中塗作業の復活に続いて、下地塗と研物の作業も始めております。地震前の下地塗と研物の作業場は建物の損壊により使用できなくなったので、以前ショールームだった部屋を片付けて、一時的に作業部屋としました。下地塗に使う漆を調合していますこちらは研物の作業です埃の出る作業もときどきあるので、アルミサッシを改造して即席の換気扇も設置しました。約3ヶ月ぶりに漆の仕事に戻った職人は、最初は手の感覚に若干戸惑いを感じたそうですが、懐かしい漆の匂いを嗅いでいるうちにすぐに取り戻して、以前のように上手く作業ができたそうです。出社できる職人はまだ半分ほどですが、これで最終の上塗以外の塗り工程は何とか復活することができました。上塗も来月には始めることができるように準備を進めています。
地震のあと生産が止まっていた工房ですが、ようやく工程の一部を再開しました。こちらは上塗室です。揺れで損傷した塗師風呂(漆を固化させるために入れる室)を修復し、室内の粉塵をきれいに掃除した後、埃が落ち着くのを待ってから試験的に塗りの作業を行いました。上塗室は温度や湿度の管理が肝心な上に、職人は長年の経験からそこに自らの感覚をプラスして漆の乾き具合を調整します。建物が大きく揺れた上に時間が空いて上塗室の環境がリセットされたので、すぐに最終工程の上塗はせず、途中工程の中塗から始めました。中塗をした品ものの具合を確認していますこの後徐々に感覚を慣らして様子をみながら、上塗も本格的に始めていきます。
本日当社もようやく上水道が復旧しました!まだ飲用にはできないそうですが、これでトイレは普通に使えるようになりました。悪天候の中、会社の上水道工事をしていただいています地震後、全国から道路・電気・水道その他インフラ工事、また自治体の業務支援など、多くの方々が救援のために能登に入り、復旧作業にあたられています。日本各地の地名が入った給水車やトイレカー、県外ナンバーの作業車も多く見かけ、スーパーに買い物に行くと各地のお国訛りも聞こえてきます。地元だけではどうにもならない状況の中で、日本中から集まったご支援が復興へのたいへん大きな力となっています。こちらの写真は、工房内の消火設備の復旧作業の様子です。地震の揺れで固定金具が外れて前に倒れてしまっていたのですが、元の位置に起こして復旧作業をしていただきました。多くの皆様のおかげで、ライフラインも正常に戻りつつあります。大変な作業をしていただいている皆様へ、この場をお借りして心より御礼申し上げます。
工房内で無事だった製作中の品物を見つけると、とても嬉しくなります!こちらは胴張型汁椀の木地。下地塗工程の木地固め→木地磨きまで進めていました。屋根の損壊でひどい雨漏りがあったため少し濡れていましたが、木地は傷や割れもなく無事でした。この後布着せ、下地塗から始め、塗りと研ぎを何度も繰り返して仕上げていきます。完成すると、こちらの商品になります。1日も早くお客様の元へ届けられるよう、工房の復旧を急いでいきたいと思います。
リターン品として、新たに「ひこばえカップ」を追加いたしました。思わず両手で包み込みたくなる、コロンとした愛らしいかたちのカップです。「ひこばえ」とは、樹木の切り株や根元から新たに生えてくる若芽です。こちらは弊社の2024年度の新作としてご用意する予定だったものですが、震災からの復活と命の再生への願いを込めて、「ひこばえカップ」と名づけました。内側は白塗り、外はピンク・洗朱(オレンジ色)・常盤(深緑)の3色です。この3色は植物の色(ピンクは花、洗朱は実、常盤は葉)を表しています。また当社では1997年から岩手県二戸市浄法寺で漆の木の植栽をしており、その漆山で採れた漆を使用しています。採取が終わった漆の木は秋に切り倒されますが、その木から新たに生えてくる「ひこばえ」を大切に育て、10数年後にまた採取できるようにする「萌芽更新」の作業を行います。「ひこばえカップ」の名には、日本の漆の森の再生への願いも込められています。岩手県浄法寺、当社の漆山にて*この商品はまだ完成品がありませんので、掲載した商品の画像はCGイメージです。そのため実際の商品と色味や質感が若干異なる場合があります。【サイズ】φ80*h80【木地】天然木【塗料】漆塗り





