『なぎのえき』癒しと郷愁の物語

孤独に戦い、感情を麻痺させている人へ。 「立派な大人」を演じ続けるのはもう終わりにしませんか。 そこは夕暮れの無人駅。佐賀県唐津市を舞台にした写真とオーディオドラマによる没入型アートです。都会のスピードに疲弊した大人が、いつでも日常から「途中下車」できる癒しのツールをお届けします。

現在の支援総額

48,000

1%

目標金額は2,500,000円

支援者数

8

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2026/06/23に募集を開始し、 8人の支援により 48,000円の資金を集め、 2026/07/31に募集を終了しました

『なぎのえき』癒しと郷愁の物語

現在の支援総額

48,000

1%達成

終了

目標金額2,500,000

支援者数8

このプロジェクトは、2026/06/23に募集を開始し、 8人の支援により 48,000円の資金を集め、 2026/07/31に募集を終了しました

孤独に戦い、感情を麻痺させている人へ。 「立派な大人」を演じ続けるのはもう終わりにしませんか。 そこは夕暮れの無人駅。佐賀県唐津市を舞台にした写真とオーディオドラマによる没入型アートです。都会のスピードに疲弊した大人が、いつでも日常から「途中下車」できる癒しのツールをお届けします。

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高校生の頃の私は、どうかしていた。 いや、恋という名の病に罹った人間は、大抵どこかおかしくなるものだけれど、私の場合は少しばかり方向性が、いや、かなり「物理的」に奇妙だった。 「栞」という名前。それは、私にとって単なるラベルではなかった。ページを閉じる役割、物語の途中を記憶する役割、そして……彼の本に寄り添う役割。そんな使命感のようなものが、私の胸には静かに、しかし熱く燃え盛っていたのだ。(とても重く、面倒な使命感だ)当時の「僕」は、いつも図書室の窓際の席で、埃の舞う西日の中で、古い本の匂いをさせながら、難しそうな文庫本を読んでいた。眼鏡の奥にある、彼と私の家があった、あの小さな「駅」の日常。私は、その光景の中に、どうにかして自分の存在を挟み込みたかった。 彼の視界に入りたい。あわよくば、彼の手が、私の名前と同じ「栞」を手に取る瞬間を、私は……この栞は、目撃したいのだ。(わがままなのは自覚あるが、恋とはそうしたものなのだと数多の書籍から私は学んでいた)そう思った私が目をつけたのは、彼が本のページに挟んでいる栞だった。彼はいつも、書店の味気ない紙の栞を使っていた。 「私の名前は、栞なのに。こんな紙っぺらに、彼の物語の途中を任せるなんて……!」 妙な、しかし熱烈な対抗心が芽生えた私は、彼に近づくための「栞大作戦」を開始した。まずは、彼の好みをリサーチした。彼は太宰治や芥川を好んで読んでいた。 翌日、私は購買で買った焼きそばパン(「焼きそばパン」の包装紙の油汚れは、私の情熱の証だ。綺麗に四角く切り抜くのに、何度失敗したことか……!)を使い、大真面目な顔で、芥川の『蜘蛛の糸』のパロディを書き込んだ手作りの栞を作った。 『地獄の沙汰も栞次第――芥川、私は焼きそばパンの糸(焼きそば)を掴んで、この物語の地獄(図書室)から這い上がりたい。 栞』 彼が席を立った一瞬の隙を突き、そのおかしな栞を彼の机の端にそっと置いて、物陰から司書さんの静かな視線に耐えながら、様子を伺った。 戻ってきた彼は、その栞を拾い上げ、眉をひそめてじっと見つめ……そして、ぷっと吹き出した。(勝った)心の中でガッツポーズをした。それからというもの、私の栞作りはエスカレートした。ある日は、画用紙を電車の切符の形に切り抜き、行き先を「僕の心の駅」にしたベタな栞。経由地には、「青春」「図書室」「そして……」と、恥ずかしいほどのディテールを盛り込んだ。 またある日は、わざと四つ葉のクローバーをこれでもかとラミネートした、やたら分厚くて本が閉じなくなる嫌がらせのような栞。本が「く、苦しい……」と泣いている声が聞こえた(気がした)。 またある日は、太宰の『人間失格』のパロディ。 『間食失格――恥の多い生涯を送ってきました。午前中に購買の焼きそばパンを買い食いしたことを、ここに告白します。 栞』彼は毎回、呆れたように、しかしどこか愛おしそうに笑いながらも、その奇妙な栞たちを筆箱に大切にしまってくれた。その筆箱が、栞たちで膨れ上がり、ついにはチャックが閉まらなくなった様子を、私は静かな満足感とともに眺めていた。あの頃の私は、そんなユーモアあふれる試行錯誤の先に、ただ普通の「幸せ」が待っているのだと信じて疑わなかった。古い本の匂いがする図書室で、彼と共有した、あの静かで、しかし確かに栞が挟まれた時間。いま思うと「絶対にこれは違う」と思うが・・・それがまさか数年後、あの「駅」のホームで、あんなにも激しく、切ない、目を背けたくなるような結末が私たちを待ち受けているなんて、17歳の私はこれっぽっちも知らなかったのだ。確実に、間違いだったと思いながらも「楽しかった」時間であったのは間違いなかった。


「それで、どうなるんですか?」カメラが止まった合間や、打ち合わせのふとした瞬間に、出演者たちから目を輝かせてそう聞かれます。 実は、彼女たちも『なぎのえき』の本当のラストシーンをまだ知りません。今回、皆様にお届けするリターンとして一から書き下ろしている「完全版小説」。 私にとって脚本の執筆は日常ですが、情景や心情を言葉だけで隅々まで描き出す「小説」への挑戦は、これが初めてでした。執筆にあたっては、元編集者や小説家の友人たちに頼り、夜な夜な相談を重ねながら、ひとつひとつの言葉を紡ぎ直してきました。 そうしてようやく書き上げた最終回。原稿を読んだ彼らから、こんな言葉が返ってきたのです。「……鳥肌が立った」プロとして数々の物語に触れてきた彼らの心を震わせた、あの結末。 それを何よりもまず、プロジェクトを応援してくださる皆様と共有したい。その強い想いが、今の私の大きな原動力になっています。思い返せば、私にも憑かれたように物語を欲していた時期がありました。 池袋の大きな書店で、両手で抱えきれないほどの恋愛小説を買い込み、そのまま千葉のホテルに何日も籠って、ただひたすらに活字の波に溺れ、読み漁っていた日々。あの時、私の心に蓄積された無数の「切なさ」や「愛おしさ」の欠片が、長い時間を経て、ついに『なぎのえき』というひとつの物語として結実しました。 書き上げた瞬間の、胸を突き抜けるような青空のような喜びと興奮が、今の私を真っ直ぐに突き動かしています。プロジェクトは、いよいよラストスパートです。演じる彼女たちすらまだ知らない、なぎと先生の「真の結末」。 海風が吹き抜けるその駅で、二人は最後にどんな答えを出すのでしょうか。どうか皆様と一緒に、この切なくも激しい『なぎのえき』への旅に出たい。 心からの感謝とともに、皆様のご乗車をお待ちしております。プロデューサー・篠原#なぎのえき #クラウドファンディング #ラストスパート #完全版小説#エンタメ #唐津 #地方創生 #桜乃遥香 #癒やし #純愛


プロデューサーの篠原です。 プロジェクトがいよいよ佳境を迎える中、今日は少しだけ、私の個人的な葛藤と「気づき」についてお話しさせてください。正直に打ち明けます。 時々、どうしようもなく自信を失いそうになる夜があります。ふと周囲を見渡せば、他の企業やクリエイターたちが様々な広がりを見せ、華々しい成果を上げている。それを見るたびに、「果たして自分はうまくやれているのだろうか」「彼らのような広がりを作れているのだろうか」と、足元がぐらつくような不安に襲われるのです。私を救い、突き動かすものしかし、そんな不安に押しつぶされそうになる自分をいつも癒し、再び立ち上がらせてくれるのは、他でもない『なぎのえき』という作品そのものでした。今回、リターンとして完全版小説を一から書き進めています。 キーボードを叩き、なぎの痛みに触れ、登場人物たちの人生の奥底を覗き込む。彼らの感情と向き合うたびに、私の内側から説明のつかないほどの強烈な「Power(熱量)」が湧き上がってくるのを感じます。他の誰でもない、彼らが私に「書け」「動け」と励ましてくる。 私自身が創り出したはずの物語に、私自身が圧倒的に救われ、行動させられているのです。「休んでいい」から「頑張ることが心地いい」へ実は、このプロジェクトを立ち上げた当初、私が根底に持っていたメッセージは「休んでいいんだよ」というものでした。 現代社会で戦い、傷つき、立ち止まってしまった人たちにとっての一番奥の避難所を作りたい。それが最初の出発点でした。しかし、なぎたちと共に小説という泥臭い世界を走り抜けているうちに、私の中に一つの明確な感情が芽生え始めました。それは、「やるべきことのために、全力で頑張ることがこんなにも心地いい」という感覚です。休むことは絶対に必要です。でも、十分に休んで傷が癒えた後、心から「目指したいこと」「やりたいこと」に出会えたとき、人は再び立ち上がり、前へ進むための強烈な意欲が湧いてくる。そして、そのために行動し、汗をかくこと自体が、えも言われぬ心地よさに変わっていく。『なぎのえき』という作品には、どうやら「目指す場所がある人の心に火をつけ、行動することを心地よくさせる作用」があるようです。私自身が、その最初の一人として証明しています。一緒に、この熱狂の先へ自信を失いそうになる日があっても構わない。 ただ、心が震えるものに出会えたなら、その熱を信じて突き進んでみる。私はこの『完全版小説』に、なぎと「僕」の生々しい純愛だけでなく、私がこの制作を通じて得た「行動するための圧倒的な熱量」をすべて叩き込みました。 何かを目指している人、やりたいことがあるけれど足踏みしている人。そんなあなたの背中を、この物語が強烈に、そして心地よく押してくれるはずです。プロジェクト終了まで、あとわずか。 私と一緒に、この心地よい熱狂の中を走り抜けてくれる「共犯者」をお待ちしています。https://camp-fire.jp/projects/959373/viewどうか、一番奥の避難所で会いましょう。プロデューサー・篠原


プロデューサーの篠原です。 いよいよ、私たちのクラウドファンディングもラストスパートに突入しました。まずはここまで見守り、応援してくださった皆様に、心からの感謝を伝えます。今日は、少しだけ私の「本音」を語らせてください。なぜ今回、終了目前というこのタイミングで、リターンを「脚本」から「完全版小説の書き下ろし」へ大幅にアップグレードするという決断を下したのか。理由はたった一つ。 なぎと「僕」の、あの痛いほどの純愛の結末を、最高の形であなたに「目撃」してほしかったからです。深夜のローカル線。 「私を選んで」と泣き叫び、先生に噛みつくようなキスをして、暗闇の鉄橋へと身を投げ出したなぎ。あのシーンを書き上げ、SNSで公開したとき、私自身の手が震えました。 彼女が抱えていた絶望の深さと、生々しいまでの愛情。それを前にしたとき、「これをト書きとセリフだけの台本形式で渡して終わらせていいのか?」という強烈な葛藤が生まれました。風の音、鉄の軋み、肌の熱、そして二人が行き着く先にある、泥臭くて狂おしいほどの感情のぶつかり合い。 それは、情景描写を限界まで研ぎ澄ませた「小説」という形でなければ、絶対に伝えきれないと確信したのです。だからこそ覚悟を決めました。 皆様に最高の没入感をお約束するため、一から『完全版小説』として結末を書き下ろします。はっきりと言います。 ここから先の展開は、綺麗事では済みません。コンプライアンスや一般向けの配慮をすべてかなぐり捨てた、目を背けたくなるほど生々しい「性と生」の描写が含まれます。オーディオドラマにするとき、俳優たちの演技に向き合う負担はかなりのものだと思います。だからこそ、この【完全版小説(真の結末)】は、将来にわたって一般の書店やウェブサイトに出回ることは絶対にありません。 このクラウドファンディングで「共犯者」になってくれた皆様(【新・5,000円プラン】ご支援者様)だけにお届けする、一番奥の避難所です。エンターテインメントを作る人間として、これほど「絶対に読んでほしい」「後悔はさせない」と強く胸を張れる作品に出会えることは、そう多くありません。また読んでほしいという気持ちは、この世を去った「なぎ」のモデルになった方にも届けたいです。彼女が望んでいた「最高のヒロイン」の姿を描き切るために絶対に必要なことでした。どうか、あの暗闇に消えたなぎの手を、一緒に掴んでください。 彼女たちの物語がどこへ向かうのか。その目で、あなた自身の心で、確かめてほしい。プロジェクト終了まで残りわずか。 皆様からの熱いご乗車を、心より、心よりお待ちしております!


ガタン、ゴトン。規則的にレールを刻む鉄の軋みだけが、深夜のローカル線に響いている。都会の地下鉄や新幹線の無機質な揺れとは違う。その少し荒々しくも一定の揺れは、まるで古いゆりかごのように、僕の胸でささくれ立っていた焦燥感を少しずつなだめていった。窓の外は完全な暗闇だ。流れる景色は何一つ映らない。ただ、真っ黒なガラスの向こうには、ひどく疲れ切った自分の顔だけが幽霊のように浮かんでいる。時折、線路沿いの家々の明かりがその顔の上を通過し、ドップラー効果を伴う踏切の赤い警報機が、僕の虚ろな網膜に痛々しい残像を焼き付けていく。やがて、列車はいつもの駅へと差し掛かった。プラットホームに滑り込み、重いブレーキの音が夜気を切り裂く。プシュゥとドアが開き、僕は立ち上がって降りようとした。しかしその時、ドン、と。強い力が僕の胸を押し戻した。「……なぎ?」見下ろすと、なぎが僕の胸に両手を当てて、通せんぼをするように立っていた。発車ベルが鳴り、ドアが無情に閉じられる。列車は再び、重々しい鉄の軋みを上げて走り出してしまった。なぎは僕を見上げると、いたずらが大成功した子どものように「へへっ」と笑った。僕は「やれやれ」と小さく息を吐き、なぎに手を引かれるまま、誰もいない車両のボックス席へと腰を下ろす。なぎは僕の向かい側ではなく、隣にちょこんと座った。そして、ふてくされたように窓の外の暗闇へ顔を向ける。いつも凪いだ海のように飄々としている彼女が、これほどあからさまな態度をとるのは珍しかった。感情の上下差が激しすぎて、サウナなら整ってしまいそうだ、なんて的外れなことを考える。「……遅いよ」窓ガラスに向けられたまま、ぽつりと声が落ちる。「うん」「しおりんのところに行くんでしょ?」「……うん」「行かないで」蛍光灯が虫の息のように明滅した。「……え……」「このまま、私といてよ」「なぎ……」「ずっと、寂しかった。寂しかったんだ」いつも本心を誤魔化して笑うなぎの、初めて聞くストレートな言葉に僕は戸惑った。彼女の伏せられた長い睫毛の下で、何かが臨界点に達しようとしているのがわかった。「ずっと寂しかったんだよっ!」ドン、と。再び小さな拳が僕の胸を叩いた。それは、彼女が僕の前で初めて見せた、生々しい「激昂」だった。完璧だった彼女の仮面が砕け散り、奥に隠されていた傷口がむき出しになる。「好きだもん! センセーが好きだもんっ!」なぎは僕のネクタイをきつく掴み、僕の顔を真っ直ぐに射抜いた。その瞳には、今まで見たこともない、どす黒く燃え盛るような感情の炎が宿っていた。大粒の涙が、彼女の白い頬を次々と伝い落ちる。「ずっと、ずーっと、センセーの書く物語に住んでいたいって思ってた。センセーの心の中にいたいって……センセーが考える『最高のヒロイン』でいたいって、そう思ってたのに!」「なぎ、違う、僕は――」「違わない!」悲鳴のような声が、列車の轟音を切り裂いた。「私、できること何でもやった。いっぱい走って、どこかわかんないとこ走り抜けて、駅にきた。そして電車に間に合った! しおりんに会いに行くセンセーを止めにきた。センセーを、止めに来たんだ!」なぎは、掴んだ僕のネクタイをぐいっと手前に引き寄せた。次の瞬間、僕の唇に柔らかくも暴力的な熱が押し当てられた。噛みつくようなキス。彼女がどれほどの孤独と絶望をひとりで抱え込み、必死に僕を繋ぎ止めようとしていたのかが、その痛みを伴う口付けから暴力的なまでの質量を持って伝わってくる。唇が離れると、彼女は荒い息を吐きながら僕を睨みつけた。「もう、栞に会わないで。私を選んで!」「ずっと、私を描いて……っ!」なぎは僕のネクタイを掴んだまま立ち上がり、ぐいぐいと僕を列車の最後尾へと引き摺っていく。暗い車内をよろめきながら歩く。やがて最後尾のドアの前に着くと、なぎはようやく僕のネクタイから手を離した。窓の外から、ゴォォォという低い風鳴りが聞こえ始めた。列車は大河を渡る巨大な鉄橋に差し掛かっていた。なぎは僕の目を、ただ静かに見つめ返した。さっきまでの激しい涙も怒りも嘘のように消え、そこにあるのは、この世に僕しか存在しないかのような、透明で絶対的な眼差しだった。いや、今のなぎにとって、本当にそれしか存在しないのだ。「愛してる。愛してるんだ」呪いのように、あるいは祈りのように。その決定的な言葉を零した次の瞬間だった。ガチャン、と硬質な音が響いた。非常用のコックが引かれる。なぎは走行中の列車のドアを開け放った。車内に吹き込んだ夜の暴風が、彼女の髪を狂ったように巻き上げる。暗黒の闇と、眼下を流れる大河の轟音が、ぽっかりと開いた口で彼女を飲み込もうとしていた。なぎは、夜の風にふわりと舞うように、その細い身体をあっさりと闇の中へ投げ出した。「なぎっ!!」僕は喉が千切れるほど彼女の名前を叫び、暗黒に向かって手を伸ばした。一瞬で、宙を舞っていたなぎの輪郭は、完全な暗闇の中へと消え去った。僕は――この続きはリターンの電子書籍『なぎのえき【最終完全版】』でお楽しみください。ショートストーリー2編を含む、『なぎのえき【最終完全版】』はこのクラウドファンディングのみの提供となります。


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