こんにちは、バリュープラス アーカイヴ プロジェクトです。私たちは2022年、東京都現代美術館で開催された「生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展」のアーカイヴ業務に参加し、まず膨大な資料のリストアップを行いました。実際にスキャンをする前の、このリストアップ作業に多くの時間を要しました。今回のデジタル化でも、スキャン作業の前に全てのフィルムを調査し、リストを作成する必要があります。まずは、合計2000枚弱のフィルムに、一枚一枚通し番号を付与します。(この通し番号がデジタル化した画像のファイル名になります)次に、文献などを参考に写っているキャラクターや話数を特定し、リストに記載していきます。そして、このフィルム調査/リストアップ作業に参加できる権利を、新たなリターンとして追加します!この作業にご参加いただけるリターンは、限定20名様を募集します。3~4名ほどに分かれていただき、東京都内のフィルム保管場所で複数回の調査を実施します。資料でも特定のしにくい内容は、貴方の記憶が頼りになるかもしれません。また、先日ポジフィルムをご覧いただき、調査の重要性をインタビュー動画で語っていただいた特撮美術監督の三池敏夫さんに、リターンのフォトアルバムにサインを入れていただけることになりました!対象のコースはこちらになります。【フォトアルバム(三池敏夫氏サイン入り)コース】 今後も、特撮にゆかりのあるクリエイターの方々にお話を伺う予定です。引き続きご支援よろしくお願いいたします!特撮美術監督 三池敏夫 プロフィール1961年熊本県出身。1984年九州大学工学部卒業後、矢島信男特撮監督に師事。東映テレビヒーローシリーズに参加した後1989年フリーとなり、東宝のゴジラシリーズ、大映のガメラシリーズ、円谷プロのウルトラマンシリーズなどに特撮美術として参加する。2008年再び特撮研究所に所属。代表作は『超人機メタルダー』(1987)、『鳥人戦隊ジェットマン』(1991)、『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003)、『男たちの大和』(2005)、『日本沈没』(2006)、『ウルトラマンサーガ』(2012)、『巨神兵東京に現わる』(2012)、『のぼうの城』(2012)、『シン・ゴジラ』(2016)、『Fukushima50』(2020)、『シン・ウルトラマン』(2022) など。
みなさま、はじめまして! バリュープラス アーカイヴ プロジェクトです。当プロジェクトでは、ピー・プロダクション制作の特撮作品、『快傑ライオン丸』『風雲ライオン丸』『鉄人タイガーセブン』『電人ザボーガー』の撮影現場で撮影された写真のポジフィルム(リバーサルフィルム)約2000枚をデジタル化し、アーカイヴすることを目標としています。詳細についてはプロジェクトページを読んでいただくとして、こちらの活動報告では、今回発掘されたフィルムを公開・紹介していきます!物量が膨大ですので紹介できるのはごく一部ですが、このフィルムが劣化・褪色する前に、デジタル化にぜひご協力ください!またピープロ特撮や、そもそも特撮自体に馴染みがないという方々にも、作品やキャラクターの魅力を知る一助にしていただき、当プロジェクトやピープロ特撮に興味を持っていただけますと幸いです。なお活動報告で掲載するポジフィルムの画像は、パレットにマウントされて保管している現在の状態をスマートフォンで仮撮影したものになります。早速ですが、まず『快傑ライオン丸』からこちら!ライオン丸が「ライオン飛行斬り」をはじめ必殺技を放った後にとる、独特のポーズを切り取ったフィルムです。『快傑ライオン丸』の劇中では、ライオン丸が必殺技を決めたのち、愛刀「金砂地の太刀」の峰(みね)に添えた左手を鍔(つば)までスライドさせると敵が爆発……という流れが毎回の定番でした。『快傑ライオン丸』が放送されたのは、「倒した敵は爆発する」という、特撮ヒーローならではの「お約束」も次第に定着しつつあった時代です。その爆発までの流れに、この一種の「見得」としてのアクションを採用したのは、時代劇と特撮を融合したアクションドラマ『快傑ライオン丸』における一つの特徴と言えるでしょう。このフィルムでは、ライオン丸のマスクやスーツの細部が、陰影からしわに至るまで非常にクリアに捉えられています。またライオン丸の代名詞ともいえる「たてがみ」が風になびいており、大変美しい1枚です。ライオン丸のマスクは、『怪獣王子』『スペクトルマン』でもピープロ作品に参加し、『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』などの怪獣・宇宙人のスーツを造形したことでも知られる、画家であり特殊造形家の高山良策さんが制作しました。たてがみはそのマスクに動物の毛を1本ずつ植毛して作られた逸品です。ライオン丸に込められた造形技術の魅力も、このフィルムから感じ取っていただけるのではないでしょうか。こんな感じで、今後もポジフィルムを取り上げつつ、作品の紹介などもさせていただこうと思います。よろしくお願いいたします!