【毎日更新】第22回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』-- そうだ、全くその通りだ。涼介はそこまで分かってたんだろうか。そして、カーテンが開けられたことで、まさに今、あの中に「彼女」がいると考えたんだろう。 それにしてもボンっつうのはよく分かんねえやつだ。頭の回転が早いっつうか、高校まで超頭良かったって話もあながち嘘じゃねえのかもな。「で、涼介は一体何をしようとしてんだよ」そのボンがのんびりと聞く。「そんなのわかんねえよ。でも、何にしたって行き先はあの部屋だ。そうだろ?」「あの部屋に行ってどうするんだよ」なぜか俺以上に焦った様子のタカが言う。「だからわかんねえつってんだろこのバカ」思わず俺は声を荒げる。タカはしゅんとする。全身刺青だらけのくせに。「どうでもいいけど、涼介を一人にしねえ方がいいんじゃねえの。何しでかすか分かったもんじゃねえ」とボン。 そうだ、そうだよな。 涼介ってやつは頭のネジが何本かぶっ飛んでるっつうか、いっつも冷めた態度で口調も冷静なくせに、些細な事でキレて大暴れしたりする。 こいつらのバンドが一度大きなフェスに呼ばれたことがあったんだが、打ち合わせの席でプロデューサーをぶん殴って話をおジャンにしたのも涼介だった。 こいつも身体がでけえし、タカがいなけりゃ誰にも止められねえ。まさか女に殴りかかるこたねえだろうが、かといって礼儀正しくご挨拶、なんて柄の人間じゃねえのも確かだ。 激しく頷いている俺に「何だよ、何のんびりやってんだよ」とタカが慌てた様子で言う。「だいたい、なんですぐに涼介を追わなかったんだよ」「追ってっただろ」と俺は反射的に言う。 頭に血が上って、一瞬、タカに殴りかかる自分の姿がイメージされる。だが、すぐに分の悪さを感じて視線を地面に落とす。いや、体格がどうのって話じゃなくて、そもそもタカの言う通りなんだから。 俺はこいつらの到着をここでのんびり待っていたんじゃねえか。すぐにでもあの階段に飛び込んで、どうにかこうにか涼介を止めるべきだったのに、俺は呆けたように立ち尽くし、涼介が上がっていく姿を想像までしながら、何もしなかったんだ。いや、何もできなかった。〜第23回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ






