東播磨地域に安定的に農業用水を供給するため、衝原村を解村してつくられたつくはら湖と呑吐(どんと)ダム。 呑吐とは、ダム建設前、衝原村に大小の滝があり、これらの滝が山田川の水を呑んで吐く様子から「呑吐の滝」と呼ばれていたことに由来します。 この呑吐ダムに行ってきましたので紹介します。 ダムの総貯水容量は1,886万㎥を湛え、県下有数の農業地帯である東播磨地域を潤しています。ちなみに東京ドームは124万㎥だそう。ということはドーム15.2個分! 重力式コンクリートダムという形式で、ダム河床部の断層処理として、日本初のウェッジブロックジョイント方式のコンクリートマット工法により、応力を左右堅岩部に伝達しダムの安定性を確保している、とのことです…(東京ドームの大きさもダムの技術的なこともよく分かりませんが、ダムの迫力には圧倒されました!) そして最近話題のダムカード!管理事務所でいただきました。事務所内にはダムの縮小模型なども展示されていました。 ダムの上から見下ろす景色は壮大でしたよ。
本日は、丹生山田の里から西区の神出(かんで)町を巡るサイクリングロード「神出山田自転車道」のリニューアルイベントが開催されました! 「神出山田自転車道」は歴史と自然豊かな山田町と神出町を結ぶ全長19.3kmのサイクリングルートで、つくはら湖畔のんびりと巡ることができます。 リニューアルイベントの一環として、六條八幡宮の境内で地域住民による炊き出しが振舞われました。メニューは豚汁です!本日は神戸電鉄に自転車をそのまま持ち込める特別列車が運行されており、箕谷駅からオープン式典に向かう参加者約80名が来場されました。炊き出しを振る舞いました! そして出発の際には、当地でとれたおいしいお米をお土産にプレゼントさせていただきました。わずか15分程度の滞在でしたが、参加者のみなさまにはとても喜んでいただけたと思います。準備した甲斐がありました!手作りの掲示物 颯爽としたサイクリング姿と、のどかな農村風景、とてもよくマッチしていました! 自転車道には「BE KOBE」モニュメントの設置も計画されているとか。楽しみですね。イベント参加者にも楽しんでいただけました!
1000年と形容するほど長い年月、人の生活が営まれ続けてきた家を千年家(せんねんや)と言います。 丹生山田の里、つくはら湖畔に佇む「箱木(はこぎ)千年家」は、江戸時代、元禄期(17世紀末)にはすでに「千年家」と呼ばれていたことが当家に伝わる文書に記されています。今年5月には世界7か国のかやぶき職人150人が視察に訪れました! 昨日紹介しました呑吐ダムの建設に伴ない、数十メートル移築されることになったため、建物本体を解体しての調査と地下部分の発掘調査が行われることになりました。その結果、建築は少なくとも室町時代前半にさかのぼるものと判定され、現存する日本最古の民家のひとつであることが確認されました。さらに、使用している部材や、発掘された土器の年代の調査により、主屋の建築は鎌倉時代にさかのぼる可能性も考えられるそうです!外国のかやぶき職人も興味深々! カンナではなく手斧で削った柱、板敷きの床、一定ではない間隔の柱、など近世以降の民家との違いも見られるそうで、「箱木家住宅」という名称で国の重要文化財に指定されています。かやぶき民家の内部はこんな感じです! 現存する千年家は数が非常に少ないそう。休日に開放されていますので、歴史を感じにお越しになってみてはいかがでしょうか。
丹生山田の里には、その昔ダム湖に沈んだ村がありました。その名は衝原(つくはら)村。衝原は「尽く原」という説もあるように、山田川が開いた原が、下流の三木市との境界あたりで、再び谷が狭まっているところに位置しています。ここは摂津の最西端として昔から様々な勢力が衝突する地点でもありました。 このような衝原村も、平成4年に呑吐(どんと)ダムが完成し、現在はつくはら湖の水底に眠っています。なお、村の一部は湖の上流に移転し新しい集落を営んでいます。この中には日本最古(!)の民家といわれる「箱木千年家」も含まれており、これについては別の機会を設けて紹介したいと思います。つくはら湖展望台からの眺め。奥に見えるのが呑吐ダムです。 さて、なぜダムを建設する必要があったのか…。実は、さらに下流の東播磨地域は降雨量が少ないため昔から水不足に悩まされていながら、ため池など不安定な水源に頼っていました。大正4年には山田川から農業用水を供給するため、坂本交差点の付近に堰と取水口を設け、「山田川疎水」という水路が建設されています。その後、さらに安定した水源とするため、住民の苦渋の決断ののち呑吐ダムが建設されたのでした。昭和15年ごろの山田川疎水の取水口昭和39年ごろの山田川疎水の水門と堰 現在つくはら湖の周りには「神出(かんで)山田自転車道」というサイクリングロードが通っており、湖面を眺めながらのんびりとしたサイクリングをすることができます。この11月10日にはリニューアルオープンするということで、六條八幡宮に立ち寄りながら西区神出町までサイクリングするイベントが予定されているようです。また、つくはら湖の周りではバイクでツーリングをする人も見られます。このような史跡巡りも楽しいのではないでしょうか。サイクリングロード 呑吐ダムでは最近話題の「ダムカード」も配布されていると聞きます。今度もらいに行ってこようと思います。また報告しますね!
本日はガイドマップ改訂のワーキンググループを開催しました。 いつも写真のメンバーで頑張っています! 今回のワーキンググループでは、解説書の内容について、文献に照らし合わせて適切な記述となっているかメンバーで議論しました。例えば神社に伝わる由緒が現存する文献では確認できない場合もあります。ひとつひとつ歴史を紐解いていく作業を進める中で、奥の深さを改めて感じた一日でした。真剣に議論中!後ろの壁には山田の史跡の写真が見えます ガイドマップ改訂作業、順調に進んでいます。お楽しみに!