実は、「誰かが描いた絵をラッピングする」って、思った以上に難しい作業なんです。ひとつは、デジタル素材ならそのままシートにプリントできますが、 手描きの作品の場合は、いったん写真に撮ったりスキャンしたりして、 色味や線の質感を崩さないように調整する必要があります。そしてもうひとつ。ピアノって、実は四角い箱のようでいて、たくさんの曲線や段差があります。そのため、平面で描いたデザインをそのまま貼ると、 想像していた印象と変わってしまうことがあるんです。どうすれば絵の世界観をそのまま包み込めるか——角の部分をどう処理すれば絵が途切れないか——話し合いながら、何度も調整を重ねています。「難しいけど、完成したら絶対うれしいと思う」そんな言葉が聞けることを楽しみに制作を進めていきます。どんなピアノが生まれるのか。 完成まで、どうぞ楽しみに見守ってください。
クラウドファンディングを始めて、あっという間に折り返し地点を迎えました。この間、本当にたくさんの方にページを見ていただき、応援やご支援をいただきました。心から感謝しています。最初は、「資金を集めるための仕組み」としてクラファンを考えていました。でも実際に取り組んでみてわかったのは、これは“人の想いを可視化する場所”だということ。支援のひとつひとつにメッセージがあり、その言葉が自分の背中を押してくれる。そして、まだお会いしたことのない方からも、温かい共感の波が届いてきます。まるでストリートピアノのように、言葉を交わさなくても、音楽のように気持ちがつながっていく不思議な感覚があります。この経験を通して、「自分もまだ挑戦者の途中なんだ」と改めて感じています。折り返しを過ぎたこれからは、ここまで支えてくださった方々に、“形”でお返ししていく時間にしたいと思います。Wrapiが届けるのは、ピアノというモノだけでなく、その向こうにある“人と人のつながり”。引き続き、どうぞ見守っていてください。そして、この音の旅を一緒に歩んでいただけたら嬉しいです。
少し前のことになりますが、沖縄に設置されたラッピングピアノの様子を見に行ったことがあります。写真はそのときの一枚です。Wrapiを制作するようになってから、仕事の範囲は県内だけでなく全国へと広がりました。ネットを通じてご相談をいただき、遠く離れた土地でも、自分たちのピアノが活躍しています。コロナ以前のことを思うと、まるで180度違う世界に立っているようです。現場中心の仕事から、オンラインを駆使した新しい形へ。驚きと新鮮さの連続でした。けれど、どれだけ距離が離れても、どうしても気になることがあります。「仕上がりはご希望どおりだったか」「設置後も喜んでいただけているか」。やっぱり、自分の足で確かめたくなるんです。現地の空気にも触れないと落ち着かない。あの沖縄のピアノを見に行った日もそうでした。潮風に包まれたピアノが、まるでその土地の音楽になっているようで、胸の奥が少し熱くなりました。これからも、“届けた先の景色”を大切に。Wrapiが運ぶのは、デザインだけではなく、その場所に生まれる人と人とのつながりです。今回のピアノも、またいくつもの街を旅することでしょう。その行く先々で、新しい音と物語が生まれることを願っています。
ピアノはもともと、ホールや家など 建物の中で演奏される“閉じた楽器”でした。静寂の中で、一音一音に耳を澄ませる。 咳払いさえ憚られる空間で、 演奏者と聴衆が向き合う── それが、クラシックピアノの原風景です。でも、ストリートピアノは違います。そのルーツは19世紀の欧米に遡ると言われています。公共の場に置かれたピアノは、当初は宣伝や慈善活動の一環でした。しかし、2008年にイギリスのアーティスト、ルーク・ジェラムが始めた「Play Me, I'm Yours」というアートプロジェクトをきっかけに、ストリートピアノは「誰もが自由に弾けるアート」として世界中に広がっていきました。人が行き交う場所で、誰もがふと足を止め、 知らない人同士が同じ音を聴き、 笑顔を交わすことができる。そこには、完成された演奏ではなく、“その瞬間の気持ち”が響いています。静けさではなく、温かさでつながる音。もしこのピアノが、滋賀県内の商業施設を巡り、 それぞれの街で、人々の生活に寄り添うことができたなら──。そして、そのデザインが、 未来を描こうとする若者の手によって生まれるとしたら。きっとそれは、音だけでなく“希望”を運ぶピアノになる。 誰かが奏でた音が、次の誰かの勇気になる。そんな風景を夢見ながら、 今日もまた、一歩ずつ準備を進めています。
今日は、プロジェクトメンバーの誰一人としてお会いしたことのない方から、ご支援をいただきました。もちろん、日頃お世話になっている方々からの応援も本当に嬉しいのですが、お顔も名前も知らない方が、このページを見つけて、文章を読んで、「応援したい」と思ってくださった──そのことが、胸に深く響きました。このプロジェクトが、少しずつ“私たちの輪”を越えて、まだ出会っていない誰かの心に届きはじめている。そう感じた瞬間でした。ピアノを通してつながる“見えないご縁”。その温かさに、あらためて背中を押されています。本当にありがとうございます。これからも、心を込めて進めていきます。






