【マジメな毎日に、ひとさじのパンクを】DIY作家が人生を懸けた小説の増刷を応援!

<40代おっさんの無様なチャレンジ>小説本文はもちろん表紙デザインや版下データまで自分でつくるDIY作家「児玉ロウ」。初のヒット作品『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』の増刷(第2刷)を応援

現在の支援総額

828,488

138%

目標金額は600,000円

支援者数

125

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2026/02/21に募集を開始し、 125人の支援により 828,488円の資金を集め、 2026/03/31に募集を終了しました

【マジメな毎日に、ひとさじのパンクを】DIY作家が人生を懸けた小説の増刷を応援!

現在の支援総額

828,488

138%達成

終了

目標金額600,000

支援者数125

このプロジェクトは、2026/02/21に募集を開始し、 125人の支援により 828,488円の資金を集め、 2026/03/31に募集を終了しました

<40代おっさんの無様なチャレンジ>小説本文はもちろん表紙デザインや版下データまで自分でつくるDIY作家「児玉ロウ」。初のヒット作品『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』の増刷(第2刷)を応援

エンタメ領域特化型クラファン

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【毎日更新】第13回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 だけど、観察っつっても、情報は限られたものだった。何しろ、文字通りその窓枠の大きさ以上のことは分かんねえわけだろ。見えるのは、赤いカーテン、そして彼女、部屋の中の白い壁紙、そこに貼られたポスターかカレンダー、冷蔵庫らしき赤黒い四角いもの、シンク、すだれっぽい何か、そんなもんだ。 すだれの向こう側に玄関のドアがあって、その脇とかに、こっちからじゃ見えねえけど風呂とかトイレとかがあるんだろう。まあ、要するにワンルームだ。他に部屋があるようには見えない。 そのことは、そのマンションの他の部屋の様子からも想像できた。彼女の部屋は五階の一番左側だったが、そのすぐ右側には白髪の爺さんが住んでいたし、その右側には派手な茶髪の姉ちゃんがいた。 レストランにいる時間のほとんどを彼女の、そのビルの観察に費やしていた俺には、そういうことも分かってきた。 だが、それだけだった。 何度見返しても、それ以上のことは分からない。彼女は相変わらずつまらなそうに、窓の外を眺めているだけだ。 そこで俺は、彼女にこっちの存在を知らせたらどうかと考え始めたんだ。 いや、別にそれで何がどうなるのか考えてたわけじゃねえと思うんだよ。 ただなんつうか、その「秘密の遊び」みたいなもんを、もっと面白くさせたかっただけなんだ。もっと情報を得て、このいわゆる「膠着状態」に変化を与えたかったんだ。 引っ込み思案で臆病な真面目くんにしては強気な発想だ。 今思えば、やっぱり何十メートルかの距離は俺にとってのバリアーだったんだな。ま、彼女が自分に気づいたら、そのバリアーがなくなっちまうかもしれないないんだけど。ガキだからそこまで考えてなかったんだな多分。 とにかく俺は、どうすれば彼女に気づいてもらえるか、って考え始めた。 たださ、いざ方法を考えたら、何にもねえのな。 彼女の存在を俺の親に知られるのは絶対に嫌だった。だから、例えばその場で手を振ったりとか、そういうのはできないわけだろ。大声出して聞こえる距離でもねえし、まさかテレパシーで話せるわけでもねえ。 実際のところ、どうしようもなかったんだよ。〜第14回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


【毎日更新】第12回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 それは、部屋の中に彼女以外の人間が誰もいないっていうことだ。 俺が彼女の存在に気づいてから二ヶ月、その部屋の中に彼女以外の人間を一度も見たことがなかったんだよ。 彼女は当時の俺と同い歳くらい、小学校高学年か、まあ年上だとしても中学一、二年ってとこだ。そんな女の子がワンルームマンションに一人で住んでいるわけもないってことは、当時の俺にも分かった。 普通、子どもは親と一緒に暮らしているもんだろ。 まあ、同じクラスに片親のやつもちらほらいたし、親とふたり暮らしみたいなことはあるかもしれないが、どっちにしろ一人で暮らしてるわけがねえ。 ということは、親が出かけているんだろうか。それこそ片親で、親が働きに出ているケースだってあるだろう。だが、六時や七時と言ったって一応は夜だ。夜に子どもを一人残して働きに出る親なんているんだろうか。 まあ、今となってはそういうケースなんて全く珍しいもんじゃないと知っているんだが、当時の「真面目くん」の俺には分からなかった。 だから、一度その違和感に気づいてしまうと、それが気になって仕方なくなってきた。ただ窓際でボンヤリしているだけの女の子だったのが、何かワケありの、可哀想な女の子に見えてきてしまったわけだ。 俺は勝手に頭の中でいろんな物語を作り上げていった。 親が働きに出ているっていうベーシックなやつから始まって、いや親は事故とかで死んじまって天涯孤独なんだとか、実は誘拐されてあそこに監禁されてんじゃねえのかとか。ほら、俺、妄想力には長けていたからさ。 とにかく俺はそういう事を考えながら、それまで以上に彼女を観察するようになっていったわけだ。〜第13回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


水も滴るいい女
2026/03/04 13:41

事務所への通勤途中、昨日の雨風で飛ばされたのか、掲示板に貼っていたチラシがぐしゃぐしゃになって落ちていた。僕はその濡れてじっとりしたチラシを拾った。別にネガティブな気分ではなかった。「いやー昨日すごかったもんな風。雨もザアザアでさ。大変だったなあ」そんな風にチラシに笑いかけるような気分。事務所まで持ってかえってきて、あらためて眺めた。ビリビリだし折れ曲がってるし色も剥げている。でもなんだかものすごくカッコいいじゃないか!肝心のQRが使い物にならなくなってるとこなんて最高!これでこそ「パンク」だ!…そんなわけで”彼女”はいま、事務所のホワイトボードにしっかり掲示されている。ちゃんと乾いたら額装でもするか。はてさて、こんな感じで泥臭く挑戦しております「パンク」なクラファン。スタートから12日目で達成率83%と、予想以上の反響をいただきありがたい限りです。ご支援いただいた皆さま、プロジェクトページをご覧いただいた皆さまに心よりの感謝を。引き続きよろしくお願いします。


【毎日更新】第11回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 ベランダのないワンルームマンションの一室。彼女は赤いカーテンのかかった窓際から、こっちを見ていた。いや、こっちといっても、別に俺のことを見ていたわけじゃない。ただボンヤリと視線を宙に投げているだけという感じで、つまらなそうに、サッシに肘をついてさ。 彼女は肩くらいまでの髪で、肌が白かった。なんか外人みてえな目鼻立ちっていうか、クラスに居たら間違いなくかわいいランキング一位二位に食い込む顔だよ。もっとも、彼女の顔を間近で見たのはずっと後のことだ。二、三十メートルも離れたこの位置からじゃ、かろうじてその目鼻立ちらしきものが伺えるくらいだ。 とにかく、俺と同い歳くらいの女の子が窓際にいる、最初はその程度の認識だった。 さっきも言った通り俺はかなりのむっつりスケベだったから、社会がどうとか野球がどうとかいう酔った親父のつまんねえ話より、その女の子の方が気になった。 この店はけっこう流行っていたのか客は多かったし、しかも土曜の夜ってこともあってか家族連ればっかで、俺と同年代の子どもは店内にだっていたんだ。中にはもちろん、女の子も。 だけどまあ、これがまた俺の気持ちの悪いところなんだけど、傍にいる現実の女の子のことは、まともに見れたもんじゃねえんだ。こんなキモ男じゃ、視線を投げただけで悲鳴をあげられるような気がしてた。 そういう意味でも、「向こう側」にいる彼女は、何かと都合がよかった。 俺は緊張せず、彼女を見つめることができた。もちろん、俺が見ていることを彼女に気付かれたくはなかったし、あんまり露骨に見ていたら、両親にだって怪しまれるかもしれないから、あくまでさりげなくだけど。 次に来たときにも、彼女は窓際にいた。その次も、その次も。 彼女を見つけてから、俺はこのレストランに行くのが嫌じゃなくなった。楽しみってほどではなかったけど、嫌じゃなくなった。今日もいるかな、あ、いた、そんな些細な事で、楽しんでたわけさ。 彼女は別に何をするでもなくただ窓際にいて、ときどき立ち上がって姿を消し、すぐに戻ってくることもあったし、そのまま戻ってこないこともあった。 だけど、土曜のその時間、つまり六時から七時くらいの間だと思うけど、その一時間くらいの間は、ほとんど必ずと言っていいほど、彼女は顔を見せてくれた。 雨が降ってても、雪の日にも、彼女はそこにいた。まあ、あんまり大降りのときは俺たちの方が予約をキャンセルしていたから、彼女がどうしていたかは知らないけどさ。 彼女を見つけてから何度目だっただろうか、そんなにすぐってわけでもない、たぶん二ヶ月くらい経ってからだと思うんだけど、俺は彼女のいるその風景に、ひとつの違和感を発見したんだよ。〜第12回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


【毎日更新】第10回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 親父、お袋、俺っていう三人だったウチの家族は、外食に行くと親父とお袋が並んで座って、その向かい側に俺っていうのがルールだった。いや、ルールなんて固いもんでもねえけど、まあ普通に毎回そうだった。空いた席は荷物置き場になって、カバンとかコートとかが置かれてさ。 家族向けの飲食店は、だいたい四人席だろ。親父お袋、そんで向かい側に俺と荷物、そういう図式な。で、親父たちは上座っていうのか、店の入り口から遠い方の席に座る。俺は下座。 なんでこんなことを詳しく説明するかっていうと、つまりこの店「キッチンクリハラ」に来た時も、俺はいつも窓側を向いて座ってたってことを言いたかったからだよ。 この店は奥に長い長方形をしていて、入り口から入って店の中ほどまでは厨房やらトイレやら棚やらが占めていて、客席はその奥に集中している。 もともとテーブルが十もない小さな店だ。どのテーブルに案内されても、俺は窓の外の景色を見ることができたわけだ。 モヒカン頭でヘビースモーカーの今からじゃ想像もつかねえだろうが、三十年前の俺はいわゆる「真面目くん」ってやつだった。 勉強以外に脳がねえっていうか、我ながらテンションの低いつまんねえ野郎だったよ。運動はからっきしだし、絵とか彫刻とかそういうののセンスもゼロだし、そもそも性格が暗いしであんま友達もいなかった。 小学校高学年ともなれば、そろそろ色気づいた話も出始める頃だが、俺はクラスの女子と楽しくおしゃべりするどころか、目を合わせることすらできねえチキンでさ。 だからって興味がなかったわけじゃないんだぜ。いやむしろそういう意味では早熟だったんじゃねえかな。クラスの可愛い子とあんなことやこんなことって、スケベなことを妄想して、悶々としてたんだから。 で、当時の俺には休みの日に一緒にバカやる仲間もいねえし、親に誘われるままホイホイこの店にも来てたわけだ。 毎週とは言わねえが、月に一回か二回、そう、決まって土曜の夜、毎回わざわざ電話で予約してさ。とはいえ、当たり前だが親との話が面白いはずがねえ。それも、通い慣れて新鮮さのかけらもない店なら、なおさら退屈だ。 だから、慣れねえワインで饒舌になっている親父の話を聞き流しながら、俺はいつも向こう側の、窓の外の景色をボンヤリ眺めていたわけだ。そんなある日、俺は彼女を見つけたんだよ。〜第11回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


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