長岡の美しい花火は、誰かを想う心。食も、人も、この花火も8月2日、3日は長岡花火。その冒頭に必ず打ち上がる「白菊」は、戦争で焼け野原になった長岡が、慰霊と復興、そして平和を願って打ち上げてきた特別な花火です。震災復興を祈るフェニックス花火、昔から見てきた三尺玉。どの花火も魅力的だけど、僕が一番好きなのは、「白菊」。長岡花火がなぜ美しいのか。それは、ただスケールが大きいからじゃない。誰かを想う気持ちが込められているから、心を打つ。長岡は、世界屈指の豪雪都市。昔は、ひとりじゃ生きていけなかったから、助け合いの精神が自然と根付いた。それが、この素敵な花火大会を支えてきたんだと思います。この精神は、食文化や暮らしの中にも息づいている。派手さはなくても、そこには、日本らしい美しい暮らしがある。僕は、長岡の食と向き合って約20年。この土地の魅力を考え続けて、たどり着いたのは、雪国の暮らしの中で育まれてきた「人の営み」そのものが美しいということ。味噌などの発酵食品も、その象徴。地域の循環の中で生まれた、当たり前だけど、本質的な豊かさがある。美しさは、人を豊かにする。これからも、食を通じて、この土地に根ざした“美しい暮らし”を、丁寧に伝えていきたい。鈴木






