「このチケットを買ってくれたら日本全国どこでも行きます!」と書いて掲載したら一番人気だった出張料理リターン。2枚買ってくださった遠山さん、ありがとうございます。1枚は2023春の河口湖で行うスペシャルな出張料理に充てることにして、その前に北軽井沢の遠山邸にて撮影も兼ねた出張料理に伺うことになりました。12/18-12/19、この週末は大寒波が日本全国を覆っており、私たちが軽井沢駅に到着する朝に大雪が降りはじめました。そこから車を走らせ群馬方面へ...北軽井沢の遠山さんの御宅はすっぽり雪に包まれていました。冬至前で日が落ちるのが早い。この写真は16:00くらい。外の檜風呂も気持ちいいんだよ、とお風呂を沸かそうとしてくれる遠山さん。しかしお風呂の中は頑丈に固まった大きな氷状態。結局帰るまで溶けることはなかった。残念!焚き火する、薄暮の時間たそがれる遠山さん撮影に備え前哨戦寒すぎて前が見えないくらいの湯気が立ち上り続ける朝も!軽井沢だし、さほど寒くないかなあと思って若干甘い服装で行ってしまったのですが、一昨年末に訪れた北海道よりも寒かった。「雪が降っている景色が好き。暑いより寒い地域に住みたい」などと言ってきたのですが、もうなんかすみませんでした!という気持ちです。(ここまでの写真:Yuta Tsuchiya)毎シーズンの料理撮影はまず一品ずつ撮ったあと、全品合わせて集合写真を撮っているのですが、アートディレクターの土屋さんは毎度なぜかテーブルなどは使わず「ぜんぶ地面の上で」と言うのであらゆる地面の上で撮ってきました。今回もそうかな...と予感をしていたら「よし、雪の上で撮りましょう」雪かー!そうだよねー!地面だと今雪降ってるよね!寒すぎるのでみんな小走りで料理を運び、すごい集中力でスタイリング体感、−10℃おかげさまでいい写真が撮れました。*幡野さんの写真はもっと素晴らしいです。これは私が慌てて撮った一枚遠山邸以外でも、丘の上で浅間山が雲から出てくるのを待ってみたり森の中でも撮影しました。料理以外の写真はエッセイに添えて掲載します。もう本当に素晴らしい写真が多すぎて、セレクトに困ってるくらいなので、選りすぐりを印刷することになります。どうかお楽しみに。そして2日間、私たちを心地よくおもてなしいただきながら、一緒に撮影も楽しんでくださった遠山さん、本当にありがとうございました!遠山さんはご自身で企画・撮影・編集・音楽まで1人で手がけるYouTube「新種の老人」で今回の撮影の様子を一つのstoryにしてくださいました。ぜひご覧ください^^新種の老人「からだのなみにのるレシピ」はこちらから>>>本の制作もいよいよ佳境です。文章の執筆・イラストの制作はすでに終了しており、1/5・1/6に新店舗で撮影を済ませたら撮影も終わりです。1月いっぱいでデザインの仕上げ、鬼の校正期間を経て入稿!3月末に刷り上がります。皆さんの手にとっていただく日を楽しみに、残りの制作期間を楽しんでまいります。
この本の制作をスタートすることになってすぐ、まさかの三茶での間借り営業を終了することになり、2022年は本づくりをしながらお店づくりもしました。この一年を振り返って何が一番辛かったかって...このテナント探しです!三茶で繋がったお客さまが来やすいようにと世田谷区内を第一候補で探しましたが、なかなか見つからず。心が折れかけたところで世田谷駅前のこのテナント巡り会い、ご縁あってお借りすることができました。eatreat.の新店舗は真っ白な2階建て。一見すごく広そうに見えますが実はとても細長い物件なので笑、設計士は本当に苦労して席を作ってくれました。1Fがカウンター6席、2Fがテーブル8席で、見事な空間設計の工夫のおかげで狭さを全く感じさせない伸びやかな店内です。これが1Fこれが2F2Fに行く途中の階段上には、本の絵を担当してくれている伊藤眸さんがお店のために描き下ろした一枚の牛の絵もあります。この絵の制作にあたって、私から眸さんにある一編の詩を渡し、それを読んで眸さんが描きました。私たちの間にはいつも詩があって、それはとても静かな私たちらしい遊びでした。眸さんはたくさん絵を描いたので、本にも掲載しきれない作品がたくさん私たちの間に残っています。明るみに出ない作品も含めて「からだのなみにのるレシピ」です。これはチャイ窓。朝8:00からこの窓がオープンして、チャイやスープ、おやつをテイクアウトできます。朝からお腹を温めてほしいな〜という気持ちで作りました。新店舗は「eatreat.ruci」ルチはサンスクリット語で「美味しい、テイスト、味」などの意味。他に「趣味、光、美、才能、食欲、味わい、アプサラ(天女)」などを意味します。(古い言葉には多くの意味が存在するのです)私の恩師、アーユルヴェーダドクターの及川史歩先生がつけてくださいました。ルチのコンセプトは「"わたしに合った"アーユルヴェーダ料理と出逢う場所」本を通じて「からだのなみにのる」体験を読者の皆さんにしていただくように、このお店では「からだのなみに合う料理と出逢う」体験をしてほしい。そんな気持ちをコンセプトに込めています。お店についての詳しいinfo.はこちらをご覧ください。(ここまでの店舗撮影写真:Daisuke Shima)さて、そんな新店舗がオープンする直前の11月末に第2回の料理撮影を行いました。三茶WORKの時と違って撮影場所に困る設計w2Fに客席が入る前、脚立を使って撮る幡野さんフェルメール風撮影終了後、この後やってくる怒涛の年末年始作業について相談するみんな*一番右端はルチの設計士のしばしゅうこの本の制作は「できるだけ季節に寄り添って、その時手に入る旬の食材で、リアルタイムで季節を感じながら」を大切にしようと決めてスタートしました。料理本は3日で1年分の料理を撮影して掲載するなんてことは当たり前に行われていて、その時使う食材は大抵市場から引っ張ってくるハウスのものだからです。ハウスのものが悪い訳ではないのですが、露地で育った旬の野菜は、料理をする私の手にも、仕上がった料理を撮影するカメラマンにも、それが紙になってご覧になる読者の皆さんにも分け与えるエネルギーに溢れているものです。そういうものだけを集めて今回の本を作りたかった。結果的に、全てをリアルタイムで、というのはどう考えても無理なスケジュールだったのですが(本当にやろうとしたら2年半くらいかかる!笑)可能な限りその理想通りに進行しています。お楽しみに!
「このチケットを購入いただいたら日本全国どこでも行って5名さま分のコース料理作ります」と記してのせた「出張料理リターン」チケット。リターンの中でも一番早く売り切れたのですが、その一枚を北海道札幌在住の梶沼さんが買ってくれました^^梶沼さんはeatreat.が間借りで入っていた三茶WORKの立ち上げメンバーの一人でもあり、ちょっと前に札幌にご家族でUターンされた方です。今回行った厚真町も梶沼さんが繋いでくれて縁がある場所。厚真は新千歳空港から車で30分ほど行ったところ、海も山も森もある小さな町です。(昨年末、三茶WORKのメンバーで行った時のblogはこちら)市の中心部から少し離れた山の上に、出張料理の舞台として使わせていただいたGOOD GOOD secret masion&farmがあります。△これは昨年末の写真△これも昨年末。珍しく厚真に大雪が降った日。このパルテノン神殿のような建物は、大規模なゴルフ場として建設途中にバブルが弾け、そのままになっていたもの。長い時を経て、九州で既に展開していたGOODGOOD株式会社の野々宮さんが次世代型和牛畜産を行うため、GOOD GOOD secret maison&farmとして再スタートされました。私は料理を志し、アーユルヴェーダを勉強するようになってからいつか牛や馬のような大きな動物と共にする暮らしを理想と描くようになりました。それもあって、野々宮さんはじめ、岩手以北に多い山地酪農の農家さんや、厚真で馬搬林業を営む西埜さんの仕事に深い感銘を受けています。△今回スタッフとして参加してくれた瞑想家のaoさん、馬に乗るの巻GOODGOODのような家畜を放牧して行う循環型農業や、岩手の中洞さんのような山地酪農と言われる山間地に牛や鹿、羊などの家畜を放す農業はこんな仕組み。まず背の高い草や下草は牛が食べたり踏みつけて消える。牛の糞で土壌は豊かになり、その後に生えてくる草をまた牛が食べる。なかでも生命力の強い野芝は、牧草と違って根を下に30~40センチほど張る。これによって、土壌が流れるのを防ぎ「崩れにくい強い山」を作ることができます。強い山ができることで里山が安全になり、里山が安全になることで川から通じる海も安全になる。放牧することは牛が自由に楽しく生きる方法でもあるけれど、牛は山地酪農家にとって「一緒に山を守るパートナー」と聞いた日から、サステナビリティって動物も人間もみんなで一緒に自然を守り、巡らせて、結果的に人を守るためでもある言葉なんだと考えるようになりました。自然はあくまで有限だから、限られたものをいただくために、先にそこを守る姿勢を見せる。結果として差し出されたものを受け取り、敬意を持って扱う。大きな動物と山で暮らす人たちの仕事を知ってから、料理をする自分の胸に本当の循環の輪を感じるようになりました。と、完全に話が脱線しましたが、そんなほんとの意味でソーシャルグッドなプロジェクトが進行中のGOOD GOOD secret maison&farmで梶沼さんとそのゲストのための料理をすることになったのです。ありがたい限り。ここはあくまで土壌づくりの段階なので「水なし・ガスなし・電気なし」状態。東京から民族大移動レベルの調理器具やらお皿やらを運んでの実施になりました。水の確保のためにペットボトルを大量に買ったのはやや矛盾...いつもeatreat.とキャンプを一緒に楽しんでくれてるCALY magazine河西さんの多大なる協力を得て即席の火口を用意。アーユルヴェーダは「人間など命あるものは全てvata pitta kaphaのドーシャ(生理機能)を持ち、さらに分解して考えると自然と同じ五大元素でできている」と考える医療です。このあくまでシンプルに見える考えですが、火・水・土・風・空、5つの大切な要素の存在を感じるだけでも、室内の便利なキッチンではむずかしいこと。自然の中に自分を放り出して初めて感じるものがあります。火のそばに常にいて薪をくべながら、鍋の中の料理ができあがる光景をいつもより一層深く考えることができる。これを食べた時、ゲストがどんな気持ちになるだろうと思い描く。結局、ゲストは5人と言わず、厚真でお世話になってる皆さんや、書籍の撮影チームにも座ってもらって大所帯になりました。おチビちゃんたちも夢中で食べてくれて嬉しかった...!コースを進行する傍らで、撮影も。カメラマンの幡野さん自体が絵になる!北海道のワインは本当に美味しい。レポートの写真はアートディレクター土屋さんの写真を使わせていただきました。現像なしでこの仕上がり!書籍に使う幡野さんの写真はどんなことになってしまうのか...乞うご期待です!今回の出張料理・撮影に関し、私たちをこの地まで呼んでくれた梶沼さん、会場をお貸しいただいたGOOD GOODの皆様、厚真町でいつも快くサポートしてくださる成田さんや西埜さん、東京から弾丸で向かい、なかなかの無茶振りにも全力で楽しんでくれた料理・撮影チームの皆に心より御礼を申し上げます。photography(topと4枚目以降):Yuta Tsuchiya
5月から本格的に筆をとった本著、大きく分けた3つの章のうち第2章から進めています。「今回は料理もエッセイも全て、季節に寄り添いながら作る」がテーマなので、必然的に夏がテーマになる第2章からになりました。料理のパートは、料理を撮影し、それができあがるまでの物語をエッセイにし、レシピを落とし込んで...これはセレクト前のオフショットですが、幡野さんの写真がとっても素敵なのでチラ見せ。一方、散文詩+イラストのパートは、私が先に散文詩を書き、絵描きのひとみさんがそれに絵をのせて往復書簡のような形で創造を重ねる遊びを楽しんでいます。▽こちらもラフラフです。散文詩は一人の人間が、海辺で生まれ落ち、赤ちゃんから少女へと、少女から大人の女性へと成長し、使命を見つけ、使命を果たそうとし、やがてそれからも解き放たれて本当の自由を知るまでの物語を書いています。絵本とも小説ともつかない自由な言葉の連なりを、アーユルヴェーダ的な背景を交えながらみんなと交換し、そこにひとみさんの絵と土屋さんのデザインが入る。私はこんな風に自分の絵とアートが重なり合う遊びをいつかやってみたいと思っていたから、こんな形で叶って心の底から嬉しいです。しかし、これだけで一冊の本になってしまうのでは?くらいのボリュームになってきているので、困ったような嬉しいような、どうしようねと言いながらみんな笑っている状態です。どうするんだろう?これから考えよう!*本を作りながら生まれたイラストをモチーフに、クラファンでリターンを購入してくださった方向けに「入浴茶」も作りました。一般発売もしたので、気になる方はこちらからどうぞひとみさんの絵をたくさん使って取扱説明書を作り同梱しています。激かわです。一枚ずつ引き伸ばして飾りたい...!リターンを購入した方には、週明けには郵便にて届きますので、ご確認ください!夏こそお風呂には入ってほしい。お風呂は入るだけで代謝が上がり、身体が弛んでリラックスする最高で最安のケアです^^入浴茶を使うとリフレッシュ効果も上がり、さっぱりしてお風呂上がりが楽ですよ。そんなこんなで、おかげさまで関係者一同、とっても楽しみながら制作を進めています。来週は出張料理リターンを買ってくださった方のための料理会+出張料理の撮影を行うため北海道厚真へ遠征です!こんなところで料理をします。なんと水なし・ガスなし・電気なし!一体どうするんでしょう?笑どうにかなる気がしています。制限がある中で生まれる創造に可能性を、今この時しかない閃きが色褪せないうちに本に閉じ込めて良いものを創っていきます。引き続き、お楽しみに!
5月、暦の上では間もなく立夏。夏の始まりです。通常、料理の撮影はファッションの世界と同じで時期を前倒しして撮るものですが、今回の書籍では「できるだけリアルタイムに、その時手に入るもので作る」を大切にしたいなと思いました。春のうちに夏の料理を撮るからといってとうもろこし、きゅうり、ハーブなんかを揃えても、見る人には見たらわかってしまう「型にはめた感」が出てしまう。こんな料理を作りましょうとスケッチをし、その通りに材料を揃え作っていくとあらかじめ用意しておいた額縁には飾りやすい絵ができ上がります。一方で、出揃った材料を前に「どんな絵ができるだろう?」と考えながら作る料理は、額装をすることがもったいないくらいのびのびとしたものになるのです。私は今回の本を通じて、さまざまな表現方法でアーユルヴェーダとは何か、アーユルヴェーダの料理とはどんなことかを伝えようとしています。アーユルヴェーダの本質は「その人それぞれの個性に寄り添ったオーダーメイドの治療」であること。「今、ここ」を感じ、大気の影響を体感し、バランスが崩れたところに手を添えて「自分のちょうどいい感じ」にチューニングすることです。それをひらたく、面白く伝えるには、誰よりもまず自分がのびのびと、その波を体感しながら作っていきたいなあと思いました。結果かなり贅沢な作り方をすることになったわけですが...一緒に作るチームのみんなも、クラファンをこうして応援してくださった皆さんも、この独特の作り方の良さを「本当にそのやり方でよかったね!」と手を大きく広げて喜んでくれるよう進めていきます。この日の撮影は、4月末で締めることになった三茶WORKの茶やにて。(※eatreat.の間借りが終了するだけなので、三茶WORKの茶やは近日中、新しい形で生まれ変わる予定です!)3年間、毎日毎日お店を開いてきたこの場所で撮影ができてよかった。ラウンジの大テーブルを解体してひっくり返して背景に使ったり、オープン当初に飛騨の木こりさんにこのために削ってもらった大きなまな板も大活躍。床に直置きも。三茶WORK3Fは西友の真っ白な壁が天然レフ板になってとてもいい光が入ります。幡野さんの写真はもちろんのこと、土屋さんのアートディレクション、さとみさんは手タレまでやっていただいて、とってもいい仕上がりになりましたので、乞うご期待。作った料理はスタッフみんなと、4Fで仕事してた会員さんたちと美味しくいただきました。(通常の料理撮影では、味付けもせずに見た目だけの記録を優先して、材料は捨ててしまうこともザラです。だからこれも珍しいこと!)次回の撮影は、8月頭、北海道の出張料理先で真夏の料理を撮る予定です!その前に執筆のためにスリランカに行きたいな〜と思ってるんですが、情勢が心配でどうなることやらわかりません!それではまた!紫外線が強い季節ですから、眼と頭をサングラスや帽子で守って熱をためないようにお過ごしください。Stay tuned!!