クラウドファンディング26日目。染谷家住宅の長屋門から中にはいると、主屋が目に入ります。初めて拝見したとき、そのL字型に曲がった構造に、不思議な感覚とともに、整然とした美しさ・趣きに惹かれました。これはその名も「曲がり家(まがりや)」とよばれる伝統家屋の様式のひとつ。主に東北地方で見られる様式なので、柏では、染谷家住宅以外には現存しないそうです。かつて守谷から染谷家に嫁いだ方の影響ともいわれています。(写真撮影:小川兄弟)
クラファン25日目。医王寺のもう一人の偉人は鷲野谷出身の山崎弁栄さん。“大正の法然上人”とよばれた人で、キリスト教や西洋哲学思想なども取り入れた進歩的な宗教家でした。また、米粒に南無阿弥陀仏の6文字を書いたり、アコーディオンを弾きながら布教活動をしたりするアーティストでもあり、しかも端正な顔立ちでいらっしゃるということで、人をひきつける魅力のある方だったのではないかと想像いたします。弁栄上人が、21歳のときに「得度式」というお坊さんになる儀式を行ったのが、医王寺。写真の薬師堂は、弁栄上人が、24歳のときに21日間の断食修行をしたということでも知られています。(写真撮影:小川兄弟)
クラファン24日目。医王寺には2人の偉人が同時期に関わっていました。1人は、「日本点字の父」といわれる石川倉次。千葉師範学校を卒業したばかりの石川倉次は、明治12年(1879年)に、医王寺に置かれていた鷲野谷学校(現在の手賀西小学校の前身)に赴任して、一年間教鞭をとっていました。そして、のちに、日本人に適した点字を完成させることになります。目や耳の病を治すご利益があるということで、かつては遠方から参詣する方も多く、門の前には旅籠が数軒あったという医王寺。ここで過ごした一年の経験が石川倉次に少なからず影響をあたえたと推測できますね。(写真撮影:小川兄弟)
染谷家住宅の前には、趣きのある小道があります。道自体は中世からあったのではないか…。歴史を感じさせる小道です。歩いて通っても、自転車で通っても、クルマで通っても、それぞれに違った味わいがあって、また、夏場はひんやり気持ちがよく、この数十メートルはちょっとした癒しの空間となっています。以前、この小道で尺八奏者の方が演奏しながら歩いたとき、似合いすぎて、ゾクゾクワクワクしました。弊社ツアーでは、ここを人力車で通るオプションもぜひお試しいただきたいところです。ところで、小学生の一行をここにご案内したとき、「トトロの森みたい!」と叫んだお子さんがいたので、それ以来、小学生をご案内するときは、「トトロの森」にたとえて説明しているのですが、「うちの近くにもトトロの森あるよ」と話すお子さんも時々いて、どうやら「トトロの森」はいろいろな地域にあるようですね。(写真撮影:小川兄弟)
クラファン22日目。3人の着物女子が食事をしているのはWoodman's Villageさん。手賀沼からの風が心地よく、初夏でも涼しいので、柏の“軽井沢”とよばれるほど。ここのカウンターに座って手賀沼を眺めながらコーヒーを飲んでいたとき、思わず涙が出てしまうほど、この景観に感銘を受け…、この出会いが、私の運命を大きく変えました。ちなみに、この土地の字名は「城山」。かつて鷲野谷城があった土地のほとんどは失われてしましたが、Woodman's Villageさんはその城山の一部にあたります。昔からいろいろな人たちがここから手賀沼を(現在より大きく眼下に広がる手賀沼を)眺めていたと思うと、胸が熱くなります。(写真撮影:小川兄弟)