VOLCANO MIRROR(ボルケーノ ミラー)は、熊本県立盲学校アンサンブル部のために冨田篤先生(J.グラステイル)が提供してくださった楽曲です。令和5年度の全国高等学校総合文化祭鹿児島大会でも演奏しました。今回は、当時の練習演奏をお聞きください。#アンサンブル部 #ボルケーノミラー #熊本県立盲学校 #グラステイル #冨田篤 #盲学校
昨日の続き。令和2年度全国盲学校弁論大会で発表した弁論の後編です。お読みください。「呼吸(ブレス)を感じて」(後編) 熊本県立盲学校3年 私は今までにも、自分が周りに迷惑をかけていることや周りの人たちの気持ちに気づかないことが何度もありました。この時は、何日も練習を休んでいるのに、それを気にしている様子もない私を見かねて、担任の先生が、今は新曲を覚え、仕上げていくという大事な時期だということ。私が休むことによって、みんなはパート練習しかできないでいること。みんな内心焦っていることなどを、丁寧に説明され、「そんなみんなの気持ち、分かりますか」とたずねられました。初めはその言葉の意味をすぐには理解することができなかった私ですが、一つ一つ整理しながら考えた時、メンバーの焦りとイライラはどんなだっただろうという考えに至り、申し訳なさと、こんな私に普段通りに接してくれたメンバーに対して、感謝の気持ちでいっぱいになりました。そして、このメンバーとならどんなことでも乗りこえられる、という自信のようなものがついてきたのです。 私たちは昨年、盲学校としては十一年ぶりにアンサンブルコンテストに参加しました。「このメンバーで、やれるところまで挑戦したい」という全員の気持ちからの出場でした。演奏する曲は「ボルケーノミラー」。私たちのために書き下ろしていただいた曲です。当然ながら見本となる演奏はありません。私たちは顧問の先生から楽譜を読んでいただき曲を覚えながら、毎日練習していきました。県大会では決して満足のいく演奏ではありませんでしたが、九州大会の切符をいただくことができました。それからの私たちは個々に描いていた曲のイメージを出し合いながら、「映像が浮かぶような音を届けたい」との思いで必死でした。時には意見が合わず、苦しい時期もありましたが、どうにか満足のいく演奏ができ始めた九州大会前日の事。作曲者の先生が来校され、細かいアドバイスと修正をして下さいました。指導の中で特に印象に残っている言葉があります。「意思のない音ほど面白くないものはない。」頭の中でこの言葉が何度もこだまし、「意思を持った音とは・・」と、一人一人が神経を研ぎ澄まし、メンバーの息づかいや奏でる音を感じながら、「曲の持つ世界観を表現したい」と必死でした。そして九州大会、全国大会へと進む中、今までに味わったことのない感動、「演奏の醍醐味とはこういうことなんだ」と感じられる演奏ができてきたのでした。まさに、「アンサンブルとは演奏の調和。」だったのです。 現在、アンサンブル部の部員は七人。残り少ない部活動生活ですが、私はここで学んだことを生涯の宝物として生きていきたいと思います。
今回は、令和元年度全国盲学校弁論大会に出場した卒業生の弁論を2回に分けて掲載します。まずは前編をお読みください。「呼吸(ブレス)を感じて」 熊本県立盲学校3年 みなさんは、「アンサンブル」という言葉を聞いたことがありますか。音楽用語では、「少人数での演奏の調和」を言います。私の学校には「アンサンブル部」という、打楽器を演奏する部があります。私は音楽が大好きで、以前から興味を持っていましたので、入学するとすぐに見学しに行きました。しかし、部員数は現在4人と聞いて、「少ない人数でどんな演奏ができるんだろう。そんなにたいしたことはないんだろうな。」と、内心、高をくくっていました。何しろ、私の出身中学校では、吹奏楽部の部員数は軽く50人は超えており、彼らの演奏は迫力に満ちていました。そんな演奏を日頃から聴いていた私にとって、たった4人での演奏というのは、想像ができなかったのです。しかし、演奏が始まるやいなや、私の考えはすぐに吹き飛んでしまいました。身体の芯まで響き、揺り動かされるような、何とも言えない迫力を感じた演奏だったのです。私は圧倒されながらも、「自分もこの部に入りたい。」と思い、希望に燃えて入部したのでした。 私たちの練習は、まず、聴くことから始まります。曲を聴いてイメージをつかみ、正しい演奏ができるまで、反復練習を繰り返えすのです。ある程度合ってきたら、今度は、曲に感情を込めて演奏していきます。これがなかなか難しく、自分としては感情を込めて演奏しているつもりでも、先生は「もっと、もっと、上げて、上げて。」と鼓舞されます。「自分は精一杯やってるよ。これ以上無理だよ。」と思うこともしばしばです。 私たちの演奏には、指揮者はいません。最初のブレスを聴いてタイミングを取り、演奏を始めます。そして、メンバーの呼吸や息づかいを感じながら何度も練習するのですが、なかなか思うような演奏になることはありません。でも、今までに数えるほどではありますが、ぴったり息が合い、完璧と思える演奏となった経験があります。演奏後、私は身震いするほどの感動がこみ上げ、この瞬間を、このメンバーたちと共有できた喜びでいっぱいになりました。 そんな私ですが、自分の不摂生から体調をくずして、何日も練習を休んだことがありました。しかも、それは、総文祭でのステージ発表まで1ケ月を切った時でした。私は、「風邪だから仕方ないや」くらいで、特に練習を休むことにも、それほどためらいもありませんでした。 …………続く…………
5年前(2019年3月22日)に取材を受けた動画を見つけました。朝日新聞デジタルのYouTube動画です。『映像浮かぶ音届けたい』金賞を受賞した全国アンサンブルコンテスト出場直前の取材です。先輩たちの全国大会に向けての意気込みがわかります。
これまでの、アンサンブル部の主な実績をまとめてみました。【全国高等学校総合文化祭出場】(※県予選で金賞を受賞し、県代表として出場)○平成14年 神奈川大会○平成27年 滋賀びわこ大会○令和元年 2019さが大会 ○令和5年 2023かごしま大会 ○令和6年 2024ぎふ大会 令和6年8月4日(日)~8月5日(月)/岐阜市開催会場 長良川国際会議場皆さんのご支援お陰で、岐阜県まで自分たちの楽器を運搬する事ができます【全国アンサンブルコンテスト出場】○平成17年 第28回全日本アンサンブルコンテスト 大学の部 成績:金賞○平成20年 第31回全日本アンサンブルコンテスト 大学の部 成績:金賞○平成30年 第44回九州アンサンブルコンテスト熊本支部 高等学校の部支部予選成績:金賞、出田賞(出場団体最優秀賞)第44回九州アンサンブルコンテスト県代表推薦○平成31年 第44回九州アンサンブルコンテスト 高等学校の部地区予選 成績:金賞、第42回全日本アンサンブルコンテスト 九州地区代表推薦○平成31年 第42回全日本アンサンブルコンテスト 高等学校の部 成績:金賞【九州盲学校音楽大会グランプリ賞】○平成17年宮崎大会○平成19年福岡大会○平成21年長崎大会○平成25年大分大会○平成27年佐賀大会○平成29年宮崎大会○令和5年長崎大会伝統を受け継ぎ、多くの方の心に響く演奏ができるよう頑張ります。