活動報告 vol.24「医療職のまじめな努力は、本来もっと報われていい。義肢装具士の領域で、その未来が見え始めている。」医療の世界には、どの職種にも“静かで確かな努力”が積み重ねられています。医師、看護師、リハビリ職、歯科技工士、そして義肢装具士。派手さはなくても、目の前の患者さんの人生を支えるために、黙々と、誠実に、技術と知識を積み上げてきた人たちばかりです。私は、医療全体の“供給構造(OS)”を再設計するために、まず 義肢装具士 の領域から実証を始めました。理由はひとつ。医療全体に起きている構造の課題が、もっとも早く・もっとも鮮明に現れる領域だったから。ここを変えられれば、他の医療職にも応用できる。その確信がありました。■ そしていま、確かな光が見え始めています。義肢装具士の求人票掲載カバー率が 80.1% に到達しました。(契約社数ベース)業界の8割がひとつの仕組みに集まる。これは、医療職領域では前例がほとんどありません。現場から届く声も変わってきました。・「地方でも就職先を探しやすくなった」・「学校の負担が減った」・「若手と出会えるようになった」これは、義肢装具士が“まじめに、誠実に”積み重ねてきた努力に社会の光がようやく届き始めた証です。■ 本当は、義肢装具の世界はとても明るい。でも、その光の“通り道”が細すぎた。義肢装具士は努力してきました。技術も文化も誠実さも揃っていました。学生も志を持って入ってきます。患者さんの必要性は増え続けています。でも──・情報が紙のままで届かない・地域に技術者がいない場所が生まれる・若手の孤立で継承が途切れる・制度と評価の道幅があまりにも細い構造が細いだけで、光が届かなくなっていた。だから私は、「義肢装具士のOS」ではなく“医療全体の供給OS”の最初の実証として光の通り道を広げる仕事をしています。義肢装具士は、その一番わかりやすい“起点”であり、ここで実証できれば、他職種へ横展開が可能になる。■ 義肢装具士の世界は、報われるべき世界です。義足で立ち上がる瞬間を支える人。装具で一歩を取り戻す瞬間を支える人。自分の時間も体力も差し出して、誰かの人生を前へ進めてきた人たちです。私は、その“誠実な積み重ね”がもっと正当に評価される社会構造を必ずつくりたい。そしてこれは、義肢装具士だけの話ではありません。■ 医療職全体のOSをつくるための、最初の成功事例が生まれつつある。義肢装具士での80%達成は、「この国の医療人材供給のOSは再設計できる」という実証の第一歩です。ここから、歯科技工士、視能訓練士、リハビリ職、看護、そして医師の領域まで──構造を横断的につなぎなおすことができる。医療現場の“まじめな努力”が正しく報われる社会をつくるために、実証からOSへ、OSから制度へ。静かに、確かに進めていきます。■ 最後に義肢装具士の未来は明るい。そしてその光は、医療全体にも確実に広がっていく。いま起きている変化は、ひとつの職種を救うだけでなく、医療という大きな森全体を支える基盤になる。光はある。必要性もある。誠実な人もいる。足りなかったのは“構造”だけ。その構造を、ひとつずつ再設計していきます。読んでくださり、ありがとうございました。武内佑介ジョブハッピー / 義肢装具士




