今回お披露目する「ビビビ。」オリジナルビール。その一番の特徴は、副原料に白樺の樹液を用いていることです。白樺樹液はこのビールを仕込んだ北海道・美深町の名産で、これは毎年4月末頃まで雪が残る豪雪地帯ならではのもの。というのも、冬の間に白樺の樹木が身に蓄えた水分を、天然の栄養分と一緒に新鮮なまま保つには、自然の冷却機能が不可欠だからです。美深町では毎年、雪解けの季節のほんの2週間だけこの樹液が採取でき、アミノ酸やミネラル、タンパク質などの成分が豊富に含まれることが研究により明らかになっています。そのため、昔から化粧品の原材料として重宝されてきた白樺樹液ですが、これをビールの副原料に使ってみようとの着想から誕生したのが、美深白樺ブルワリーでした。ほんのり自然な甘みを感じさせるこの樹液をたっぷり投じた今回のビール、一体どのような味に仕上がるのか、皆さんと一緒に味わえる日が楽しみです。
今回の「ビビビビアフェス」の目玉コンテンツの1つに、私たちが北海道・美深町で仕込んできた、オリジナルビールのお披露目があります。去る1月中旬、日本最北端の醸造所・美深白樺ブルワリーさんで仕込み作業を行ったもので、いつもの同社の製品よりも少し多めに白樺の樹液を使った、スペシャルなビールです。思えば、クラフトビールというジャンルについて少しは知った気になっていたものの、醸造作業を1から順を追って教わるのは我々としても初めてのこと。もちろん、素人が手を出してもいい範囲でのお手伝いに過ぎないのですが、それでも新鮮な体験で、いっそうビールの面白さを感じる貴重な機会となりました。作業の途中、白樺樹液を飲ませていただきましたが、ほのかに甘いアーシーな味わいで、これがビールとなって東京に届く日を想像するとワクワクします。ちなみにスタイルはファームハウスエール! 自然豊かな美深町で醸すのにぴったりですね。なお、今回会場ではこのオリジナルビールはボトル販売のみとなりますので、まずはご自宅等でお楽しみいただければ幸いです。
クラフトビールファンの皆さんと、つくり手のリアルな接点を演出したい――。そんな願いからスタートした「ビビビビアフェス」のプロジェクト。「ビビビ。」としても初めての取り組みで暗中模索の日々ですが、今回、4社のブルワリーにご登場いただくことになりました。この、4社のブルワリーというのが、実に個性派ぞろい。プロジェクト本文でもご紹介させていただいていますが、北海道からはるばるやって来る美深白樺ブルワリーさんは、地域の名産である白樺の樹液を副原料に用いるスタイルで、イメージに違わぬ美しい酒質が特徴です。四国は香川県から参戦のオーロイブルーイングさんはファントムブルワリーで、「自前の設備を持っていなくても、こんなに美味しいビールがつくれるんだ!」とあらためて世に知らしめてくれる存在です。東京・武蔵境の26Kブルワリーさんは先日、横浜に大規模な第2工場の設立を発表されたように、とにかくやり手の企画屋さんでもあります。今後、首都圏でいっそう存在感を発揮すること間違いなし。同じく東京・押上のミヤタビールさんは、実は冷蔵庫をDIYして「ビビビ。」のタップを造ってくれたブルワリーでもあり、今も我々の良き相談相手となりつつ、美味しいビールを提供し続けてくれています。こんな4社が一堂に会すると、一体どんな空間が生まれるのか?? 今から楽しみでなりません。
流行りのクラフトビールですが、普通のビールと一体何が違うのか、明確に答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。実は、これほど世間に浸透した言葉でありながら、クラフトビールに明確な定義は存在しません。強いていえば、「craft=手技」と解釈し、「手工芸品のように職人が手づくりしたビール」というのが最適解でしょうか。つまりは大手4社のビールと違い、ごく小規模な醸造所(マイクロブルワリーといいます)で仕込まれているのがクラフトビールで、だからこその多様性が醍醐味といえます。世のクラフトビールブームを受け、現時点でマイクロブルワリーの数は782社に達しました。これは10年前のおよそ3.5倍に相当し、こうしている今も各地で次々に新たなブルワリーが登場しています。ポイントは、クラフトビールはまだ比較的新しい産業であるがゆえ、大半のブルワー(醸造家)には“前職”があること。これまで「ビビビ。」でご紹介した中から例をあげれば、元エンジニアや元教員、元ミュージシャン、さらには元アメリカ空軍・爆弾処理班なんて異色の人物も……!こんなに個性豊かで楽しいジャンルだからこそ、ぜひつくり手にも注目しながら目の前の1杯を楽しんでいただきたいというのが我々の願いです。今回の「ビビビビアフェス」が、そんなクラフトビールらしい楽しみに触れるきっかけになれば幸いです。
代官山「ビビビ。」と申します。当店は昨年9月末にオープンしたばかりの、国産クラフトビール専門のビアバーです。なぜクラフトビールの店を開こうと思ったのかというと、それはあらゆるお酒の中で、つくり手と一般消費者との距離が最も近いジャンルだと感じたから、です。創業時からこれまで、「酒はつくり手とその背景を知れば何倍も美味くなる」をコンセプトに、全国津々浦々、多様なクラフトビールとブルワリー(醸造所)情報を発信してきました。およそ4カ月半を経たいま、このコンセプトは間違っていなかったと確信しています。選りすぐったビールに対し、お客様から「美味しい!」と言っていただけるのは我々にとって無常の喜びです。さらに、それがどんな人物がどのような環境で仕込んだビールなのかを説明することで、お客様がいっそう興味深げに目を輝かせる様子に、私たちは幾度となく触れてきました。今回の「ビビビビアフェス」は、その延長線上の取り組みです。単に美味しいビールをお届けするだけでなく、そのつくり手と背景の物語までセットで発信したい。そんな想いを具体化させたはじめの一歩が、今回のイベントです。お招きした4社のブルワリーさんは、いずれも個性派ぞろい。ぜひ皆さんにリアルの場でご紹介させてください!