京都・中京民商事務局長の山元歩美です。増刷へのクラファンの締切がいよいよ迫ってきました。7月25日(火)23時59分までです。この本を読んでくれた方々からいろいろな感想をいただいています。「面白いね」「あそこのお店の人にそんな歴史があったなんて」「昔の京都の話が出てきて懐かしい」など、新たな発見があってそれを報告してくれるような感想も多いです。京都の中京区を中心に働いている商人・職人の方たちの話なんて、なかなかじっくり聞くことがないと思います。本当にたくさんの人に読んでもらいたい! いろんな人が働いているということ、こういう人たちの商売の上で私たちの生活が成り立っているんだということがよく分かります。小規模な事業者が安心して商売を続けられるような社会をつくることは、人と人のつながりを大切にする社会をつくることにほかならない、と感じさせてくれる本です。「三方よし」の精神で頑張る自営業者は地域の経済・社会にとってなくてはならない存在です。小規模の事業者は淘汰してしまえという乱暴な考え方がまかり通る世の中になってしまわないように、京都の中京区で頑張る中小零細事業者を応援する取り組みを進めていきたいという気持ちを強くしています。それぞれの語り手のお話がとても面白いだけでなく、地域での人と人とのつながりを記録したものとして非常に意義のある本です。しかし、宣伝力の不足もあって、本好きの人たち、京都好きの人たち、小規模事業者を応援したいと思っている人たちに、まだまだ情報を届けきれていません。最後の最後まで頑張りますので、SNSでの拡散などのご協力、よろしくお願いします!
リターンを追加しました!『京都 中京民商 商人・職人 生活史』の増刷を記念したオンライントークイベントです。そもそもどういう経緯でこの本づくりが始まったのか。語り手は自分の語りが本になったのをどう感じたのか。聞き手は語りを聞き文字に起こしていく過程で何を感じたのか。本づくりの経験のあるメンバーがいないなかで、どうやってこのような本の形にしていったのか。語り手、聞き手、編集委員が語り合います。 どの「語り手」が来るかはお楽しみに!9月26日(火)19時から20時30分。Zoomでオンライン配信します。その時間帯の視聴が難しい方には録画をお送りします。本をすでに購入して読まれた方にも強くお勧めしたいリターンです。イベント試聴のみは1,500円、本1冊とイベント試聴のセットで3,300円です。残り4日です。最後まで頑張りますので、拡散よろしくお願いします!
――このお店は植村さんが継いでるんですよね? たしか、お母さんから。そうそう、三代目。初代はおばあさんで、お母さんで、私なんですけど、だいたい八〇年ちょいぐらいかね。それがね、ちゃんと聞いてへんのですよね。歴史を。そやけど、おばあさんが戦前に。このへんって、お寺やとか芝居小屋とか、そういうお寺にお参りに来て、お芝居を見て帰らはるみたいな土地柄っていうかね。そういうとこやったんで、まあ、茶店みたいにおうどんやとかおぜんざいやとか、やったみたいなんです。そんで、戦争で、小麦粉やとかお砂糖やとかが、だんだんなくなってきて。お参りして遊びに来てっていうのもだんだん少なくなってきて。やっぱり、女の人が働く場所っていうのがあらへんかったんですよね。みんな男の人は戦争に行かはる、女の人が家を支えなあかん、みたいになって。まあ、京都やったらね、そんなに戦争できつうやられてへんから、そこんとこで働きに、いろんな地方から女の人が来はるわけですよ。で、そんな女の人を預かったりしはって、こんな狭いとこですけど、女の人が寝泊まりしはったり、自分のお家とか借りるとこを持ったりして、ただで働きに来はるんです。――へえー。で、ここでお客さんにご飯食べさせてもうたりして、売り上げに協力をしはるわけです。で、そのころって、けっこうチップをくれはるわけですよ、お客さんが。それを貯めて、自分で木屋町でお店出したりとか、田舎に帰ったりとかっていうことをしはるわけです。そういう人らが、まあ、一〇人くらい、いはったんですかね。こんな小さいとこに。で、店も、もうちょっと大きかったらしいんです。向こうに小上がりがあったりとかして。様子もちょっと違ったんですよね。……続きは『京都 中京民商 商人・職人 生活史』で!
京都市中京区高倉通二条下るにあるレティシア書房の小西徹さんより応援メッセージをいただきました。レティシア書房は、ミニプレス(個人や団体が制作した小数部発行の出版物)を数多く取り扱う京都の書店として注目を集めています。『京都 中京民商 商人・職人 生活史』も取り扱っていただいています。・・・・・・・・・・・・・・・数名の聞き手が、京都市の真ん中、中京区の様々な商人や職人のもとを訪れて、商売や人生の断片をすくい上げました。最初に登場するのは、古書店「尚学堂書店」(中京区寺町二条下がる)です。同業とはいえ歴史ある尚学堂書店は、昭和12年創業の老舗です。店主の稲場比呂子さんのお祖父さんが始められたそうです。聞き手が、昭和12年といえば創業は戦前ですよねと言うのに対して「その辺は諸説ありなんですけど、おじいちゃんが富山の氷見の人で、京都で一旗揚げて故郷に錦を飾るって感じで出てきて。で、なんか最初はお寿司屋さんとかしてたみたいですけど。」え?古本屋じゃなくて、寿司屋さん?どうやら、知り合いから本を譲ってもらってちょこちょこと始めたのが最初らしく「今の場所に移ってきたのは戦後かな。実はその辺のところはあんまりちゃんとわかってないんですけど。」と稲葉さんは答えます。いかにも京都!みたいな、老舗の旦那さんや女将さんはここには登場しません。フツーに商売をして、日々を生きている人たちばかり。人に歴史ありと言いますが、どの人にも当然のことながら歴史と物語があるのがよくわかります。自営業者の方、京都の歴史ファンの方や京都観光に来られる方等々、多くの人に読んでいただきたい一冊です。売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」が小商いの精神であることを再確認できました。(レティシア書房・小西徹)
中京民商事務所のすぐご近所、夷川通室町東入るにある京都自治体問題研究所事務局長の池田豊さんより応援のメッセージをいただきましたので、ご紹介します。池田さんは「とにかく面白い」と、付箋をたくさんつけながら読み込んでいただいています。・・・・・・・・・・・・・本屋さん、とんかつ屋さん、象嵌職人、カメラマン、絵付師、喫茶店、レコード店、歌手、税理士、露天商、理容院、スナック、てんぷら屋さん等々、多彩な業種の商人、職人さんが登場します。私自身の生活がこのように多様な人達の生業の上に成り立っていることに気づかされます。お店の奥にあがらせていただき、お茶を飲みながら話を聞くような雰囲気の中で語られる個人史、生活史からは時代の息吹と、地域社会の繋がりを豊かに読み取ることができます。池田豊(京都自治体問題研究所事務局長)