「完熟りんごジュレ」づくりでは、容器に詰めたあと手作業でキャップを締めていきます。そして殺菌工程へ。熱湯に漬けます。上の写真、左側に白いコードのようなものが写っていますが、温度センサーです。中心部の温度をリアルタイムで観測できます。○℃に達してから○分キープという自社で定めた『作業標準書』にのっとった厳密な作業です。殺菌完了で、槽から引き上げている写真です。微生物殺菌の観点でいえば長い時間熱を加えるほうが安全性が増す方向ですが、ジュレの風味や色合いの観点からは劣化する方向となります。安全性を確実なものとし、かつ美味しさを両立させるギリギリの設定となっています。冷却中です。
保健所の立入検査というと「食中毒でも起こした?」とネガティブな想像をされがちですが、公衆衛生の観点からごくふつうに行われていることで、まじめに食品工場を稼働しているなら「むしろいつでもウエルカム」なアドバイザーです。こちらは自分たちの工場のことしか知らないのですが、保健所の方々は全国の最新の「こうすればより良くなった」情報を知ってますからね。 上の写真は足で踏むと水がでる手洗い場。となりにはジェットタオルもあります。工場というものは建てるときには(予算に限りはあれど)その当時の最先端の衛生管理の考えに基づいて造られますが、時代が過ぎるにつれどんどんより良い設備が普及してきます。ハード的には簡単には建て替えられませんので、運用(ソフト面)でアップデートしていきます。そんなとき保健所の方々のアドバイスはためになります。こちらはそのひとつ、手をかざすとスタートするタイマー。ふつうのキッチンタイマーだと手を洗うまえに触れたスイッチに、手を洗った後また触れることになるのですが、これだとその必要が無い優れものです。こういったものを利用しながら衛生的で安全な商品を作っています。
容器に詰めた完熟りんごジュレにラベルシールを貼る作業です。1個1個、表裏…手作業です。気持ち的にはジュレをつくって容器に詰めてこのラベル貼りまで一日で終わらせたいところなのですが、今日は作る日、明日は貼る日と集中したほうが生産効率が良いので、完熟りんごジュレづくりは2日間にわたっての作業となります(製造前の準備も入れると3日がかりですね)。今回のクラウドファンディングではリターン品に「製造後3日以内のものを出荷する」"できたて保証"をお付けしていますが、出荷までの作業をふくめるとけっこうタイトです。ふだんの流れでは問屋さんからの注文に対してすぐに出荷できるよう、ある程度の在庫を抱えるようにしていますので、できたてをお召し上がりいただける機会はふつうにはありません。この機会をお見逃しなく!
りんごの形状のシュガーポットを見つけたので、青森県産完熟りんごジュレ(ふじ)をその中に充填してみました。こちらの容器はりんごの芯の部分がスプーンになっている秀逸なデザインです。これをとりだして、ひっくり返してガラスの器にのせてみたのが写真一枚目です。やわらかな食感のゼリー飲料ですので、さすがにりんごの形状を保ったままというわけにはいきませんでしたけども、プリンみたいで可愛い姿になりました。そしてじつはこの写真に関しては、裏話の方が本題です。これらの瀬戸物のシュガーポットやガラスの器ですが、工場のなかに持ち込むことはできません。だから工場で使用している金属製のボウルにできたてのジュレを入れて事務所まで運び、そこでりんごの器に詰めるという段取りをとっています。なぜか?瀬戸物やガラスは万が一落として割れたりしたときに破片をすべて回収することは困難ですし、磁石や金属探知機でも除去できません。だから食品工場にはこういったものは持ち込まないというのは大原則です(他にも、例えば輪ゴムも持ち込みNGです)。

「さあにぎやかにいただく」というスローガンを聞いたことのある方はまだ少数だと思いますが、最近注目されている考えです。↓さ:魚あ:油・脂に:肉ぎ:牛乳や:野菜か:海藻・きのこい:芋た:卵だ:大豆く:果物じつは65歳以上の男性で13%、女性で22%の方が「低栄養」の状態にあると言われているのです。飢餓に苦しんでいる遠いアフリカとかの話ではなくて、この日本でのお話です。低栄養→外に出る元気がなくなる→運動しない→食欲が出ない→ますます低栄養に…という負のスパイラスに陥って、やがて要介護状態になってしまいます。そうならないように「さあにぎやかにいただく」の品目を摂りましょうというお話がでてきたのです。歳をとったら質素な食事で良いというのではなく、意識してお肉も摂るようにしないといけません。プロジェクト本文にも書いてありますが、栄養を摂らなければ「ならない」状態のときにそれが「美味しく」いただけるというのはきわめて重要だと思います。果汁が豊富な私たちの「完熟りんごジュレ」が「く」の一端を担えればいいなと思っております。