2025年6月4日、札幌大谷大学にて「地域実践プログラム」の一環として講話の機会をいただきました。テーマは「古平の宝を未来へ 〜地域おこし協力隊が見た風景〜」。当日は、琴平神社例大祭をはじめとした古平町の文化資源や地域課題について紹介し、昨年から実施しているクラウドファンディングの成果と、今年度の挑戦についてお話しさせていただきました。とくに強調したのは、地域の誇りである例大祭を次世代につなげるための取り組みです。桟敷席での観覧や猿田彦との記念撮影といった文化体験の演出、さらに「祭りの未来を守るプロジェクト」としての資金確保の工夫について、多くの学生の皆さんに関心をもって聞いていただきました。また、今年度は札幌大谷大学の学生を対象に、祭りを支える「旗持ちボランティア」の募集も行っており、地域と学生がつながる新しい実践の形を模索しています。学生の皆さんの素直な反応や質問がとても印象的で、今後の地域連携の可能性に手応えを感じた時間となりました。
このたび、地域おこし協力隊クラウドファンディングアワード2024にて、古平町での取り組みが【事業・文化承継部門賞】を受賞しました。それを受け、CAMPFIREのスタッフの方からオンライン取材を受けました。取材では、クラウドファンディングに挑戦した経緯や、プロジェクトを通じて得た地域とのつながり、準備や広報の工夫、そして今後の展望についてお話ししました。特に、御朱印や桟敷席、花手水などを通じて支援者が“地域の一員”として関われる仕掛けを意識した点や、民俗文化の継承に向けた仲間づくりの重要性などについて、丁寧に聞き取っていただきました。こうした外部の方からの注目や評価は、地域の皆さんがこれまで続けてきた祭りや文化の意義が、広く伝わっている証でもあり、何よりの励みです。なお、今年も新たなプロジェクトとして「古平の誇りを未来へつなぐ―古平の祭りと暮らしを未来へ伝える―」と題したクラウドファンディングに挑戦しています。今回は、祭りに限らず、たら釣り節や稲倉石鉱山の民具、農業や漁業の知恵など、有形・無形の文化財全体の継承に取り組んでいます。詳しくは下記プロジェクトページをご覧ください。 https://camp-fire.jp/projects/845875/地域の未来を一緒に支えてくださる方のご参加を、心よりお待ちしております。
このたび、「日本の祭り」に関するHBCの取材の中で、北海道における奴行列の特色についてお話しさせていただきました。古平町の琴平神社例大祭でも、神輿渡御の行列において奴が供奉し、掛け声や所作を伴って地域の誇りを体現しています。しかしながら、その様式や役割は地域によって大きく異なり、一様ではありません。北海道における奴行列は、本州由来の武家儀礼文化が、明治期以降の移住者によって再構成されたものです。裃(かみしも)を着用せず、羽織・法被・鉢巻といった実用的な装いで演じられることが多く、地域の神事にふさわしい荘厳さと共同体の一体感を演出する重要な構成要素となっています。また、こうした伝統の背景を踏まえ、今年度のクラウドファンディング・プロジェクトでは、例大祭の体験参加プログラムを通じて、町外の若者などが奴行列を含む行列儀礼に関心を持ち、関わるきっかけを得られるような環境づくりを目指しています。民俗資料の展示とあわせて、地域文化の新たな継承のかたちを模索していきます。
本映像は、2025年5月17日に札幌市で開催された「札幌古平会」にて披露された「正調越後盆踊り」の様子を収めたものです。この盆踊りは、北海道古平町に移住した新潟県出身者(越後衆)によって伝えられたもので、もともとは亡き同郷人の供養のために踊られたと伝えられています。起源は、新潟県十日町市新保の曹洞宗広大寺に元禄年間より伝わる「天神ばやし」の一部「よいやさ踊り」にあり、これが新潟各地を経て古平や小樽、さらには釧路など道内各地へと広がっていきました。特に小樽市高島地区に伝わる「高島越後盆踊り」とは、共に同じ越後地方に源を持つ踊りであり、基本の振り付けやリズムに共通点が見られます。高島地区では紫雲寺(現・新発田市)出身者を中心に、明治10年頃に伝えられたとされており、現在は「高島越後盆踊りの行事」として小樽市の無形民俗文化財に指定されています。一方、古平町の「正調越後盆踊り」は、一時は途絶えた時期もありましたが、保存会の尽力により復活し、町内外での披露を通じて文化の継承が進められています。両者は、越後盆踊りという共通のルーツを持ちながらも、それぞれの地域の中で異なる形で受け継がれ、今もなお踊り継がれています。
今年4月にオープンした古平町の道の駅「たらこミュージアム」の敷地内に、「たら釣り節」のモニュメントが設置されました。モニュメントの設置は私たちのクラウドファンディング活動とも深く関わり、地域文化の継承にとって大変意義のある出来事です。このモニュメントは、古平の海にまつわる伝承に登場する“セタカムイ”を象徴した造形となっており、台座のQRコードをスマートフォンで読み取ると、「たら釣り節」をその場で聴くことができます。「たら釣り節」は、昭和33~34年頃、古平の漁師である故・大島豊吉氏と故・田村栄蔵氏によって作詞・作曲された労働歌で、北海道五大民謡の一つにも数えられています。厳寒の日本海でタラを追う漁師たちの暮らしが、力強い歌声にのせて今も語り継がれています。地域に根ざした歌と、それを記憶する場が結びついたことで、訪れた方々にも古平の民俗文化をより身近に感じていただけるようになりました。






