「障がいのある方と暮らす家庭編」から見えてくること今回の防災BOOKの中には「障がいのある方と暮らす家庭編」があります。けれども、これは決して障がいのあるご家庭だけの話ではありません。親御さんが老人施設に入っている方も多いでしょう。そして、将来自分自身が施設に通う・入所する可能性だってあります。つまり「施設を利用する家族」という立場からも、知っておくべき視点をしっかり盛り込んでいるのです。今日は、施設関係での災害対応の課題と、家族として何を備えるべきかについてお伝えします。熊本の豪雨で浮かび上がった危うさ今年8月、熊本で再び大きな水害がありました。市街地を流れる川が氾濫し、道路は急速に冠水。車は動かなくなり、建物の入口まで水が迫りました。その状況で「家族に迎えをお願いしていた」とする施設がありました。私は絶句してしまいました・・・道が寸断されているのに迎えに行けるでしょうか。立ち往生する可能性の方が高く、その発想自体が利用者とそのご家族を危険にさらしてしまいます。さらに報告の中で強調されていたのは、まず「書類やパソコンを高い場所に移した」ということでした。けれども最優先すべきは、利用者の安全確保と避難経路の確保のはずです。この順序の誤りこそ、危機管理の未熟さを示しています。背景にある課題なぜ同じことが繰り返されるのでしょうか。そこには、 福祉分野での防災教育や訓練の不足 行政指導やBCPが形式的で、実効性を持たない現状 職員が災害の現場経験を持たず、机上での想定にとどまる といった課題があります。これは障がい者施設だけの話ではありません。老人施設でも、同じ問題を抱えています。過去の大水害で多くの高齢者が犠牲になったことを思い出せば、「次は自分の親の施設で起こるかもしれない」「将来の自分自身の問題かもしれない」そう考えるのが自然です。家族ができること施設に全面的に期待するのは現実的ではありません。だからといって諦めるのではなく、家族が主体的に備えることが必要です。施設に「任せきりにしない」そして、家族としてできる準備を強化し、施設に最低限求める対応を確認しておく。その両輪があってこそ、次の災害で命を守る力につながります。防災BOOKが果たす役割「障がいのある方と暮らす家庭編」には、家庭での備えだけでなく、施設に入っている大切な人を守るためにどう準備すればよいのか、具体的に書いています。家族と施設が連携して備えるには、どんな視点を持つべきか。その答えを、できるだけ分かりやすく整理しました。だからこそ、これは障がいのある家庭だけでなく、老人施設に親を預けている方、そして将来自分自身が施設に入るかもしれないすべての方に、役立つ「命を守る知恵」になるのです。最後に熊本で支援を続けている私は、同じ県内でかつて施設で多くの命が失われた体験が、今年また全く生かされなかったことに強い憤りを感じています。防災は、行政では書きにくいことがあるのでしょう・・・だからこそ、私が書きます。この防災BOOKはすべて、「現場で見たこと」「繰り返してはならないこと」をもとにしています。災害のたびに「今回は助かった」で終わらせてはなりません。問題点を直視し、次に生かしてこそ、人の命は守れます。障がい者編、高齢者編、子ども編、ひとり暮らし編、ペット編。どれも日常の延長で「自分ごと」として読んでいただけるように作りました。ぜひ、この防災BOOKを手に取ってみてください。その思いで、クラウドファンディングに挑戦しています。5冊コンプリート 15,000円コース お勧めのコースです。防災アドバイザー岡部梨恵子





