模索舎は2020年10月に設立から50年を迎えました。2023年10月で53年目を迎えます。経営は模索舎の50年以上の歴史の中で一番厳しい…と思いますがなんとか切り盛りしてきました。昔も今も模索舎でしか購入できない出版物は多くあります。昔、模索舎を利用していた方は50年間同じ場所でやってますので再訪しご購入を…遠方でなかなか模索舎に行く事が出来ない方は模索舎サイトから通販のご利用を…大学などの研究者の皆さんは模索舎で書籍などの資料の購入を…模索舎の売上にご協力ください。宜しくお願い致します。榎本智至模索舎舎員
当プロジェクト、および「模索舎」に対するコメントをたくさん寄せて頂き、ありがとうございました。その中から一部を紹介します。本日最終日です。SNS等でご紹介いただければ幸いです。他の書店にはない本やビラが置いてあるということ以上に特別な想いが湧くのは、それらの書籍たちの背景におられる現場の方々の息遣いを強く感じることができたからでした模索舎はなくてはならない本屋! 歴史を知ったらますます好きになるでしょうSNSなど、既存の発信プラットフォームに囚われない発信文化を、ぜひ後世に伝えてください模索舎に行け! と知る人ぞ知るその書店を、密かに勧めて回るのが 好きなんです思考が啓かれるミニコミといくつも出会いました。これからますます大事な場所になっていくことと思い、これからも応援しています模索舎の存在そのものが、心の支えになった無名の人々がいることを忘れません「継続は力なり」の見本ですこのキャンペーンで広く模索舎のことが知られ、ミニコミや社会運動についても関心をもつ人が増えてくれるよう願っています
寄せていただいた応援メッセージの中の心に残る一節を紹介します(後編・敬称略)。小西昌幸(先鋭疾風社代表、『HARD STUFF』編集発行人)「『HARD STUFF』4号を5冊納品しようとしたら、「板坂剛が書いてるんだね。これは売れるから10冊置きましょう」と、言って下さった。私は21歳の若造だった。以来、模索舎は私にとって、聖地になった」松井隆志(武蔵大学教員/『社会運動史研究』共編者)「模索舎の50年史が、手堅い調査に基づいて準備されている。貴重な運動史の成果にして時代理解の補助線を提供してくれるものとなろう」中川五郎(フォークシンガー)「半世紀に及ぶ模索舎の歴史をまとめた本は、模索舎が「レジェンド」ではなく、今も「現役」で、未来にしっかり向かっていると伝えてくれることだろう」岩永正敏(元模索舎舎員)「50人ほどの学生がとにかく小金をかき集め、有限会社ゴミニケート社を立ち上げた。電気や水回り、大きな造作以外の内装備品は、美大の諸君の指導でよってたかって自力更生。人数の多さだけが頼りだった」松本哉(素人の乱5号店店主)「気づいたら世界的には言論統制の暗黒時代で、各地で紙媒体が抵抗の手段として見事に復活し、気付いたら一周回って最先端になってしまった模索舎。こんな書店、見たことねえ!!」白石草(ジャーナリスト/OurPlanet-TV 代表理事)「何もかもがグローバルかつデジタルに支配された時代にこそ、自由で、ちいさなメディアの足跡を、私もまなびたいと思います」馬屋原亨史(「curry草枕」店主)「模索舎、面白いですよね。大学生の頃、後輩の学生運動家から模索舎を教えてもらい上京の度に通っていました。縁あってすぐ近所に最初の出店」前田浩彦(元模索舎舎員・あわぶっく市発起人)「時代、世代をこえた幾多の舎員、アルバイト、納品者、お客さんが、あのカオスでだれも制御できない空間を作ってきたと思います。末席ではありますが、舎員として関われたことを誇りに思っています」成田圭祐(IRREGULAR RHYTHM ASYLUM)「なんだかんだで四半世紀の付き合いがあるとはいうものの、その内実については実はあまりよく知りません。50年の間にどんな人たちが関わり、どんな試行錯誤があったのか。貴重な資料も豊富に盛り込まれているという本書、読むのがたいへん楽しみです」太田昌国(編集者・民族問題研究家)「若い頃からミニコミの編集・製作・販売に関わってきたから、昔ならウニタ書舗、今なら模索舎のような書店の存在には、常に親しみを覚える」都築響一(編集者)「模索舎が歩んだ道のりはそのまま、出版を企業から自分たちの手に取り戻そうと闘い続けてきたすべての人々の軌跡なのだ」藤井光(美術家・映画監督)「巨大資本による流通経路の拡大と集中という「検閲」を無力化させてきた模索舎。その「条件なき書店」の50年の歴史を解き明かそうとする本書は、多元的な過去をまなざし現代を問い直そうとする今日の美術史、美術批評、美術制作のための実用書になるはずです」高沢正樹(ウラワ・ロックンロール・センター)「機関誌やビラ等を置いてもらいに伺うと、多様なミニコミや各種印刷物、グッズ等で埋め尽くされたその場の濃密な空気の余韻が、浦和への帰途にも残っていた記憶」高橋よしあき(テーゼ)「50年の歴史は、過去の記録ではなく未来への道標となるはず」熱いメッセージ、ありがとうございました!!!
しこしこしない「シコシコ」の日々平井 玄(文筆家)〈連載全16回のうち10回まで〉50年前といえば、模索舎もそうだが、じつはぼくらには「シコシコ」だった。「ぼくら」とは都立新宿高校の全共闘たちである。本屋と一緒にあるカフェが「シコシコ」。いまはそういう形のブックカフェも増えたが、当時は珍しかった。◉模索舎から180メートルほど駅方向に歩いて3分のところにある高校だ。ところが全共闘でも、党派にかかわる連中はあまり顔を見せないのである。黒ヘルノンセクト、べ平連、翻訳思想書の愛好家が主なメンバーだ。◉党派の連中は大学の拠点ばかり。街で「場所」をつくる意識が薄かったようだ。音楽派でも毎日毎日ジャズ喫茶で飽きると、赤黒混合で津村喬に興味を持つ私みたいな者も寄る。いや彼のことは模索舎で初めて知ったのかな。◉紀伊國屋本店4階にあったリトルマガジン・コーナーにもない極マイナーでとんがった雑誌やパンフレットが山積みだった。ここをパリのシェイクスピア&カンパニーや上海の内山書店と比べてはおおげさ。それでも大きく見ればその一角とはいえる。◉すぐそばの新宿通りを二丁目仲通りに向けて渡ると、その角にはマンガ喫茶のはしり「コボタン」、「新宿プレイガイド・ジャーナル」の編集室、はては赤軍系の救援組織「モップル社」まで隣り合わせている。◉さらに三丁目に行くと「風月堂」や「ウィーン」、「らんぶる」はもちろん、街中に広がるジャズ喫茶、芝居屋や音楽屋、出版関係者の集まる飲み屋にはすべて自費出版の雑誌や詩集、機関紙の類いが置かれていたからだ。◉地下道に立ってパンフレットを売る者たちもいた。神保町や京都のような大学街の雰囲気とも違う。猥雑というより猥褻な歓楽街の生々しさの中にあった。この一点が「模索舎+シコシコ」なんである。◉ぼくらの高校は仲間の一人だった坂本龍一が世を去って、またなにかと取り上げられている。さして華々しくもない闘争の顚末に責任を感じ、その体験を生き続けた者には、これがどうも気恥ずかしい。◉小林哲夫さんの『高校紛争』(中公新書)で取材を受けた時にも、「有名になった人もいるので、実質以上にクローズアップされすぎている」と控えめに話したものだ。◉占拠や逮捕にいたるのが難しい工業高校や商業高校も取り上げては――とアドバイスしたのは、水商売労働者が通う定時制があったからだ。思えばこのすこし前、定時制にさえ行けない永山則夫も歌舞伎町で働いていた。〈つづく〉
寄せていただいた応援メッセージの中の心に残る一節を紹介します(前編、15名・敬称略)。大尾侑子(東京経済大学准教授)「ミニコミには弱き者の強さ、強き者の弱さが刻まれている。それは私たち自身の声だ」清田義昭(元出版ニュース社「「出版、表現の自由は流通の自由である」を50年実践している書店です。多様な出版の基本の思想であるとおもいます」中村隆之(早稲田大学法学学術院教授)「さまざまな運動に関わる人々の記憶が詰まった、それ自体が抵抗であるようなこの場所の記録が編まれるのを切望します」池内文平(「山谷」制作上映委員会)「この50年余、今も模索舎に行って世界への「抜け穴」を探している」木村元彦(ジャーナリスト)「模索舎の歴史は極右から極左まで、それこそ多様な人間の歴史」毛利嘉孝(東京藝術大学教授)「模索舎は今世界で何が起きているのか教えてくれる重要な窓であり続けている」酒井隆史(大阪公立大学教員)「いまでも日本で一番大切な「書店」ですし、まだまだ大事な役目は終わっていません」南陀楼綾繁(ライター・編集者)「簡単に情報が手に入るようになったいまでも、模索舎の本棚には初めて見る本が並ぶ。自分の無知を確認するために、年に何度かこの店に足を運ぶのです」神長恒一(だめ連)「友人たちが作ったミニコミが売られていた。そして交流のとき感想を言いあう。ミニコミとムーブメントと模索舎が共にあった。ぼくらのミニコミ青春時代!」栗原康(アナキズム研究)「カネや業績なんて関係なく、好きなことを好きなように表現していいんだとおしえてもらった場所です」大原哲夫(編集者)「「出版の自由は、流通の自由をもって初めて保障される」模索舎の50年は、この理念を実践してきたものでした」中山亜弓(書店タコシェ代表)「オルタナティヴコミックやサブカルチャーのジャンルで模索舎さんみたいになれたらとイメージし、30年間その背中を見てきました」香山哲(漫画家)「「人気や売り上げとは関係なく、自主制作の冊子を取り扱う」という貴重な基準を持つ模索舎に、ずっと自分は助けられてきました。様々な人々や活動をたくさん知ることもできました」池上善彦(元「現代思想」編集長)「あの狭い空間は、人間が文章を書き、カットを刻み、編集するという行為の豊かさを見せつけてくれる場だ」深田卓(インパクト出版会)「私的パンフから党派機関紙まで、言いたいこと、伝えたいことの詰め込まれた紙々が集まってくるのが模索舎です。その50年は紙メディアの現代史、刊行が楽しみです」木瀬貴吉(ころから代表)「「書店のセレクトショップ化」が流行りだけど、「セレクトしない」ことが模索舎の真骨頂。だからこそ、あの狭い本屋が底なしの深淵な表現空間になりえる」真摯なメッセージありがとうございました。