卵の向こう側にいる鶏たちのこと ー 畜産動物を幸せにするための絵本を出版したい!

「畜産動物を大切に扱うこと」(アニマルウェルフェア)を伝える絵本の出版費用獲得に向けて実施します!この絵本を通じて、未来を担う子供たちに「どうしたら動物たちをもっと幸せにできるのか」を考えてもらい、多くの畜産動物が苦痛の中で一生を終えている現状を変えたいと思っています。

現在の支援総額

109,000

14%

目標金額は750,000円

支援者数

10

募集終了まで残り

32

卵の向こう側にいる鶏たちのこと ー 畜産動物を幸せにするための絵本を出版したい!

現在の支援総額

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14%達成

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目標金額750,000

支援者数10

「畜産動物を大切に扱うこと」(アニマルウェルフェア)を伝える絵本の出版費用獲得に向けて実施します!この絵本を通じて、未来を担う子供たちに「どうしたら動物たちをもっと幸せにできるのか」を考えてもらい、多くの畜産動物が苦痛の中で一生を終えている現状を変えたいと思っています。

(サムネ画像は筆者がアメリカにて撮影)こんにちは。たけえりです。私は現在、畜産動物の待遇改善を目指し、絵本を制作しています。※理由については活動報告内に掲載の【畜産動物を救うため、なぜ「絵本」なのか】をご覧ください。そもそもなぜ、アニマルウェルフェアの改善に取り組む必要があるのか? と考えている方も多いと思います。個人の意見も入りますが、やはり一番は畜産動物のためです。動物も人間と同じように苦痛や恐怖を感じることが分かっています。痛い、苦しい思いをさせるのは「かわいそう」だからです。私たちに命や食を与えてくれる動物だからこそ、せめて苦痛なく健康・快適な一生を過ごせるよう配慮すべきだと思います。卵や肉を食べていても、「動物に苦痛を与えて生産されたものは消費したくない」と考える人は多いのではないでしょうか。どんなに酷い扱いをしても、最後に「いただきます」と感謝して食べればOK…というのは「食への敬意」ではないと私は考えています。アニマルウェルフェアについて説明をすると、大半の人は「畜産動物をもっと大切にすべきだよね!」と賛同してくれます。一方で、「人間含め動物は、他の命をいただいて生きるもの」「アニマルウェルフェアに配慮して育てても、結局最後には屠畜するから意味ない」という意見があるのも事実です。「畜産動物なんてどうでもいい」と思っている人も一定数いるということです。動物のための活動はよく「利他的な活動」と言われます。動物の飼養環境の改善を求める運動や保護活動・里親探しなどは直接的な見返りが少なく、動物のために行われる行動なので、利他的と評価されやすいのです。自分のことにしか関心がない人や目先の利益・見返りを強く求める人には特に共感されにくいかもしれません。ですが、アニマルウェルフェアに取り組むことは畜産動物だけでなく、私たち人間にも実はさまざまなメリットをもたらします。畜産動物の苦痛軽減以外の視点から、アニマルウェルフェア改善の必要性を考えてみます。◆食品(畜産物)の安全性向上AIで作成アニマルウェルフェアに配慮されていない飼育環境(過密飼育や不衛生な環境での飼育など)では、動物がストレスを感じ免疫力が低下するため、病気にかかりやすくなります。そして過密飼育であれば病気が広がりやすくもなります。その結果、抗生物質の使用量が増えることになります。過剰な抗生物質の使用は、世界的に問題となっている「薬剤耐性(AMR)」の原因の一つとされています。抗生物質は、家畜の病気予防のほか、成長促進のために使用されてきました。しかし、乱用することで抗生物質への耐性を有する細菌が発生し、食肉を通じて人体に取り込まれ、いざという時に感染症の治療が難しくなり、病気の蔓延や重篤な症状、死亡のリスクが高まります。このまま何も対策がとられないと、2050年には世界全体でAMR関連の死亡者数は毎年1,000万人に上り、がんによる死亡者数を上回ると予測されています。世界保健機関(WHO)は家畜の成長促進や疾病予防のために、日常的に抗生物質(抗菌薬)を投与するのをやめるよう、農家や食品業界に勧告しています。実際、厚労省の調査で、国産・輸入の鶏肉の半数から抗生物質が効かない「薬剤耐性菌」が検出され国産品の方が輸入品よりも、耐性菌の検出割合が高かったことが判明しました。共同通信が報じています。薬効かない菌、鶏肉の半数から検出 厚労省研究班https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28845500R30C18A3CR0000/アニマルウェルフェアを改善することで、抗生物質の必要性が減り結果的に食品の安全性が確保されるのです。◆持続可能な食料生産の実現AIで作成アニマルウェルフェアに配慮された飼育環境で育てられた動物は、病気による損失リスクが低くなります。その結果、より安全で安定した食料生産・供給につながります。また、アニマルウェルフェアの水準が低い工場型畜産では、狭い場所で大量の動物を飼養します。多くの動物を育てるためには、当然大量の飼料(穀物)が必要であり肉1kgを生産するために必要な穀物量は、とうもろこし換算で牛肉約11kg、豚肉約6kg、鶏肉約4kgにもなります。しかし、その飼料を生産する過程では大量の水が使われ、森林伐採が進むなど環境への負担も生じています。メキシコ湾に広がる「デッドゾーン」のように、農薬や化学肥料の流出による水質汚染も深刻な問題となっています。アニマルウェルフェアに取り組もうとすれば、飼養する動物の数は減るかもしれません。しかしその分、地球の限りある資源を守り、自然環境が回復(再生)可能な範囲で飼料生産を行えるようになります。結果として、より持続可能な食料生産が実現するのです。◆畜産物の生産性向上と価格高騰の回避AIで作成「アニマルウェルフェアに取り組むと、飼養できる動物の数が減り、卵や肉の価格が高騰してしまう」とよく言われます。しかし実際には、畜産動物が過酷な環境で飼育されることが、生産量の低下や価格高騰につながるケースも少なくありません。例えば日本では昨年の夏、猛暑の影響でにわとりが夏バテし、産卵率が低下しました。また、殻が薄い卵や小さい卵、色の薄い卵など、品質の低下も多く報告されました。さらに、過密飼育は感染症のリスクも高めます。採卵鶏の鳥インフルエンザは、窓のない「ウインドウレス鶏舎」で多く発生しています。過密飼育やビタミンD不足による免疫低下、換気不足などにより感染症が広がりやすくなるためです。その結果、大量の殺処分が行われ、卵の価格高騰につながっています。豚肉についても昨年の夏、前年の猛暑の影響で豚の繁殖がうまくいかずに生産量が減少し、国産豚肉の卸売価格が過去最高水準になったことが報じられました。このように、暑さ対策の不足や過密飼育など、アニマルウェルフェアへの配慮が十分でないことが、生産量の低下や価格高騰を招いています。動物が快適に過ごせる環境を整えること、すなわちアニマルウェルフェアに取り組むことは、結果として畜産物の安定供給や価格高騰の回避につながるのです。実際に、私が記者時代に取材した酪農家は、水槽や飼槽をこまめに掃除したところ、牛が水や餌をよく摂るようになり、乳量が増えたと話していました。初期投資は必要ですが、飼育環境を改善することで牛がより健康に過ごせるようになり、生産性も向上したといいます。さらに、その酪農家は「若い世代はアニマルウェルフェアへの関心が高く、働き手の確保にもつながる」と話していました。アニマルウェルフェアに配慮した畜産には、ブランド価値の向上や人材確保、そして畜産経営の持続可能性を高めるといったメリットもあるのです。◆国際市場での競争力強化世界動物保護協会のAnimal Protection Indexアニマルウェルフェアは、国際市場においても重要な要素になりつつあります。特に欧州では、アニマルウェルフェアへの配慮が消費者の購買行動に大きく影響すると言われています。例えば、欧州連合(EU)ではケージ飼育の制限や、屠畜前の気絶処理の義務化など、アニマルウェルフェアに関するさまざまな規制が整備されています。今後、輸入される食品にも同様の基準を求める動きが強まる可能性があります。また、スイスでは、国内で販売される一部の畜産物に対して、動物が苦痛を伴う処置を受けたかどうかを表示することが義務付けられました。この表示義務は輸入製品にも適用され、今後他国でも同様の取り組みが広がる可能性があります。こうした流れの中で、アニマルウェルフェアへの対応が十分でない畜産物は、消費者から選ばれにくくなることも考えられます。世界動物保護協会は、日本の畜産動物のアニマルウェルフェアを最低ランクの「G」と評価しており、機関投資家向けの畜産動物のアニマルウェルフェアの評価では、日本の食品企業は最低ランクに格付けされ続けています。日本の畜産業や食品関連企業が国際市場で競争力を維持していくためにも、アニマルウェルフェアへの対応を進めることが急務になっています。◆新規顧客の獲得 AIで作成近年、世界的に消費者の倫理的消費(エシカル消費)への関心が高まっています。動物の扱い方を重視して商品を選ぶ人も増えています。欧米では、ケージフリー卵やアニマルウェルフェア関連の認証商品を選ぶ消費者が増え、多くの企業が調達方針を変更しています。日本でもアニマルウェルフェアへの関心がじわりと高まっています。動物に配慮した畜産物を生産したり、それを自社の商品に使用したりすることで国内外の意識の高い消費者に買ってもらえる可能性が高まります。日本総研はアニマルウェルフェアの付加価値は5,735億円にもなると試算しています。アニマルウェルフェアに取り組むことで、自社の競争力やブランド力を高めることができます。◆投資を呼び込むFAIRRのウェブサイトアニマルウェルフェアはESG投資の観点からも注目されています。ESG投資は、企業にお金を貸したり出資したりする場合その企業の業績だけでなく、気候変動などの社会的課題への取り組みも評価して決定する考え方です。投資家は世界の食品大手のアニマルウェルフェアへの取り組みを評価・順位付けするBusiness Benchmark on Farm Animal Welfare(BBFAW)というベンチマークをESG投資の判断材料の一つにしています。また、畜産・水産関連の投資家ネットワークFAIRRの運用資産額(AUM)は年々拡大し、現時点で90兆ドルにものぼっています。すなわち、一流のグローバル企業として発展し、投資を獲得するためには、アニマルウェルフェアの改善に積極的に取り組む必要があるのです。◆SDGs達成にも貢献するAIで作成2022年3月、国連環境総会で「アニマルウェルフェア・環境・持続可能な開発の繋がり」決議が採択され生物多様性の喪失や気候変動の緩和、人獣共通感染症のリスク低減、持続可能な食料システムへの移行などを目的に、アニマルウェルフェアの要件を満たすことが加盟国に求められました。アニマルウェルフェアの改善は、持続可能な食料生産や環境保全につながり、SDGsの「つくる責任 つかう責任」「陸の豊かさも守ろう」などの目標達成にも貢献します。つまり、SDGsを重視するのであれば、アニマルウェルフェアへの取り組みは欠かせないといえるでしょう。いかがでしたか?私たちが日々口にする卵や肉、乳製品の背景には、畜産動物やそれを支える自然環境があります。アニマルウェルフェアについて考えることは、より持続可能で責任ある食の未来を考えることでもありアニマルウェルフェアの改善は、他人事ではなく自分事として取り組んだ方が良い課題なのです。


前回の記事で、日本では畜産動物に対し世界では廃止の動きが広がっている狭いケージでの拘束飼育や過密飼育麻酔なしでの外科的処置、意識あるままの屠畜が未だに行われていると述べました。今回は絵本の主人公である「採卵鶏」(卵を産んでくれるにわとり)が日本でどのように飼養されているのかについて伝えたいと思います。◆オスひよこは生まれてすぐに殺処分される採卵鶏のオスひよこは卵を産めないので生まれてすぐに殺処分されます。ごみ箱に入れて窒息死・圧死させられたり、シュレッダーで生きたまま粉砕されたりします。多くは肥料や飼料の原料に使われます。メスひよこはつつき合い傷つかないよう、くちばしを切断されます。養鶏場の約8割がくちばしを切断(または切断された雛を導入)しています。痛みを伴い、うまく食べたり飲んだりできなくなるにわとりもいるそうです。くちばしの切断はデビークといい、世界的に廃止の動きが広がっています。◆多くのにわとりは狭いおりの中で、ただ卵を産みながら一生を過ごすメスひよこは、にわとりに育った後鶏舎へ移され、私達の食卓に並ぶ卵を産みます。養鶏場の約9割が、「バタリーケージ」という狭すぎるおりの中でにわとりを飼育しています。1羽あたりの飼養面積は通常B5サイズ程度かそれ以下で、こちらも世界では続々廃止されています。(ケージ飼育されているにわとりは全体の99%との調査結果もあります。)狭いケージでぎゅうぎゅう詰めのため、羽を伸ばすことも、歩くことも、飛ぶことも、隠れることも出来ません。(アニマルライツセンター提供)ケージの中では、採食行動(地面をつついてえさを探す)や砂浴び(羽毛の手入れと寄生虫対策)、止まり木での休息(高い場所で眠る習性)といったにわとり本来の行動も出来ません。隠れて卵を産みたいという本能がありますが、それも出来ません。養鶏場の約9割が、にわとりの欲求を満たす砂浴び場や止まり木、産卵箱を設置していないのです。退屈でストレスが溜まり、金網で怪我や骨折もします。多くのにわとりは、狭いケージの中で、まるで地獄のような一生を過ごします。にわとりが産んだ卵は、受精していない卵(無精卵)は食用として流通し、受精している卵(有精卵)は孵化させることでひよこになります。◆採卵期間を延ばすため、えさを抜かれる養鶏場の約5-7割が一定期間絶食させて産卵を停止させ羽毛の生え換わりを人工的に促す「強制換羽」を実施しておりそのほとんどが「絶食法」「絶水絶食併用法」で行っています。これにより、採卵できる期間が延びて、コスト低減につながるためです。人間の都合で、にわとりに多大な負担をかけているのです。(通常は、秋~冬にかけて2~4カ月間ほど休産し、その間に古い羽毛が抜け落ちて新しい羽毛に換わります)。(アニマルライツセンター提供)◆最期は拷問のような苦しみに苛まれる役目を終えたにわとりは狭いコンテナに詰め込まれ、食鳥処理場まで長時間運ばれます。採卵鶏用の食鳥処理場は数が少ないため、輸送時間が長くなります。運搬ケースで足がちぎれたり首が挟まって死んだりすることもあるそうです。(アニマルライツセンター提供)肉用の動物は、輸送中にストレスを与えると肉質に悪影響が及ぶため、一定の配慮が守られています。それに対し、採卵鶏は缶詰などの肉に加工されるだけで、肉質への配慮がないため、結果的にアニマルウェルフェアへの配慮が疎かになります。国内の約9割の食鳥処理場では、にわとりを生きたまま逆さづりにし、首(頸動脈)を切ります。(日本の鶏肉輸入先国では事前の気絶処理が一般的)(アニマルライツセンター提供)首を切るのに失敗し失血死できなかった場合は、生きたまま茹でられます。2023年には70万羽以上のにわとり(採卵鶏・ブロイラー含む)が生きたまま熱湯に入れられ全身やけどで死亡。その数は年々増加しています。受付時間内に屠畜が終わらなかったにわとりは狭いコンテナの中で身動きが取れないまま、処理場で長時間(12~72時間)放置されます。その間えさや水は与えられず、上から卵や糞が降ってくる状態。農水省、厚労省が過去に改善通知を出しているものの、未だに改善していないそうです。(アニマルライツセンター提供)◆にわとりは救われるのか採卵鶏は長年ケージ飼育が主流で、羽ばたきや砂浴びなどの自然な行動が制限されやすい / 肉質への配慮の必要性が少ない上、痛みで暴れても身体が小さいので人間への危害が少ないとの理由から畜産動物の中で特に、アニマルウェルフェアの観点で問題視されやすい動物です。このため、私はまず採卵鶏にフォーカスしてみたいと思いました。徐々にではありますが、鶏のウェルフェアには改善の兆しも見られます。令和7年度補正予算ではアニマルウェルフェア関連の補助金が含まれにわとりのガススタニング(ガスによる気絶処理)やケージフリーなどへの補助が強化されました。従来の補助金では難しかった、収益向上や規模拡大ではなく「アニマルウェルフェア向上」を目的とした畜舎改修や設備導入が申請しやすくなりました。アニマルライツセンターの話によれば、少しずつではありますがひよこの殺処分の改善が進んでおり複数の食鳥処理場がにわとりにとってより安楽なガススタニングの導入に前向きであるそうです。(日本種鶏孵卵協会はアニマルウェルフェアに配慮したひなの殺処分(安楽死)マニュアルを作成し改善を図っている)企業の側でも、ケージフリーの卵調達など、アニマルウェルフェアの目標を掲げる動きが少しずつ広がっています。アニマルウェルフェアには動物の苦痛軽減以外にも、実はさまざまなメリットがあります!こうしたメリットを政府や企業、畜産農家、消費者が理解すれば1羽でも多くのにわとりが狭いケージから出られ従来よりも安楽な最期を迎えられるかもしれません。アニマルウェルフェアに取り組むメリットについては、次の記事でまとめたいと思います。▼参考資料▼◆朝日新聞Sippo「日本では毎年約1億羽にのぼる 生後1日目に殺される採卵鶏のオスヒヨコ」 https://sippo.asahi.com/article/14737213 ◆アニマルライツセンター「#オスひよこの殺処分を廃止しよう」https://www.hopeforanimals.org/male-chicks/◆畜産技術協会 「採卵鶏の飼養実態アンケート調査報告書(2015年)」https://jlta.jp/test/wp-content/uploads/2023/12/factual_investigation_lay_h26.pdf ◆農林水産省「アニマルウェルフェアに関する飼養管理指針の取組状況に係る調査 (アンケート調査、2025年) 」https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/attach/pdf/animal_welfare-116.pdf◆アニマルライツセンター 「日本のケージフリー飼育の鶏の割合は1.11%、ケージ飼育が98.89%(2023年調査結果)」https://www.hopeforanimals.org/eggs/1percent-cage-free/◆Baur S, Rufener C, Toscano MJ and Geissbühler U (2020) Radiographic Evaluation of Keel Bone Damage in Laying Hens—Morphologic and Temporal Observations in a Longitudinal Studyhttps://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2020.00129/full◆アニマルライツセンター 「出荷時における鶏への暴力-関係機関の対応」https://www.hopeforanimals.org/eggs/482/◆枝廣淳子 「アニマルウェルフェアとは何か――倫理的消費と食の安全」(岩波ブックレット、2018年) ◆アニマルライツセンター 「産業動物:と畜前の意識喪失の義務化」https://animallaw.jp/farmanimals/slaughter/?utm_source=chatgpt.com◆朝日新聞Sippo 「日本のずさんな食肉処理 70万羽の鶏が生きたまま熱湯に入れられた」 ※死亡数のデータは厚生労働省の食肉検査還元調査https://sippo.asahi.com/article/15539091◆アニマルライツセンター 「72時間放置する屠殺場も!農水省からの3度めの通知」https://www.hopeforanimals.org/eggs/there-is-a-slaughterhouse-that-abandons-chickens-72-hours/


こんにちは!たけえりです。今回は、絵本のテーマである「アニマルウェルフェア」とはそもそも何か?について、なるべく分かりやすく解説したいと思います。◆アニマルウェルフェア(Animal Welfare、動物福祉)とは何か アニマルウェルフェアは「動物が生きて死ぬ状態に関連した、動物の身体的及び心的状態」と定義されています。(国際獣疫事務局(WOAH))ちょっと難しいので、一般的にはアニマルウェルフェア=動物が生まれてから死ぬまでの間、身体的・精神的に良好な状態で過ごせるよう配慮すること などと説明されています。私は身近な人には「動物を一生大切にすること」などとざっくり説明しています。単に虐待を防ぐだけでなく、動物本来の習性を尊重し、苦痛やストレスをできる限り減らし快適・健康に暮らせるよう配慮することが必要となります。アニマルウェルフェアの基本的な指標として、1960年代にイギリスで「5つの自由(Five Freedoms)」という原則が提唱されました。国際的に知られている、動物が満たされるべき条件を示したものです。<5つの自由>・飢えと渇きからの自由・不快からの自由・痛み・怪我・病気からの自由・本来の行動を発現する自由・恐怖と抑圧からの自由近代では効率的な生産を重視した「工場型畜産」が普及し多くの動物が狭い空間で飼育されるようになるなど畜産動物に不自然なストレスや過度の負担をかけるようになりました。5つの自由は特に扱いの酷い畜産動物を守るために生まれたものですが現在ではペットや実験動物など、人間の管理下にあるさまざまな動物を守るための重要な倫理基準となっています。アニマルウェルフェアは動物の利用は認めた上で、動物の感じる苦痛をできるだけ抑えようという考え方です。動物の利用自体を否定する「アニマルライツ(動物の権利)」という考え方とは異なります。◆アニマルウェルフェア改善に向けた取り組み、日本はかなり遅れているそれでは、海外では畜産動物への配慮はどのぐらい進んでいるのでしょうか。海外では欧州を中心に、アニマルウェルフェアに関する法律が整備されています。例えばEU(欧州連合)では、畜産動物の飼育方法を規定する指令があり、ケージ飼育の制限や動物の飼育密度などが定められています。採卵鶏のバタリーケージ(小さな鳥かごに鶏を入れて飼う方法)は2012年以降一部の小規模施設を除いて禁止されておりブロイラーの飼養密度は1平方メートルあたり33kg以下に制限しています。豚については麻酔や鎮痛措置なしでの日常的な尾の切断(断尾)や歯切りは禁止されており生後7日以降の子豚の去勢には麻酔および鎮痛措置を行うことが義務付けられています。EUの複数の国では麻酔なしでの外科的去勢自体禁止しています。そして、動物の屠畜前には必ず気絶させ、迅速に死亡させる必要があります。気絶処置を行うことで動物が無意識かつ痛みを感じない状態になり意識があるままの状態に比べればより安楽になくなることができるからです。厳格な基準を適用する一方で、アニマルウェルフェアの改善を行う畜産農家を金銭的に支援する制度も用意されています。欧米を中心に、食品関連企業にも「ケージフリー卵(平飼い卵)の採用」や「母豚への妊娠ストール不使用」といった、アニマルウェルフェア基準・目標を自主的に導入する動きが広がっています。多くの食品企業がアニマルウェルフェアを経営戦略の重要な柱として位置づけており投資家は世界の食品大手のアニマルウェルフェアへの取り組みを評価・順位付けする「Business Benchmark on Farm Animal Welfare(BBFAW)」というベンチマークをESG投資の判断材料の一つにしています。つまり、アニマルウェルフェアへの配慮が企業価値に直結するのです。消費者の意識も高く、アニマルウェルフェア対応食品の購入意欲も高い傾向にあります。欧米ではアニマルウェルフェアの認証制度(例:イギリスのRSPCA Assured、オランダのBeter Leven、アメリカのCertified Humane、Global Animal Partnership など)が広く普及しており消費者は商品についているこれらのラベルを目印に、畜産動物に配慮した食品を選択・購入することができます。一方で、日本では畜産動物の飼育方法についての「指針」(農水省策定・公表の「アニマルウェルフェアに関する飼養管理指針」)はあるものの、法的拘束力はありません。このため、世界では廃止の動きが広がっている狭いケージでの拘束飼育や過密飼育、麻酔なしでの外科的処置、意識あるままの屠畜が未だに行われているのが現状です。農水省や畜産技術協会、日本養豚協会の調査によると、日本では9割の養豚場が、母豚の飼養管理に体とほぼ同じ大きさの狭い檻(ストール)を使用しており、母豚は一生のほとんどの期間をその中で過ごします。約95-99%の農場が、無麻酔で仔豚の去勢を行っており、断尾や歯切りもほとんどが麻酔を使用していません。肉用鶏(ブロイラー)はEU平均の1.4倍過密飼育されており、最期は意識あるまま逆さづりにされ首を切られます。それでも死ねなかった鶏は熱湯に入れられ、全身やけどで絶命します。乳牛に関しては約7割の酪農家がつなぎ飼いし、放牧を全くしていません。除角も約9割の酪農家が実施していますが、大半が麻酔を使用していません。今回の絵本の主人公である採卵鶏の現状に関しては、次回の記事で詳しくお伝えします。世界動物保護協会(本部ロンドン)は、2020年版の動物保護指数(API)レポートで、日本の家畜のアニマルウェルフェアについて、最低ランクの「G」と評価しています。アニマルウェルフェアに関する法制がない点を問題視しており、 法整備や農場・屠畜場の定期検査のほか、おりでの飼育禁止やブロイラーの飼育密度の緩和、麻酔下での手術の実施、長距離輸送の禁止、食肉解体前の気絶処置などを推奨しています。日本の畜産業には厳しい目が向けられているのです。◆日本の消費者は「安さ」を重視し、「生産背景」に関心がない?そして、企業や消費者の意識もまだそこまで高くありません。日本ではまだアニマルウェルフェアの認知度が低く、動物に配慮した卵や肉の購入意欲も低い傾向にあります。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査レポートによると、日本の消費者の購入意向は調査対象の他の3カ国(アメリカ、イギリス、オーストラリア)よりも低く普段卵や肉を購入するときに「価格」を重視する割合が他の3カ国よりも大きい一方で「飼育・生産方法」を重視する割合が4.2%と非常に低い(アメリカ10.9%、イギリス25.8%、オーストラリア24.9%)ことが判明しています。たとえ購入したくても、そもそも店頭に並んでいる商品がどのように生産されたのかを知るすべがないので、適切な商品を選ぶことができません。一般社団法人アニマルウェルフェア畜産協会による認証や、山梨県のように地方自治体が独自の認証制度を設ける動きも出てきていますが認証商品は簡単に手に入らず、認知度もまだ低いのが現状です。政府が法整備をしない→畜産農家はアニマルウェルフェアの改善に取り組む必要がない→企業はアニマルウェルフェア対応の畜産物を調達できない&企業・消費者共にそもそも関心が薄い→需要がないので農家もアニマルウェルフェア改善のための設備に投資できない…という悪循環に陥っており、動物がいつまでたっても救われない状況が続いています。◆変化の兆しも しかし、日本でもここ数年、畜産動物のアニマルウェルフェア改善の兆しが見えつつあります。国連などの国際機関が、持続可能な畜産や食料安全保障などの観点からアニマルウェルフェアの順守・改善を各国に求めており日本でも政策上の課題として明確に取り上げられるようになりました。令和7年度補正予算ではアニマルウェルフェア関連の補助金が含まれ鶏のガスによる気絶処理やケージフリーなどへの補助が強化されました。従来の補助金では難しかった、収益向上や規模拡大ではなく「アニマルウェルフェア向上」を目的とした畜舎改修や設備導入が申請しやすくなりました。企業の側でも、特に大企業を中心にアニマルウェルフェアの目標を掲げる動きが少しずつ広がっています。消費者の意識はまだそこまで高くないものの先の三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査レポートでは、アニマルウェルフェア対応食品を購入しない要因や理由について、日本では「近所に購入できる店がない」ことを挙げる人が最も多く、十分に普及していないことが障害になっているようです。普段の買い物で、店頭に並んでいる卵や肉の生産方法を製品表示や認証ラベルで確認できるようになれば、購入する人が増え、企業や畜産農家も改善に向けて本腰を入れることができるかもしれません。アニマルウェルフェア関連の法整備や、既存の施設をアニマルウェルフェア対応に改修するための国の補助拡充、消費者の認知度向上、消費者が動物に優しい商品を選べるようにするための認証制度の確立などを通して、日本のアニマルウェルフェアを国際水準に近づけなければなりません。今回の絵本が、変化を後押しするのに役立つ存在になれることを願っています。


以前の記事でお伝えした通り、私は畜産動物のアニマルウェルフェア向上を目指して活動してきました。そんな私がなぜ、その手段として「絵本」を出すことにしたのかを、今回は伝えたいと思います。私は畜産動物の飼養環境の改善を求めて、SNSでの情報発信や企業への意見届けなどをしてきました。私1人の力は微力ですが、沢山のボランティアや動物団体の方々が日々、さまざまな活動を続けており、確実に実を結んでいると感じています。今では大企業を中心にアニマルウェルフェアについて言及するようになり、政策上の重要課題と認識され始めています。令和7年度補正予算ではアニマルウェルフェア畜産関連の補助が強化されました。日本でも変化が始まりつつあります。活動の重要性は理解しており今も続けていますが、どうしても活動の多くは「既に動物問題に関心のある人」や「ヴィーガンの人」にしか届かない…と感じていました。日本人のほとんどが肉や卵、牛乳といった畜産物を消費している一方、それらを提供してくれる畜産動物がどのような一生を送っているかを知りません。その「大多数の消費者」の意識が変わらなければ、畜産動物の環境が良くなることはありません。消費者の需要がなければ、農家はいつまでも動物が健康・快適に過ごせるようにするための設備に投資できず、肉や卵を大量に使用している食品企業も動物に優しい畜産物を採用・調達することができないからです。大多数の人に畜産動物の現状を伝え、動物たちに思いを馳せたり、改善のための行動を起こしてもらったりするにはどうしたらいいのかずっと考えてきましたが、答えは出ないままでした。そしておととし、娘がうまれました。娘は絵本が好きなので、幼いうちから畜産動物を大切に扱うことを伝えたいと思い、絵本を探しました。しかし、畜産動物の実際の飼養状況や「痛み苦しみなく、大切に扱う」という視点を伝える絵本を見つけることはできませんでした。「娘に読ませたい絵本がないならば、自分で作ればいい!」と畜産動物のウェルフェアをテーマにした絵本を作り始めました。そして、次第にこの絵本が多くの消費者、特に未来をつくる子どもたちにアニマルウェルフェアを考えるきっかけを提供できるのではないか?と考えるようになりました。絵本はイメージがあるので動物の現状を伝えやすく、書店でも流通するため動物に関心のない人の目にも触れやすいからです。多くの人に、畜産動物に少しでも関心を持ってもらうのに最高のツールだと思いました。畜産動物の問題は根深く、残念ながら自分が生きている間になくなることはないと思います。だからこそ、次世代を担う子供への啓発・教育は非常に重要だと感じています。絵本なら子供にも読んでもらいやすいです。そこで、絵本を刊行している出版社100社以上に草案を送りましたが「うちでの出版は難しい」と断られることもしばしば。返事さえもらえないことが多かったです。自費出版しかないのか…と諦めていたところ出版社みらいパブリッシングより協働出版のご提案をいただき、現在に至ります。今は出版に向けて、沢山の方に手に取ってもらえるよう、日々原稿作りに励んでいます。「動物のための絵本作家になる」という新たな目標も出来ました。この絵本が普及することで、多くの人(特に子供たち)がこれまで気にしてこなかった畜産物の生産背景に思いを馳せ、畜産動物の飼養環境を改善するために何ができるのかを考えるようになる。(例:食品関連会社への意見届け、スーパーで動物に配慮した商品を購入 など)そして、消費者の意識が高まることで、動物に優しい商品やプラントベースの需要が増える。これを受けて、畜産農家は動物がより快適・健康に過ごせるようにするための設備に投資できるようになり、少しでも多くの畜産動物が今よりも快適に暮らせるようになる。そんなポジティブな流れを生み出せたら…と願っています。


(写真は植物由来の卵)私は鶏や豚、牛といった畜産動物の待遇改善を求めて、街頭でのチラシ配布のほか、動物関連のニュース記事の翻訳(たまに執筆)、SNSでの情報発信、企業への意見届け、動物団体への寄付といったボランティアをしてきました。私の今のお仕事も、間接的ではありますが、野生動物の生息地の保全や生物多様性の維持、気候変動の緩和、魚介類のウェルフェア向上に貢献し、動物たちや娘の将来を守ることにつながっていると思います。私は幼い頃から環境問題にしか関心がなく、お肉も卵も好きでしたがそれらを提供してくれる畜産動物に思いを馳せることはありませんでした。そんな私が畜産動物に関心を持ち始めたのは、アメリカで某通信社の記者として働いていた時です。アメリカでは当時、植物由来や培養による「代替畜産品」が話題となっており、記事で何度も取り上げました。主に消費者の健康志向の高まりが需要をけん引していましたが畜産動物の飼育過程やえさの生産過程で発生する環境汚染そして、アニマルウェルフェア(動物福祉)への関心が高まる中畜産物の消費を減らすことで問題を軽減したいという機運が広がっていることも背景にありました。動物たちの劣悪な飼育環境や、丁寧ではない取り扱いが問題視されていたのです。それまで、畜産動物は「広い農場でのびのびと過ごしながら働かずにえさを食べられるし、幸せでいいな~」なんて思っていました。「実際はどうなんだろう?」と思い、調べたところ、さまざまな課題があることを知りました。日本では、私たち人間に大切な命を捧げてくれる畜産動物の多くが本来の生態とは程遠い環境で飼われており狭いケージの中での飼養や麻酔なしでの外科的処置、意識あるままの屠畜が行われています。世界動物保護協会(本部英ロンドン)は、20年版の動物保護指数(API)レポートで、日本の家畜のアニマルウェルフェアについて、中国やロシア、中東・アフリカ諸国と同じ最低ランクの「G」と評価。アニマルウェルフェアに関する法制がない点を問題視しています。日本では、畜産動物が世界的に見ると良好ではない環境で飼われているのです。日本の畜産動物の扱いを知り、「私たちに卵やお肉を提供してくれる無数の畜産動物が、多大な苦痛の中で一生を終えている今の状況を変えたい」と考えるようになり、現在に至ります。私はヴィーガンではありません。ですが、動物に苦痛を与えて生産されたものは消費したくないと考えています。「人間含め動物は、他の命をいただいて生きるもの」「アニマルウェルフェアに配慮して育てても、結局最後には屠畜するから意味ない」という意見もありますが、生産効率を重視して畜産動物に過度の負担をかけ生きている時も屠畜時も長い間苦しませ大量廃棄して命を無駄にするのは人間だけです。私たちに命を与えてくれる動物だからこそせめてなるべく苦痛のないよう配慮すべきだと思います。人間も動物も同じように痛み苦しみを感じます。自分の大切な人に置き換えて考えると、今の畜産動物の扱いがいかに酷であるか分かります。畜産動物や実験動物など、人間の管理下にある全ての動物の苦しみが減るよう、またそういう動物自体が減るよう、今後も活動を続けていきたいと思います。


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