
第9回:「NPOは稼いでいい」利益を社会に還元する、新しい文化支援のカタチ
はじめにーー
日光商事の川村です。前回は、おもいつむぎ財団が「補助金ゼロ」で自走する道を
選んだ背景について伺いました。
第2回となる今回は、人口減少社会において「文化や歴史」をどう守り、
未来へ残していくべきか。川端代表の持続可能なソーシャルビジネスの哲学を深掘りします。
川村:地方は人口も減少し、文化や芸術を維持するのがますます大変になっていますよね。
川端:そうなんです。自治体も予算がないので、相対的に文化や芸術に割く予算は
減らさざるを得ない。減っていく中で持続していくには、ある程度民間が
サポートしていく形を作らないと難しいんじゃないかなと思っています。
川村:ただ寄付を集めるだけではなく、財団としてどうやって持続させているのでしょうか。
川端:日本だと「NPO=寄付をもらってやる事業、ボランティア」って
勘違いされているんですけど、全く違って、利益を出していいんです。
営利団体は稼いだ利益を株主に還元するのが仕事で、非営利団体は利益を稼いだら
それを社会に還元する。
だから、しっかり経済活動や事業をして収益を上げ、それを社会活動の方に還
元することがすごく大事なんだと思います。
川村:足利には100年を超える企業や建物が多く残っていますが、
財団が美術館として運営している「大久保分校」も築100年になるそうですね。
川端:はい。古い木造の校舎ですが、ああいう歴史や文化って、
今から作ろうとしても間に合わないんですよね。
でも、歴史を繋ぐためには、ある程度の経済的な仕組みや人間の関心が常にないと
続かないんです。
だからこそ、古い良いものを残しつつ、次の世代へ繋ぐ新しい価値を生み出していく時に、
歴史を大事にしたい。大久保分校では、地元の自治会の方々が毎月自主的に集まって
除草作業などをしてくれていて、そういう人との関わりがあってこそ維持ができているんです。
おわりにーー
「NPOは稼いでいい。そして社会に還元する」。ただ保存するだけでなく、
経済や人々の関心という血を通わせて歴史を未来へ繋ぐ。
その合理的な仕組み作りに感銘を受けました。
最終回となる次回は、今回のクラウドファンディングが目指す「大量消費からの脱却」と、足利の文化を繋ぐエコシステムについて語り合います。



