こんにちは、故郷喪失アンソロジー主催の藤井佯(ふじい・よう)です。クラウドファンディングも残すところあと9日となりました。なるべく活動報告を更新していきたいねということで、今日も何か書きます。ネタが途中で尽きたらごめんなさい。故郷喪失アンソロジーって何?という方はまずはこちらをご覧くださいね。今回は、個人的イチオシリターンである「制作日誌」について、おすすめポイントを語ろうかなと思います。制作日誌、以前も少しだけ紹介したのですが(【全部で7つ】故郷喪失アンソロジーのリターン紹介!)、もっとちゃんと紹介したいなーとかねてから思っていました。めちゃくちゃオススメです。このリターン、お届け時期がおそらく7月中旬ごろになるかと思います。故郷喪失アンソロジーの企画立案から終わりまでの全記録を収録したいと思っているからです。故郷喪失アンソロジー制作日誌は、PDF形式にてお届け予定の書類です。ご支援いただいたメールアドレスにご送付します。どのような内容が含まれる予定なのか、簡単に見てみましょう。・企画立案のきっかけ・表紙の写真について解説・公募の反響と、応募総数の推移・参加者discordチャンネル作成・クラウドファンディングの準備・アクシデント(PCが壊れた)・書店さまへの営業・クラウドファンディングの完了と振り返り・リターンの送付・参加者への献本の送付・文学フリマ東京38での委託販売の所感(何部売れたなど)・その他即売会での販売の所感・書店さまへの納品(どのような納品書や請求書をつけているか込みで)・企画全体にかかった金額と、制作日誌完成終了時までに売れた冊数(ちゃんと書きます)・作品の掲載順についての小話・参加者への謝礼のお支払いについて・Adobe CCについて・InDesignのレイアウトグリッドの設定やフォントについて・使っている印刷所について・部数の決定方法について・告知や宣伝に使用した各種画像・電子書籍の制作・電子書籍の流通について試行錯誤・国立国会図書館への寄贈・その他、プロジェクトを進行するにあたって気をつけたことなど……いかがですか? 全てを書くつもりなのだということがお分かりいただけたでしょうか。正直、同人誌ってつくるハードル高いですよね? いや、何か書いて印刷してホチキスで留めれば本はつくれますよ? でも、ちゃんと中綴じで、印刷所に頼んで、なんかそこそこ厚みがあって……そういう本がつくりたいときってありますよね? しかも、自分一人だけではなく誰かを集めて一緒に本をつくれたら最高ですよね……?なんか、同人誌というか、本のつくり方って、つくれる人には当たり前になっちゃってるんですけど、暗黙知というんですかね、肝心な部分が明文化されていなかったり、初心者にとってわからないポイントが多すぎたりするといいますか。そういうのって嫌ですよね。誰でも本がつくりたいときにつくれたほうがいいに決まってます。多分、この「制作日誌」読んだら疑問点はけっこう解決しますし、本つくれるようになると思います。私は私で、今までなんとなくでやっていた作業を明文化して整理できるというメリットがあります。正直、この制作日誌だけで「故郷喪失アンソロジー」とは別に本が一冊つくれる内容とボリュームになると思ってます。つまり、ありえんほどお得ということです。・完全なる初心者で本づくりに興味がある方・少々凝った本がつくりたくなってきた方・集団で本を制作したい方・既に本はつくっているけど他サークルのやり方を知りたい方必見です!!!!(ぶっちゃけ、あとからこの「制作日誌」単体で販売する可能性もあります。そのくらい価値のある内容にする自信があるため……しかし、やっぱりお得に手に入れたいですよね。安心してください。クラウドファンディングのリターンでの入手が有利になるよう価格調整する予定です。)最後に、制作日誌の手に入るリターンを紹介したいと思います。【電子書籍&ブックガイド&制作日誌】2500円のプラン。シンプルなプランです。全て電子で手に入るのも◎【電子書籍&ブックガイド&制作日誌&書き下ろし小説】3000円のプラン。こちらも全て電子で手に入るプランです。電子コンテンツ全部盛りですね。【紙の書籍&ブックガイド&制作日誌】3000円のプラン。やっぱり本は紙でほしい!という方はこちらもおすすめ。制作日誌とブックガイドはPDF形式です。【電子書籍&紙の書籍&ブックガイド&書き下ろし小説&制作日誌】4000円のプラン。特装版じゃなくていいや、という方はこちらがおすすめですね。お気づきかもしれませんが、ブックガイドはすべてのリターンについてきます。やったぜ。【特装版&電子書籍&ブックガイド&書き下ろし小説&制作日誌】5000円のプラン。限定20部です。まだいけます。特装版もおすすめです。クラウドファンディングでしかやらない装丁なので。【5000字コミッション&特装版&ブックガイド&電子書籍&制作日誌&書き下ろし小説】10000円のプラン。”全て”が手に入ります。残り1枠です。【10000字コミッション&特装版&ブックガイド&電子書籍&制作日誌&書き下ろし小説】20000円のプラン。”全て”が手に入ります。残り2枠です。いかがでしょうか? 意外と「制作日誌」の手に入るプランが多いですね!そう、お得なんですよとっても……。さっそくリターンを吟味したい方はこちらからどうぞ!自分で言うのもあれですが、制作日誌をリターンとして用意しているのめっちゃ偉いと思います。絶対誰かの参考になると思うし、読み物としても面白くなる自信があります。ぜひ、主催・藤井のイチオシリターン「制作日誌」をよろしくお願いいたします!今日はここまで! ありがとうございました!!!!
こんにちは、故郷喪失アンソロジー主催者の藤井佯(ふじい・よう)です。各作品のご紹介、第四弾です!①いとーさん、城輪アズサさん、闇雲ねねさんの作品②オザワシナコさん、江古田煩人さん、伊島糸雨さんの作品③万庭苔子さん、藤井佯、湊乃はとさんの作品④灰都とおりさん、神木書房さん、犬山昇さん、玄川透さんの作品 ←今回はこちら故郷の在り方、喪失の在り方を探る終盤、力作ぞろいです。灰都とおり「絶対思想破壊ミーム小夜渦ちゃん」(約8500字) 東京で編集者になってまだ日の浅いころ、先輩から担当を引き継いだSという若いライターがいた。灰都とおりさんは小説を書いています。今回は、2000年代の日本を舞台とした物語を寄せてくださいました。東京で編集者をしている「わたし」はSというライターと出会い、意気投合して飲んでいるうちに、幼少期に見たというアニメのことをSから伝え聞きます。それは「わたし」が、かつてあの団地で耳にした話そのもので、「わたし」にその話をしてくれたTしか知らないはずの物語でした。個人的に、灰都とおり作品最高傑作に推しています。神木書房「祝杯」(約8800字) お盆はいつ取りますか、と部下に聞かれたので、いつでもいいよ、と答えようとしたが、最近同居——同居と言うにはやや情があるが、同棲と言うにはためらいのある相手のことを思い出して、考えとくよ、と返した。神木書房さんは小説を書かれています。今回は、包容力溢れる中年男性とどこか歪な若年男性の同居生活、その一コマをお送りいただきました。船藤は母親を亡くすと、酒を開けて「祝杯!」と宣言します。「おれ」はその異様さに驚きつつ、彼の傷に寄り添うのでした。打算を交えた二人のドライな関係が魅力的な作品です。犬山昇「壊れていくバッハ」(約6700字) 花束さんの音楽趣味は、彼女を育てた祖父の影響だった。犬山昇さんは小説を書かれています。今回は、二人の少年少女の傷、そして少しずつ喪失されゆく故郷を描いた作品をお寄せいただきました。「ぼく」の家の隣に住んでいる花束さんは、両親に捨てられ祖父母に養育されています。「ぼく」は花束家の人々と交流を持ちながら、やがて疎遠になっていきます。久しぶりに実家へ帰ってきた「ぼく」を待ち受けていたのは、ゆっくりと崩壊してゆく故郷の姿でした。美しい旋律に乗せて、儚くも現実に迫った崩壊が描かれる点が魅力です。玄川透「富士の雅称」(約10000字) 芙遠と書いてフォンと読む人名は、フォンの生まれた国でも異質だ。正しく読まれたことはないし口答で伝わった試しもない。玄川透さんは小説を書かれています。今回は、故郷にとどまりつつもその故郷に帰属感を得ることのできない「フォン」の物語をお寄せいただきました。読みづらくこの国では珍しい名前と、利き手が左手であることによって、幼少期から学校でも家庭でも酷い扱いを受けてきたフォン。フォンは故郷にとどまりながら「歴史探訪サポーター」としてかつての故郷について観光客に解説するボランティアを行っています。フォンという名前、もしくは故郷に意味を見いだすために。トリを飾るにふさわしい、心震える小説です。これで、全4回にわたる作品紹介は以上となります!気になった作品があれば、SNSでぜひ教えてくださいね。クラウドファンディングは4月30日まで!・参加者有志が「故郷喪失」を描いた好きな作品について紹介する「故郷喪失」ブックガイド・企画立案から電子書籍制作までの全記録を収録する故郷喪失アンソロジー制作日誌・クラウドファンディング支援者しか読めない「故郷喪失」をテーマとした藤井佯書き下ろし小説・沈んだ街が浮かび上がる特製カバー付きの特装版・藤井佯がいただいたテーマやお題をもとに5000字〜10000字で小説を書くコミッションと、素敵(素敵ですよね?)なリターンが盛りだくさんです!クラウドファンディング終了まで残すところあと10日!引き続きよろしくお願いいたします!
故郷喪失アンソロジーの藤井佯(ふじい・よう)です。なんと、目標達成率が50%を突破しました!ありがとうございます!!クラウドファンディング実施は4月30日まで!残すところあと10日ほどとなってまいりました。引き続き何卒ご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします!まえがき公開さて、今回は『沈んだ名 故郷喪失アンソロジー』の「まえがき」を全文公開したいと思います。まえがきをお読みいただければ、故郷喪失アンソロジーがどのような思いで編まれ、どのように皆さまのご協力のもと制作されていったのかが伝わるかと思います。それでは早速下記に転載いたします。===================まえがき 二〇二四年の一月ごろ、特定の地域を舞台とした小説の公募を目にした。その公募には応募条件があり「その地域に住んでいた、または住んでいた経験がある」者のみが応募できるようになっていた。そこでふと、私は自分の故郷について書くように言われたら、すんなりと書くことができるだろうかと疑問が湧いた。あまり前向きに書きたいとは思えない、というのが率直な感想だった。それで、突然「故郷喪失」という言葉がやってきた。午前四時のことである。私はどうしても、故郷喪失者による故郷喪失者のための本が読みたくなった。ないものはつくるしかなく、気がつけば応募要項をつくりあげ、SNSで作品の応募を呼びかけていた。 二〇二四年一月二四日から三月一七日にかけて「故郷喪失」をテーマとした作品を募集した。応募にあたり、「広義の故郷喪失者であること。故郷を喪失したと自認している方」という応募資格を設けた。本書の方針として、まずは故郷を喪失したと感じている人々の語りを掲載したかったため、そのようにした。三十四件の応募があり、その中から十二篇を選び、自身のエッセイを含めた全十三篇のアンソロジーとして本書を編纂した。刊行にあたってはクラウドファンディングを活用している。 故郷喪失という言葉が包括する概念は複数あると考えられる。高度成長期の都市開発による故郷喪失、あるいはグローバル化に伴う故郷喪失という、現代社会を貫く大きな流れがありつつ、また、日本においてはヒロシマ、ナガサキ、ミナマタ、そしてフクシマなどの積み重なりが存在する。そして、現在「故郷喪失」を語るにあたって、パレスチナにおける大虐殺や能登半島の被災状況を無視することは決してできない。そのうえで、そうした大きな流れのなかに現代を生きる私たち個人の語りがある。そのような普遍性と特殊性を持つテーマでありながら、これまで故郷喪失者の表現が故郷喪失者の表現として十分にアーカイブされてきたかと問われると、私にはまだ、その営みが不十分かつ発展途上であるように思えてならない。本書では、あくまで作者自身の考える故郷喪失を書いてもらうことに主眼を置いた。そうすることによって浮かび上がってきた現代の故郷喪失観について、あとがきに代えてささやかな論考を書き下ろした。本アンソロジーを形にしていくにあたって、編者である藤井がアンソロジー参加者を巻き込んで故郷喪失という言葉と格闘してきた軌跡であり、ひとまず到達できた場所についての記録として記したものである。 語るということは特権的な行為である。この本において当事者が語ることでさらに不可視化される当事者が出てきてしまうことは避けられない。また、故郷喪失という言葉自体によって不可視化される語りが存在する。本アンソロジーに採用された作品はどれも、作者が作者自身について俯瞰し、故郷喪失という言葉と自身との距離を測り、それを言葉を用いて語るという離れ業を以て書かれたものである。しかし、応募された中で私が不採用にした作品について、ではその語りは語られるに値しないものだったのかと問われると断じてそのようなことはない。紙幅と予算という制約によりやむを得ず選考を行ったものの、作品の価値はそのようなものによっては決して損なわれることがないのである。さらに、そもそも生み出されなかった語りについて、故郷喪失という言葉では掬い取ることのできない場所にある語りについても同様である。しかし、どこかで進まなければならない。まずは言葉を投げかけ、さらに言葉を投げかけ、絶えず語られない声に応答し続けることによってしか前に進むことはできない。故郷喪失を語る試みはいつまでも途上である。それは読者に届くことによって一歩ずつ前進する。読者の中に何らかの感慨を引き起こすことによってまた一歩、読者がそれに触発されることによってさらに大きな一歩が刻まれる。まずは、投げかけること。それを目的に、この本は編まれた。この本を触媒として、読者のうちに沈んだ言葉を喚起することができれば幸いである。二〇二四年四月 藤井佯===================今回の活動報告は以上となります。引き続き『沈んだ名 故郷喪失アンソロジー』をよろしくお願いいたします。
こんにちは、故郷喪失アンソロジー主催者の藤井佯(ふじい・よう)です。各作品のご紹介、第三弾です!全4回にわけてご紹介していきます。①いとーさん、城輪アズサさん、闇雲ねねさんの作品②オザワシナコさん、江古田煩人さん、伊島糸雨さんの作品③万庭苔子さん、藤井佯、湊乃はとさんの作品 ←今回はこちら④灰都とおりさん、神木書房さん、犬山昇さん、玄川透さんの作品故郷との繋がりに焦点を当てた作品が続きます。万庭苔子「回転草(タンブルウィード)」(約9300字) 地球という惑星の陸地の面積は一億四千七百二十四万四千平方キロメートル、人口は約八十一億人。では国の数はいくつあるか。じつは公式な正解はない。なにをもって『国』とするのか、定義が必要となるからだ。万庭苔子さんはエッセイや翻訳、小説を手がけられています。物語はドイツに住んでいたことのある「わたし」がドイツ語学校で知りあったイラク人、ナディールくんとの思い出話が中心となり、やがて人称を超えて世界の人々が混ざり合っていく祈りの地点へ着地します。今読まれるべき小説です。藤井佯「安心で安全な場所」(約9400字) 高校時代の活動範囲は学校か家か塾。休日に家を出ることもなかった。誰と、どこに行って、何をするのか、親から根掘り葉掘り聞かれるのが嫌で、外出が億劫だった。とにかく非常に狭い世界で生きていた。藤井佯は小説を書いています。今回はエッセイで参加しました。幼少期から難関大学に合格することを期待され、自身も地元を出ることしか考えられなかった時代を振り返っています。このような人はほかにもたくさんいるだろうと思って、身を削る思いで書きました。湊乃はと「遺愛」(約5000字) その一葉を再発見したのは、三寒四温の谷間の一日、酷く底冷えする板間で腰掛けた椅子の先、足の指を忙しげに擦り合わせているような時であった。湊乃はとさんは小説を書いています。今回は、今からおよそ百年ほど前を舞台にした、故郷を捨てた男性の物語をお寄せいただきました。母の癇性を憎み郷里を捨てた寅次でしたが、一葉の手紙をきっかけに思い出した故郷の姿、母の姿は美化されたものでした。寅次の葛藤は時を超えて私たちにも強い共感を呼び覚ますはずです。今回は以上となります。次回で作品紹介は終わりますが、引き続き活動報告を行っていく予定ですのでぜひまたチェックしてください!「まえがき」や「あとがきに代えた論考」の一部も公開予定です。CAMPFIRE様曰く、いまは「コツコツ発信期」だそうです。言われた通りコツコツ発信していこうかと思います。そして、昨日も本日も複数の方からご支援をいただきました。関心をお寄せいただき、そしてご協力いただきありがとうございます。それでは4月30日まで、引き続きご支援・ご検討よろしくお願いいたします!!
こんにちは、故郷喪失アンソロジー主催者の藤井佯(ふじい・よう)です。各作品のご紹介、第二弾です!全4回にわけてご紹介していきます。①いとーさん、城輪アズサさん、闇雲ねねさんの作品②オザワシナコさん、江古田煩人さん、伊島糸雨さんの作品 ←今回はこちら③万庭苔子さん、藤井佯、湊乃はとさんの作品④灰都とおりさん、神木書房さん、犬山昇さん、玄川透さんの作品幻想、SF炸裂の中盤! ご期待ください。オザワシナコ「採集作業」(約4400字) 生臭い草の匂いにくすぐられ、私は鼻を擦った。 許可を取って立ち入るのは里山なので、気温が高い中でも登り下りの大変さはさほどない。しかし、静かで樹木の多い奥のほうまで分け入らねばならない採集作業は、虫や爬虫類を恐れる都会育ちには不向きだ。オザワシナコさんは小説を書かれています。今回は、耽美な世界観の掌編でご参加いただきました。人に寄生する虫、羽を生やして飛んでゆく子ども、皮だけになった人間の遺骸を回収するアルバイト……。全寮制の専門機関に通う「私」が見つけたのは、寄生されて死を待つのみの変わり果てた子どもの姿でした。故郷とは一体どこなのか、人は死を覚悟したときに何に縋るのか、考えさせられる作品です。江古田煩人「帰郷の旅路」(約5700字) お客さん、どちらまで? 地球ですか。火星から地球までってそれなりに距離があるでしょうに、こんな星間タクシーより高速宇宙船の方がずっと早く着きますよ。お客さんがお急ぎでなければ、私は構いませんけれども……江古田煩人さんは小説を書いたり、手書きPOPを制作されたりと幅広く活動されています。今回はレトロフューチャーな世界を舞台に、火星から地球へと帰省する人々を乗せる星間タクシーで語られる物語でご参加いただきました。故郷の原風景が色鮮やかで印象に強く残ります。アンドロイドの心地よい語りに誘われ、星々の寂しくも懐かしい光が目の前に浮かぶようです。伊島糸雨「塵巛声」(約10100字)遠い地平の先々を、燃えるような霧の幕が覆っている。落日を隠し、夜を遅らせ、意志ある万象を解いてゆく、流転の潮汐が。 伊島糸雨さんは作家です。魄躰(はくたい)を持ち、言葉としてそれを切り分けながら生活する民たちの物語をお寄せいただきました。あらかじめ決められた喪失という宿命を前にして、人々はどのように振る舞うのか。主要人物三者の選択とその行く末をともに見届けてください。今回は以上となります。引き続き作品紹介をお楽しみに!ちなみに、本日でクラウドファンディングを開始してから15日が経過しました!そして、クラウドファンディング終了まで残すところあと15日となりました!ちょうど折り返し地点ですね。おかげさまで、支援者数は31名となり、目標達成率は40%を突破いたしました。ありがとうございます!引き続き4月30日までクラウドファンディングは実施されますので、今後ともご支援・ご検討よろしくお願いいたします!