TEAMパフォーマンスラボ/DEARの
自主公演に向けた
クラウドファンディングを
ご覧いただいている皆様
温かい応援を本当にありがとうございます!!
ゲストからの新しいリターンが追加になりました!
詳しくはこちら
いよいよ残り1日です!
ネクストゴールとして、
ひとり親世帯、児童養護施設で暮らす子供たち、
並びに今回はセリフを使わない
ノンバーバル演劇パフォーマンスのため
聴覚に障害をお持ちの方 など
観劇の機会が少ない方たちへ
5月21日の「DEAR」の公演へ
「招待チケットのプレゼント」
という形でご支援を募集中です。
(ネクストゴールへの取り組みについては
詳しくはこちらから↓)
「DEAR」クラウドファンディング次の目標へ
引き続き 皆様のご支援・応援を
よろしくお願いいたします!
*********
さて、今年の5月に初めての一般公開となる
ノンバーバル演劇パフォーマンス
「DEAR」の作品を
皆様にもっと知っていただきたく
キャストやプロジェクトのサポートメンバーとの
インタビューを公開中です!!
第1弾 パサロ/粕尾将一
第2弾 コネキリ/Kei
第3弾 サポートスタッフ/近藤真実&大桑奈保子
第4弾 ガトー/ココロ
第5弾 キナーゼ/BiNGO
第6弾 ラナ/快斗
第7弾 サポートスタッフ/伊折もとき&近藤千貴
第8弾 セルピ/堀田聖奈
第9弾 コネホ/doNcHY..
第10弾 エンテ/中島梨乃
第11弾 少女友人/ASUKA&カンナ
第12弾 インタビューのラストは
少女役、
そして脚本と演出を務めるMIYUです。
MIYU
某テーマパーク、ミュージカル国内、海外ツアー
メディアやCMなど、各所で多数出演。
今作では、出演に併せ、脚本・演出も担当。
自らの意思を仮面で隠しながら
学校生活を送る少女役を演じる。
彼女は仮面で何を隠しているのか?
仮面で何を守っているのか?
■学生時代はどんな子どもでしたか?
普通の公立の学校でした。
外国人も、障がいがある子も、
帰国子女もみんなが同じクラスで
生活しているエリアで育ちました。
10代の前半までは
真面目で正義感が強く、
曲がったことが嫌い。
同じ子とずっと一緒にいて
行動するタイプではなく
違うクラスの子も含め
いろんな子たちと
話をしていました。
クラスであれ…?と
思う子がいると気になり、
声をかけたり。
トラブルメーカーの子でも
浮いているとほっておけず。
(幼なじみからは痛い目を見るから
関わるのをやめておけと
散々言われていましたが
聞きませんでした。笑)
その延長で
辛い事や無視されたりも、
まぁ...本当に色々ありましたが
自分の気持ちに
正直に行動していたので
今もそこに後悔はしていないです。
10代後半になって
環境が変わり。
いつもと同じ日々が
続くと思いきや
「私たちずっと親友だよね!」
なんて言ってくれていた子に
急に手のひらを返されたり。
「悩んでるの、私が話聞くよ!」
と言って人間関係について悩みを
聞いてくれていた子が
次の日みんなに内容を
言いふらしていたり。
ごく親しい友人が
亡くなった葬儀の日、
「お前がそいつを殺したんだろ!」と
クラスで笑い物にされたり。
本当は関わりたくない
クラスの派閥に入ってしまい、
ロッカーの物がなくなったり
持ち物にいたずらされたり。
書き出したらキリがないし
ここには載せられないような
出来事もたくさんありました。
とにかく、そこにいるのに
居場所もなければ、
吐き出す場所もない。
10代後半に差し掛かってすぐ
最初はいつもの通りの私でした。
でも、その時はどんなに正直に
素顔で周りに接しても、
仮面を使うのが上手な子の嘘を
信じる人たちから攻撃されたり。
信じてもらえないことが
わかると怖くなり、
「嫌だ」とか、「違う」とか
本音が伝えられなくなり、
うまく回避できず、の繰り返し。
自分にもたくさん
悪い部分がありました。
大人になった今思うと、
同じ時期に地元の友だちや
違う学校の子たちとは
仲良く過ごせていたので
小さな学校の小さなクラスでの
人間関係が選べない、逃げ道のない
辛さだったこともあったかもしれません。
10代の半ばからクラスでは
仮面で息を潜めて同級生に合わせ
心を殺して自分に嘘をついた生活をして
卒業までやり過ごしました。
DEARのストーリーのテーマは
そんな10代後半の頃の
経験から作りました。
この経験があったからこそ
今これを読んでくださっている
皆さんとこうして、この作品を通じて
お会いできていますし
相手の考えていることを
よく見て想像する癖がついたので
今作の脚本が書けたのかも知れません。
18歳で自分の心の転機が訪れ、
関わる世界も、
視野や人付き合いの仕方も変わり
周りの仲間や友達にも恵まれ
人間関係で悩むことは
ほとんどなくなりました。
小中高、自分が仮面を被らずに
接していた子たちとは
地元から離れていても
今も本当に仲良しです。
■ノンバーバルで少女を
演じているときに気を付けていることは?
とにかく、リアルで、あること。
普通の高校生、なんなら毎日が
ちょっと冴えない高校生。
「何もない、自信もない
けど一人も嫌。」
きれいな動き、特技や、
自分に自信を持っているような素振りは
今回の場合、少女への共感を
削ぐことに繋がるので
なるべくデフォルメ的な動きはしないように。
役作りのため
知り合いの方に許可をいただいて
実際に学校にお邪魔して
授業や学校生活を見学させて
もらったりもしました。
そこには、昔も今も変わらず
いきいき(と見える)ように過ごす子と
周りに合わせて生活している子が
共存している小さな世界がありました。
駅や、カフェにずっと座って
中高生をこっそりと観察させてもらって
役作りをしたり。
何の役を演じている時もそうなんですが
自分のできる限り、細かい部分まで
設定を作り、役作りして
その役をインストール。
役として生きて、
感情をその通りに起こして、
感じて表現している感情の熱い部分と
冷静な部分。
例えで一部を言語化すると
泣く時に涙が見えるように...
でも次のシーンに向けて
涙で化粧がはがれすぎないように…
見えないけどあの辺にラナがいる…
あと1×8…背中後ろ3歩の位置にキナーゼ…
...みたいな部分だったり、
後はステージ上でトラブルが起きたりした時
もしくは起きないように、
何が起きても演技の一部として
対応できるように考えている
冷静な自分の部分が
0にはならないように
自分の中で一定の割合で
消えずに共存させている感じです。
割合はシーンによって異なりますが
冷静な部分を見せず、頭で考えなくても
無意識にやれるように
役がどんなことを考えているのかを
ノンバーバルでの動きも踏まえて
日々追及しています。
■DEARを上演していて大変なところ、
難しいところは?
私の場合は、
お客さんが「本物」の前で
高校生を演じる、
という緊張感です。
例え話になってしまうんですが、
本当の看護師のお仕事されてる方が
お客さんの舞台で
看護師役でキャスティング
されたような感覚です。
友人の医療従事者の方が
医療ドラマに突っ込みを
入れながら観ている瞬間に
近くにいたことがあるのですが...
それって現実と違う事が気になって
純粋にストーリーや作品に
入れてないと思うんです。
私の場合は本物の中高生の前で
高校生の役を演じているので
常にその緊張感はあって。
「実年齢の自分」を消すけど
「余計なこと」を絶対に足さない。
というのを意識しています。
10代だから子どもっぽい動き、
女の子だから女性らしい動き、って
デフォルメの仕方をせずに
役作りで入れた
「ちょっと毎日が冴えない高校生」を
とにかく、忠実に生きる。
動きとしては、もちろんそこに
舞台の芝居の大きさの要素を
足し算しなくてはならないけれど
これも大きさを間違えると
本物の学生から見て、
急に寒くなってしまうので。。
セリフのないノンバーバルなので
こちらの意図を100詰め込んで
1伝わるかどうか…という部分も
併せて悩みながら。
思春期の子供たちは、
学校行事で友達と一緒に
真面目にお芝居を観るということ自体が
そもそも照れくさい子もいたりするので
どこかに嘘や突込みどころが出て
とたんに現実へ戻る道を
見せてしまうことにならないように
いつも以上にリアルで
細かい所まで考えるようにして、
常にそこには神経を張っています。
あとは...もう慣れましたが
本番当日に
「演出」「リハでの舞台監督」
「少女役での出演」を兼任しているのは
切り替えが必要です(笑)
■DEARの中で好きなシーンは?
インタビューで
書いてくれている人もいましたが
この「DEAR」という作品は
基本的に 当て書き(※)で
脚本を起こしているので
どのシーンやキャラクターにも
好きな部分や思い入れがあります。
(※出演者に合わせて
キャラクターや台本を書きおろすこと)
しいてあげるとすると
・静まり返る「現実の世界」のシーン
・キャスト達が自分たちでキャラクター像を
膨らませてくれて生まれた動きのシーン
・登場するどのキャラクターも
少女とのコミュニケーションを通じて
少しずつ自分たちの周りの人への関わり方や
課題に向き合っていく瞬間 でしょうか。
■学校で上演を重ねていく中で
生徒さんに対して感じたことは何ですか?
少女を演じていると
上演中、特に後半で
客席で涙を拭っている子が
目に入ることもあります。
その子が何に対してどんな思いで
作品を見て涙が出るのか、
私たちは想像することしかできません。
思春期で、真っ直ぐ観るのが
少し恥ずかしいと思っていた子どもたちが、
始まって数分で静まり返る場所。
「傷つく、傷つける」を
表現しているそのシーンでは、
何かをすごく重ねて
空気が変わるのが伝わってきます。
私たち大人が思っているよりもずっと、
10代の子どもたちは悩み、葛藤し、
自分の中にある違和感や
日常と重ねながら、
いろんなことを顔には出さずに
生活しているのだと感じますし
生徒さんたちの感想で
それを読んだ時は
メッセージが伝わって嬉しい気持ちと、
心がぎゅっとなり、
応援したい気持ちもあります。
パフォーマンスのシーンで
純粋に生徒さんたちが
楽しそうにしてくれている部分は
私も少女役を演じながら
客席の生徒さんたちと
同じ気持ちで楽しんでいます。
■あなたが思う自分と仮面とは?
強みで、弱みで、本当で、噓なもの。
「どうして、仮面をするのか」
「何が、自分にとっての仮面なのか」
その答えって
本当に人によって違うなと思っています。
私の、自分の仮面は、
自分の一部からできたものだと思っています。
音響に「ミキサー」という機材があります。
ミキサーを通して音を流すと
高音・中音・低音など音の構成するバランスや
ボリュームなどを変えられます。
元の音源は同じでも
そのつまみのバランスを変えるだけで
全く違う音に聞こえるときもあります。
私の場合は人に対して同じように
自分の持っている性格や本心の中から
関わる相手の人柄や状態によって
どのようなボリュームとバランスで
伝えたいことを届けたり
接するかを考えて、変えています。
そのつまみをいじること自体を
「仮面」と呼べば、仮面ですし、
全部「本当の私」だといえば、
本当の自分なんです。
ただ、どのように相手に
接したとしても心がけているのは、
表現の仕方や言葉は変わったり
出す範囲を変えることはあっても
「必ず本音、本心で話すこと」
「相手にも、自分にも嘘はつかないこと」
心のボリュームにない
誰かを傷つけるかもしれない
嘘の気持ちの仮面を
かぶることはもうなるべくしない、
ということは18歳で決めました。
今も、自分の内面の
本当に深い部分の辛いことを
話すことは得意ではないので
…なるべく、というのが
みそなんですけどね(笑)
私自身がそう過ごすように決めたら
相手や周りの人たちも
こっそり他の人に言えない本心を
教えてくれたり
本音で接してくれることが多くなったと
日々感じています。
■あなたが思うDEARの魅力とは?
今回の公演を決めたとき
「少女」ではなく
「ワタシ」という表記は?と
フライヤーデザインを
してくれた方から聞かれました。
観てくれた人にとっての
共感できる「私」は
少女に限らなくていいと思っているので
「ワタシ」ではなく
そのまま「少女」にしてもらいました。
私が演じている「少女」は
あえて、役の名前をつけていない
ただの高校生の1人です。
観る人が「自分」や
自分の周りにいる「あの人」と
重ね合わせるのは
「少女」でなくてもいいんです。
「DEAR」では少女に限らず
登場人物全員が作中、
仮面のあるなし関わらずにいろんな形で
自分のコミュニケーションの課題に
葛藤し成長していきます。
仮面がいいか悪いか、
何が仮面なのか?は
人によって違うし、
ある方が楽とか、うまくいくとか
自分の心の本音が仮面をかぶることを
選んで苦しくないのであれば
うまく使えばいいと思うんです。
ノンバーバルの舞台は
セリフがないので観ているお客様が
自分の中の解釈で受け取ってもらえます。
事務所のスタッフの子が
「DEAR」のあるキャラクターの話を
しながら言いました。
「私がこの子だったら、
言い返しちゃうな!」
私はそれを聞いて、嬉しくなりました。
「もしこの時、自分だったら」と
考えてみるというのは、
その時の出来事を通じて
自分の心の本音を
自分で聞く機会でもあり
自分と他の人が違う事を
想像することだと思っています。
みんなが自然なありのままで
生きられたら、本当は1番
それがいいのかもしれないけど
それが難しくて
誰かを思いやったり
自分の心を守るために
仮面を被ることを選んでいる
人もいるかもしれない。
10人いたら10人
同じ人はいないから
考えた方や
感じ方は違ってよくて。
せめて自分の本当の心の声を
自分だけは聞いてあげてほしいなと
願っています。
人間より、ある意味人間くさい
登場人物やシーンの中から
誰か、観てくれているあなたの
心の声を聞くきっかけになる出来事や
自分の周りにいそうな、
気になる誰かを
見つけてもらえますように。
そして…ここまで長く
私目線のお芝居やメッセージについての
話をしておいてなんなのですが、
この作品では全国各地の
メディアやイベントなどで
スペシャリティをもって活躍している
素敵なパフォーマーがそろっています。
仮面やメッセージのことを
難しく考えなくても
純粋なエンターテイメントとしても
楽しんでいただけるような作品に
なっておりますので
安心して観に来てくださいね!(笑)
■インタビューの企画について最後に
少女役でありながら
私がこのインタビューを
最後の順番にしてもらったのは
私がこの作品の
演出を担当しているからです。
「演出」という役割は舞台において、
映画でいうと映画監督
オーケストラでいうと指揮者に当たります。
「DEAR」以外にもいろんな作品で
演出のお仕事はさせていただいてますが
進め方は、作品の企画メンバーやキャスト
依頼時の意向にもよって変えています。
・企画者の意向を聞いて進める
・演出家の思う世界を形にしてほしい
・キャストの希望を膨らませて形にする...など
私は演出は役割の1つだと思っているので
キャストを含め話し合いをしながら
みんなが納得できる形で
作品を創っていくスタイルが好きです。
ただどのやり方においても
「演出」という役割は、
時に作品において
「決める」「選ぶ」を
最終的に多く担ったり判断します。
それは時に、演出が判断したことが
その作品の「答え」に
なってしまうこともあります。
(ここで誤解しないで頂きたいのが
チームで作品を創るには
みんな違った人間や考えのもと
最終的な方向の司令塔が必要で、
それが大切な時も
もちろんたくさんあるので
これは悪い事ではないし
いい作品を創るために
すごく重要な1部でもあります。)
ただ、この作品ではキャラクターを
キャストで当て書きをしていることも含め
1人1人の本音を大切に創作したいと
日々考えています。
みんながそれぞれ思う通りの言葉で
素直な、素顔や想いを
みなさんにお届けする
このインタビューの企画。
心の優しいチームのメンバーたちが
演出の私が考えていることを
載せた後に、順番が回ってきて
「私の答え、作品の意図と違ってないかな…?」
と、気を遣った回答や気遣いが
頭をよぎってしまうような
それをしたくなかったのです。
続けて読んでいただけた方には
きっとお分かりいただけたと思うのですが
1人1人が自分たちそれぞれの
バックグラウンドを持ち、
思い思いに真剣に向きあい
創り上げてきた作品です。
キャスト・スタッフ含め
たくさんの素敵な仲間たちと創る
「DEAR」
これを読んでいただいた
私たちの大切な皆様に
お届けできますように。
MIYU
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少女・脚本・演出/MIYU編
お届けしました!
全12回に及ぶメンバーインタビューに
お付き合いいただいた皆様
ありがとうございました!
明日はいよいよ
クラウドファンディング最終日です。
プロジェクトページはこちらから↓
「DEAR」一般公演クラウドファンディング