【マジメな毎日に、ひとさじのパンクを】DIY作家が人生を懸けた小説の増刷を応援!

<40代おっさんの無様なチャレンジ>小説本文はもちろん表紙デザインや版下データまで自分でつくるDIY作家「児玉ロウ」。初のヒット作品『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』の増刷(第2刷)を応援

現在の支援総額

828,488

138%

目標金額は600,000円

支援者数

125

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2026/02/21に募集を開始し、 125人の支援により 828,488円の資金を集め、 2026/03/31に募集を終了しました

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828,488

138%達成

終了

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支援者数125

このプロジェクトは、2026/02/21に募集を開始し、 125人の支援により 828,488円の資金を集め、 2026/03/31に募集を終了しました

<40代おっさんの無様なチャレンジ>小説本文はもちろん表紙デザインや版下データまで自分でつくるDIY作家「児玉ロウ」。初のヒット作品『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』の増刷(第2刷)を応援

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【毎日更新】第29回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』「ああ、これね、いいだろ」 俺は、よく分かんねえけど照れながら言った。「いや、別に褒めてねえだろ」相変わらず無慈悲な涼介。 まあ、とにかく俺は完全に、彼女が「あの彼女」だってことを確信していた。三十年の月日なんてなかったことになるくらい、彼女は彼女だったんだよ。「ずいぶん雰囲気が変わったね。でも、顔はそのまんま」 そう言って彼女はケラケラと笑う。いや、そっちだってそのまんまだよ。でも、よく考えたら彼女の顔を間近で見たのは一回だけだったんだよな。 一度しか見てない彼女の顔。その記憶にこんな自信があるなんて、それくらいあの一回が印象的だったってことだよな。……ところで彼女、いつまで笑ってんだろう。そんなに面白いかな。「いや、笑い過ぎだろ」俺がツッコむと、「ごめんごめん」と彼女はさらに笑って答える。「つうか、覚えてんの、俺のこと」勢いに任せて聞いてみた。 いま思や、「顔はそのまんま」なんて言われてるわけだから覚えてるって事なんだけど、いや、俺だってそれは分かってたんだけど、何て言うんだろう、本当に覚えてるのか、あるいは、どれくらい覚えてるのか、俺はなんだか確信が持てなかったんだよ。 俺の方は、ついさっきまで忘れてたとはいえ彼女を「強烈に」思い出していたわけで、その青臭え想いと、彼女の俺についての記憶がどれくらい「つり合って」いるのか、確かめたかったんだよな。 笑い過ぎてなのか、それとも昔を思い出してなのか、彼女は目尻に浮かんだ涙を拭いながら俯いて、「そりゃあね」と言った。 そりゃあね、と来たか。うーん、どうなんだろう。 つうか「そりゃあね」っていうのはつまり「そりゃあ覚えてるよ」て事で、つまりそれってなんて言うか、逆に言えば「忘れられるわけないじゃない」みたいなことじゃねえの? 言葉や態度を自分に都合よく受け取る、ってのは男の特技だよな。俺の中で、彼女にとっての俺は「忘れられるわけがない」くらいに大切な存在だった、ってことになって、俺は自分でもそうと分かるくらいに満面の笑顔になって、「そうか、そうか」なんて言いながら頷いた。「それは、何つうか、嬉しいな」 俺はすっかり上機嫌になって、そうか、そもそも涼介のバカがいなけりゃこんな嬉しい気持ちにもなれなかったんだなと、仕方ねえ褒めてやるかみてえな気分で、後ろを振り返った。 したら、気持ちの悪い革ジャンのオッサン達が、互いの肩をつつき合いながらクスクス笑ってやがる。うわあ気持ち悪い。てめえら四十代だってのになんだその童貞の中学生みてえな反応。仲間の告白を遠くから見守るみてえな構図じゃねえか。〜第30回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


【毎日更新】第28回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 間違いなかった。  そこに居たのは間違いなく、当時の俺の数少ない友達、ずっとあのレストランからのぞき見てたあの彼女、あの夕焼けの日、臭えドブ川沿いの道路で一度だけ話した、彼女だったんだ。「ああ……」 俺の口から、情けない溜息が漏れた。情けねえ上にキモい溜息だ。まるでアイドルに恋するオタクみたいな。 だけど彼女は嫌がったりしなかった。 むしろ、それまでの厳しい表情——そりゃそうだ、突然涼介みたいな輩に突撃されたら誰だってこんな顔になる——がみるみる和らいで、皺の浮きかけた、だけど四十代にはとても見えねえ柔らかそうな頬を緩めて、パッと笑ったんだよ。 今度は溜息どころか、一発でイッちまいそうな笑顔だった。 ただ呆然と彼女を見ているだけの俺——ヨダレくらいは出てたかもしれねえ——に、彼女はやがて耐え切れないといった感じでプッと吹き出すと「なあに、それ」と俺の頭を指差した。「え、何が?」 俺は思わず頭をゴリゴリと撫で回した。 先週床屋で刈ったばかりだから左右の毛もジョリジョリと気持ちがよく、自慢のモヒカン——オレンジ色に染めたトサカ——は滑らかにウェーブし、吹き込んでくる風に揺られている。 俺はこの髪型をこよなく愛しているし、今はこれ以外のスタイルなんて考えられねえ(まあ、実際のとこ三ヶ月前までは腰に届くくらいのロン毛で、同じように「これ以外のスタイルは考えられねえ!」って言い張ってたんだけどな)。 でも、とはいえ、そうだよな。こりゃどう考えても「一般的」なヘアスタイルじゃねえし、驚くのも無理ねえよ。 しかも、彼女の知っている俺ときたら、あの真面目な、暗い、いつも俯いて長い前髪で顔を隠してるようなヘタれたガキなんだ。あれから三十年経ってるったって、俺がこんな髪型してるなんて夢にも思わなかったんだろう。〜第29回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


【毎日更新】第27回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』「状況も何もねえよ、せっかく感動の再会ってやつを演出してやってんのに、この女、何か勘違いしてんだ」と涼介。「勘違いって、なんだよ」「いや、よく分かんねえけど、本人に直接来させろとか、話は社長に聞けとか、訳のわかんねえこといいやがんだ」 何だとこのチンピラ、訳がわかんねえのはテメエだろうが。アメリカだったら速攻で撃たれて頭はじけ飛んでるぜ。「ふうん、で、その誤解は解けたわけ?」あくまでマイペースなボン。百円ライターを擦る音が聞こえて、タバコの匂いが漂ってくる。「いや、まだ」素っ気なく涼介は言った。「でもまあ、何かどうでもよくなってきたな」 な、何だとこの野郎。どうでもよくなってきたってどういうことだ。当て逃げもいいところじゃねえか。 すると、それまで黙っていた彼女が言ったんだ。「あんたたち、一体何者?」「だからあんたとこいつが友達なんじゃねえのかってさっきから言ってるじゃねえか」 声を荒げる涼介にボンが、「そんな風に押さえつけてたら顔が見えねえじゃねえか」と冷静に言って、「ああ、それもそうだな」と、その細っこい腕のどこにこんな力がって思うような怪力で俺は襟首を引っ張られ、要するに首元を引っ掴まれた猫みたいな情けねえ体勢で、部屋の中をまっすぐに見ることになったんだ。 とつぜん舞台に引き上げられた俺は、視界の中央を占めていてどうにも無視できない彼女を、モロに見た。 でも、人間の意識っておかしなもんだよな、次の瞬間、まるでエロビデオのモザイクみてえにその姿がボヤけて、代わりにその背景、つまり短い廊下とそこにかかった暖簾、その向こう側に見える赤い座椅子と小ぶりなベッド、そして、そうだ、ここが間違いなくあの部屋なのだと伝える赤いカーテンと、その隙間からかすかに見えている、あのレストラン。 さっきまで自分たちがいた向かい側のビル、同じ五階の窓の中に、イソイソと動いているあのおばちゃんの姿が見えていた。「ちょっと、あんた……」 一メートルと離れていない所から聞こえた声に、映像を逆再生するように、俺の意識はワンルームマンションの狭い玄関先に引き戻される。 窓の中のおばちゃんが恐ろしいスピードで遠ざかっていき、代わりにそこに現れたのは……四十代にはとても見えねえ、いや、あの中学生だった頃とほとんど変わらねえくらいに見えたんだから、さすがにこれは俺の思い出補正かもしれねえが、とにかくさっきレストランで彼女の話をしてから頭の中で繰り返し想像していた彼女のイメージが、現実の彼女にシールみてえに張り付いてるようだった。 俺はその、眼前に立つ、色白の、ちょっとハーフっぽい女を、見てた。〜第28回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


【毎日更新】第26回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 うわ、と思ったね。 うわあ、と思ったよ。 何しろ、俺はその声に聞き覚えがあった。 もちろん、あの頃と全く同じって訳じゃあねえんだろうが、それでも女の声っつうのは一生でそう大きく変わるもんじゃねえんだな。 間違いねえと思った。 あの彼女だ。 涼介の細い頬にめり込む予定だった俺の拳は力を失い、涼介の肩口にひどくマヌケな感じでポンと置かれた。 涼介はニヤリと笑い、その手を引っ張りながら俺の襟首を掴むと、十五センチくらいしかない壁と扉との隙間に、俺の頭を突っ込んだ。「ほら、こいつだよ、あんたら友達なんだろ?」 涼介の声を後頭部の上に聞きながら、俺はその、他人の家独特の匂い——それはいくつかのタイプに分かれるが、その家はかなり「好き」な匂いだった——と、玄関に敷かれた古めかしいタイル、その上にキチンと並べられたパンプスとクロックスの黄色いサンダルに妙な非現実感を覚えた。 俺の頭は既にその家の中にあった。首から下は外だったけど。無理矢理に顔をあげようと思えばできたのかもしれない、だけど俺は、できなかった。「あんた、三十年前にこいつと会ってんだよ」「何なの、いいから出て行きなさいよ」「こんなナリしてっから分かんねえのかなあ」そんな二人のやりとりを他人事に、そう、まるであのレストランから彼女を眺めたときと同じような傍観者気分で聞いていた。 その時後ろから、「おいおい、何やってんだよ」というのんびりしたボンの声が聞こえた。「こりゃ一体、どういう状況なんだ?」〜第27回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


【毎日更新】第25回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』-- そもそもは涼介を止めること、もとい、涼介が何をしようとしているのか確かめることが目的なんだが、そういうこともだんだん分かんなくなってくるっていうか、目の粗いサンドペーパーで心をガリガリとやられてるみたいで、論理的な思考がどんどんできなくなっていくんだよな。 頭にあるのは、あの頃の記憶を元に自分の頭で作り上げた「現在の」彼女の顔、身体。 ……おいおい、何を考えてんだよ。 俺と同年代だからもう四十代半ばだぜ、色恋話の登場人物にはちょっとご遠慮いただきたいお年ごろだ。 だいたい、仮にあの部屋にまだ彼女が住んでいたとして、そして仮にいま部屋の中にいたとして、それがなんだっていうんだ? 冷静になれよ。三十年も前の話なんだぜ? そもそも俺のことなんて覚えているわけがねえじゃねえか。 だいたい、俺より先に涼介の方が顔を合わせる可能性だってある。いや、あいつの破壊的な性格から言って、その可能性はかなり高い。 まあ、面は多少イケてても、青白い顔したロン毛の、もう初夏だってのに革ジャン着込んだ涼介を見て、普通の人間なら「まともな人じゃない」と思うだろう。下手したらビックリしすぎて警察呼んじまうかもな。 そんなことを考えながら階段を上っていったら、やがて、五階に差し掛かる上り階段の途中で、かすかに誰かの話し声が聞こえてきた。 俺は思わず足を止めて、その声に耳を澄ました。 内容は聞こえないが、男の声だ。 直後、「だから違うっつってんだろ!」という、どう考えても涼介による怒号が聞こえてきて、ギョッとした。 違うって、いったい何が違うんだよ。思わず足を踏み出し廊下に出てみると、その突き当たり——つまり赤いカーテンの部屋の前——に、革ジャン着たキリストみたいな風体の涼介が見えた。 ああ、あのバカ……。 扉は少しだけ開けられていて、涼介はまるでしつこい新聞勧誘員みたく、その隙間に身体を差し込むようにして立っている。俺はリアルに、額にを掌底を当てた。あちゃーってときにする、あのポーズさ。そして、一気に走りだした。「おいコラ涼介、何やってんだ!」 俺が叫ぶと、涼介が後ろ斜め上を見るような舐めた感じで振り返り、まるで外人みてえに肩をすくめる仕草をした。いや、なんだそれ。俺はなんだかすげえムカついてきて、涼介のそのイケ面がぶっ壊れるくらいに殴ってやるって気持ちで駆け寄ったんだけど、そんとき部屋の中から「出てってよ」という、女の、ハスキーボイスが、聞こえたんだよ。〜第26回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


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