こんにちは。7期生の北川ひとみです。 皆様一週間、お疲れ様です。九州は今日少し過ごしやすい気候ですね。 私は大学の定期試験を終え、今日は所属している美術部のご縁で、福岡の幼稚園の美術のご指導のお手伝いをしてきました!キラキラした目で版画を刷る子供たちに、こちらも元気をもらいました。 さて、クラウドファンディング残り6日となりました。 75%を達成しました!皆様の温かいご支援に厚く御礼申し上げます。 目標まであと182000円。All-or-nothingのラストスパート、どうぞよろしくお願い致します!! 今日の活動報告は、渡米するメンバー同士の関係についてご紹介します! 佐賀県の高校出身・在学、佐賀の大学に所属する学生など、佐賀にゆかりのある学生が応募し、選抜された高校生・大学生約10人のメンバー。専門や興味関心は多様ですが、「佐賀」をキーワードに集まった仲間です。実際に、いったいどのような関係なのでしょう?私の経験からご紹介させて頂きます。 ☆7期生メンバー紹介 https://sagadelegation.wordpress.com/members/7thmember/#01 ☆7期生の歩み https://sagadelegation.wordpress.com/history/#07 全員そろって顔を合わせるのは渡米当日! 渡米の半年以上前からスカイプ会議やメッセージのやり取りを通して一緒に準備を行いますが、日本全国に散らばっているためメンバーが顔を合わせるのは渡米当日になります。最初は緊張をしましたが、「佐賀」を通じた仲間でもあるからか、一緒に食事をし、協力して訪問先への研修を行うにつれて1日目でかなり打ち解けたことを覚えています。7期生は中がよく、渡米中常に笑いが絶えませんでした。 (写真:初日の現地での初めての食事の様子。) 2週間、楽しい時も、大変な時も一緒に共有 佐賀県海外使節団では、各メンバーがアポイントメントを取った訪問先をメンバー全員で訪問します。そのため2週間ほとんど一緒に時間を過ごします。訪問先での刺激的な経験、うまく英語が使えず戸惑った時間、楽しいアメリカサイズの食事、移動中での会話。ハードで刺激的なスケジュールを共にするなかで、他では築くことが難しい絆を築くことができたように思います。 (写真:ハウスフーズにてディスカッション中の様子。) このメンバーだから得られた学びがある! メンバーの希望訪問先は毎年異なるため、毎年同じスケジュールの派遣はありません。このメンバーだから出会えた人たちや、見ることができた風景があります。私は7期生に医学系の学生がいたおかげで、UCLA Medical Center、デザインシンキングやシェアリングエコノミーに関心があった学生がいたおかげでairbnbを訪問することができました。そして日々のディスカッションの中で互いの専門分野から指摘をし合うことで、切磋琢磨し合うことができました。7期生では、IoTに関心のある学生が、その仕事はIoTにとって代わられるのではないか?と指摘し、一時議論が白熱しました…! (写真:UCLA Medical Center訪問の様子。) (写真:airbnb訪問の様子。) 帰国後も、よき仲間でありライバル メンバー同士の関係は、渡米時だけでは終わりません。帰国後も、各地での懇親会で、または個別に、再会の機会をもちます。互いに近況を行ったり渡米時のことを思い出して語ったりする中で、互いに刺激を与え、また負けじと次の目標に向かって頑張ろう、と思うことができます。将来7期生とどこかで連携し、大きなものを作り出したいです。 (写真:6月に7期生の中村さんと福岡で再会し、近況報告をし合いました!) (写真:クラウドファンディングご支援者、OBOGを交えての佐賀での懇親会の様子。) 準備から渡米までハードな時間を共に過ごし学び合う使節団の仲間はかけがえのないもので、私にとってこの7期生の仲間に出会えたことは、使節団での大きな収穫でした。これからもつながり、切磋琢磨してゆきたいです。 8期生もきっと、よき仲間でありライバルとなると思います。渡米中のブログの更新が楽しみですね。 私たちOBOGを含め、一緒に佐賀、日本、世界へ貢献していく仲間となっていきたいと思います。 最後までお読みいただきありがとうございました。 引き続き、佐賀県海外使節団へのあたたかいご支援をよろしくお願い致します。 文責:北川ひとみ(7期生)
こんにちは。7期生の北川です。 いよいよ、残り1週間となりました…!! あたたかいご支援を頂き、現時点の支援総額552000円です。誠にありがとうございます。 All-or-nothingの本プロジェクトは、目標達成できなければご支援はゼロとなってしまいます。残り1週間、75万円達成目指して頑張ってまいります!! 来月3月5日(月)~3月18日(日)渡米予定の8期生は、渡米まで1か月を切り、現在準備に大忙しです。 徐々にアポイントメントを取ることができ、スケジュールも決まってきています。 今日は使節団こぼれ話として、渡米中の1日をご紹介いたします! メンバー各々が目標に沿って取ったアポイントメント(渡米中の道のり①をご覧ください!)をもとにプログラムが組まれ、メンバー全員で訪問をする点が特徴的な佐賀県海外使節団。 実際の渡米中の1日は、どのような1日なのでしょうか? 7期生の私が昨年3月に渡米した際のある1日のスケジュールに沿って、ご紹介させて頂きたいと思います! 7期生のメンバー・渡米スケジュールはこちらをご覧ください。 https://sagadelegation.wordpress.com/history/#07 ※今年の8期生のプログラムとは異なります。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ① 起床 起床時間は6時から7時ぐらいでしょうか。前日の疲れがあって起きられない…など言っている時間はなく、すぐに着替えて移動です。朝食はホテルで急いで済ませることが多かったです。 ② 訪問先へ移動 訪問先によって時間は様々で、1日に2~3件訪問します。使節団メンバーが自分でアポイントをとった訪問先の他に、毎年お世話になっている方からのセミナーもあります。 地図を見ながら、コーディネーターが運転するバン(今年はバスをチャーター予定)、バスや徒歩で向かい、アポを取った担当のメンバーが自分の訪問先へメンバーを誘導します。 車内では、担当者が訪問先についてメンバーに改めて説明し、質問をし合うなどしながら皆で最終確認をします。 (写真:車内で訪問先について確認をしている様子。) ③ いざ訪問! 訪問先についたら、担当のメンバーがお世話になる方々にご挨拶や自己紹介をして、勉強スタートです! 自分の専門以外の訪問先もとても刺激的でした。1人1つ以上は質問することを目標に積極的に英語で話します。最後には佐賀のお土産をお渡しして、お礼のご挨拶をします。 (写真:訪問先で英語で質問する様子。) ④ 懇親会 アメリカで生活されている方との懇親会も使節団の大きな特徴だと思います。懇親会では使節団を支えてくださっている方の他に、時間の都合などで使節団の受け入れができなかった訪問先の方がお忙しい中参加してくださることもあります。懇親会では一緒に夕食を食べながら、専門的なお話やアメリカでの生活について聞くことができ、とても楽しかったです。直接お話を聞くことができるのでよりリアルなお話を聞くことができ、毎回楽しみでした。(使節団こぼれ話③でも紹介があっています!) (写真:懇親会の様子。) ⑤ ディスカッション 滞在先へ戻ると、まずは7期生全員で今日のまとめを行います。今日自分はどのようなことを学んだのか、実際自分の言葉で表現することで、改めて自分の中の整理をすることができます。また自分の希望訪問先で他のメンバーがどのようなことを考えたのか聞くことも大変興味深く感じました。中にはディスカッションのような形で、今日学んだことについて議論することもありました。 ⑥ 就寝まで 各自部屋に戻った後は訪問先へ訪問させていただいたことへのお礼状を作成します。一つ一つお礼状を書く中で、毎日多くの人に出会っているのだということを感じ、とても感動しました。その後は明日の準備として事前学習資料にもう一度目を通します。また今日の様子について佐賀県海外使節団のホームページでブログの更新もありますので、是非皆様ご覧ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 振り返っているうちに、楽しかったこと、大変だったこと、悔しかったことたくさんの出来事が思い出されます。一つ一つが刺激的で、鮮明に記憶に残っています。 毎日がこの濃さですので、正直なところ渡米中では消化しきれません。しかし渡米後直後に開催される帰国報告会、そして日々過ごす中で、改めてどれほどのことを学んだのか気が付きます。 こうした経験を通して8期生は何を学び、どう活かしていこうとするのでしょうか。私自身もとても楽しみにしています。 3月25日に佐賀国際交流プラザにて帰国報告会が開催されます。お忙しい時期とは思いますが、少しでも構わないので使節団メンバーのキラキラとした顔を見に来て欲しいと思います。詳細は追ってご連絡いたします。 引き続き使節団へのあたたかいご支援をよろしくお願い致します。 文責:北川ひとみ(7期)
こんにちは! 前回の活動報告で恥ずかしながら登場した廣津志保です。現在北欧デンマークのコペンハーゲンにいるわけですがどうやら日本の方が雪が積もっているようです。。みなさま体調にはお気をつけください。 今回私から紹介させていただく先輩は3期生の樋渡翔太郎さんです。 早速質問をしていきたいと思います! ーー使節団の経験がどのような影響をもたらしたと感じますか? 使節団の活動を通してお会いする方々は、自身のキャリアを緻密に構築されています。そして同時に、自身の構築した戦略に囚われていらっしゃいません。そのような深みのある方々が纏っている雰囲気に魅せられ、私の行動原理に少なからぬ反映があったものと思います。 特に、自分自身の専門性を確立しつつ、異分野間の連携に心を砕くプロセスの重要性を肌で感じることが出来ました。 [写真:使節団参加当時(大学2年生、19歳)] ——将来の目標に変化はありましたか? 使節団に参加した大学2年生の時点での目標は、「研究者になること」、としていました。この頃に関心をもっていたのは脳科学分野だったと記憶しています。 そして現時点での目標は、科学技術の発展です。 ——自らの成長から社会の成長へと変わっていますね。 この目標を実現させる戦略として、3つの主軸を用意しています。 1つめは、科学に直接携わっている、または携わろうとしている人々の社会的基盤(特に給料・福利厚生・労働衛生)の整備です。2つめは、研究資金配分や研究設備の整備です。3つめは、社会と技術をつなぐ科学技術コミュニケーションの活性化と、それらを担う科学技術コミュニケーターの育成です。これらはヒト・モノ・カネの流れに集約できますが、私が最も重視するのはヒトです。特に、優秀な人材が恒常的に生み出される仕組みを作りたいと思っています。 科学技術を育む土壌、システムを開発して社会に実装しようとしているという点で、私は「研究者」としての側面を少なからず有します。 [写真:2017年度現在(24歳)] ——なるほど。使節団参加時点の「研究者になること」という目標は達成されているのですね。現在の研究について教えてください。 日本の若く優秀な研究者が恒常的に生み出され、且つ社会的に評価されるシステムを構築することが私の仕事です。この課題に対し、官学連携を推進する立場から取り組みます。 ——と言うと、今現在の日本のシステムの課題は何ですか? 現在、日本で研究者を志す場合は、通常大学院での博士号取得が必要となります。博士号を取得する年齢は標準的には27歳です。この間、大学院生は基本的に無給で、福利厚生もなく、むしろ学費を納めなければならないため、経済的な自立が難しいのが現状です。 ——日本はOECDの調査でも34か国中、教育へのお金の割り当てワースト1位という記事を読みました。。。 優秀な研究者の卵は日本学術振興会特別研究員に採用されることがありますが、これも月20万円の給料がボーナスもなく支給されるのみです。苛烈な研究者のホープ同士の競争の末獲得する、年収240万円を26歳前後で受け取って喜ぶ。これが日本の科学の将来を担う優秀な研究者のホープに対する経済的な待遇水準なのです。 ——根本的な問題点が見えてきた気がします。 これでは、若く優秀な人材が学術界から流出するばかりでなく、恒常的に新たな人材供給が生み出されません。研究者に対する社会的冷遇の問題を解決する試みは、我が国における科学技術の発展のみならず、教育制度や労働制度、公共の福祉等が抱える諸問題の包括的解決に資するものと考えます。上記課題に対し、私は国家予算の配分決定機構の仕組みを理解するプロフェッショナルになった上で、他法令・他制度のノウハウも踏まえつつ、研究資金配分と研究制度に取り組むという戦略をとります。 ——現状に不満を言わず変えていこうとする姿勢の大切さを感じることができました。樋渡さん、ありがとうございました。 文責:廣津志保
こんにちは。7期生の北川ひとみです。 なんと、直近の5日間で20万円近くのご支援を頂き、64%まで達成いたしました!! 佐賀県海外使節団のプロジェクトにご賛同いただき、ご支援頂いた皆様、誠にありがとうございます!! 残り10日となりました。75万円の目標達成に向け、頑張ってまいります! 今日のOBOG紹介は、7期生の廣津志保さんです。 昨年3月に私と一緒に渡米したメンバーです。熱意や行動力、何より素敵な笑顔で誰とでも仲良くなって楽しむ才能がピカイチで、渡米先でも積極的にコミュニケーションを取り(あるときは通りすがりのおじさんに気に入られてしまったり!)大活躍でした。2週間渡米先で一緒に過ごして、たくさんの刺激を受けました! 渡米後に、半年間のスウェーデン留学を経て、なんと現在はデンマークの会社でインターンをしています。今回はそんな彼女が留学体験を交えて記事を書いてくれました。ぜひご一読ください! ―――――――――――――――――――――――――――― こんにちは! スウェーデンでの半年間の交換留学を昨日終え、2月2日からデンマークの会社でインターンシップをしている廣津志保(7期)です! (写真:昨年度渡米時ハリウッドにて) (写真:廣津さんの希望訪問先、Airbnb訪問の様子。) 九州で生まれ育ち寒いところが苦手だった私は、スウェーデンでの生活が想像できない!という理由で最終的に留学先に選びました。 北欧は日本でも北欧雑貨や北欧家具、カフェなどのゆったりとした暮らし、そして福祉大国で教育水準や幸福度が高いイメージがあると思います。 (写真:首都ストックホルム) 突然ですが、スウェーデンといったら何を思い浮かべますか、、、 ムーミン?ムーミンはセンター試験に出題されたことでご存知の方も多いでしょうが、お隣のフィンランドです。LEGOもお隣のデンマーク。ノルウェイの森はノルウェーの森。じゃあスウェーデンって?スウェーデンは実はノーベル賞やIKEA、VOLVOが生まれた国なんです!スウェーデンというより北欧という方が親しみを感じるかもしれません。笑 スウェーデンで半年生活し、流暢な英語に囲まれ、自炊とランチボックスの当たり前さに驚き、スウェーデン語とスウェーデン人の柔らかい雰囲気に惹かれ、現金を一切持ち歩かないようになり、fikaというコーヒーブレイクを取る文化に染まり、雪景色に心を打たれ、フォークミュージックサークル活動に勤しみ、オーロラが寮の近くで見えたり、とスウェーデンでの生活を十分に楽しむことができました。 (写真:家から自転車で20分の湖から見えたオーロラ。) (写真:家の近くのクリスマスマーケット) (写真:ザリガニを食べる不思議な文化。意外とおいしくてたくさん食べました。) 勉強面では、生徒と教授の距離がとても近くお互いファーストネーム呼び捨てが基本で、ディスカッションというよりも意見交換を授業中にすることが大方です。4時間ほど1つの授業があるときはfika timeが設けられたりと、スウェーデンが好きになる一方でした。 (写真:大人気なSUSHI。コリドーパーティーといって各々食事を持ち込んだり一緒に作って友達とご飯を食べることが基本で外食は半年で何回かしかしませんでした。日本食と言われたらカレーか肉じゃがかSUSHIか。) 大学2年の夏からのスウェーデン留学が決まった状態で、使節団を通して大学1年生の3月に渡米し、空間デザインや次世代教育にフォーカスを当てて研修を過ごし、帰国してから現在お世話になってるデンマークの教育空間デザインコンサル会社に連絡を取り、受け入れてくださることになりました。 新しい環境に飛び込むのには勇気がいります。想像できないことはワクワクと同時に、不安も付きまといます。しかし居心地の良い環境から抜け出して自分を磨きながら適応していくことで人は少しずつ成長できると信じています。日本、アメリカ、北欧という異なる地で自分の興味を追求し、今は吸収することの方が多い毎日ですが、近い将来学んだことを形にしていこうと思っております! ――――――――――――――――――――――― 北欧での経験、素敵ですね!早く再会してお話を聞きたいです。 使節団で磨かれた、自らチャンスをつかみに行き、飛び込んでいく力が発揮されています。今後の活躍に期待です! 今回の活動報告は以上になります。お読みいただきありがとうございました! 大寒波にインフルが猛威を振るっておりますが、皆さまお気をつけてお過ごしください。 今後とも温かいご支援を、どうぞよろしくお願い致します。 文責:北川ひとみ(7期生)
こんにちは、昨日に引き続き7期の川内野が投稿させて頂きます。本日はOBOG紹介という事で、1期生の田中修平さんを紹介させて頂きます。 (下記:1期 田中修平さんより) 佐賀県海外使節団を支援していただいている皆様、これから支援しようと検討している皆様、こんにちは。 1期生の田中修平です。 昨年、早稲田大学大学院教育学研究科(博士後期課程)を中退し、佐賀に帰って働いています。いまは教育と直接に関わらない仕事をしていますが、4月から「教育行政職員」として学校や教育行政の現場で働くことになります。 このような選択をしたのは、家庭の事情もありますが、若手研究者の雇用環境がますます厳しくなっている中で、いまのまま研究を続けても生き残っていくのは厳しいだろうから、一般的ではないことにチャレンジしてみようと思ったからです。従来は博士後期課程中退者が研究以外の分野で職を得るのは難しかったと思いますが、佐賀県は幕末以来の先取の精神が理由かどうかは分かりませんが、私のような人間も受け入れてくれました。 こういう経歴だと、「夢破れて佐賀に帰ってきた残念な人」という目で見られることもあれば、「何か研究に還元したいことがあって、あえて現場の経験を積もうとしているのかな?」という疑問を持たれたりもします。色んなことを言われますが、何が本当になるかは、これからの自分次第だと思います。 ただ、若手研究者の雇用状況に関するネガティブな情報が流布しているために若者が研究の道に進むことを敬遠し、これからの日本の研究のレベルが低下していくことが懸念されるので、仕事をしながらも研究に貢献していこうと思っています。先週もある大学の先生が教育学分野の研究で佐賀に来られた際に、調査に同行しました。(私のメインの仕事は、お茶くみでしたが...笑) 20世紀の半ば以降、世界の社会科学をリードしているのはアメリカだと言ってよいでしょう。その下地は、第一次世界大戦や第二次世界大戦の際に、多くの研究者が行政の実務に動員され、その経験をもとに現実の問題関心に根差し、実際に現場の役に立つ学問をつくろうとしたところにあると私は考えています。 私の同世代の日本の研究者(の卵)は、ストレートで大学や研究所で職を得られず、実務の世界に飛び込んでいく人が増えるだろうと思います。しかし、そのことは、アメリカの過去の例に照らして考えると、学問に対しても、社会に対してもプラスになるだろうと思っています。 実務経験なく研究者になってしまうことに疑問を覚えたのは、アメリカで次のような体験をしたからでした。私は2015年にアメリカの教育大学院に留学しました。私を受け入れてくれた先生が指導している現地の学生は全員、社会人経験者でした。教育大学院なので、教育の現場に身を置いて湧いてきた問題意識をもとに研究をしているようでした。ゼミでの議論も、それぞれの現場での経験をもとに意見を言っていて、社会経験のない私はまったく口をはさむことができませんでした。 これからは「教育行政職員」として働くことになるので、学校や教育行政の現場に身を置くことができます。そうして現場の経験を積むことで、3年前の自分ができなかった現場の感覚を踏まえた議論ができるようになるのではないかと期待しています。大学にいたときには気づかなかった新しい問題意識を抱いて研究に取り掛かることになるかもしれませんし、実務の世界で新しい仕組みを考えて導入したりしているかもしれません。あるいは、目の前の子どもや保護者と全力で向き合い、地域の人たちから慕われる職員になっているかもしれません。 このように、様々な可能性が目の前に広がっています。しかし、自分の将来は自分でコントロールできるものではないということが分かってきたので、とにかく目の前の仕事に全力を尽くして、偶然の出会いを大事にしていきたいと思っています。私がやってきた研究は教育に関することで、これから採用される職種も教育に関するものです。研究であろうと実務であろうと、「子どもたちのために」ということを忘れずに頑張りたいと思います。そうすることで、佐賀県に貢献したいと思っています。 私が教育に関心を持ったのは、佐賀県海外使節団でアメリカに行ったときに現地の大学のキャンパスの様子を見て学生たちの生き生きとした姿に衝撃を受けたことがきっかけでした。アメリカではなぜこのように生き生きとした学生たちが育つのかを知りたいと思い、政治学から教育学へ専攻を変えました。このように、佐賀県海外使節団には一人の学生の将来を変えるほどのインパクトがあると思うので、ぜひご支援をいただければと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 修平さんが文章の中でおっしゃっている「自分の将来は自分でコントロールできるものではないということが分かってきたので、とにかく目の前の仕事に全力を尽くして、偶然の出会いを大事にしていきたいと思っています」について社会人1年目の私にとってはとても共感しました。もっと大きな仕事をしたい、この仕事もしてみたいという思いがある一方、まずは与えられた目の前の仕事をしっかりこなして評価してもらわないといけない。 私も修平さんのように社会に揉まれながらも学生時代から持っていた夢を忘れないようにまずは目の前の日々の仕事に励んでいきたいと思います。 修平さん有難う御座いました。 以上、OBOG紹介でした。 文責 7期川内野