最終品に近いサンプルで行なった筋活動測定の試験。メンバーとしては、本当に太ももの筋肉(大腿四頭筋)が鍛えられるのか、一抹の不安がありましたが、いざ試験結果が出ると嬉しい驚きが。 大腿四頭筋に限っていえば、ウォーキングの1.24倍から被験者さんによっては2倍相当の筋活動が測定できたのです。 座って行なっても、十分に歩行につながる筋肉を効率的に鍛えられることが確かめられました。 ウォーキングに出られない日も、また日々ウォーキングをすることにハードルを感じる方にも、おうちでコツコツ続けていただけるアイテムが完成したと確信できました。
椅子に座ったままできる歩行筋(太もも)のエクササイズアイテム「ららふるフットウォーク」。 回転ベルト試作を様々なシニアの方に試していただく中で、1つ気づきがありました。 それは「使用方法」の説明が必要だということ。一度説明差し上げれば、すぐに使用できるようになった方ばかりでしたが、取説をじっくり読むのもおっくうであったり、ハードルが高いと感じるケースもあるのは目からウロコでした。 そこで、見てすぐに「足を載せて使うエクササイズ器具だな」とわかっていただけるよう、足型をベルトの上に施す一工夫を加えました。 その後のシニアモニターさんからは「分かりやすい!」と好評の声が。 ちょっとした工夫で、エクササイズがより身近になると身を持って実感した出来事でした。
歩行を担う太もも筋(大腿四頭筋)。自宅の椅子に座ったまま鍛えられるエクササイズ器具を考えるうち、「ひざ下を動かして蹴る・手繰り寄せる」動きであれば、筋肉を効率的に刺激できるのではと考えたメンバー。奇しくもヒントになったのは、シニアの方々には難易度の高かった「ウォーキングマシーン」の動きでした。 回転ベルトをたぐり寄せたり、前に蹴り出す動きを座った姿勢で行なえば、太もも筋に適度な負荷がかかるのではないか。 早速コンパクトな試作品を作成し、シニアの方のお宅に訪問。 実際に使っていただくと「確かに太ももが適度に疲れる」との声がいただけました。 ただ、一般的な家庭のダイニングなどで見られる椅子の高さに、商品の高さや大きさも見合うように調整しなくてはいけません。 また、ベルトを巻く強度も緩すぎると運動効果は弱くなり、強すぎると負荷が高すぎてとても継続できません。 何度も試作を重ね、60~80代の方々に広く試していただくことにしました。
様々なシニアの方のお宅に訪問して、エクササイズ器具を使っていただき、見えてきた課題とコンセプト。自宅の椅子に座った状態で、いかに歩きに必要な筋肉・機能を効率的に鍛えるか、がカギとなります。 監修の日本福祉大学 准教授 荒深裕規先生に、歩行に必要な筋肉とその鍛え方についてご相談しました。 「歩行時には、脚を引き上げる力がまず必要ですね。要となるのは太ももの筋肉(大腿四頭筋)です。」 大腿四頭筋は、太ももの骨(大腿骨)をはさんで四方に存在する筋肉。全身の筋肉の中で、最も強くて大きな筋肉ともいわれています。膝関節を伸ばす、下腿を固定して大腿を起立させるなどの動きに関与しています。つまり、立つ・歩くという動作を行なう上で極めて重要な役割を担っています。 大腿四頭筋をダイレクトに鍛えるために、座って膝から下を曲げ伸ばしする動きをしてはどうか、と着想を得たメンバー。ヒントになったのは、シニアの方々には難易度の高かった「ウォーキングマシーン」の動きでした。
屋内で出来る既存のエクササイズアイテムを高齢の方のご自宅で試していただく中で、1:ウォーキングマシーンはそもそも難易度・危険度が高い2:立って行うエクササイズには安全確保のため手すりが必要となってしまうという2点が明確になってきました。 それでは、座って行うエクササイズであれば大丈夫なのか? 座面が適度にしなるバランスエクササイズのアイテムをお試しいただいたところ、座ったまま座面ごと体を動かすのは、コツをつかむのが非常に難しいということも判明しました。 これまでに行ったことのない動きを急に導入すると、却って足腰を痛める可能性もあり、また正しいフォームで行なえないため、狙った通りのエクササイズ効果が得られない懸念があります。 そこで私たちは、座って行う、しかも「自宅にある椅子に座って、安定した状態で行う」エクササイズに的を絞って、アイデアを構築していくことにしました。