少し時間差ありますが、メンバーの笹尾より2日目のレポートが届きましたので紹介します。 ==ガザ現地にきております笹尾です!ガザ入域してからはやくも4日が経ち、GEC2017の2日目が終了しました。 2日目は、朝から全10チームのプレゼンテーションが行われました。各チーム、10分間でビジネスアイディアを発表し、その後10分間のQ&Aセッションで審査員からの質問に答えます。 因みに、今年度の審査員はガザと日本からそれぞれ3名の合計6名。ガザ側はUNRWAガザ職業訓練学校のJamil Hamadd(ジャミール・ハマッド)校長、ハンユニス職業訓練学校のGhassan Abu-Orf (ガッサン・アブオーフ)校長、UNDPガザ事務所プログラムコーディネーター Abeer Al Yazji(アビール・アル・ヤッジ)さん、日本側からはUNRWA保健局長の清田先生、ARUN合同会社の功能聡子さん、そして私です。尚、審査に於いては実効性、持続性、クリエィティビティ、公共性の4点を評価します。 先日の記事でご紹介した通り、10チームのビジネスアイディアは様々な分野にわたり、また各チームのビジネスステージも多様で、中には既に製品を販売し、黒字化できているチームもあります。審査員からは「受益者は誰か」「どのように今のビジネスを拡大する予定か」「どんなソーシャルインパクトを与えられるのか」等たくさんの質問が投げかけられました。 私も審査員のひとりとして10チームのアイディアを聞き、スコアリングさせていただきましたが、各チームのサービス/製品を正確に理解し、またその根底にある社会への問題意識に耳を傾け、その上で上記4つの観点で評価を下すのは想像以上に難しいものでした。もっともっと彼らの考えを深く聞いた上でジャッジできればと思いましたが、わずか3日間のビジネスコンテストですのでそうはいきません。各審査員が熟考の末につけたスコアを集計し、明日のファイナルプレゼンテーションに進む6チームを選出しました。集計にあたっては審査員の間でも各ビジネスアイディアに対する熱い議論が繰り広げられました。 明日はいよいよGEC2017の最終日。 一体、ファイナリス6チームのうちどのチームが優勝し、来年3月に行われるジャパンツアーの切符を手に入れるのか。 東京でも中継イベントによりファイナルプレゼンテーションの熱気をお届けします!是非日比谷に足を運んでいただき、優勝者決定の瞬間を一緒に見届けてください! [プレゼンをする参加者(Ana Arabi)]
先般紹介させて頂いた、時事通信にも加え、朝日新聞にもビジネスコンテストの様子をご紹介頂きました。 荒廃したガザに起業の種 日本の若者らが支援コンテスト 以下に内容を紹介いたします。 =引用= パレスチナ自治区ガザの若者たちに希望の種を――。イスラエルとの度重なる戦闘で荒廃し、失業率が世界最悪レベルのガザで起業を支援しようと、日本の若手社会人らが12~14日、現地でビジネスコンテストを開催した。来春には日本に招かれ、企業研修などに参加する予定だ。 昨夏に続いて2度目で、優勝チームには賞金5千ドル(約55万円)が贈られる。今年は80チームから書類選考された10チームが起業のアイデアを説明し、日本やガザの起業家、ビジネスマンらが助言した。 審査の結果、「家庭用生ゴミからバイオ燃料をつくる機械」を提案したチームが優勝。調理のほか、暖房の燃料などに充てる計画で、「深刻な電力・燃料不足を解決する一助となる」と評価された。地元の大学で機械工学を学ぶ優勝チーム代表のイブラヒム・サバーさん(22)は「ガザでアイデアを広め、ビジネスにつなげたい」と語った。 ガザの失業率は4割超で、若者層では6割を超える。人口約190万人の約8割が何らかの支援に頼らざるを得ない。ガザの若者の起業を手助けしようと、日本の若手社会人らが昨年8月、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の協力を得て、ビジネスコンテストを初めて開催していた。(渡辺丘) =引用終わり= 朝日新聞の渡辺さん、時事通信の浅見さんには、本当に毎回丁寧に取材頂いており、ありがたい限りです。ガザビジの活動は本当に多くの皆様に支えられており、この場を借りて御礼申し上げます。
時事通信社にビジネスコンテストの様子を本日16日付けにてご紹介頂きました! ガザの生ごみを燃料に=日本人主催ビジネスコンテスト 期間中、丁寧に取材頂いた浅見さん、ありがとうございました! 以下はリンク先からの引用となります!ビジネスコンテストの雰囲気がみなさんにも伝わりますように!ガザの生ごみを燃料に=日本人主催ビジネスコンテスト 【ガザ市(パレスチナ自治区)時事】イスラエルによる境界封鎖で「天井のない監獄」と呼ばれるパレスチナ自治区ガザで12~14日、高い失業率に苦しむ若者の起業を支援し経済的自立を促すため、日本人の若者らが主催するビジネスコンテストが行われた。ガザで処理が問題となっている生ごみからバイオガスと液体肥料を生成する装置を開発したチームが優勝し、賞金50万円が贈られることになった。 今年で2回目となるコンテストを主催したのは、民間企業や国連職員、学生ら約20人で構成するNPO「ジャパン・ガザ・イノベーション・チャレンジ」。80通の応募の中から書類選考と予選を通過した6チームが14日の決勝に臨んだ。 優勝チーム「エコホーム」のリーダーで、大学で機械工学を専攻するイブラヒム・サバハさん(22)は6年前、ガザでごみの埋め立て地が不足し、深刻な社会問題となっていることに着目。独自の家庭用生ごみ処理機の開発に取り組み、イスラエルで1台約900ドル(約10万円)で販売されている処理機を150ドル程度で販売できるよう試行錯誤を重ねた。 1トンの生ごみから、調理用の燃料として利用可能な30キロのガスを生成できるという。サバハさんは賞金について「さらに改良を加えるための試作品づくりに使いたい」と語った。審査員の1人、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田明宏保健局長は「ガザの状況に合った社会的影響度の高い装置だ」と評価した。(2017/08/16-10:00)
キズキ/安田さんからメッセージをいただきました。 安田さんは学生時代からの友人であると同時に、現在では若手起業家として頭角を現している頼れる仲間でもあります。 昨年に引続き、今年もガザに渡航、現地の起業家の卵向けにお話し頂きました! ==== 安田祐輔と申します。昨年に引き続き、このガザビジに参加しています。 私は大学時代に、イスラエル人・パレスチナ人12名を日本に招き平和会議を行う活動をしていました。「日本・イスラエル・パレスチナ学生会議」という、ガザビジ創業者・上川路が大学時代に作った学生団体です。 その会議自体はイスラエル人・パレスチナ人が別れ際に大泣きするほど成功したものの、中東情勢に対して「大きな」インパクトを残せたとは思えませんでした。 むしろ私は、どんな苦しい時も諦めない強さや、人を赦す優しさを、彼らから学んでいました。 そして私の中には、問題解決に寄与できない悔しさと、たくさんのことを教えてくれた彼らへの感謝が残りました。 それからずっと、「いつかパレスチナにきちんと貢献がしたい」と思っていました。 ******* その後、私は大学を卒業した2年後、キズキという会社を起業し、今はアルバイトスタッフを含めると、120名ほどの会社になりました。 そして昨年、上川路から誘われ、第一回のガザビジに参加しました。無力感を感じた大学時代から10年近くが経っていました。 ガザ40%もの失業率があり、そのことで希望を失っているということ。だから、起業支援を通じてガザに希望を提供できるかもしれないということ。 そして第一回のビジネスコンテストに参加し、 「私自身の起業・経営経験を通じて、パレスチナの人たちに貢献できるかもしれない」 そう思えたことが、2年連続の参加の動機になっています。 民間の立場から「紛争の解決」に直接寄与することは難しいかもしれない。けれども、相次ぐ戦争で苦しむ人たちに「希望」を提供することはできる。「希望」を失いつつあるガザの人たちに対して、「世界は見捨てない」という明確なメッセージになるとも思っています。 ご支援、よろしくお願いします。
ガザに訪問中のメンバー、開(ひらき)から報告が届きましたので紹介します!ビジネスコンテストは本日から3日間、開催され、最終日は東京の中継イベントでも紹介予定です。是非お越しください。 == 第二回目のガザでのビジネスコンテスト(GEC 2017)が始まりました。 1日目となる今日は、ビジネススキルワークショップ、日本とガザの起業家であるキズキ代表の安田祐輔氏、パレスチナアマル代表の北村記世実氏によるパネルディスカッション、ARUN代表の功能聡子氏の社会投資と投資家の目線についてのレクチャー、ライターでタレントの乙武洋匡氏の特別講演がありました。 【ガザと日本の起業家によるパネルディスカッション】 【講演するARUN代表の功能氏】 【講演する乙武氏】 参加したガザ起業家は、日本から参加した起業家が経験してきた挑戦や成果、ガザの起業家へのメッセージに対して熱心にメモを取り、自分たちが抱えている課題に対してアドバイスを求めるなど、プログラムに積極的に参加しました。ビジネススキルワークショップの一環として行われた「マシュマロ・チャレンジ」では課題をクリアしたチームが全10チームのうち、半分以下。チームワークと目標達成までプロセスをどう積み重ねていくのかを学びました。 【ビジネススキルワークショップ「マシュマロ・チャレンジ」で完成したマシュマロタワー。66センチ!】 午後の講演では、これまで数多くの起業を支援してきた経験や、困難に立ち向かってきた経験が紹介され、一日の最後はスタンディングオベーションと大きな拍手で終了しました。 プログラムの一部はガザビジのFacebookページから動画でご覧いただけます。 会場となった国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)ガザ職業訓練学校ディレクターのジャミール氏は、「戦後飛躍的な経済成長を遂げた日本の経験を日本の若者から直接聞くことができる貴重な機会となった。今回のビジネスコンテストをきっかけとして、日本とガザの若者の交流が広がって欲しい」との期待を寄せました。 ビジネスコンテストは、これから2日目の予選、3日目の決勝へ続きます。書類選考の審査員をつとめたガザのインキュベーターは、「今年、予選通過した10チームはそれぞれの実力が拮抗しており、現時点でどのチームが優勝するか全く予想がつかない」とコメントしています。 3日目の決勝、優勝者発表は東京とガザを中継でつなぎ、ガザの未来を創る、かもしれない、優勝チームが決まる瞬間の臨場感をお届けします。ぜひご参加ください。 東京での中継イベント(8月14日午後6時半から)の概要はこちら! 申込みはこちらから!