日本の山々に実在した漂流民族「サンカ」をモチーフにした長編映画支援プロジェクト

伊参スタジオ映画祭2018シナリオ大賞受賞作品・長編映画「山歌(サンカ)(旧題:黄金)」。かつて日本に実在していた、山から山へ放浪を続けた民族「サンカ」をモチーフにした長編劇映画の完成に向けた支援プロジェクトです。

現在の支援総額

1,058,000

70%

目標金額は1,500,000円

支援者数

102

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2019/09/28に募集を開始し、 102人の支援により 1,058,000円の資金を集め、 2019/11/26に募集を終了しました

日本の山々に実在した漂流民族「サンカ」をモチーフにした長編映画支援プロジェクト

現在の支援総額

1,058,000

70%達成

終了

目標金額1,500,000

支援者数102

このプロジェクトは、2019/09/28に募集を開始し、 102人の支援により 1,058,000円の資金を集め、 2019/11/26に募集を終了しました

伊参スタジオ映画祭2018シナリオ大賞受賞作品・長編映画「山歌(サンカ)(旧題:黄金)」。かつて日本に実在していた、山から山へ放浪を続けた民族「サンカ」をモチーフにした長編劇映画の完成に向けた支援プロジェクトです。

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今年の梅雨は異常に長く、撮影初日の7月21日も、ロケ地となる中之条町では梅雨真っ盛りでした。といっても、シトシト降ったりやんだり、時々太陽が顔を覗かせてくれたりと。私は生粋の雨男なので「まぁそんなものか」と半ば諦観していました。三月末のロケハンでは雪が降り、10センチほど積もりました。低気圧が服を着て歩いているようです。そんな様子ですから、本来ならいなくなる時期なのに、山道や川原にはヒルがワンサカ居ました。ジメジメしたところを好む吸血ヒルたちです。濡れた地面をよく見るとツマヨウジくらいの細長いなめくじみたいなのがピョコピョコ動いてるのが見えました。そして時々上から降って来ます。(この写真はネットで拾いました)撮影前から多くのスタッフがヒルに噛まれました。ヒルに噛まれると血を吸われます。それだけでなく、血液内の血を凝固させる成分を一時的に壊されるらしく、血がダラダラと止まりません。1時間は流れ続けます。しかも、ヒルの歯は皮膚に食い込むらしく、吸い終わるまでは引っ張っても取れません。あるロケハンの帰りは悲惨でした。東京へ帰る際、大概は夜に関越道を走ることになります。いつも通り運転していました。横には上野さんが居ます。談笑のさなか上野さんが叫びました。「うわ!噛まれてる!ヒルだよ!!」携帯のライトで照らされた上野さんの足は血だらけでした。私が「ヒルは居るんですか?」と聞くと「ヒルは。。。居ない」と言われました。夜の車の中にヒルが生息してるのです。しかも私は運転中です。もう、どうしようもありません。もちろん、夜中に家に帰ったら時、私の足は血まみれでした。本当に、靴下が真っ赤になるんです。そんな恐ろしいヒルにも弱点があります。昼下がりのジョニー。要は、濃度の高い食塩水です。吸血中のヒルも、コレをかければくるっと縮んで落下します。撮影中、やはりヒルに悩まされた我々。ヒルを見たら誰かが「ジョニー持ってきて!」と叫び、なんとか命を繋いで来ました。私も「よーい!スタート!」より「ジョニー!!」と叫んだ数の方が多いかもしれません。ちなみに、スタッフは全員噛まれたと聞いています。文字通り心血注いだ映画でした。


過酷な撮影のこと
2019/10/16 20:50

映画「山歌(サンカ)」は3月から幾度にも渡り群馬県中之条町へのロケハンを行いました。私笹谷と撮影監督の上野彰吾さんと2人でひたすら通いました。そして伊参スタジオ映画祭実行委員の方々、中之条町役場の方々に大いに助けられながら、ロケ場所を決めていきました。この映画の9割は野外ロケです。野外のほとんどが「川原」か「山道」です。どこにでもあるようですが、実際にサンカの人たちがいた様な場所を選定するのには難航しました。ここにリアリティがあるのか。。。。悩む私。試行錯誤の末、ロケ地が決まり、迎えた撮影当日。撮影1時間前。私の車のタイヤが狭い道の縁石にあたりパンク。一人でした。しかも山の中で圏外なので助けも呼べません。孤立状態です。やむなく人生初めてのジャッキアップによるタイヤ交換。必死にやって見事成功。そこへ上野さんが通りかかり(遅い)撮ってくれました。一瞬達成感に浸りましたが、このパンクは、ほんの序章にすぎませんでした。このような危なっかしい撮影も、まだまだ序の口です。私たちは映画に向かう前に、まず雨とヒル問題を乗り越えねばなりませんでした。


映画「山歌(サンカ)」では山の放浪民・サンカの女の子(17歳)が登場します。名前はハナといい、1948年に山で生まれ山で育ちました。と書いただけでもその設定、役作りの難しさが伺えて、自分でもゾッとします。現代っ子に山で育った女の子が演じられるのか、コスプレになってしまわないか、そんな女優さんが居るのか!? オーディションまで私は不安だらけでした。正直、則夫役の選定よりも困難だと感じていました。。。。女優さん自身がサンカ、そしてハナを心で理解するのはもちろんですが、映画は身体です。身体能力がそのまま画面に映るのです。山の人間の体の使い方、身のこなしを体現してもらわなければならないのでした。普通に考えて、よっぽどのアスリートでない限り、現代人では無理だと思っていました。しかし、もしハナの身体能力が実現できれば、この映画の大きな説得力になると私は当初から確信していました。ハナ役もまたオーディションでした。ここで登場したのが小向なるさんです。小向さんは浮いていました。「自分のことを話してください」と言ったらいきなり歌い始めたり、かなり特異な存在だったのですが、一番印象に残ったのは闘志だったかもしれません。メラメラと燃える熱さを彼女の目は持っていました。リングに向かうプロレスラーのようです。それは則夫役の杉田くんとはいい意味で対照的でした。そしてこのシナリオを本当に気に入ってくれていること、心底ハナを演じたいと思っていることがヒシヒシと伝わってきました。私たちは迷わずハナ役を彼女に決めました。そして後日、小向なるさんはハナに近づくために、山をひたすら走り続ける競技・トレイルランを始めることになります。命がけで役作りをしてくれました。また記したいと思います。


本映画「山歌(サンカ)」の主人公は、杉田雷麟(らいる)くん演じる15歳の都会の少年・則夫です。則夫役は今年4月にオーディションにて選出しました。監督である私笹谷は劇映画ははじめてで、しかもオーディションなんて、何をどうすればいいのか検討もつきません。私もかなり緊張していました。今でも初めて杉田くんと会った時のことを覚えています。私には彼がとてつもなく長い影を背負っているように見えました。上手く表せませんが、「何かを思わせる何か」を持っている少年でした。そしてもう1つは目つきでした。恥ずかしい話ですが、オーディションする側の私が逆に見られているような気がしました。それほどに、杉田くんの目は何かを見据えている目でした。種明かしのようになってしまいますが、杉田くんの雰囲気はシナリオ上の主人公の像にはガッチリと当てはまらないものでした。しかし、私はシナリオの中身、そして主人公・則夫のキャラクターを変えてでも、杉田くんを撮りたいと思いました。そうすることでこの映画がもう一皮剥けるのではないかと直観しました。結果、主人公・則夫の行動原理、心象風景、アクション、全てが杉田くん仕様になりました。変えることは苦しいことでした。しかし、賞を頂いた時よりもずっと深く、より最良な状態でシナリオが映画になっていく実感がありました。杉田くんは近作では稲垣吾郎さんが炭焼きを演じ、渋川清彦さんもその親友役として出演された「半世界」、大杉漣さんの遺作となった「教誨師」など、16歳にして劇映画のキャリアをしっかりを積んでいます。(私が16歳の時なんてカプコンの格闘ゲームしかしていませんでした。この差は・・・)だから、というわけではないかもしれませんが、とにかく物怖じせず、丁寧に、冷静に、しかし強大な熱をもって則夫を演じてくれました。「演じてくれました・・・・」という言葉では語りつくせません。これらのエピソードはおいおい書いていこうと思います。


キャスティングについてよく尋ねられるので、まずここに記していこうと思います。シナリオを書く段階から、サンカの中年男性像は渋川清彦さんでした。顔の深さ、佇まい、体型。賞を頂く前から、(勝手に)サンカの男・省三は渋川さんだったのです。よく、山男はもっとガッシリしているのでは?と言われますが、サンカはマタギとは食べているものが違います。それでいて貧しいです。なので渋川さんの体型で説得的なのでした。そして肝心なのは匂いです。山の男の匂いを画面から感じるかどうかです。これを出せる人はなかなか居ません。絵に描いた餅ですが、渋川さんが理想像でした。しかし、新人監督の私・笹谷が人気俳優・渋川清彦さんを起用できるとは毛頭思っていませんでした。かなり重要な役なので撮影日数も長いです。今思ってもこのキャスティングは奇跡としか言えません。やはり、映画を何度見返しても、渋川さんの演じるサンカの男・省三は見事なまでに「体の軽さ、心の重さ」を体現しています。役者としての懐の深さを見せられました。新人の私はその懐で甘えたようにも思います。


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