たぶんこんな感じ):春の夜は闇の意味をなさないよね。梅の花は色が見えなくても香りでわかるもん。折りつれば 袖こそにほへ 梅の花 有りやここに うぐいすのなく古今和歌集 詠み人知らず訳(たぶんこんな感じ ):さっき梅の枝折ったから袖から梅の花の良い香りがするわ~。勘違いした鶯が鳴いてんだけど(笑)※写真はメジロ 凡河内躬恒 とかいう人は、元々香りに敏感な人のようで、他にも色々な香りにまつわる和歌を詠んでいるそうです。春の夜のまったりとした空気感が良く伝わってきますよね。一方の詠み人知らずの和歌は、(流石に鳥は来ないだろ…と思ってしまいますが)春の訪れを鳥も喜んでいるような、童話的な世界が素敵です。万葉集まで遡ると、嗅覚よりも視覚的な表現が多くなるようです。興味のある方は、和歌山の梅干し専門店のHPに面白いページがあるので、是非ご覧ください。このページによりますと、万葉集の時代はまだ大陸から梅が渡ってきたばかりで、「何この花、めっちゃ綺麗じゃん!」的な若々しさが感じ取れるようです。現代日本でチューリップが”趣き”とは別の楽しみ方をされているような感じでしょうか。このように梅は古くから親しまれてきたので、言葉の中にも梅という漢字が入っています。例えば梅雨。何気なく使っていますが、何で「梅」が入っているのでしょうか。 1. 梅雨そもそも梅雨は中国の「ばいう」が伝わった言葉とされているそうです。この「ばいう」の由来には2つの説があります。一つは中国の長江下流域で、梅の実が熟す頃に丁度長い雨が降ることが由来とする説です。もう一つは共通の音を持つ漢字がシフトしたという説です。元々、長雨が続く季節はカビ(黴)が生えやすい季節だったので、「黴雨(ばいう)」と呼んでいたのが、同じ読みの「梅」にシフトしたという説。ストーリー性があるのは前者の由来ですが、より生活感にあふれているのは「黴雨」ですね…。皆さんはどちらの説が好きでしょうか。因みに僕は古座川に引っ越してきた一年目、ここの湿度を舐めきっていたので梅雨時も押し入れを閉めっぱなしでした。久しぶりに開けたときの衝撃は今でも鮮明に思い出します。参考:tenki.jp  梅雨の漢字はどうして「梅」と「雨」?意外な理由を解説梅雨時のコアジサイ2. 良い塩梅塩梅という言葉にも「梅」が入っていますね。数年前からサントリーが売り出している「梅とソルティ」は個人的に大好きですが、関係あるのでしょうか。調べてみると、「あんばい」には元々「塩梅」と「按排」の二つがあったようです。「塩梅」の方は、元来「えんばい」と呼ばれ、字面通り塩と梅酢を丁度よく使って料理の味を調えることを意味したそうです。一方の按排は「あんばい」と読み、私達が普段使ている意味と同じで、丁度良く処理していくことを示す言葉だったそうです。この二つの言葉は、似たような音と意味を持っていたので、いつからか混同されるようになりました。その結果、塩梅が現在のような意味になったようです。3. 松竹梅そういえば、縁起の良いとされる「松竹梅」にも梅が入っていますね。これらの3つが選ばれた理由は次の通りです。松は力強い樹形と、冬も葉を落とさない様子が長寿の象徴とされたようです。竹も冬でも青々と立っていることに加え、真っ直ぐ伸びることが縁起良いとされていました。梅は、松や竹のように、冬に緑を付けることはありません。しかしまだ寒い時期に、他のどの植物よりも早く開花する様子が、生命力や華やかさの象徴となったようです。飲食店で特上や並を表現するのに、代替表現として松竹梅が使われるようになったので、この3種類にランクがあるように勘違いしやすいですが、この順番は中国からの伝来順という説があるそうです。参考:住友林業グループ きこりんの森梅干しでおにぎり条ところで梅と言えば梅干し、梅干しと言えば紀州梅ということで、和歌山県の名産品の一つに梅干しがあります。農林水産省によると、日本の梅干しの58%が和歌山で生産されているそうです(2020)。その中でもみなべ町と田辺市で県内生産量の77%を占めています。そのみなべ町には一風変わった条例があるそうです。それが通称「梅干しでおにぎり条例」。若年層の梅干し離れが生産地でも進んでいたため、制定されたそうです。制定後、毎年6月6日の梅の日には、生徒が梅干しおにぎりを作るほか、月に一回給食に梅干しが提供されるといいます。そういえば、給食で梅干しが出ることは無かったなと思い出しました。梅干しと言えばもう一つ、「梅干しを見るだけで唾液が湧いてくる」という話があります。この現象は古典的条件付けと呼ばれる現象です。これは、ロシアの生理学者イワン・パブロフが犬にベルをならしてから餌をやるという行為を続けていると、ベルの音が聞こえただけで唾液が出るようになることを見て立てた理論です。梅干しを食べたことが無い外国の方は、条件付けがされていないので、唾が湧いてくることはないそうです。参考:みなべ町梅の材梅はくねくねしているので大きな材は取れません。そのため、そろばんの珠や数珠、根付のほか、高級茶道具など小物に使われることが多いようです。樹皮はサクラっぽく平滑な部分とごつごつした部分があります。乾燥によるひび割れが生じやすいことも特徴の一つで、研究林のサンプルも沢山のひびが入っていました。これも流通量が少ない原因のようです。色は心材で特に暖色が強く出ており温もりがあります。梅の特性を表わすのに面白い諺があります。それが「桜折る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」です。意味は、桜は切ったり折ったりすると、そこから普及が広がってしまうため折ってはいけない。一方で、梅は枝を切れば新芽が伸び実のなりがよくなるので、適宜切りましょう。ということです。同じサクラ属ですが、それぞれの特徴を持っているようです。クロウメモドキ 以前紹介したクロウメモドキは、漢字で書くと黒梅擬。この木は由来が非常にややこくなっています。まず最初に梅がありました。次に葉や枝が梅によく似たモチノキ科の樹木があったので、「ウメモドキ」と命名しました。その次にウメモドキになる実によく似た形の黒い実をつける樹木が見つかり、クロウメモドキとなりました。クロウメモドキ自体はバラ科サクラ属でもなく、モチノキ科でもなく、クロウメモドキ科となっています。同科にはケンポナシやナツメなどがあります。武田製材さん一押しの材だけあって、板面が虹色に輝いて美しい材でしたね。今回は少々短いですがこれで終わりにしたいと思います。今後暫くの間、研究以外の用事が続くので、進捗が紹介できないこともあるかと思いますが、ご容赦頂ければ幸いです。なるべく、平井の様子なども絡めながら紹介してまいりますので、次回もご期待して頂ければと思います!


1月後半活動報告
2022/01/31 17:15

あっという間に1月が終わってしまいましたね!寒い日が続くので春はまだ先かなあと思っていましたが、ふと顔を見上げるとスギの枝先が赤く色づいてきていました。順調に花粉が育ってきてますね…(怖)。植物たちは着々と春への準備を進めているようです。どんぐり観察さて前回お話していた実験用どんぐりの状況です。平井から少し離れた集落に温室があるので、週に1回ほど様子を見に行くことにしています。最近は寒い日が続いていたので、この日もやはり発芽してないかなあ?と思っていたところ、、、1000個ほど播いたうちの1個が発芽していました!!ピントがずれてしまったのですが、緑色の小さいやつが芽です。虫食いが多かったのでしっかり発芽してくれるか不安でしたが、一安心というところでしょうか。本格的に子葉が出てきたら、山へ土を取りに行ったり殺菌したりポットを作ったりと忙しくなります!林道の作設状況さて次に林道の状況をご紹介いたします。今回道を設置しているのは平井(180m前後) よりも標高が高いところで、700m~800mのあたりにあります。そのため、平井よりも一段と冷え込みが厳しく、雪が溶けないこともしばしば。千井さん撮影こちらの写真は林道を作ってもらっている千井さんが撮った写真です。この日は雪の降る中での作業だったようで、写真からでも寒さが伝わってきます…。ただ、重いチェーンソーを持って足場の悪い山を行ったり来たりしていると、やはり熱くなってくるとのことでした。作って頂いている道には、長持ちする仕掛けが隠されています。千井さん曰く「道づくりは水との闘い」だそうで、いかに水を逃がすかという点で様々な工夫が必要とのことです。例えば傾斜(写真上部)。ずっと同じ勾配にしてしまうと、雨水が勢いよく流れて道を削ってしまいます。そこで途中に緩い部分を作って勢いを殺したり、斜面下方向に少し傾斜をつけることで、排水したりしています。しかし、この部分が大きすぎるとトラックが登れなくなってしまうので、加減が難しいそうです。今後も改良を重ねるとのことでした。カーブの部分も、カントをかけるような感じで斜面下部へ斜めっています。これにより雨水が排水される仕掛けになっています。こうした排水を意識した波状断面構造は、長持ちする林道を作るうえで欠かせません。伐採と材の運び出しだけ出来れば構わないという道では、その後の森林管理に役立たないどころか、斜面の崩壊を助長することすらあります。研究林の設備としてより長く使ってもらえるよう、丁寧に作って頂き本当にありがたい限りです!伐採のシーズンはいつ?さてさて、さっきの雪の写真を見てこんな寒い冬にやらなくても…と思ってしまった方はいませんか?僕もそう思います。ですがもっと寒い北海道では、実は冬が伐採の最盛期。ササで覆われてしまう夏と違って、冬は雪に覆われ視界が良好!しかも雪の上を滑らせれば簡単に材が運べるので、特に林道を作る技術が無かった昔は冬山造材が好まれました。夏の北海道は笹が繁茂してまともに林内を歩けない冬はスキーを履けば歩ける橇を使って人力で材を運び出しているところ出典:林野庁情報誌「林野」2019.9月号本州でも、春から秋は下草刈りや植栽など別の仕事が多かったり、ヘビやダニ・ヒルなどの害虫がいないので冬に伐採が盛んな地域も多いようです。また林業関係者の間では、立木の成長が止まる秋~春は含水率が低く伐採に適しているという話がありました。この説を検証するため、これまで様々な研究が行われてきましたが、スギ・ヒノキについて明確な含水率の季節変動が見られていませんでした(貝尾, 池田, 西野 2013, 前田 2017)。しかし、昨年に発表された論文で、非破壊的な計測法により含水率を調査したところ、林業関係者の経験則に合致したという報告がありました(桐林 2021)。結論を言うのには参考にできる論文が少なかったので、ここでは避けておきますが、長年働いてきた方の感覚が正しかったとなれば面白いですね。また面白い話で、真冬の新月の夜に伐採すると良い材になるというような話も世界各地で林業家に伝わっているそうです。なんでも、新月の夜に切るだけで、狂いが出ない、割れが発生しにくい、虫が付きにくい、カビにくい、強度がある、乾燥している、長持ちする、火が付きにくくなるという話です。あまりにもロマンチックな話なので、検証した研究は数少ないようですが、大河原(2008)によると、満月に切っても新月に切っても科学的性質に差は無かったということです。ちょっと残念な気もしますが、同じ話が世界中にあることは依然として不思議ですね。世界に520挺しか残っていない幻のヴァイオリン、ストラディバリウスも新月伐採の材で作られているらしく、面白い話だなあと感じます。皆さんヴァイオリンが作りたくなったら、真冬の新月の夜に木を切ってみて下さい!架線集材の位置決めを自動化お次は林業関連のニュースからです。先日、職員さんに林業関連の記事が和歌山の地方紙「紀伊民放」の1面に載っていると教えて頂きました。読んでみると、架線集材を設置する場所を決める作業の自動化に関する記事でした。少し面白いので紹介したいと思います。架線集材とは?そもそも架線とは何かというと、空中に張られたワイヤーやロープのことを指します。このワイヤーを使って伐倒した材を収集するのが架線集材です。誤解を恐れずに極限まで簡略化した模式図を書こうと思うと下のようになります。極限まで簡略化した模式図基本的に架線集材は林道を整備するのが困難な急傾斜地で利用される集材方法です。森林利用学的な分類では、傾斜40度を超えてくると車両系と架線系が併用され始め、60度を超えると架線集材主体となるようです。急峻な山地で林業を営む日本では、この架線集材がなくてはならない存在でした。しかし、長い林業低迷期の中で、技術を持った方々の高齢化や、集材機メーカーの廃業などが相次いでしまいます。その結果、架線集材の技術が途絶えてしまった地域も出てくるようになりました。出典:奈良県農林部林業振興課「吉野林業」例えば有名な吉野杉の産地、吉野地方では良質な大径木を運ぶのにヘリコプターが使われています。ヘリコプター集材は道を付けたり架線を張ったりする必要もないので、日本の地形に適した集材方法であると言えますが、ご想像の通り運用コストが恐ろしいことになります。それでも吉野地方でヘリコプター集材が行われているのは、1本数百万円以上の値もつくことがある高価な材が出るためです。同じく非常に高価な屋久杉の埋土木搬出が行われていた時代にも、このヘリコプター集材が使われることがありました。ヘリコプターでも採算が採れる地域ならではの集材方法というわけです。吉野檜の一枚板 このサイズの一枚板で数百万円する!!しかし高すぎて折角の「奈良県知事賞」も長い間売れ残っているんだとか…ところが最近、吉野地方で出材を請け負っていた航空会社の一つが機材トラブルで長期間運用停止になるという事件がありました。となると、林道をつけるか架線を張るかの2択が迫られます。しかし吉野地域の山々は急峻で、しかも所有権も複雑に入り組んでいるらしく、すぐに林道を伸ばすことが出来ません。「それじゃあ架線だ」と技術者を探したところ、長い間架線集材を行っていなかったために、奈良県内に技術を持つ人がいなくなっていたそうです。これは吉野地方の事例ですが、似たようなことは全国各地で起きており、「急峻な地形で必須なはずの架線技術をどのように伝えていくか」が課題となっていました。ここで新聞記事に戻ります。新聞では「林業用架線の位置決め自動化」と題されています。つまり、架線を支える場所(下の図でここ!)を決める過程を自動化したということです。それがどうした、と感じてしまうかもしれませんが、これまでは架線が必要になると人が山を歩き回って、長年の勘を頼りに適切な設置場所を見極めていました。さらに設置すると決めた後も、架線の張り方の設計図を吟味する必要があり、大幅に労力と時間、コストがかかる段階の一つでした。それが自動化されたのです。設置段階の善し悪しはその後の作業効率や集材可能性に大きく影響する重要な段階であるため、自動化により誰もが簡単に設置できるようになることは、技術導入・学習の障壁が下げられることになります。その点が画期的だったといえるでしょう。че ш集材作業そのものもAIで自動化さらに、遡ること昨年4月、別の作業工程における自動化のニュースもありました。それがイワフジ工業のAIによる自動架線集材です!先ほどは架線を設置する段階での自動化でしたが、イワフジが自動化したのは、架線設置後、実際に木材を掴んで運ぶ段階です。AIで材を認識してつかみ、自動で運んで荷下ろしする夢のような機械!心躍りますね!しかも搬器には回生ブレーキと呼ばれる、ブレーキ時に発生するエネルギーで充電するシステムまでついているとのこと!機械化が遅れていたぶん、次々と面白い林業機械が開発され、今まさに面白い時期なのかもしれません!架線集材の参考資料 面白いので是非見てみて下さい!・林業用架線の位置決め自動化 山中の作業をPCに移行 紀伊民放・横取り架線集材の自動化 架線式グラップル 動画公開 イワフジ工業株式会社また面白いニュースがあれば、ご紹介したいと思います!次回をお楽しみに!


1月前半活動報告
2022/01/16 22:35

明けましておめでとうございます!昨年は大変お世話になりました。あと1年、研究に励んでまいりますので今年もどうぞよろしくお願い致します!活動の内容や平井の様子などは、引き続き活動報告を通じてお知らせしたいと思います!どうぞよろしくお願いいたします!雪降る平井この冬はなんだか各地で雪が降っているという話を聞きますね!平井も例外ではなく、12月末から何回か薄っすらと積もっています。ここでは山端から太陽が顔を出すと一気に雪が溶けてしまうので、寝坊すると雪景色は見ることが出来ません。本当は早起きしてあちこち写真を撮りたいのですが、朝晩の冷え込みが厳しくて布団から出られず、毎回溶けるギリギリの光景しか見られないのが残念です…。次、積もることがあれば、平井を一望できる場所から雪景色の写真を撮ろうと思います!明け方、薄っすらと雪が積もった平井どんぐり播種さて、12月の後半は2年ぶりに札幌に行く用事があったので、それまでに今年の実験で使うアカガシのどんぐりを芽生えさせるべく準備をしていました。アセビ・ヤマグルマ・マンリョウで行った土壌処理実験を、今年は他の樹種でもやってみるつもりです。去年、種子を取るタイミングを逃してしまった照葉樹林を代表する樹種も多数あるので、面白い傾向が出ると良いなと思っています(でないと困る)。播種中のどんぐりどんぐりは、あの熾烈な昆虫やリス、ネズミとの取り合い合戦を制し、無事数1000個準備しました!ただ、全てが発芽できるとは限らないので、この中から発芽したものだけを植え替えて、実験に使います。どんぐりを育てるのは初めてなのですが、扱う上で重要なのが「乾燥させないこと」だそうです。そのため、取ってきたどんぐりは湿ったティッシュと一緒にジップロックにいれて保存していました。これで大丈夫だと安心していたのも束の間、カビが広がってしまうのを防ぐため、水で洗い直したりティッシュを入れ替えたりと、なかなかデリケートなやつです。パッと見ると保存に適してそうな殻を持っているので、乾燥やカビにも強いのかと思っていましたが、意外と手間がかかりました。10日後のどんぐり畑さて、どんぐりをはじめとする多くの植物では、一定期間寒さにさらされることで発芽や花芽形成のスイッチが入る仕組みがあります。そこで年末年始を迎える前に1000個ほど播いておいて、様子を見ることにしました。10日後、古座川に帰ってきて様子を見るとまだ芽は出ていませんでした。以降、週に2回ほど様子を見に行っているのですが、その度にトトロの発芽促進の儀式が頭をよぎります(笑)。メイになった気分でどんぐり畑とにらめっこを繰り返していましたが、よくよく見ると割れ目から根っこが出始めていました!根っこが出始めたどんぐりもう少し暖かくなれば芽も出てくることでしょう。気長に待つこととします!札幌キャンパスさてさて、どんぐりを播いたあとは久しぶりの札幌キャンパスです。折角なので研究林関係の建物を紹介したいと思います。一つ目は古河講堂と言われるこちらの建物(下)。どこか和歌山研究林の庁舎を想起させるこちらの建物は、北大の前身である札幌農学校が東北帝国大学の農科大学となっていた1909(明治42)年に建てられました。林学教室の建物として建設されたので、入り口に「林」の文字がデザインされた装飾があります(写真を撮り忘れました)。建設当時、足尾銅山鉱毒事件の責任を追及されていた古河鉱業が償いの意味を兼ねて、東北帝国大に寄付したお金の一部で建設されたそうです。白い壁面と緑の屋根が雪景色にもよく合いますが、窓が一重で中は非常に寒いそうです(Ref. 北大再発見 CAMPUS TOUR)。今は別の学部の研究室として利用されているらしく、残念ながら内部の一般公開はしていません。古河講堂次は有名な農学部です(写真下)。上空から見ると北大の「北」の形になるように建設されたそうですが、増改築の結果、今ではよく分からなくなっています。正面玄関から階段にかけては趣のある装飾が残っていますが、それ以外の場所は無機質な研究所のような内装であまり面白くありません。 ちなみに入り口の横には電話が撤去されボックスだけ残った謎のオブジェがあります。農学部一方で理学部の博物館は内装も往時の雰囲気が残っていて羨ましいです。こちらの建物は理学部の開設を目的に昭和4年(1929年) に建設されました。この建設費用は研究林の造材によって賄われたそうで、実は研究林が深く関わっている建物でもあります。 博物館は見学可能なので、機会があれば是非立ち寄ってみて下さい! 理学部博物館北大の宣伝みたいになってしまいますが、建物だけでなくキャンパスの景色もオススメなので、訪れた際は是非ポプラ並木の方まで足を運んでみて下さい!下の写真はポプラ並木のあたりから農場を見た景色です。久しぶりに見るとやっぱり綺麗ですね。このあたりはキツネの通り道にもなっていたので、よく張り込んで写真を撮っていました。ポプラ並木のあたりからの夕景農場の中程には下のようにキャンパスの西側へ抜ける道があって、学部1年生の頃はこの道を通学してました。晴れている日は良いのですが、吹雪の日はホワイトアウト状態で皆が踏み固めた道の感触を探りながら通学した記憶があります。踏み跡を外すと30㎝ぐらいズボッと沈み込むので、恐る恐るの通学でした(笑)。冬の農場の通学路一方で夏は牛が放牧されてのんびりした風景が広がります。札幌駅前で手軽に北海道感が味わえるので、季節の違いを楽しむのにも良い場所かもしれませんね。ちなみに僕のオススメの季節は5月末から6月です!北海道は本州と違ってほとんどが落葉樹で構成されているため、長~い冬が終わって一斉に木々が葉をつけ始めるこの季節が大好きでした!本州の春よりも、生き物たちが「待ってました!」と言わんばかりに生き生きとしているのが伝わってきます。新緑の香りと一緒に漂ってくる、久しぶりに顔を出した地面のちょっと湿っぽいような夜の匂いもとても良いです。キツネの子ども達もこの頃に生まれて、まだ警戒心を知らない子供たちがこっちの様子をじろじろ見てるのもまた可愛らしいです。夏の農場の通学路完全に宣伝になってしまいましたが、興味があれば是非札幌キャンパスの方も足を運んでみて下さい!さて、今回は年末年始の休暇もあったので少ないですが、この辺で終わりたいと思います!今年度も研究活動をはじめ和歌山研究林や平井の様子、森林関係のニュースなど取り上げていきたいと思います!どうぞよろしくお願いいたします!


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