上のジュエルっ子の絵。 皆さんには、男の子に見えますか?女の子に見えますか? ****** 濱田アキがお送りします。 『対話型原画展』が明日に迫って来ました。 私は『楽園』という言葉が好きです。 私は、何もないところから形のないものを創りあげることが好きです。 逆に、既存で形のあるものにあまり興味を持つことができません。 そのような性質なので、試行錯誤が多過ぎて自分が一体何をやろうとしているのか分からなくなることが多々あります。(この『ジュエルっ子プロジェクト』もそうです・笑) そんな時、私は『楽園』という言葉を思い出します。 私は『楽園』を創り出そうとしているんだ。 私は『楽園』を体験したいんだ。 これを思い出した瞬間、心がシャキッとするのです。 『楽園』は私にとって、ポジティブなこともネガティブなことも混ざり合って、だからこそ味わい深くうっとりするような至福の場所(イメージが伝わるでしょうか)です。 ずっと私の灯台となっている言葉です。 私はいつも『楽園』の方向を向いて活動をしているのです。 では、『性的少数者支援』という観点からは、何が『楽園』となるのでしょうか。 今年2月に開催した『対話型原画展』では、私にとって『楽園』と呼ぶべき体験がありました。 犬飼の絵の中でも人気の高い、来場者のほとんどを魅了したジュエルっ子登場シーン。(上の写真です(部分ですが)) その絵の前に来場者様が数名集まっていました。 様々なマイノリティをお持ちの方かも知れません(特にご自分のことを明かす必要はありません) みんなで何を話しているのかと言えば、そのジュエルっ子が男の子に見えるか女の子に見えるかという内容だったのです。 もちろんそこに結論はありませんので、ただ、ああだ、こうだとワイワイと。 ただ、男の子か女の子かということだけで、そんなに盛り上がる?? と、びっくりしました。 いや、でも、皆さん、とにかくとても楽しそうです。 しかも、輪の中に作者の犬飼がいます(笑) このジュエルっ子の絵を描くのは、犬飼自身とても苦労をしたようで、そんなお話も来場者様には楽しいようでした。 この時私は、その場を『楽園』と感じたのです。 性別のあいまいさを心から楽しんでいる様子。 私にとっては奇跡のような場だったのです。 性的少数者のことばかり考えていた10年。 同性婚。 パートナーの性別変更。 知らず知らず、性別について思い詰めて深刻になり過ぎていたような気がします。 私自身が性別の揺らぎを楽しめていなかったのです。 この楽園を感じた時、私は「助けられた」と感じました。 人がそばにいる感覚をありありと感じることができ、私の中の『ひとりぼっち』は、確かに救済されたのです。 すぐに「この手法はとってもいいことに違いない」と思いました。 私にとって『対話』とは、その場に『楽園』を創り出すこと。 深刻さを軽く軽くして行くこと。 そして私にとって『人を救済する』とは、自分がどれだけ救済されるのか、ということなのです。 それが、絵を介することによって、簡単に実現されたのでした。 来場者さま、一緒にいてくださってありがとうございました。 そして、『楽園』を創り出してくれた犬飼にも心から感謝しています。
『絵本・ジュエルっ子物語』の「対話型原画展」 ~クラウドファンディング中デモンストレーション~ 2016年7月2日(土) 10時~18時(入退場自由)草津 出会いのひろば 濱田アキの絵本の朗読と 犬飼美也妃のパフォーマンスアートは 14時スタート!(お茶とお菓子とアフタートーク付) <共催> 出会いのひろば NPO法人草津市心身障害児者連絡協議会 フリータイム(ひきこもりがちな若者のための自立応援事業) 犬飼美也妃の「おえかきワークショップ」もやります ~落書き気分で、自分の気持ちを描いてみよう~ 『ジュエルっ子物語』の絵がどのように描かれたか等おしゃべりしながら 10:00〜13:00位の間で随時 先着8名様 アクリル絵の具・色鉛筆をご準備しています。 アートが深刻さを溶かし町をイキイキさせる 生き辛さを抱えたマイノリティへの援助・心のふれあい・まちづくり こんにちは。 濱田アキがお送りします。 このチャレンジ期間中、『ジュエルっ子プロジェクト』は、本当はいったい何をやろうとしているのか、社会にどのように役立つプロジェクトなのかを考えていました。 これも私の考え方のクセなのですが(『ジュエルっ子物語』主人公アキと同じ性質です)、たくさんある答えでは満足できなくて、たったひとつの核となる答えを導き出したいんです。 この考え方は、苦しくて辛くて親からでさえ心配される性質でした(笑) でもダメなんです。突き詰めて考えてしまうんですね。 『ジュエルっ子プロジェクト』は、私にとって「とってもいいこと」です。 期間中にお会いした沢山の方との関わりを思い出し、自分の心にもリンクさせ、その「いいこと」の内容を整理してみました。 「整理」ってシンプルなんです。 結局は「私が何を欲していたのか」を見つけるだけなんですから(それがまた大変でもあるのですが)。 私には、助けたい方々がいた。 でもちょっぴりしか助けられなかった。 アーティスト犬飼美也妃に出会った。 犬飼にサポートしてもらうと、より沢山の方々を助けられた。 何より、私の心の深刻さが溶けて行った。 私は、 『アートが人の心を溶かす。 アートが心の架け橋になる。 それが、結果的に暮らしやすい町を作る。』 この答えにたどり着いたのです。 このことについては、また別レポートで詳しくお話したいと思います。 だから、7月2日の『対話型原画展』は、アートを思いっきり楽しむ日。 『ジュエルっ子プロジェクト』が、草津の町の中で人と心をふれ合わせ、暮らしやすい町のモデルになれるよう。 皆さま、どうぞふらりとお立ち寄りくださいね。 入退場自由。 町ゆく人も自由に立ち寄る施設です。 私と犬飼も、お茶を飲んだりお昼を食べたりと自由に過ごしています。 お会いできるのを楽しみにしています!
犬飼です。NPO法人草津市心身障害児者連絡協議会が運営している障害福祉センターのセンター長と記念写真。 今週末に行われる、「絵本ジュエルっ子物語原画展」を共催してくださるセンターの事務所がある施設です。ジュエルっ子プロジェクトを立ち上げてすぐの頃から、いろいろ協力してくださっています。 私は、この施設の中でもう、10年近く「楽しいえあそび講座」というのをやらせていただいています。障害を持った子ども優先のボーダレスなえあそび教室です。 この日はそこで、朗読させていただきました。実は、この教室の子ども達は4歳5歳がほとんど。以前、専門の方に話を伺った時、性別への違和感を持っている子は、早い時、4歳くらいから、違和感を感じ始めるそうです。確かに、4歳くらいから、絵にも、女子と男子の違いが見られ始めます。女の子は主に、関係性(お友達と私、お母さんと私、私とお花)などを描き始めますが、男の子は即物的なもの(車、電車、ロケット)などを描きはじめます。それはさておき、ジュエルっ子物語の文章はちょっと大人向きな、心の抽象表現が多いので、今回は、少し噛み砕いて読んでみました。「この子はアキちゃんと言います」から始まって、みんなで自己紹介しあったり、「タクちゃんは、女の子だと思いますか?男の子だと思いますか?」と聞いてみたり。 それぞれ全員に、「あなたは男の子?女の子?」と聞いてみたり。中でも面白かったのは、男の子と女の子の違い。結局、一番違うのは、「おしっこの仕方」というのに行き着いて、男の子の方が簡単そうでいいいって事から、みんな最後は男の子になりたがるという結末。(笑)4歳児5歳児のストライクゾーンにハマってしまった。(笑)それでも最後は、みんな、これから先小学校行ったり、中学校に行ったり、いろんな所で、たくさんのお友達に出会うと思うから、男の子とか、女の子とか、みんなと何かが違うとか、そういうことじゃなくて、みんなの中の宝石や、自分の中の宝石を見つけられるような、素敵なお友達をいっぱい作ろうね!で終わりました。 そして、同じ日の午後から今度は中学生以上の大人のクラス「楽しい美術講座」があります。 こちらも障害を持った方優先ですが、今は半数以上が障害を持っていない、絵を描くことが趣味の私より年上の方々。その中で読ませていただくのは、今までの中で1番緊張したかも。一応、絵画教室なので、読んだ後に、ジュエルっ子の絵の技法の話しも。実はジュエルっ子の絵は、オートマチズムと言われる種類の描き方で、偶然に出来た形からイメージを膨らませて描いているものが幾つかあります。シュールレアリストの絵描きさんが使っていた技法です。絵の具が作り出す。偶然の形や偶然の表情からイメージを膨らますというのは、人間の深層心理を表現するのに向いていると言われていた方法です。私は、アキさんのお話を何回も何回も読みながら、わざとムラがあるように塗った大量の下地をアトリエいっぱいに並べて、その中に何か形が見えてきたものを拾い上げて、絵を描いてゆく、という方法でジュエルっ子物語を描きました。ジュエルっ子の世界は、画面に勝手に浮かび上がってきたのです。この日は、そういう話をしながら、アキさんの文章を読みながら、何か、好きなシーンを描いてみるというワークショップも面白いかもな、と新たなワクワクが浮かびました!やって見たい人、呼んでください!!まずは、今週末の原画展。皆様に会えるの、楽しみにしております!「ジュエルっ子物語 対話型原画展」と「朗読&パフォーマンスライブ」Facebook https://www.facebook.com/events/1757620011128233/ よろしくお願いします。
濱田アキがお送りします。 濱田、チャレンジ期間の折り返しで、少し気持ちが折れかけて来ました。 (応援のお声で元気になります!大丈夫です!) そんな時は、クラウドファンディング仲間(勝手に言ってすみません)に会いに行きましょう。 と、言うわけで、ちょうど最近チャレンジを開始された『近江八幡まちや倶楽部』様で壁の漆喰塗り作業があるというので、参加させていただきました。 クラウドファンデイングチャレンジはこちらです。 私は日頃、LGBT等の性的少数者仲間とか、心理関係とか、限られた分野の中で生活していますので、せっかくのこの期間は、なるべく普段出会うことのない分野の方々と交流したいと思っていました。 今回はその絶好の機会でもありました。 もう少し滋賀県を体験したかったですしね。 さあ、人生初の『近江八幡市』です。 ご一緒した方のご紹介です。 おなじみFAAVO滋賀 宮村利典さま。 この案件の設計等で深く関わっていらっしゃる井上智治さま。 井上さまの京都精華大学での教え子さん、4回生の酒井さま。 私、ただはしゃいで楽しんでいただけ。 悪いオバちゃんですね。 元酒蔵を改装したスペース(約1,500平米!)の宿泊エリア 気品あふれる作りの中にも、秘密基地っぽい楽しみ。お子さまにも喜ばれそうです。 浴槽が何と酒樽!!2~3人余裕で入れます。 酒蔵の一部はそのままにしておくのだそうです。博物館ですね! 屋上から街並みを。左は郵便局です。 昼食をごちそうになり、その後絵本を見ていただきました。 大学生がいらっしゃったので、日常生活をうかがってみました。 もちろん心が元気をなくす時は多々あります。 でも、だからと言って、心の支援・カウンセリングには思い及ばないと。 そりゃそうです。 本当に不思議なことですが、ほとんどの方が「心が元気でいられないのは自分が悪い」と思ってしまうのですよね。 そうして我慢に我慢をしてしまう。 そこにもしマイノリティ(LGBT等)が絡むと、ますます誰とも交流できずに抑え込んでしまう。 いえ、表面上は交流もしているし、元気もある。 ただ、心の一部はどんどん暗闇に閉ざされて行き、自分でも「あー、何だかこのままではまずいなー」と感じていたり。 これって、本当に誰にでもあることですよね。 心がポッキリ折れてしまう前に、例えば日常でふうっと息をついた時にふらりと寄れる場所。(不思議とそういう時には、自分に必要なものに出会いますよね) そういう場になりたい『ジュエルっ子プロジェクト』なのでした。 展覧会のフリをした心の支援の場。 展覧会のフリは、ずっと続けます。 正体を見破らないでくださいね、皆さま(笑) さてさて、人のことを言っている場合ではありません。 心がポッキリ折れそうになっている濱田、『対話』の必要性がありますね 近江八幡を辞した後、草津へ。 約2週間ぶりに犬飼と合流できました。 犬飼は、草津市立障害者福祉センターで、障害を持つ方々向けのアート講座の講師をしています。(犬飼から詳細のレポートがアップされると思います) 今日は念願の講座見学をさせていただきました。 そこで、犬飼が障害をお持ちの方々と接しているところを見て、その対話力に感嘆しました。 私はいつも、言葉だけではなく全身で人と対話をすることの大きな可能性を、犬飼から学ばせてもらっています。 『対話』の力で、人は人として、前へ進んで行ける。 『ジュエルっ子プロジェクト』の大切さも再認識しました。 それより何より・・・ 目標金額50%達成です!ありがとうございます!! 30%達成の時も40%達成の時も犬飼と会うことができなかったので、喜びもひとしおです。 ちなみに『祝50%』の紙ですが、犬飼がその場でさらさらと描いたんです。「かわいくしよう、かわいく」って。アーティストさんって、本当にスゴイのですね(驚) さてさて、その後予定がある犬飼と別れて、もちろん私は『出会いのひろば』へ。 来週は『対話型原画展』開催ですから。 ご挨拶をかねて。(ただ、大好きなだけなんです『出会いのひろば』) たまたま職員さまと2人だけだったので、じっくりと『LGBT』についてのお話をしました。 人はどのきっかけで、自分がセクシャリティの少数者だと気づくのだろう。 それは、何らかの違和感からかも知れない。 私の場合は人を好きになった時に気づいたとお話しました。 これは『LGBT』で言うとしたら『B』の一例かも、と。 私にとっては、異性だけを選んで恋愛することの方が複雑で難しい、とお話しました。 そこからはしばし、恋バナです(笑) 恋のお話なら、少数者だとか関係ないですものね。 共通事項で盛り上がりました。 『対話』ってそんな大層なことではなく、別々の要素で集まった者が、共通事項を見つけて盛り上がり、それが結果的に心にいいことになる。というイメージなんですね。 またもや再認識しました。 『出会いのひろば』では、七夕の短冊を書いて飾ることができます。 参加させていただきましたーー 今日お世話になった方々、本当ありがとうございました。 今後ともよろしくお願いいたします。
犬飼です。写真は2月にやった対話型原画展の様子です。昨日、守山市の障害福祉課へ行って、お話を聞いてもらいました。その中で、たくさんの色々な事情の方の話を聞いてきた窓口の方が、「対話型原画展」というきっかけの作り方が秀逸だと、感心してくれました。自分の問題が明らかにわかっている人には、ちゃんと窓口がある。でも、自分がなぜこんなに生きづらいのかわからない人にとっては、どこに相談すればいいのか、そもそも、相談していいのか、生きづらいのは自分のせいなのか、まさに、主人公アキのような答え探し(いやもしかしたら問題探し?)状態の中にいる。そういう人がいける場として「原画展」というのは、すごく気楽なスタイルに思う。さらに話したくなったら話を聞いてくれる人もいる。なんなら、イベントの日に来て、アフタートークで交流を持つこともできる。いきなり自助グループに行くには、勇気も理由もいる。 でも、そんなの何もなくても、展覧会には行ける。ここには、いろんなフリをして行けるのだ。LGBTじゃなくても、問題を抱えてなくても、ひとりぼっちじゃなくても、絵が見たいだけの人もOKの場所だから。 この写真は、絵本を朗読するアキさんと、それを横に並んで聞くお客さんたち。まるでお母さんに絵本を読んでもらっている子どもみたい。で、注目すべきは、奥に立っている人。お話の進行に合わせて、一歩づつ進み、絵本をめくるのではなく自分で歩いて絵を見て行っている。その方が一人で世界に入り込めるそうだ。そう、朗読の聞き方も、絵の見方も、なんでも自分の気持ちに合った方法を選べる。実は、この展覧会では、絵の下に、元になっている「アキさんの絵本の文章」と、私が絵を描いてから、その絵から浮かんだ私の言葉で「タイトル」が書いてある。このコラボレーションが読めるのは、原画展だけ! そしてその夜、今日こんな話をしたよ、とアキさんとLINEで話していて、彼女が言った言葉がとても心に響いた。「私はただ、対話がしたかった。対話ができる場って私あまりなかったから。」 なんだかその一言が、もう、すべての答えのような気がして。今でも響いている。 (これで絵が1枚描けそうなくらい!) 多分私も、そう思っていた事があるから。 「会話」と違って「対話」は、お互い向き合って話す事。身体だけじゃなくて、心が。心が向き合える場所って、必ずしも、秘密をうち明ける場所とは限らない。支援とか、問題解決じゃなくて、おそらく多くの人(マイノリティとかマジョリティとか関係なく)が求めているのは、「対話」なんじゃないかな?なんて、市の職員さんと話し、アキさんと話し、さらに強く実感しました。最後になりましたが、とても、興味を持って長い時間かけて、話を聞いてくれた、守山市の障害福祉課の窓口のお姉さん。好きなページはこのページ!だそうです。ありがとうございました!!!!!