世界初のEUオーガニック認証・完全招待制の"生ハムのためだけ"につくられた日本酒

世界のトップソムリエから称賛される『SHIROKIMONO』と、世界初のEUオーガニック認証を持つ最高級生ハム『BLACK TAG』が手を合わせ、生ハムのためだけの特別な日本酒を創造。芳醇な旨味と絶妙に調和する唯一無二の味わいで、誰も見たことのない新しい贅沢のかたちを目指します。

現在の支援総額

1,831,000

610%

目標金額は300,000円

支援者数

91

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2024/12/15に募集を開始し、 91人の支援により 1,831,000円の資金を集め、 2025/01/31に募集を終了しました

世界初のEUオーガニック認証・完全招待制の"生ハムのためだけ"につくられた日本酒

現在の支援総額

1,831,000

610%達成

終了

目標金額300,000

支援者数91

このプロジェクトは、2024/12/15に募集を開始し、 91人の支援により 1,831,000円の資金を集め、 2025/01/31に募集を終了しました

世界のトップソムリエから称賛される『SHIROKIMONO』と、世界初のEUオーガニック認証を持つ最高級生ハム『BLACK TAG』が手を合わせ、生ハムのためだけの特別な日本酒を創造。芳醇な旨味と絶妙に調和する唯一無二の味わいで、誰も見たことのない新しい贅沢のかたちを目指します。

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皆様、いかがお過ごしでしょうか。 新年も早いもので一週間が経ちました。 今年も皆様のもとへ、最高の味わいをお届けできるよう精進してまいります。 さて本日は、多くの方から寄せられる「生ハムの種類による違いがよく分からない」「高級品と言われるけれど、その価値は?」といった疑問にお答えする記事をご紹介させていただきます。 スペインが世界に誇る2大生ハム、「ハモン・イベリコ」と「ハモン・セラーノ」。 その歴史から特徴、そして楽しみ方まで、詳しくご説明させていただきます。 生ハムへの理解を深めていただくことで、より一層の味わいの違いを感じていただけるはず。 ゆっくりとお時間のある時に、お読みいただけますと幸いです。 以下、記事の内容をご紹介させていただきます。ハモンイベリコとは?生ハムの王様と呼ばれる理由を解説「最高級生ハム」として知られるハモンイベリコ。その価格の高さや希少性から、実際に購入を検討する際には様々な不安や疑問が浮かぶのではないでしょうか。「本当に値段に見合う価値があるのか」「どのように選べば失敗しないのか」といった声をよく耳にします。確かに、ハモンイベリコは一般的な生ハムと比べるとお値段は高めです。しかし、その独特の芳醇な香り、とろけるような食感、そして奥深い味わいは、他の生ハムでは得られない唯一無二の美食体験をもたらしてくれます。本日はハモンイベリコについて、その特徴や選び方、おいしい食べ方まで、詳しくご紹介していきます。世界最高峰の生ハムと言われる理由や、その価値を最大限に引き出す方法を知ることで、より確かな目で商品を選び、充実した食事の時間を過ごしていただけるはずです。ハモンイベリコとは何か?ハモンイベリコは、スペインが世界に誇る最高級の生ハムです。その歴史は古代ローマ時代にまで遡り、イベリア半島で豚肉の保存方法として塩漬けが始まったことが起源とされています。当時は冷蔵技術がなかったため、豚肉を長期保存するための知恵として塩漬けが発展しました。特に中世時代には、修道院を中心に現在のハモンイベリコにつながる製法が確立されていきました。20世紀に入ると、スペイン料理の世界的な認知度の高まりとともに、ハモンイベリコもまた国際的な注目を集めるようになりました。現在では、世界中の食通たちを魅了する最高級食材として確固たる地位を築いています。イベリコ豚の特性と飼育方法ハモンイベリコの魅力は、何と言ってもイベリコ豚という特別な品種にあります。黒い体毛と細長い足を持つイベリコ豚は、一般的な豚と比べて運動量が多く、引き締まった肉質が特徴です。最も注目すべき点は、その独特な飼育方法です。イベリコ豚は「デエサ」と呼ばれる広大なドングリの森で放牧されます。この伝統的な飼育方法により、豚たちはのびのびと自然の中で育つことができます。特に秋から冬にかけては「モンタネラ」と呼ばれる特別な放牧期間があります。この時期、イベリコ豚たちは森に落ちたドングリを主食として過ごします。ドングリに含まれる良質な油脂は、ハモンイベリコ特有の甘みのある風味と、とろけるような食感を生み出す源となっています。製法と熟成期間ハモンイベリコの製造工程は、長い年月をかけて受け継がれてきた伝統的な手法に基づいています。最初の重要な工程は塩漬けです。海塩のみを使用し、生ハムの厚みに応じて塩漬け期間を決めていきます。一般的な目安として、1センチメートルの厚みにつき1日の塩漬け期間が必要とされています。塩漬けが終わると、いよいよ長期熟成の工程に入ります。ハモンイベリコの熟成には最低でも24ヶ月、高級品になると36~48ヶ月以上もの時間をかけます。この気の遠くなるような熟成期間こそが、ハモンイベリコならではの深い味わいを生み出す秘訣です。熟成中の温度と湿度の管理も非常に重要です。温度は15~25℃、湿度は60~80%の範囲で慎重に管理されます。この環境下で、生ハムはゆっくりと水分が抜け、旨味が凝縮されていきます。時には職人が生ハムの状態を確認し、必要に応じて温度や湿度を微調整することもあります。ハモンセラーノとの違い「生ハムといえばハモンセラーノ」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。確かにスペインを代表する生ハムという点では共通していますが、実はハモンイベリコとハモンセラーノには大きな違いがあります。ハモンセラーノとはハモンセラーノは、スペイン語で「山」を意味する「セラーノ」という言葉が示すように、伝統的に山岳地帯で作られてきた生ハムです。一般的な白豚(主にランドレース種やラージホワイト種)を使用し、最低7ヶ月、一般的には9~12ヶ月かけて熟成させます。ハモンイベリコとハモンセラーノの違い最も大きな違いは、使用される豚の品種です。ハモンイベリコは黒いイベリコ豚から、ハモンセラーノは一般的な白豚から作られます。この違いは、味わいと価格に大きく影響します。価格帯を比較すると、ハモンイベリコはハモンセラーノの3~5倍ほど高価です。これは、イベリコ豚の希少性や長期の熟成期間が理由です。ただし、この価格差には、それだけの価値があると多くの食通が認めています。味わいの面では、ハモンイベリコは濃厚で複雑な風味が特徴です。特に、脂の甘みと溶けるような食感は唯一無二です。一方のハモンセラーノは、すっきりとした塩味と程よい旨味があり、日常的に楽しみやすい味わいです。選ぶ際のポイントハモンイベリコとハモンセラーノ、どちらを選ぶべきか迷った時は、用途や予算、好みに応じて選択することをおすすめします。日常的に楽しむならハモンセラーノがおすすめです。100グラムあたり1,000円前後で購入でき、サラダやパスタなど、料理の具材としても使いやすい万能選手です。一方、特別な日のごちそうや、本格的なスペイン料理を楽しみたい時には、ハモンイベリコがぴったりです。100グラムあたり2,000~10,000円ほどと高価ですが、その味わいは特別な食事の時間を演出してくれます。また、好みの味わいも重要なポイントです。濃厚で複雑な味わいを楽しみたい方にはハモンイベリコを、さっぱりとした味わいが好みの方にはハモンセラーノをおすすめします。ハモンイベリコベジョータの特徴ハモンイベリコの中でも、最高級とされているのが「ベジョータ」です。このグレードについて、詳しく見ていきましょう。ベジョータの意味と名称「ベジョータ」とは、スペイン語で「どんぐり」を意味する言葉です。その名の通り、ベジョータは放牧期間中に主にどんぐりを食べて育ったイベリコ豚から作られる最高級品です。品質の証として、ベジョータには黒いタグが付けられています。このタグは、100%イベリコ種の純血豚を使用し、最後の肥育期間を「モンタネラ」(どんぐりの放牧期間)で過ごしたことを示す公式の証明です。ベジョータの味わいと風味ベジョータの最大の特徴は、その驚くべき食感です。常温に戻したベジョータは、まさに「口の中でとろける」という表現がぴったりの、なめらかな食感を持っています。香りの面でも特筆すべき特徴があります。ナッツやドライフルーツを思わせる深い香りは、長期熟成とドングリ飼育によってもたらされます。また、熟成中に生成されるアミノ酸により、濃厚な旨味が凝縮されているのも特徴です。ベジョータとセボの違いハモンイベリコには、ベジョータの他に「セボ」と呼ばれるグレードも存在します。主な違いは飼育方法にあります。ベジョータがどんぐりを主体とした飼育なのに対し、セボは穀物飼育が中心です。この飼育方法の違いは、価格にも大きく反映されます。ベジョータはセボの2~3倍以上の価格となることが一般的です。風味の面でも、ベジョータの方がより複雑で深みのある味わいを持ち、セボはよりシンプルな味わいとなります。ハモンとイベリコの違いイベリコ豚の重要性「イベリコ」とは豚の品種を指す言葉で、スペインの全豚生産量のわずか約1%しか占めない希少な品種です。この希少性に加えて、どんぐりを食べて育つことで生まれる独特の風味が、イベリコ豚の価値を高めています。また、イベリコ豚の脂肪には、オリーブオイルに含まれるオレイン酸が豊富に含まれています。このことから、良質な脂肪酸を含む健康的な食材としても注目を集めています。ハモンの種類と部位一方、「ハモン」はスペイン語で「生ハム」を意味する言葉です。主な部位は以下の3つです。後脚(ピエルナ)は、最も一般的で大きな部位です。重量も多く、バランスの取れた味わいが特徴です。前脚(パレタ)は、後脚より小ぶりですが、その分凝縮された濃厚な味わいを楽しむことができます。価格も後脚より手頃なため、ハモンイベリコ入門編としておすすめです。ロモは背中の部分で、赤身が多く低脂肪なのが特徴です。さっぱりとした味わいを好む方に人気があります。世界のハムとの比較他の国の生ハムと比べると、ハモンイベリコの特徴がより際立ちます。イタリアのプロシュートは、塩味が控えめでマイルドな味わいが特徴です。フランスのジャンボンは、しっとりとした食感が魅力です。ドイツのシンケンは、スモークの香りが強いのが特徴です。このように、各国の生ハムにはそれぞれ個性がありますが、ハモンイベリコの複雑な風味ととろけるような食感は、世界でも類を見ない独特のものといえるでしょう。ハモンイベリコの食べ方とレシピおすすめの食べ方ハモンイベリコを最も美味しく味わうには、やはりそのままスライスで食べるのがベストです。冷蔵保存している場合は、食べる15~20分前に室温に戻すことで、脂の旨味と香りを十分に感じられます。パンと一緒に楽しむのも定番の食べ方です。特に、スペインではパンにオリーブオイルを軽く塗り、その上にハモンイベリコをのせて食べる習慣があります。シンプルですが、オリーブオイルの風味がハモンの味わいをより引き立ててくれます。また、スペイン産のマンチェゴチーズなどと合わせると、より本格的なおつまみとして楽しめます。チーズの塩味とコクが、ハモンの風味と見事にマッチします。簡単なレシピの紹介家庭でも手軽に楽しめる、ハモンイベリコを使った簡単レシピをご紹介します。「イベリコトースト」は、こんがり焼いたトーストに完熟トマトをすり込み、その上にハモンイベリコをのせるだけの簡単メニュー。スペインの朝食の定番「パン・コン・トマテ」をアレンジしたものです。「イベリコ巻きアスパラ」は、グリーンアスパラガスをハモンで巻いて、オーブンで軽く焼くだけ。ハモンの塩味とアスパラの甘みが絶妙なバランスを生み出します。「イベリコサラダ」は、新鮮なルッコラの上にハモンをのせ、パルメザンチーズを削り、エクストラバージンオリーブオイルをかけるだけの簡単レシピです。最後にハモンイベリコは、スペインが世界に誇る最高級の生ハムです。イベリコ豚という特別な品種、広大などんぐりの森での放牧、そして長期にわたる熟成期間。これらの要素が組み合わさることで、他の生ハムには見られない独特の香りと味わいが生まれます。特に最高級とされるベジョータは、100%どんぐり飼育による豊かな風味と、とろけるような食感が特徴です。確かに価格は高めですが、その味わいは特別な食事の時間を演出してくれます。ハモンイベリコを楽しむ際は、室温に戻してからそのままスライスで味わうのが基本です。ワインと合わせたり、シンプルなレシピに取り入れたりすることで、より深い味わいを楽しむこともできます。購入する際は、信頼できる専門店を選び、産地や等級をしっかりと確認することが大切です。また、適切な保存方法を知っておくことで、長期間にわたって最高の状態で楽しむことができます。一度味わえば、なぜハモンイベリコが「生ハムの王様」と呼ばれているのか、きっと実感していただけることでしょう。


[謹賀新年]新年明けましておめでとうございます。旧年中は格別のご支援を賜り、心より御礼申し上げます。新春を迎えるにあたり、スペインの伝統的な食文化であり、私たちが誇りを持ってお届けする生ハムについて、その深い歴史と魅力をご紹介させていただきたいと思います。スペイン2大生ハムの違いから、その奥深い世界まで、分かりやすく解説しております。新年最初のお時間に、ぜひゆっくりとお楽しみください。スペイン2大生ハムを徹底解説|歴史から楽しみ方までスペイン産生ハムの魅力に惹かれながらも、種類の多さや価格帯の違いに戸惑いを感じていませんか? 本場スペインでは、生ハムは単なる食材ではなく、長い歴史と伝統に裏打ちされた誇り高き食文化です。しかし、「ハモン・イベリコ」と「ハモン・セラーノ」の違いや、それぞれの特徴を正しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。本日は、スペイン産生ハムについて、歴史から製法、種類、そして楽しみ方まで、詳しくご紹介します。高級品として知られる「ハモン・イベリコ」から、日常的に親しまれている「ハモン・セラーノ」まで、それぞれの特徴や魅力を分かりやすく解説していきます。このコラムを読めば、あなたもスペイン産生ハムの奥深い世界を存分に楽しめるようになるはずです。スペイン産生ハムとは?基本的な特徴スペイン産生ハムは、豚のもも肉を塩漬けにし、自然乾燥させて作られる伝統的な加工食品です。スペイン語で「ハモン(jamón)」と呼ばれ、他のヨーロッパの生ハムとは異なる独自の製法と味わいを持っています。最も特徴的なのは、スペインの気候を活かした自然熟成方式で、寒暖の差が大きく乾燥した気候が、独特の旨味と香りを生み出します。製造工程の特徴生ハムの製造は、まず新鮮な豚のもも肉を厳選することから始まります。その後、以下のような工程を経て完成に至ります 塩漬け 海塩のみを使用し、肉の重量に応じて約1日/kg程度の塩漬けを行います。塩抜き 余分な塩分を取り除き、肉を均一な状態にします。乾燥 温度と湿度が管理された環境で、徐々に水分を抜いていきます。熟成 最も重要な工程で、製品によって12ヶ月から48ヶ月以上の期間をかけます。この製造過程では、添加物や保存料を一切使用せず、塩と時間、そして空気だけで旨味を引き出していきます。品質管理と認証制度スペイン産生ハムの品質は、厳格な基準によって管理されています。特に高級品については、原産地呼称保護制度(DOP Denominación de Origen Protegida)によって、生産地域や製法が厳しく規定されています。これにより、伝統的な製法と品質が守られ、消費者は安心して本物の味を楽しむことができるんです。スペイン産生ハムの歴史古代からの継承スペインにおける生ハムの歴史は、紀元前にまで遡ります。フェニキア人が豚をイベリア半島に持ち込んだことが、現在のスペイン産生ハム文化の始まりとされています。当時は冷蔵技術がなく、塩漬けによる保存が肉を長期保存する唯一の方法でした。この保存方法が、やがて独自の食文化として発展していきました。ローマ時代の発展紀元前2世紀頃には、すでにローマ帝国でスペイン産生ハムが珍重されていたという記録が残っています。古代ローマの博物学者プリニウスの著作には、イベリア半島産の塩漬け豚肉の味わいについての記述があり、当時からその品質の高さが評価されていたことが分かります。中世における転換点スペインの生ハム文化に大きな影響を与えたのが、8世紀から15世紀まで続いたイスラム教徒による支配とその後のレコンキスタ(国土回復運動)です。イスラム教徒が豚肉を食べないことから、豚肉の消費はキリスト教徒のアイデンティティを示すものとなりました。特に、生ハムの製造と消費は、キリスト教文化の象徴として重要な意味を持つようになりました。近代化と品質向上19世紀以降、交通網の発達により、生ハムの流通範囲が広がりました。20世紀に入ると、品質管理技術の向上や衛生基準の確立により、より安全で高品質な生産が可能になりました。1986年のEU加盟後は、原産地呼称保護制度(DOP)の導入により、伝統的な製法と品質が制度的に保護されるようになっています。現代における評価現在、スペイン産生ハムは世界中で高い評価を受けており、特にハモン・イベリコ・デ・ベジョータは、世界最高級の食材の一つとして認められています。スペイン国内では年間消費量が一人当たり約5kgに達し、日常的な食材としても愛されています。スペイン産生ハムの種類ハモン・セラーノの特徴ハモン・セラーノは、白豚(主にドゥロック種、ランドレース種、ラージホワイト種など)から作られる生ハムです。熟成期間は12〜24ヶ月で、繊細な塩味と程よい旨味が特徴です。鮮やかなピンク色で、脂身は白色を呈し、初めての方でも食べやすい味わいです。比較的手頃な価格で、スペイン産生ハムの約90%を占めており、日常的に楽しまれています。ハモン・セラーノの等級ハモン・セラーノは熟成期間によって、ボデガ(最低12ヶ月熟成)、レセルバ(最低15ヶ月熟成)、グラン・レセルバ(最低18ヶ月熟成)の3つに分類されます。ハモン・イベリコの特徴ハモン・イベリコは、イベリア豚から作られる最高級の生ハムです。24〜48ヶ月以上の熟成期間を経て作られ、濃厚な旨味と甘み、豊かな香りが特徴です。深い赤色で、脂身は黄味がかった白色を呈し、室温でとろけるほど柔らかく、オレイン酸を多く含んでいます。高価で、特にベジョータは最高級品として扱われています。ハモン・イベリコの等級イベリコ豚の飼育方法と血統により、ベジョータ、セボ・デ・カンポ、セボ、イベリコ交配種の4つのランクに分類されます。最高級のベジョータは、100%イベリア豚の純血種を使用し、どんぐりを中心とした自然放牧で育てられます。セボ・デ・カンポは牧草地での放牧と穀物飼料、セボは穀物飼料による畜舎飼育で育てられます。それぞれ黒、緑、白のタグで識別されます。ハモン・イベリコの産地主要な原産地呼称保護地域(DOP)スペインのハモン・イベリコ生産は、厳格な原産地呼称保護制度(DOP)によって管理されています。中でも四大産地として知られているのが、デエサ・デ・エストレマドゥーラ、ハブーゴ、ロス・ペドロチェス、そしてギフエロです。デエサ・デ・エストレマドゥーラは、エストレマドゥーラ州に位置し、広大などんぐりの森(デエサ)を有する最大の生産地です。標高400〜700メートルの高地に位置し、夏は暑く冬は寒い大陸性気候が、生ハムの熟成に理想的な環境を生み出しています。ハブーゴは、ウエルバ県シエラ・デ・アラセナ地方に位置する伝統ある産地です。年間を通じて安定した気温と適度な湿度により、独特の風味を持つ生ハムが生産されています。山岳地帯の気候を巧みに活用した熟成方法は、他の産地には見られない特徴となっています。コルドバ県北部に位置するロス・ペドロチェスは、比較的小規模な生産地ながら、その品質の高さで高い評価を受けています。乾燥した気候と標高の高さを活かし、凝縮された旨味が特徴的な生ハムを生み出しています。サラマンカ県のギフエロは、最も古い生産地の一つとして知られています。標高約1,000メートルという高地に位置し、寒暖の差が大きく乾燥した気候が、生ハムに深い味わいを与えています。気候と地理の重要性生ハムの品質は、その土地の気候と地理的条件に大きく左右されます。標高の高い場所での乾燥した空気は、生ハムの適切な熟成を促します。また、寒暖の差が大きい気候は、旨味成分を凝縮させる効果があります。各産地では、その土地特有の気候を活かした熟成方法が確立されており、それが独自の味わいを生み出す要因となっています。伝統的な生産方法の継承各産地では、何世紀にもわたって継承されてきた独自の製法が今も大切に守られています。塩漬けの期間や方法、乾燥室の環境管理、熟成庫での保管方法など、細部にわたる技術が職人たちによって受け継がれています。これらの伝統的な製法と、その土地特有の気候風土が組み合わさることで、それぞれの産地ならではの味わいが生まれているのです。スペイン産生ハムとワインのペアリング基本的な相性の考え方スペイン産生ハムの魅力をより一層引き立てるのが、適切なワインとのマリアージュです。生ハムの種類によって異なる旨味や香り、塩味の強さを考慮し、それらと調和するワインを選ぶことで、より豊かな味わいを楽しむことができます。ハモン・セラーノは、繊細な塩味と程よい旨味を持つため、軽やかな味わいのワインと好相性です。特に、フレッシュな白ワインや若い赤ワインがおすすめです。スペインの白ワイン「アルバリーニョ」や「ベルデホ」は、生き生きとした酸と爽やかな果実味が、ハモン・セラーノの味わいを引き立てます。一方、ハモン・イベリコ、特にベジョータは、濃厚な旨味とナッツのような複雑な風味を持つため、より力強いワインと合わせるのが理想的です。スペインを代表する赤ワイン「リオハ」の熟成タイプや、「リベラ・デル・ドゥエロ」の豊かなボディと果実味は、ベジョータの深い味わいと見事なハーモニーを奏でます。シェリー酒との素晴らしい出会いスペイン産生ハムとの相性を語る上で、欠かせないのがシェリー酒の存在です。特にフィノやマンサニージャといった辛口タイプは、生ハムの塩味と脂の旨味を絶妙にバランスさせます。シェリー酒独特の複雑な香りと、生ハムの熟成香が織りなす味わいの調和は、スペインならではの食文化を体現しているといえるでしょう。時間帯や季節による楽しみ方生ハムとワインのペアリングは、時間帯や季節によっても変化をつけると楽しみが広がります。夏の昼下がりには、冷えた白ワインやシェリー酒と共に軽やかに。夕暮れ時には、赤ワインと共にじっくりと味わう。そんな風に、その時々の気分や場面に合わせて楽しむことで、スペイン産生ハムの多彩な魅力を存分に味わうことができます。食事全体のバランスを考える生ハムとワインを楽しむ際は、他の料理とのバランスも大切です。例えば、オリーブやナッツ類、スペイン産のチーズなども一緒に供することで、より豊かな食事の時間を演出することができます。ワインの選択も、これら全体のバランスを考慮して行うと、より満足度の高い食事となるでしょう。まとめスペイン産生ハムは、数千年の歴史と伝統に支えられた珠玉の食材です。ハモン・セラーノの親しみやすい味わいから、ハモン・イベリコ・デ・ベジョータの極上の風味まで、その種類は豊富で、それぞれに異なる魅力があります。製法や産地による違いを理解し、ワインとの相性を考慮することで、より深い味わいを楽しむことができます。また、スペインの食文化における生ハムの重要性を知ることで、単なる食材以上の価値を見出すことができるでしょう。ぜひ、このコラムで得た知識を活かして、皆様も本場スペインの味わいをご自宅で楽しんでみてください。


いつも温かいご支援をいただき、誠にありがとうございます。本日は大晦日ということで、BLACK TAGの生ハムの故郷、スペインの年末の過ごし方をご紹介させていただきたいと思います。■ スペインの大晦日 - Noche vieja(ノチェ・ビエハ)スペインの大晦日は、家族や親しい友人たちと特別な時間を過ごす大切な日。新年を迎える瞬間、スペイン全土で守られている伝統があります。それは、真夜中の鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べる習慣。「Las doce uvas de la suerte(12粒の幸運のブドウ)」と呼ばれるこの伝統は、新年の12ヶ月の幸せを願う、スペインならではの風習です。そしてブドウを食べ終えた後は、カヴァ(スペインのスパークリングワイン)で乾杯。家族や友人たちと新年の喜びを分かち合います。■ 年越しのご馳走といえば?この特別な日に、スペイン人が欠かさないのが何と言っても生ハムです。古代ローマ時代から続く伝統を持つイベリコ豚は、スペイン人にとって国を象徴する誇りある食材。特に、ドングリを食べて育った最高ランクのイベリコ豚で作られる生ハムは、キャビアやフォアグラと並ぶ最高級品として、大切な年末の食卓を彩ります。その中でもBLACK TAGは、スペインの歴史ある生産地ギフエロで、17ヶ月以上の育成期間と36-48ヶ月の熟成期間をかけて作られています。まさに、スペインの伝統と誇りが詰まった逸品と言えるでしょう。日本では年越しそば、スペインではブドウや生ハム。文化は違えど、大切な人と特別な食事を共にする喜びは、世界共通なのかもしれません。皆様、今年も1年間ありがとうございました。 来年も、新しい食文化の創造を目指して精進してまいります。良いお年をお迎えください。


いつも温かいご支援をいただき、ありがとうございます。 本日は、BLACK TAGがなぜ生まれたのか、その原点となる物語をご紹介させていただきたいと思います。 スペインの小さな村で出会った一枚の生ハム。 その衝撃的な出会いから、世界初のEUオーガニック認証取得まで。 「本物の生ハムを日本に届けたい」という想いに突き動かされ、10年に渡って追い求めてきた私たちのストーリーです。 以下、noteに掲載した記事を再掲させていただきます。【BLACK TAG 誕生秘話】"幻のイベリコ豚"に魅せられて──狂気的なこだわりが生んだ、本物の生ハム(後編)「最高の食材は、その価値に見合う感動がある。でも究極の幸せは、その感動を多くの人と分かち合えること」―。前編で紹介した山田悠平氏の言葉には、深い覚悟と未来への展望が込められていた。スペインの小さな村で一枚の生ハムと出会い、23歳で起業を決意した彼の挑戦は、今、新たな段階を迎えている。生ハム大国スペインには、知られざる奥深い世界が広がっている。数千年の歴史を持つ伝統的な生産方法、希少な純血統の豚、そして厳格な品質管理。その頂点に君臨するのが、最高級生ハム「ハモン・イベリコ」だ。しかし、本物の価値を伝えることは容易ではない。伝統を守りながら革新を追求し、新たな食文化を創造する。山田氏が目指す「食による幸せの創造」の真髄とは何か。後編では、ハモン・イベリコという特別な食材を通じて、彼が見据える未来像に迫る。ハモン・イベリコの世界へようこそ―希少性と伝統が織りなす至高の味夕暮れ時のスペインの片隅で、赤みを帯びた生ハムがナイフの下で輝きを放つ。その一枚一枚には、幾世代にも渡って受け継がれてきた技と、イベリア半島の豊かな風土が刻まれている─。多くの人々にとって、生ハムは前菜の一つに過ぎないかもしれない。しかし、ハモン・イベリコの世界に足を踏み入れた者は、その奥深さに心を奪われずにはいられない。山田 年間4,000万本以上の生ハムを生産しているスペイン。人口が4,742万人(2021年)なので、おおよそ1人あたり1本の計算になるんですよ。その数字は、単なる統計以上の意味を持つ。それは、生ハムがスペインの人々の暮らしにいかに深く根付いているかを物語っている。しかし、すべての生ハムが同じ物語を紡ぐわけではない。その頂点に君臨するハモン・イベリコは、まさに生ハムの芸術品と呼ぶべき存在なのだ。山田 イベリコ豚というと、日本ではどんぐりを食べて育った豚というイメージですが、ほとんどのイベリコ豚はどんぐり(コルクの実)は食べていません。また、イベリコ豚といわれている豚も90%近くはほかの品種の豚との掛け合わせなんです。薄暮の森に響く樫の実の落ちる音。純血統のイベリコ豚たちは、秋の訪れとともにその実りの恩恵に浴する。しかし、その光景を目にすることができるのは、極めて限られた場所でしかない。山田 ハモン・イベリコ(イベリコ豚の生ハム)は純血統度(100%、75%、50%)と、飼育環境(ベジョータ、セボデカンポ、セボ)の組み合わせで格付けされます。イベリコ豚の血統とランクその世界は、ワインのそれに似ている。品種、土地、気候、そして人の手による丹念な管理。それらが織りなす複雑な調和の中から、最高の味が生まれる。山田 最上級とされる100%血統のイベリコ豚(純血統)は全体の約2%しかないんです。さらに、どんぐりを食べて育ったイベリコ豚(ベジョータランク)は全体の20%程度。要するに純血統で、かつ、どんぐりで育ったイベリコ豚というのは0.4%ほどになってしまうのです。この0.4%という数字は、まさに「希少の極み」と言えるだろう。しかし、単に希少というだけではない。この希少性は、長い歴史と伝統、そして厳格な品質管理の結果なのだ。イベリコ豚は、約2500年前からイベリア半島で飼育されてきた古代種の末裔だ。その長い歴史の中で、品種改良と厳選された飼育方法が確立されてきた。特に「ベジョータ」ランクの豚は、広大な樫の森で自由に動き回り、秋には樫の実(どんぐり)を食べて育つ。この飼育方法が、他にはない独特の風味と食感を生み出すのだ。黒いひづめが大地を踏みしめ、樫の木々の間を悠々と歩むイベリコ豚。その姿は、まるで太古からの時間が現代に姿を現したかのようだ。ハモン・イベリコは、そんな悠久の物語を私たちの食卓に届けてくれる、稀有な存在なのである。最高級ハモン・イベリコの聖地「ギフエロ」 ― 自然と伝統が織りなす奇跡の味ワインにシャンパーニュがあるように、ハモン・イベリコの世界にもその頂点と呼ばれる産地がある。それが、スペイン中西部に位置するギフエロだ。なぜ、この小さな村が最高級ハモン・イベリコの産地として名を馳せているのか。その秘密に迫ってみよう。ギフエロの名声を決定づけているのが、D.O.(原産地呼称統制)「ハモン・デ・ギフエロ」という称号だ。スペインに4つ存在するイベリコ豚の生ハムの保護原産地呼称のうち、最古の歴史を誇るこの称号は、厳格な品質基準と伝統的な生産方法を守り続ける者だけに与えられる栄誉なのである。ギエロフ村の地理的特徴山田 "本物の生ハム"を求めて降り立ったのは、スペインのギフエロ。マドリードから車で約4時間。標高1,000メートルを超えるこの地は、100年以上ハモンイベリコの産地として知られているんです。カスティーリャ・イ・レオン州の古都サラマンカから南へ1時間。その先に広がるギフエロの景観。では、なぜこの地がハモン・イベリコ生産に適しているのだろうか。その答えは、ギフエロ独特の地理的条件と気候にある。ギフエロ村山田 イベリコ豚の産地で最も標高が高く、海から遠い場所にあるギフエロ村。乾燥した山脈からの風が吹き、寒暖差が激しい環境で育つことで、霜降りの脂を蓄え、上品な甘味とうまみになるんですよ。この厳しい環境が、他の地域では真似のできない独特の味わいを生み出すのだ。しかし、自然環境だけでは最高級のハモン・イベリコは生まれない。そこには、長年の経験と情熱を持った生産者の存在が不可欠だ。その代表格が、山田氏がパートナーシップを組む現地の生産者だ。1930年代に設立された同社は、ギフエロの伝統を受け継ぎながらも、常に革新を追求してきた。同社の特筆すべき点は、その一貫生産システムだ。餌の生産から、豚の飼育、そして最終的な生ハムの製造まで、すべてを自社で管理している。これにより、最高品質の生ハムを安定して生産することが可能になっているのだ。山田 ここまで徹底して、養豚から加工製造まで一貫している企業はほとんどないんです。ギフエロにある500社ものハモンイベリコの会社の中で、自社放牧場で養豚をしているのは10社ほどしかいないんです。加工工場新宿区2つ分の広さを誇る彼らの放牧地「デエサ」では、純血統のイベリコ豚たちが悠然と暮らしている。一頭一頭に個体識別番号が振り分けられ、血統や飼育期間、そして薬歴に至るまで、すべてが徹底的に管理されているのだ。さらに、同社は革新的な取り組みも行っている。山田 現在は4代目が更なる美味しいハモンイベリコを目指し、希少な純血統種のイベリコ豚だけを17か月以上飼育し(通常のイベリコ豚は12か月)餌作りの農園から自社一貫生産で製造する取り組みを始めました。その姿勢は、伝統を守りながらも革新を追求する、現代の匠の在り方を体現している。一本一本の樫の木に至るまで計算され尽くした放牧地。そこには、ただ自然に任せるのではなく、最高の味を引き出すための緻密な計算が隠されているのだ。乾燥した大地に染み込む朝露、澄み切った空気を揺らす風、そして代々受け継がれてきた職人の技。ギフエロという土地が紡ぎ出す物語は、まさに生ハムの至高の一節と言えるだろう。では、この芸術品とも呼ぶべき生ハムを、日本で味わうことは可能なのだろうか。本物の生ハムを日本へ ―伝統と革新が織りなす新たな食文化凝縮された時間が育む極上の味わい。その神秘的な魅力に魅せられ、山田悠平氏は10年に及ぶ挑戦を続けてきた。最高級のハモン・イベリコを日本の食卓に届けるという、一見不可能とも思えるその夢が、今、現実となりつつある。その集大成とも言えるのが、『BLACK TAG』ブランドの誕生だ。このブランド名には、最高級のハモン・イベリコへの深い敬意と、揺るぎない品質への誓いが込められている。山田 『BLACK TAG』というブランドの由来にもなっている“黒タグ”は100%純血統のイベリコ種かつ放牧地でどんぐりを食べて育った、かつ豚のもも肉でハモン・デ・ベジョータ・100%イベリコと呼ばれる一級品の証なんです。実際に『BLACK TAG』のイベリコ豚に付けられた“黒タグ”つまり、『BLACK TAG』とは最高級のハモン・イベリコそのものを指しているのだ。しかし、山田氏の挑戦はここで留まらなかった。2022年、ハモン・イベリコとしては世界で初めてEU有機認証を取得する。しかし、「この快挙は決して目的ではなく、結果だった。」と山田氏は、その真意を興味深い視点で語る。山田 有機認証の取得は、ある意味で我々の覚悟の証明なんです。自社で餌を栽培し、豚を育て、最終加工まで一貫して管理する。その過程で、中途半端な妥協は一切許されない。これは単なる認証以上の意味を持つんです。その言葉通り、有機認証の取得は、生産工程全体の完璧性を追求する強力な原動力となっている。品質管理の徹底は、結果として唯一無二の味わいを生み出すのだ。山田 有機認証の基準を満たすということは、すべての工程でより繊細な管理が必要になります。例えば、添加物に頼れない分、温度や湿度の管理はより厳密に。餌の配合から豚の健康管理まで、すべてが緻密な計算の上に成り立っている。その真摯な姿勢が、結果として最高の味を引き出すことに繋がるんです。有機認証の取得は、思いがけない贈り物をもたらした。伝統と革新という、時に相反するとも思える二つの価値が、最高品質という一点で見事に調和したのである。何世紀もの時を越えて受け継がれてきた製法は、現代の厳格な基準という新たな光に照らされ、さらなる輝きを放ち始めた。しかし、最高級の生ハムを日本に持ち込むことは、山田氏の挑戦の一つの通過点に過ぎない。真の課題は、日本の地に本物の生ハム文化の種を蒔き、育てることにある。山田 日本では、生ハムという言葉の下に、様々な商品が混在しています。どこで作られ、どのような豚から生まれ、どんな工程を経て完成したのか。その違いが十分に理解されていない。しかし、一度本物を味わっていただければ、その感動が新しい扉を開くはずです。その言葉には、本物の味を通じて日本の食文化に新たな彩りを添えたいという、静かな、しかし揺るぎない決意が滲む。試食会やセミナー、レストランやシェフとの協演。それらは、一つ一つが丁寧に紡がれた物語のような取り組みだ。ここで自然と一つの問いが浮かぶ。千年の歴史を持つ和食の世界に、スペインが誇る最高級生ハムは、どのように寄り添っていけるのだろうか。それは単なる食材の輸入を超えた、まさに文化の融合という深遠な挑戦である。山田氏の探求は、美食の追求という枠を優雅に越えていく。それは、食という普遍的な言葉を通じて、異なる文化の間に新たな対話を生み出す壮大な試みなのだ。その先に広がる景色は、いったいどのようなものだろうか。次のセクションで、その展望に思いを馳せてみよう。生ハムが繋ぐ未来 ―至高の味が紡ぐ新たな食文化最高の食材は、その価値に見合う感動がある。でも究極の幸せは、その感動を多くの人と分かち合えること―。最高級のハモン・イベリコを追い求めながらも、その先にある本当の目標は、より多くの人々が日常的に本物の美味しさに出会える世界を作ることなのだ。しかし、その思いを言葉だけで伝えることはできるのだろうか。山田氏は、穏やかな表情で答える。山田 言葉で語るより、まずは味わっていただくこと。本物の美味しさは、すべての説明を超えて人の心に届くものなのだと思っています。今日お話しした理論や歴史を語る前に、まずはその感動を共有したい、多くの人に味わってほしいんです。本物の生ハムと出会った時、人は自然とその背景に興味を持ち始めます。どこで、誰が、どのように作られているのか。その好奇心こそが、理解への第一歩となると思いますね。その言葉には、生ハムへの揺るぎない自信と、同時に人々との出会いを大切にする謙虚さが滲んでいる。和食という繊細な食文化を持つ日本で、スペインの至高の味をどのように受け入れていくのか。その答えを探して、山田氏は様々な試みを続けている。和食の技法を活かした新しい食べ方の提案、日本の食材とのペアリング、そして、より大きな夢として―。山田 いつか日本でも、この国の風土に合った独自の生ハムを作りたい。それは単なる模倣ではなく、日本の食文化と融合した新しい価値の創造になるはずです。その過程で、より多くの方々と喜びを分かち合えることを願っています。その言葉には、遠い未来を見据えた静かな決意が感じられた。山田氏の挑戦は、まだ始まったばかり。しかし、その一歩一歩が、確実に日本の食文化に新たな彩りを添えている。ハモン・イベリコを通じて、人々がより豊かな食生活を楽しみ、そして食を通じた幸せを実感できる日。その日は、もう遠くないのかもしれない。最後に、一つの問いかけを残したい。 あなたは、本物のハモン・イベリコを味わったことがあるだろうか。もしまだなら、その機会を逃さないでほしい。なぜなら、その一口が、あなたの人生に新たな幸せの物語をもたらすかもしれないのだから。


いつも温かいご支援をいただき、ありがとうございます。 本日は、BLACK TAGがなぜ生まれたのか、その原点となる物語をご紹介させていただきたいと思います。 スペインの小さな村で出会った一枚の生ハム。 その衝撃的な出会いから、世界初のEUオーガニック認証取得まで。 「本物の生ハムを日本に届けたい」という想いに突き動かされ、10年に渡って追い求めてきた私たちのストーリーです。 以下、noteに掲載した記事を再掲させていただきます。【BLACK TAG創業秘話】"幻のイベリコ豚"に魅せられて──スペイン至高の味を日本へ。「生ハムの伝道師」10年の軌跡をたどる(前編)スペイン産の最高級生ハム「ハモン・イベリコ」。その濃厚な旨味と芳醇な香りは、多くの食通を魅了してきた。しかし日本では、その真価を知る人はまだ少ない。そんな中、本場スペインの味を日本に広めようと奔走する男がいる。生ハムの伝道師、山田悠平氏だ。山田 悠平氏10代から飲食業に携わり、世界各国の食文化を学んできた山田氏。しかし、スペインで出会った一枚の生ハムが、彼の人生を大きく変えることになる。「最高の食材は、その価値に見合う感動がある。でも究極の幸せは、その感動を多くの人と分かち合えること」。そう語る山田氏の背景には、情熱と挑戦に満ちた歩みがあった。本物の味を追求し、生産者との信頼関係を築き、日本の食文化に新たな風を吹き込む。山田氏が目指す「食による幸せの創造」とは何か。彼の軌跡を追いながら、生ハムが語る食文化の深さに迫る。運命の出会い ─ 1枚の生ハムが人生を変えた瞬間人生の転機は、時として思いもよらぬ場所で訪れる。山田悠平氏にとって、その瞬間は遥か異国の地、スペインの小さな村ギフエロで訪れた。スペイン、ギエロフ村カスティーリャ・イ・レオン州の古都サラマンカから車で南へ1時間。学生時代の友人が通訳をしていたギフエロ村への何気ない旅。山田氏の頭の中には、新たな文化との出会いへの期待が膨らんでいたに違いない。しかし、彼がこの旅の末に出会う一枚の生ハムが、自身の人生を大きく変えることになるとは、その時まだ知る由もなかった。夕暮れ時のバルで、山田氏の前に運ばれてきたのは、薄くスライスされた生ハムが美しく盛られた一皿。濃い赤色の肉と、脂の白さのコントラストは、まるで芸術作品のようだった。そして、その一枚を口に運んだ瞬間─。その時の衝撃を今でも鮮明に覚えているという。山田 正直一口食べた瞬間、言葉を失いましたね。「今まで食べた生ハムは生ハムじゃなかったのか」と。それまでの自分の生ハムに対する認識が一瞬にして覆されたんです。まるで、生まれて初めて生ハムを食べたかのような、そんな衝撃でした。口の中でとろけるような食感、濃厚な旨味、そして芳醇な香り。それまでの常識を覆す味わいに、山田氏は言葉を失った。ワインと共に、気がつけば皿は空になっていた。しかし、その味の記憶は消えるどころか、むしろ鮮明に、そして強烈に胸の中に刻み込まれていった。山田 食は人を幸せにするということをリアルに体感した瞬間でした。一枚の生ハムが、人生を変えることがある。山田氏にとって、それはスペインの小さな村ギフエロでの出来事だった。口の中でとろける食感、濃厚な旨味、そして鼻腔をくすぐる芳醇な香り。その瞬間、山田氏の中で何かが劇的に変化した。それは単なる味覚体験を超え、彼の価値観そのものを揺るがす経験となった。スペインの食卓で繰り広げられる光景に、山田氏は心を奪われた。家族や友人との会話に花を咲かせながら、心ゆくまで食事を楽しむ。その姿は、効率や利便性を追求するあまり、ともすれば忘れがちな大切なものを思い出させてくれた。しかし、なぜ一枚の生ハムがこれほどまでの衝撃を与えたのか。その答えは、味の向こう側に広がる奥深い世界にある。イベリコ豚の悠久の歴史、ギフエロの特異な地理的条件、そして代々受け継がれてきた職人の技。これらが複雑に絡み合い、唯一無二の味わいを生み出しているのだ。その夜、興奮冷めやらぬ山田氏は、なかなか眠りにつけなかったという。頭の中は先ほどの生ハムの味で一杯だった。そして、この感動を多くの人と分かち合いたいという思いが、彼の心に静かに、しかし確実に芽生え始めていた。こうして山田氏は、2ヶ月に及ぶスペイン全土の生ハム探訪の旅に出る。それは単なる美食の旅ではなく、自身の人生の新たな指針を見出す旅となった。「生ハムの伝道師」としての第一歩を、彼はここに踏み出したのである。世界を巡る食の探究 ─ 偶然から始まった物語はいつしか使命へ人生の道筋は、時として思いもよらぬ曲がり角で大きく変わる。山田悠平氏の場合、その転機は食との何気ない出会いから始まった。10代の頃、山田氏にとって飲食業は単なるアルバイト以上の意味を持たなかった。山田 飲食店で働いていたので、食に関する基本的な知識はありました。でも正直なところ、その頃の自分にとって食事は日々の営みの一部でしかなく、その奥深さや可能性については全く気づいていなかったんです。若き日の山田氏は、自らに眠る食への探究心に気づいていなかった。大学時代、純粋な好奇心から始めたバックパッカーの旅が、彼の人生を思わぬ方向へ導くことになる。各地を巡る中で、山田氏は自然と多様な食文化に触れていった。その土地ならではの味わいとの出会いは、彼の中で静かな変化を引き起こしていく。食事が単なる日常の一部から、文化や歴史を体感する手段へと昇華していったのだ。しかし、真の転機は大学卒業後のスペイン訪問だった。ギフエロの小さな村で出会った一枚の生ハム。この衝撃的な体験が、山田氏の心に眠る情熱に火をつけた。山田 今振り返ると、衝動的だったと思います。生ハムの味が忘れられず、その後すぐに2ヶ月かけてスペイン中を巡り、生ハム生産者を訪ね歩いたんです。その時は、ただ純粋に、もっと知りたい、もっと味わいたいという思いだけでした。この2ヶ月間の旅は、単なる食べ歩き以上の意味を持っていた。山田氏は各地域の気候や伝統、そして生産者たちの哲学が、それぞれの生ハムに独特の個性を与えていることを、身をもって学んだのだ。ここで疑問が湧く。なぜ、これほどまでに生ハムに魅了されたのか。それは味の違いだけではない。山田氏は生ハムを通じて、スペインの食文化と生活様式に深く触れたのだ。日々の食事を通じて家族や友人との絆を深め、人生を心から楽しむ、そんな人々の姿。山田 スペインの人々は、特別な行事はもちろん、日常の食事さえも大切にしていて。家族や友人との繋がりが驚くほど強いんです。そして、食べるという行為は、まるで魔法のようなんです。身分や国籍に関係なく、誰もが幸せを感じる。この普遍的な力に、僕は心を奪われました。山田氏の心に宿った気づきは、単なる驚きや憧れを超えていた。食事という日常の営みが、実は人々を結びつけ、幸福を紡ぎ出す力強い糸であることを、その身をもって感じ取ったのだ。もはや美食の追求だけでは満足できない。食を通じて人々の暮らしに幸せをもたらしたい。そんな思いが、静かに、しかし確かな熱を帯びて、山田氏の胸の内で育ち始めた。世界を巡る食の探究は、彼に予想外の贈り物をもたらした。“新たな価値観”と、そして“使命感”だ。しかし、これもまだ物語の序章に過ぎない。その脳裏には、すでに次なる挑戦の青写真が描かれつつあった。日本に、“本物の生ハム”を届ける━。その道のりが平坦でないことは、彼自身が一番よく理解していた。しかし、その困難こそが、山田氏の情熱に火を点けたのだ。生ハム輸入への挑戦 ━ 情熱が築いた日西の架け橋美食の世界での挑戦は、往々にして厳しい現実との闘いを意味する。山田悠平氏の生ハム輸入への道のりは、まさにその典型だった。一枚の生ハムとの出会いから始まったこの物語は、情熱と困難が交錯する壮大な冒険譚となる。スペインで味わった至高の生ハム。その感動を故郷の人々と分かち合いたいという思いは、厳格な検疫制度の前に砕け散った。日本の規制により、生ハムを直接持ち帰ることは不可能だったのだ。しかし、この挫折は山田氏の情熱を消し去るどころか、むしろ彼の決意を一層強固なものにした。帰国後、彼は日本全国の高級百貨店を巡り歩き、「本物」を求めて舌を肥やしていった。しかし、どれほど探しても、スペインで体験したあの感動には遠く及ばなかった。その落胆と焦燥が、やがて彼を大胆な決断へと導くことになる。山田 日本に帰ってきてからも、あの味が忘れられなくなり、国内百貨店などを巡ってハモンイベリコを食べ回りました。でも、現地で食べた味には程遠く、身近で美味しいとはかけ離れていたんです。そこで思ったんです。無いなら自分で輸入すれば良いかと。当時23歳だった私は特に深く考えず、スペインから帰ってきた翌週またスペインに飛び立ちました。若さゆえの無謀さか、それとも純粋な情熱か。彼の決断は、多くの人の常識を超えていた。目指したのは、かつての旅で最高の味と認めたギフエロ村の生産者だった。30時間以上かけて訪れた農場。しかし、待っていたのは冷ややかな現実だった。山田 どう見ても若者で何の実績もない私を相手にしてくれないのは当然でした。でも、驚いたのは彼らが日本のマーケットについて既によく調べていたことです。スペインでは、ハモンイベリコとして販売するには厳しい法律や規定があるんです。血統、飼育環境、飼育年数、熟成期間、屠畜時の体重など、細かく決められている。彼らは3代にわたってそれらを遵守し、より美味しいハモンイベリコを目指してきた。そんな彼らが日本のマーケットを視察した際、衝撃を受けたそうなんです。生産者の言葉が、山田氏の記憶の中で鮮明によみがえる。彼は、その重みを噛みしめるように続けた。山田 スペインではとても『ハモンイベリコ』と呼べないような商品が、日本では高価格で堂々と『ハモンイベリコ』として販売されていた。それが彼らにとっては、長年築き上げてきたブランドイメージを著しく損なうものだったんです。「わざわざそんなマーケットで販売する必要はない。ヨーロッパ内のレストランだけでも完売している。ブランド名だけ欲しがる日本には興味がない」と、きっぱりと断られたんです。この経験は、山田氏に日本市場の現状を痛感させると同時に、彼が挑まんとする難題の、その輪郭をより明確にした。山田 その時、私は単に美味しい生ハムを輸入するだけでは意味がないと気づいたんです。本物のハモンイベリコの価値、そしてそれを作り出す生産者たちの情熱や誇りを、きちんと日本に伝えなければならない。そんな使命感が芽生えました。諦めることなく、山田氏は1年半に渡って生産者たちと対話を続けた。何度もスペインを訪れ、時には彼らを日本に招き、市場を案内した。そして、4度目のスペイン訪問。今回の手土産は、日本の夏の風物詩、風鈴だった。この小さな贈り物が、凍りついていた生産者の心に、小さな亀裂を生むことになる。山田 「日本人は風の微妙なニュアンスを音と言葉で楽しめる繊細な文化を持っているんです。この繊細な生ハムの味を本当に理解できるのは日本人です。」と。そこまで言うなら好きにやったら良いと、ようやく根負けしてくれました。1ケースでも好きなように対応すると。これが、山田氏の夢の実現への第一歩となった。以来、彼は年に何度もスペインを訪れ、製品規格の打ち合わせや生ハムの研鑽を重ねながら、自身の事業を軌道に乗せていった。一枚の生ハムから始まった山田氏の挑戦は、やがて日本とスペインを結ぶ確かな架け橋となった。彼の情熱は、文化の壁を越え、新たな味わいの扉を日本に開いたのである。そして今、彼の目には、まだ見ぬ高みが映っている。本物のハモンイベリコを通じて、日本の食文化にどのような変革をもたらすことができるのか。山田氏の挑戦は、まだ終わっていない。(後編へ続く)


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