キュレーターの小倉ヒラクです。『Japan Fermented Food Catalog 日本の発酵を世界へ!』 クラウドファンディングにご支援いただきました皆さま、どうもありがとうございます。皆さまから頂いた393,500円は、渋谷ヒカリエd47 MUSEUMの展覧会”Fermentation Tourism Nippon”の英訳およびバイリンガルのカタログ制作に大切に!使わせていただきます。キャッチの写真のように、展示ボードに英語の表記が入ります。複数の翻訳者+複数のネイティブチェッカーというめちゃ贅沢なチームによって仕上げられたリーダブルな翻訳となりました。展覧会初日からたくさんの海外のお客さんが足を運んでくれて、しかもみんな滞在時間がめちゃくちゃ長い!一時間半くらいずっと熱心に展示を見続けて、それでも最後まで見きれず残念そうに会場を去ったグループも。「わっ、これも味噌なんだ!」「ええっ、こんなものも発酵させるの!」と興味津々で見てもらっています。これも支援してくれた皆さまのおかげです。本当にどうもありがとうございます。なお、カタログも鋭意製作中で5月半ばには会場にでお目見えします。けっこうなボリュームの冊子になるのですが、なるべく多くの人に気軽に手にとってもらえるようワンコイン以内で買えるようにします(これもクラファンの支援のおかげです)・改めましてどうもありがとうございます。事務局から順次リターンの連絡をいたしますので、しばしお待ちくださいませ。小倉ヒラクより 御礼まで
展覧会キュレーターの小倉ヒラクです。渋谷ヒカリエ"Fermentation Tourism Nippon"展、いよいよ明日開催です。そして展覧会を海外発信するためのクラファンも最終日です。一人でも多くの方に支援してもらうべく、改めてこの企画の意義をお伝えします。発酵文化は、日本で生きた人々の記憶の方舟。海、山、街、島。日本の各地に受け継がれた多種多様な発酵文化。穀物にカビをつけ、杉と竹でつくった巨大な桶で穀物を酒や調味料に醸し、それを船に載せて日本列島、朝鮮半島や中国にまで運んでいく。山に囲まれた集落、断崖絶壁の孤島、都から落ち延びてきた一族が逃げ込んだ辺境。外から何も持ってこれない環境で、限られた資源を加工して生き延びていく。発酵文化を紐解くということは、日本に生きる人々の歴史を辿るということ。生き延びる知恵を、見えない生命・微生物に学び、コミュニティをつくり、文化をつくってきた。厳しい制限のなかで紡がれてきた驚くべき多様性と創造性。これをみんなに伝えること。僕が今回の展覧会でやりたかったこと、もっと言えば、全国で出会った人々から託されたバトンです。きっかけは展覧会の事務局長、D&DEPARTEMENT黒江美穂さんとの出会いでした。最初は二人から。そして一年半が経ち、1000人をはるかに超える人達に応援してもらって、大きなスケールの展覧会を開催するところまで辿り着きました。ただいま絶賛設営中でヘロヘロなのですが、皆さまに「もう一つの日本の姿」をお見せすることができる実感が湧いてきています。僕たち一人ひとりの中に流れている、見えない物語。自分の生まれた土地に眠っている、暮らしの記憶。展示を見ながら、本を読みながらどうぞ自分に問いかけてみてください。発酵は、記憶の方舟。そして未来に漕ぎ出すための船。未来への船出にどうぞ立ち会ってください。小倉ヒラクより(あ、クラウドファンディングの支援お願いします…!なにとぞ…!)
みなさまこんにちはー!運営チームです。平成最後の木曜日(!)いかがお過ごしでしょう?知られざる47都道府県のユニークな発酵文化の素晴らしさを世界へ発信したい!4月開催渋谷ヒカリエの展覧会を世界中の人が楽しめるよう英語化します!こちらのクラウドファウンディングも本日最終日です!あらためて最後の応援よろしくお願いします!そ!し!て!クラウドファウンディング最終日&展覧会スタート前日の設営生中継!ライブ配信を行います〜〜〜〜〜。時間:4/25(木)21:00-24:00こちらのページまたはFacebookページからお知らせしますのでお楽しみに!最後までよろしくお願いします!!!!!!!
展覧会キュレーターの小倉ヒラクです。いよいよ、展覧会まで残り2日!そして制作チーム一同本日から会場に入って設営や準備作業中です。…で、皆さまにお伝えしたいことが…!!守口漬けの復活に成功しました!!!昨年11月にNHK『ごごナマ』で放送された大阪守口の珍道中を見た人ならわかるはず。失われた大阪の郷土食『守口漬け』。江戸時代以前から作られていたであろうオリジナルレシピを発掘し、大阪から収穫したての守口大根をゲットしてうちのラボに持ち帰り、今年はじめから漬け込みスタートしていました。守口漬けついてはこちらそして。今日、展覧会の食堂チームで守口漬けを試食してみました。愛知出身で守口漬を知っているスタッフさんから、「ばっちり守口漬けです!!」とピースサインが。まだ漬けが浅くて皮が硬いのですが、おそらく展覧会期中にいい感じに熟成して美味しくなるでしょう。ついに…数十年の時を超えて、オリジナル守口漬けが復活!やったぜ!なお今回の渋谷ヒカリエの展覧会"Fermentation Tourism Nippon"では、幻のレシピをいくつか自らの手で再現しています。・大阪守口の細長い大根の酒粕漬け『守口漬け』・山形鶴岡の不思議なきゅうりのピクルス『煎じきうり』・青森十和田の納豆×麹×乳酸発酵の『ごど』の3つは復元に成功しました。ごどに至っては、5月半ばくらいまで会場併設のd47食堂で実際に食べることができます。単なる展示だけじゃ終わらない!レシピまで再現して実際に食べられる。見ても食べても楽しい"Fermentation Tourism Nippon"展、どうぞよろしくおねがいします。そして!残り2日となったクラウドファンディングもどうぞご支援を…!
展覧会キュレーターの小倉ヒラクです。渋谷ヒカリエ ”Fermentation Tourism Nippon” 開催まであと3日となりました。そして同時にこのクラウドファンディングも終了まであと3日!と大詰めなのでここでなぜこのプロジェクトをやっているのか改めてお伝えします。▶海外で感じた発酵の熱↑ハンガリーでの味噌づくりワークショップ↑僕ここ数年、海外の活動が増えてきています。ハンガリーでの国際プロバイオティクス学会への招待をきっかけに、海外でワークショップや講演をしたり、共同研究をする機会が増えていきました。他にも中国や台湾、オーストラリア等からも「日本の発酵について教えてほしいんだけど」というオファーを受け取りました。要はだな。今海外で日本の発酵文化への関心が高まっているんです。理由はこれ!とは確実には言えないんだけど、和食ブームが一巡して海外の食の専門家たちが「よりディープな食文化を知りたい…!」となった時に、どうもその核には発酵という存在があるらしいぞ、ということになっている感じなんですね。▶プレゼンしたら、反応がスゴいことに写真は六本木ヒルズアカデミーでの国際フォーラム"Innovative City Forum 2018"。タイのドゥアンチャイ・ロータナワニットさんとの楽しいセッションでした。記事はこちら日本に住む人にはおなじみの麹を使った醸造文化。これ例えばヨーロッパ行くと全然なじみのないもの。甘みや酸味が融合した不思議な味わいや特徴的な旨味、そして脂や動物性タンパクを使わずにリッチさを作り出す発酵調味料の技法。僕たちにとっての「当たり前」が海外に行くとミステリアスに見える。「ヒラク君なんでなんで?教えて〜!!」というリクエストに、僕の著書『発酵文化人類学』の内容をリミックスして、単なる料理法だけではなくて生物学や歴史、文化的背景から紐解いて話をするとビックリするぐらい大盛況。色んな土地で色んな国の人とコミュニケーションしてみて、「日本の発酵文化って、スゴい可能性が眠っているのかもしれない…」という実感があったんですね。▶展覧会を海外の人に見てほしい!さてそんなタイミングで準備が始まった渋谷ヒカリエの展覧会"Fermentation Tourism Nippon"展。構想段階の時点で海外の友人たちに「こんなことやるんだけど…」と話したら「ええ〜それは海外の人も見られるようにしなよ!」という反応。実際英語でプレスリリースを出したら、その友人たちがSNSで展覧会のことをお知らせしてくれました。今回の展覧会は、日本酒や醤油など海外でも知られているものだけではなく、日本にいる人の大半が知らないようなローカル発酵文化をたくさん取り扱います。これは実は海外の人たちの「よりディープに日本の食文化を知りたい!」というニーズに合致しているのではないか…?よし。これはもう日英バイリンガルにして、海外の人にも見てもらうしかない…!と決意し、腕利きの翻訳ディレクターの柳澤円さんにお願いして翻訳プロジェクトがスタート。詳しくはこのクラウドファンディングページの詳細を見てもらいたいのですが、膨大な展覧会の情報を日英併記に。さらに日英バイリンガルのカタログも制作します。これはつまり、日本の発酵文化を体系化し、さらにそれを海外の人向けにもアーカイブする、というチャレンジなのです。▶翻訳してみて気づいた課題あれこれそして47都道府県の発酵文化の概説と作り方をひたすら翻訳しまくる作業をはじめてみると、出てくる出てくる色んな課題が!翻訳チームの円さん「醤油は Shoyu にしますか、Soy sauce にしますか? 」「漬物は Zuke に統一しますか?それとも Pickles にしますか?」「麹菌は Koji-moldでいいですか?海外の愛好家は Koji-Kin って呼んでますけど?」などなど、文明開化で海外の文化が入ってきた時に日本人が直面したような「さてこれどうしたもんか?」的な正解のない問いが山のように。展覧会直前にしてようやく翻訳の目処がついたのですが、これはもしかしたら「日本の発酵を英語化する」という意味で、一つの記念すべきマイルストーンになるのではないかしら。円さん、ありがとう〜▶意義を感じた人は、どうぞご支援を!ということで。当初プランに入っていなかった翻訳作業をやり遂げるために「展覧会を海外発信する」というクラウドファンディングを立ち上げたのでした。このプロジェクトへの支援金は、翻訳作業とバイリンガルのカタログの制作に使われます。達成したらトントン。達成しなかったら自腹!意義を感じた方はどうぞご支援くださいませ〜。そしてちょっと予告。今年の6月には、パリ〜東欧〜スペインを巡る僕の著書『発酵文化人類学』の講演会ツアーが始まります。その時に、このプロジェクトでできたカタログと展示資料を持ってヨーロッパまわってきまーす(ちなみに今年は僕の本の中国語版も出る予定なので、アジアにも行ってきまーす)。海外に…日本の発酵文化に深入りしたい人、たくさんいるよ…!