ららふるのブランド担当、宮城のインタビューを木曜までシリーズにてお届けしていきます。第6回は転倒対策に必要な筋肉とそれを鍛える方法についてです。 Q:転びにくい身体づくりに必要な脚の筋肉とは? 宮城:まず、脚をしっかり上げられることが大切です。そのためには太ももの前側の筋肉「大腿四頭筋」が要になります。太ももの前を使ってしっかりものをたぐりよせるような動きができれば、鍛えられると荒深先生にお伺いし、フットウォークが生まれました。また、ちょっとした段差で転倒しやすい方は、つま先を上げる筋肉が衰えている可能性があります。つま先を上げるのは、すねの前の筋肉「前脛骨筋」です。それを鍛える動きとして、つま先に適度な負荷をかけながら上げ下げするのが良いとお伺いしたので、ダンベル状のものを持ち上げるアイデアに行きつきました。 Q:ほかにも歩行につながるコンセプトがある? 宮城:足首の柔軟性に焦点を当てたアイテムもリリースしていきたいと思っています。荒深先生によると、よろめいたりした時に、身体の衝撃を吸収してくれるのは柔らかい筋肉だそうです。足首が固くなっていると、クッション性がなくなっているので転倒につながりやすい。座った状態で足首の運動になるものを生み出していきます。 ⑦に続きます(8月16日正午頃配信予定)。
ららふるのブランド担当、宮城のインタビューを木曜までシリーズにてお届けしていきます。第5回は座ってできる転倒対策というコンセプトへの経緯です。 Q:シリーズ全体として「座ってできる」を前提に作り上げていった? 宮城:座ってできないとバランスが取れないから危ない、というのもありましたが、その前提として「転びたくない」という声が多かったのもあります。実際にお友達が転倒してけがをしてからあまり一緒に外出してくれなくなった、という70代の方もいらっしゃいました。近しいお友達を見ているので「転ぶと活動的な生活ができなくなってしまう」という恐怖心を抱いているようでしたね。 Q:転倒対策、は大きなキーワードに? 宮城:荒深先生とお話する中で、実際に転倒して活動に支障をきたすと、その後の生活や他の身体機能にも大きな影響を及ぼすケースがあるとお聞きしました。エクササイズも、「転ばない」身体づくりがまずは必要だと感じました。そこで荒深先生にどの部位を鍛えると転倒対策につながるか、またその鍛え方についてもご相談し、商品の構造や機能を組み立てていきました。 ⑥に続きます(8月15日18時頃配信予定)。
ららふるのブランド担当、宮城のインタビューを木曜までシリーズにてお届けしていきます。第4回は「観察」から座ってできるエクササイズ器具の構想に至った経緯についてです。 Q:訪問したシニアの方々は、散歩以外にもエクササイズに取り組んでいらっしゃった? 宮城:地域の健康教室に通われている方は結構多かったと思います。80代の方も通われているとおっしゃっていました。でも足腰には不安があって階段が上がれなくなったので、おうちの隣に平屋を建てていましたね。昔、足腰に何らかの不調を抱えて通院していた方もちらほらいらっしゃいました。エクササイズ器具を作るにも、色々安全性や負荷など配慮しなくてはいけない点があると感じました。 Q:エクササイズ器具を使っていただいて発見したことは? 宮城:バランスを必要とするエクササイズは一様に難しかったです。壁を使っていただいたり、こちらが支えながら乗っていただいたりはしたのですが、バランスボールは座るだけが精いっぱい。ましてやトランポリンは不可能ですね・・・。ウォーキングマシーンも手すりが無いと厳しいですし、後ろの幅が無いと、落ちる危険性もある。まずは安定したところに座っていただいてできるものではないと難しいと感じました。 ⑤に続きます(8月15日正午頃配信予定)。
ららふるのブランド担当、宮城のインタビューを木曜までシリーズにてお届けしていきます。第3回はシニアの方々と触れて驚いたこと・発見したことについてです。 Q:シニアの方々とお話して、驚いたこと・発見したことは? 宮城:単にエクササイズ器具についてだけでなく、普段の生活や興味関心のあることについても是非知っておきたかったので、お時間許す限りでじっくりお話を伺ったのですが、それまで40代・50代のモニター会員様やお客様に伺ってきたのとは、全然違う話題になりましたね。40代・50代だと美容にも高い関心があって「子供の世話もあるから時短メイクで」とか「どこそこの化粧品の試供品をたくさんもらった」という話で盛り上がるんですが、上の年齢層になってくると第一に考えるのは健康なんですよね。 Q:動作やエクササイズの捉え方も違っていた? 宮城:まず動作は違いますね。立ち座りもゆっくりですし。80代になるとなおのこと、「運動」=「ウォーキング」ではないんです。「運動」=「散歩」なんですね。コンビニのハーブチキンがお好きなハイカラな80代の方は、「近くのコンビニにはないから、少し離れたコンビニまで散歩がてら買いにいく」と。それが運動になっているそうです。 ④に続きます(8月14日18時頃配信予定)。
ららふるのブランド担当、宮城のインタビューを木曜までシリーズにてお届けしていきます。第2回は「観察」から商品アイデアを構想する手法に至った経緯についてです。 Q:シニアの方々のお宅に訪問して観察から商品を作ったのはなぜ? 宮城:プロジェクトメンバーが「インクルーシブデザイン」の外部講座を受講してきて、その手法を学んできたのが始まりです。「インクルーシブデザイン」というのは、それまでデザインの主流からは外されてきた高齢者、障がい者の方々など多様な層を、デザインプロセスの上流から巻き込んでいく手法で、結果として多くの方々に訴求できるようなデザインを生み出していくというものです。そこで大切なのは、実際に観察させていただき、発見からデザインを生み出していくプロセスです。私たちも実際に高齢者の方々の生活空間や生活リズム、身体状態、エクササイズをするにあたっての懸念点や想いなどを観察から学ぶ必要があると感じました。 Q:実際に訪問した先は? 宮城:当プロジェクトを監修いただいている日本福祉大学の荒深先生のご紹介で、高齢者向けの福祉施設に訪問させていただいたこともあります。あとは自社で運営しているモニター会員様でも70代の方もいらっしゃったり、またそのお母様で80代の方々もいらっしゃるので、既存のエクササイズ器具や試作品を持って、ご自宅にお伺いしました。 ③に続きます(8月14日正午頃配信予定)。