ひん太の世話をしていると、またもや林の方からにぎやかな声声が・・・ 姿を現したのは、かわいらしい小学生の女の子4人組でした。 すでに何回か、ひん太に会いに来たことがあるようで、 「ひんた~~!」と声をかけながら近づいてきます。 話をすると、近くに住む小学生達で、やはり何回か ここへ来たことがあるそう。 せっかくなので、牧草のおやつやりをしてもらうと、 楽しそうにやっていました。 ひん太がいると、話も弾みます。 またまたひん太効果。 ひん太、すでに多くの子ども達を惹きつけるアイドルに なっているのかもしれませんね。
昨夜は台風並みの嵐でした。 昨夕、すでに強風でトラック・シートがあおられ、 大きな音が出ていたので、すぐさま単管パイプを 補強してから帰りました。 夜中もかなりすさまじい風がふきつけていたので、 かなり心配な面はありました。 翌朝、放牧地へ向かってみると、そこには無事な姿が。 やはり、こういう時はほっとするとともに、うれしい瞬間 でもあります。 柵や雨よけシェルターも無事でした。 まずは、最初の嵐を無事にきりぬけることができました。 ふと見ると、柵の近くに、フキノトウが顔をだしていました。 前の放牧地では見たことがなかったので、こんなにまんじりと近くで見るのは、 実は初めてでした。 地主さんは、「天ぷらにして食べると、おいしい!」と言っておられましたが、 とても、摘んで食べる気にはなれませんでした。
放牧地移動のために、ひん太をトラックに載せて走っている時でした。 道の脇を、小さな女の子をつれたお母さんが、ひん太に気づき、 「あ、おうまさん!」と子どもに言いました。 その子がどんな反応をしたかまでは見えませんでしたが、 バックミラーで二人を追っていると、ずっとこちらを見て立っていました。 そのことが、最大の目的のひとつでもあります。 「小さな子ども達に、知ってもらう馬になること」 そのために、幼い子どもが覚えやすいような名前にしました。 「馬の、ヒヒ~ンて鳴くけん、ひんたくんバイ!」・・・みたいに。 (馬がヒヒ~ンと鳴くから、ひん太君と言うんだって) 写真は生まれ育った場所での、ひん太。この時はもちろん名前など無く、 ほぼ誰にも知られず、群れの中にそのまま置かれて、アルファでないので 他の馬から噛まれたのか、傷だらけでした。 それが現在までに、北は北海道、南は鹿児島の方が、ひん太の存在を知り、 ひん太に会いたいとまで行ってくださるのですから、 なかなか感慨深いものがあります。
「春一番」と言うのには、凄すぎる春の大嵐がやってくようです。 前の放牧地で何度か台風なども経験していますが、 新しい放牧地では未経験なので、やはり警戒が必要です。 馬の場合は、雨風そのものより、風で飛んでくる物が一番心配です。 とばされそうな物はロープで縛り、桶やタンクには水をはっておきます。 風よけの壁なんかも立ててあげたいところですが、かえって風圧を 受けてしまうので、あえて立てません。 実は昔、小さなヨットを持っていたことがあり、仲間と外洋航海中に強風に 遭遇した時の風の威力の凄さを知っているからです。 荒れた海でヨットが風でほぼ真横ぐらいまで倒されるのは、ちょっと体験できない 恐怖ですので・・・ しかし、そのおかげでロープの結び方は、「ノット」とか「ヒッチ」などという 結び方が馬の作業にも役立っています。 災害救助馬?なんかも夢想してみたりします。 嵐なんかに負けているわけにはいきません。
写真の左手には小さな林と小さな小川があります。 そこには人だけが通れる通路があり、そこを抜けると 住宅地と中学校があります。 ひん太の世話をしていると、チャイムの音や校内放送まで 聞こえてくるぐらいの近さです。 先日の夕方、放牧地にいると林の中に2,3人の中学生らしき人影。 教師時代の悪い癖で、「まさか、あいつら隠れてタバコとか・・?」と 眉をしかめました。 「早く、どこかへ行ってくれ!」と思っていたのですが、 意に反して彼らはどんどんこたらへ近づいてきました。 これも教師時代のマニュアルですが、どんな怪しい相手でも最初は 「こんにちは!」とにこやかに声をかけます。 その通りに、私から声をかけると、3人は卒業をひかえた3年生で 非常に感じのいい中学生たちでした。 馬の鳴き声が聞こえたので、来てみたとのこと。 その後は、志望校のこととか、色々話して別れました。 そして、今日。 作業をしていると大きな声で「こんちは!」と。 またその中学生たちが会いに来ました。 公立高校受験まで1週間という時季なので 面接練習の成果もあるのでしょう。 非常に気持ちのいい挨拶をしてくれました。 ひとしきり話して、「がんばって!」と言うと 笑顔で帰っていった中学生たち。 やっぱり中学生っていいなぁと思いました。 ひん太がいることで生まれた小さな出会い。 馬がいることでつながっていく縁のありがたみを感じますした。