活動報告 vol.19「義肢装具士の現実を、まずは私たちから明らかにする」11月20日に行われた参議院厚生労働委員会で、義肢装具士養成校に関する質疑が取り上げられました。その議論を拝見しながら、改めて強く感じたことがあります。それは―「実態が見えないまま、議論だけが進んでしまっている」という構造です。義肢装具士の世界には、まだ誰も把握できていない実態が数多くあります。・義肢装具会社への就職率・国家試験の受験率・卒業後の離職率・3〜5年のキャリア推移本来であれば“基本指標”であるはずの数字でさえ整理されておらず、現場も行政も教育機関も、どうしても推測に頼らざるを得ない状況です。しかしこれは、誰かの怠慢ではありません。医療・福祉・教育が複雑に絡み合う「構造そのもの」が生んだ課題 です。医療は、誰もが誠実に全力で支えている領域です。だからこそ、一気に改革することはできません。だから私は、こう考えています。抜本的改革よりも、まずは “実態の透明化” を進め、事実に基づいて合意形成を重ね、信頼の上で、みんなで前に進んでいくべきだと。ジョブハッピーが最初に取り組むべきことは、大きな声を上げることでも、派手な改革を打ち出すことでもありません。見えない実態を、ひとつずつ、確実に明らかにすること。そして、そのデータを社会全体のために開いていくこと。“小さな透明化” が、未来の医療を大きく変える。私はそう信じています。現在、ジョブハッピーは求人票掲載率 80.1%(契約社数ベース) に到達しました。この数字が 90〜100% に近づくほど、義肢装具士の世界の実態を、客観的に語れるようになります。ここで、もうひとつ強調したいことがあります。業界も、先生方も、協会も、教育機関も、事業所も、そして厚生労働省も、みんな本気で頑張っています。誰もサボっていません。誰も悪くありません。ただ、実態がつかめないから動けないだけです。厚生労働省の制度は、膨大な実態数値を組み合わせて設計された奇跡のような精密な仕組み です。だからこそ、その“軌跡”を業界みんなで取り戻したい。今回の国会の議論を、私は “批判” としてではなく、“自分たちの使命の確認” として受け止めています。私たちは行政と対立したいのではありません。行政・教育機関・事業所・現場の皆さんと、同じ事実に基づいて、一緒に前へ進める未来 をつくりたい。義肢装具士の世界に、透明性という光を灯し、構造をもう一度、みんなで組み立て直す。その最初の一歩を、静かに、しかし確実に踏み出していきます。





