【マジメな毎日に、ひとさじのパンクを】DIY作家が人生を懸けた小説の増刷を応援!

<40代おっさんの無様なチャレンジ>小説本文はもちろん表紙デザインや版下データまで自分でつくるDIY作家「児玉ロウ」。初のヒット作品『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』の増刷(第2刷)を応援

現在の支援総額

828,488

138%

目標金額は600,000円

支援者数

125

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2026/02/21に募集を開始し、 125人の支援により 828,488円の資金を集め、 2026/03/31に募集を終了しました

【マジメな毎日に、ひとさじのパンクを】DIY作家が人生を懸けた小説の増刷を応援!

現在の支援総額

828,488

138%達成

終了

目標金額600,000

支援者数125

このプロジェクトは、2026/02/21に募集を開始し、 125人の支援により 828,488円の資金を集め、 2026/03/31に募集を終了しました

<40代おっさんの無様なチャレンジ>小説本文はもちろん表紙デザインや版下データまで自分でつくるDIY作家「児玉ロウ」。初のヒット作品『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』の増刷(第2刷)を応援

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【毎日更新】第15回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 ……だが俺は無視した。いや、無視っつうか、それが俺にかけられた声だとは思わなかったんだな。何しろ、友達が少なくて、普段誰かから話しかけられることなんてほとんどねえからさ。はは、笑える。 とにかく俺はそのまま、いやむしろスピードをあげて歩いていったんだけど、なぜかその声が追ってくるんだよ。「ねえってば」 さすがの俺もなんかおかしいぞって思って、足を止めて恐る恐る振り返ったんだ。 そしたらそこに誰かがいた。だけど、夕暮れの太陽を背にしているせいで、眩しくてその顔はよく見えない。輪郭だけが黒く浮き上がってるような感じで、ほら、ドラマとかによくあるだろ、そういう場面。ただ、その子が他でもねえ俺に話しかけているんだってのは間違いなさそうだった。「な、なに?」俺は戸惑いながら応えた。「あんた、あたしのこと知ってるでしょ」 高くて、ちょっと掠れた声。 俺は目を凝らしたが、やっぱり眩しくて見えない。仕方なく俺は、その女の子を中心に半円を描くような感じでカニ歩きで移動して――今思えばその動きもなかなかにキモかったろうな――とにかく女の子の後ろに回って、つまり俺が太陽を背にするようにして、あらためてその顔を見た。で、「あっ」と思った。 その子は間違いなく、あの子、だった。レストランの窓から見える、赤いカーテンの部屋に住んでいる、あの子だよ。 太陽に照らされてピンク色になった彼女の顔。初めて間近で見る、彼女の顔だ。「あんた、いつもあの店からこっち見てたでしょ」「えっ?」 突然のことに、俺、当たり前だけどテンパったよ。あ、あ、あ、なんて、日本語忘れたみたいになって、何も言えなかった。 そもそも、なんで彼女がいきなり現れるのかが分からなかったし、その彼女がどうやら自分を知っていて、しかも、レストランから盗み見していたことまでバレてて、それを責めるような口調で指摘されているわけだから、まあ、テンパらない方がおかしいよな。 あと、思ってた以上に彼女が可愛かったことも、俺の混乱を大きくしてた。「あれ? わかんないかな。あんた、土曜日に来るでしょ、あのレストラン」「う、うん」俺が頷くと、女の子は笑った。「やっぱり。よかったあ」 それまでのどこか高圧的な態度とはまるで違う、無邪気な笑顔。そばかすの浮かんだ頬、白人みたいな目鼻立ち、えくぼ、つやつやした髪。 なんていうか、すべてが完璧に見えたよ。そんな可愛い子が現実に存在して、それが目の前で、俺と話しているってことが信じられなかった。これは夢の中の出来事なんじゃねえかって真剣に疑うほどにさ。 それに、いまなんて言った? よかった? よかったって言ったのか?〜第16回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


【毎日更新】第14回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 結局状況は何も変わらなかった。俺は親がレストランを予約するのを待つことしかできず、席に座って彼女をじっと見つめることしかできず、彼女が俺の存在に気付いてくれるのを願うことしかできなかった。 そのまま何ヶ月も過ぎていった。 俺はだんだんと、彼女に対する興味を失っていった。 彼女の姿をちょっとしか見れなくても、別に残念でもなくなっていった。 まあ、道理だよな。なんたって人間は、飽きるのが大の得意だ。 だが、物事ってのは自分の気持ちに関係なく、ときには一気に動き出すもんでさ。 ランドセルを背負ってなかったから、中学に上がってからの話だと思う。ああ、そうそう、慣れない詰襟に居心地の悪さを感じてた記憶があるから、中一になりたての頃だったのかな。 学校帰り、俺は一人で家までの道を歩いてた。 俺の住んでた地域はたまたま中学校の数が少なくて、だからそれぞれ校区は結構広くて、いろんな小学校出身のやつが集まってた記憶がある。バスとかを使うほどではなかったけど、片道徒歩三、四十分くらいはかかってた気がする。 通学路に沿ってドブ川みたいのが流れててさ、ヘドロが溜まってて臭かったな。俺はその横の道をトボトボと歩いてた。そうだ、確か夕方だった。空がピンク色でさ。 その時だった。「ねえ」 後ろから誰かの声が聞こえたんだ。〜第15回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


【毎日更新】第13回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 だけど、観察っつっても、情報は限られたものだった。何しろ、文字通りその窓枠の大きさ以上のことは分かんねえわけだろ。見えるのは、赤いカーテン、そして彼女、部屋の中の白い壁紙、そこに貼られたポスターかカレンダー、冷蔵庫らしき赤黒い四角いもの、シンク、すだれっぽい何か、そんなもんだ。 すだれの向こう側に玄関のドアがあって、その脇とかに、こっちからじゃ見えねえけど風呂とかトイレとかがあるんだろう。まあ、要するにワンルームだ。他に部屋があるようには見えない。 そのことは、そのマンションの他の部屋の様子からも想像できた。彼女の部屋は五階の一番左側だったが、そのすぐ右側には白髪の爺さんが住んでいたし、その右側には派手な茶髪の姉ちゃんがいた。 レストランにいる時間のほとんどを彼女の、そのビルの観察に費やしていた俺には、そういうことも分かってきた。 だが、それだけだった。 何度見返しても、それ以上のことは分からない。彼女は相変わらずつまらなそうに、窓の外を眺めているだけだ。 そこで俺は、彼女にこっちの存在を知らせたらどうかと考え始めたんだ。 いや、別にそれで何がどうなるのか考えてたわけじゃねえと思うんだよ。 ただなんつうか、その「秘密の遊び」みたいなもんを、もっと面白くさせたかっただけなんだ。もっと情報を得て、このいわゆる「膠着状態」に変化を与えたかったんだ。 引っ込み思案で臆病な真面目くんにしては強気な発想だ。 今思えば、やっぱり何十メートルかの距離は俺にとってのバリアーだったんだな。ま、彼女が自分に気づいたら、そのバリアーがなくなっちまうかもしれないないんだけど。ガキだからそこまで考えてなかったんだな多分。 とにかく俺は、どうすれば彼女に気づいてもらえるか、って考え始めた。 たださ、いざ方法を考えたら、何にもねえのな。 彼女の存在を俺の親に知られるのは絶対に嫌だった。だから、例えばその場で手を振ったりとか、そういうのはできないわけだろ。大声出して聞こえる距離でもねえし、まさかテレパシーで話せるわけでもねえ。 実際のところ、どうしようもなかったんだよ。〜第14回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


【毎日更新】第12回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 それは、部屋の中に彼女以外の人間が誰もいないっていうことだ。 俺が彼女の存在に気づいてから二ヶ月、その部屋の中に彼女以外の人間を一度も見たことがなかったんだよ。 彼女は当時の俺と同い歳くらい、小学校高学年か、まあ年上だとしても中学一、二年ってとこだ。そんな女の子がワンルームマンションに一人で住んでいるわけもないってことは、当時の俺にも分かった。 普通、子どもは親と一緒に暮らしているもんだろ。 まあ、同じクラスに片親のやつもちらほらいたし、親とふたり暮らしみたいなことはあるかもしれないが、どっちにしろ一人で暮らしてるわけがねえ。 ということは、親が出かけているんだろうか。それこそ片親で、親が働きに出ているケースだってあるだろう。だが、六時や七時と言ったって一応は夜だ。夜に子どもを一人残して働きに出る親なんているんだろうか。 まあ、今となってはそういうケースなんて全く珍しいもんじゃないと知っているんだが、当時の「真面目くん」の俺には分からなかった。 だから、一度その違和感に気づいてしまうと、それが気になって仕方なくなってきた。ただ窓際でボンヤリしているだけの女の子だったのが、何かワケありの、可哀想な女の子に見えてきてしまったわけだ。 俺は勝手に頭の中でいろんな物語を作り上げていった。 親が働きに出ているっていうベーシックなやつから始まって、いや親は事故とかで死んじまって天涯孤独なんだとか、実は誘拐されてあそこに監禁されてんじゃねえのかとか。ほら、俺、妄想力には長けていたからさ。 とにかく俺はそういう事を考えながら、それまで以上に彼女を観察するようになっていったわけだ。〜第13回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


水も滴るいい女
2026/03/04 13:41

事務所への通勤途中、昨日の雨風で飛ばされたのか、掲示板に貼っていたチラシがぐしゃぐしゃになって落ちていた。僕はその濡れてじっとりしたチラシを拾った。別にネガティブな気分ではなかった。「いやー昨日すごかったもんな風。雨もザアザアでさ。大変だったなあ」そんな風にチラシに笑いかけるような気分。事務所まで持ってかえってきて、あらためて眺めた。ビリビリだし折れ曲がってるし色も剥げている。でもなんだかものすごくカッコいいじゃないか!肝心のQRが使い物にならなくなってるとこなんて最高!これでこそ「パンク」だ!…そんなわけで”彼女”はいま、事務所のホワイトボードにしっかり掲示されている。ちゃんと乾いたら額装でもするか。はてさて、こんな感じで泥臭く挑戦しております「パンク」なクラファン。スタートから12日目で達成率83%と、予想以上の反響をいただきありがたい限りです。ご支援いただいた皆さま、プロジェクトページをご覧いただいた皆さまに心よりの感謝を。引き続きよろしくお願いします。


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