「ニンニクを食べると、新型コロナウイルスにかからない」そんな、とんでもない誤情報を信じてしまう人々がいます。世界中で、4億4,300万人の女性が自分の携帯電話を持っていません。途上国では、とくに、男女での情報アクセスの格差が顕著であり、それにより、新型コロナウイルスについての重要な情報が得られず、致命的な結果をもたらす可能性があります。また、作り話や誤った情報はオフラインでもオンラインでも広まり、それにより新型コロナウイルスへの認知を妨げ、代わりに非難や差別またそれ以上に悪いことを助長します。これに対し、CAREは、地域のリーダーと連携し、創意工夫を重ねて、正確な情報を最も届きにくい場所にまで届けています。1.スピーカーをつけたバイク、三輪の車、自動車ベトナムでは、インターネットや情報から隔絶された少数民族たちに、必要な情報を得られるよう、スピーカーをつけたモーターバイクを走らせ、保健省や政府、メディアから得た新型コロナウイルスに関する情報を放送して拡散しています。「新型コロナウイルスのパンデミックにおいて、コミュニケーションは最も重要です。私たちのコミュニティの全員がパンデミックに気づき、その危険性を知り、それを防ぐために何をすべきか知りました。」と、CAREベトナムにより作られた情報解決委員会に参加するDong Thi Nhiさんは言います。また、ハイチでは、CAREはマイクがついた車を使っています。厚生省とWHOと密接に連携しながら、すべての主要な町や農村地域の集落に新型コロナウイルスに関するメッセージを広めています。2.戸別訪問や、近所から近所へアフリカでは、男性はテレビやラジオなどで情報を得ますが、女性はしばしば家の外で口伝えで情報を得ます。ジェンダーによるデジタル格差は、アフリカ内で最も大きく、携帯の所持は15%の男女差、そしてインターネットのアクセスでは41%の男女差があります。ニジェールなどでは、CAREが組織する村内貯蓄貸付組合(VSLA)グループ(※)を利用して、女性から女性へ、口伝えで新型コロナウイルスを防ぐ方法についての正しい情報を共有する活動を行っています。バングラデシュのコックスバザールに住む難民も、インターネットにもアクセスすることができません。最近の現地調査では、男性の方が、地方自治体からの公式な情報へアクセスできている一方で、女性や若い女の子たちは、集会スペースで口伝えで公式ではない情報を共有していました。CAREは、地元のボランティアが戸別訪問により啓発セッションを行えるよう、訓練をしています。また、新型コロナウイルスについての情報を共有するために、女性の居場所づくりも行っています。※村内貯蓄貸付組合とは…おもに女性からなる組織で、各人が少額の現金を預けグループで管理し、必要な時に融資を受けられる仕組み。3.信仰により、信用を得るエボラ出血熱が流行した時、CAREは、大衆のパニックと誤情報を抑えるためには、コミュニティとの信頼関係を築くことが最も重要であるということを瞬時に学びました。人々が共有される情報を理解し、信頼するためには、宗教指導者のような、地元のリーダーが必要です。「私は、病気により感じてしまう恥や、誹謗中傷への問題に対して取り組むために、コミュニティの意識向上に取り組んでいます。」アフガニスタンでは、新型コロナウイルスの症状を持った人々は、コミュニティから非難を受けたり、排除されたりするのを恐れて、しばしば医者に診てもらうことをためらいます。クブラ・ユスフザイさんとCAREのパートナーであるカブール女性協会(KWA)の代表者は地元の宗教指導者の協力を得て、電話を通して認識向上キャンペーンを行っています。4.ボイスメッセージとチェーンメールテクノロジーもまた、世界中に作り話がソーシャルメディアで広まってしまうという欠点を持っています。最近の調査では、ガーナ人が新型コロナウイルスについて知っていることの50%が誤った情報だということがわかりました。エリザベス・エフア・スザーランドさんは、WHOの情報を使って手洗いや新型コロナウイルスの症状、ソーシャルディスタンスなどの重要な言葉について記事を書き、ボランティアの協力により15の現地語に翻訳しました。メッセージは、WhatsAppのボイスノートで録音され、その言語を話す人へチェーンメールのように転送しました。特に世界的に女性の読み書きの能力は42%と低いので、 ボイスメッセージは、情報を共有するには役立つ方法となりました。WhatsAppのボイスメッセージは、ブルンジ、コンゴ民主共和国、ニジェール、ウガンダのVSLAグループでも使われ、WHOや地方自治体、中央政府からの医療メッセージを拡散したり、ジェンダーに基づく暴力への認識を高めたりもしています。--------------------------------------私たちの支援は、物資だけにとどまりません。正しく病気を知り、適切な予防対策について知識を得ることが大事です。新型コロナウイルスの影響により、以前のように多くの人を集めて、情報発信をすることはできませんが、CAREは、このように、テクノロジーや様々な工夫を重ねて、情報発信を行っています。 49%まで到達しました。ご支援くださった皆様ありがとうございます。引き続き「プロジェクトを支援する」からの応援、またSNSでのシェア拡散にご協力をよろしくお願いいたします。
7月7日の報道によりますと、バングラデシュ政府は、コックスバザール難民キャンプにおいて、新型コロナウイルス感染拡大の封じ込めに成功したと、発表しました。5月に最初の感染者が出て以降、これまでに、700人以上が検査を受け、54の新型コロナウイルス感染例と5名の死者が発生していました。感染確認以降、難民キャンプでは、30か所以上がロックダウンされ、難民はキャンプ外に出ることを禁じられていました。しかし、一方で、バングラデシュ国内では、毎日3千人の新規感染が続いており、流行拡大に全く歯止めがかかりません。難民受け入れ地区である、コックスバザール全体では、すでに累計2,700人以上の感染が確認されています。また、難民キャンプ内でも、検査数の少なさから、実際の感染数を把握できているのか疑問視する意見もあります。日本でも不安視されているように、CAREは、今後も、同難民キャンプ内での感染拡大第2波、第3波に備える必要があると考えています。女性や女の子のニーズに配慮しながら、必要な衛生物資や水供給、感染予防啓発等の「感染から身を守る支援」を届けると同時に、ウイルスの影響により生計に困難をきたしている人々へ食料や現金支給等の「暮らしを守る支援」、必要物資を備えるための「医療現場への支援」も継続してまいります。引き続き、「プロジェクトを支援する」から応援をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!
6月29日時点で、50の新型コロナウイルス感染例と5名の死者が出ている、コックスバザール難民キャンプ。ここで毎日、人々に必要な支援活動を届けている現場のCAREスタッフを紹介します。女性への暴力防止のために活動するディルバさんディルバは、ジェンダーに基づく暴力(Gender-based Violence)のチームとコックスバザール難民キャンプで働くスタッフです。彼女は、もともと西部のパブナ県出身ですが、コックスバザールで働き、暮らしています。彼女の仕事は、暴力や嫌がらせの被害者へ精神的・社会的サポートを行うことと、必要に応じて暴力事件に対処、管理することです。ほぼ毎日、ディルバは6~7時間を職場への行き帰りの移動に費やしています。人道主義者として彼女は、こう語ります。「私にはこの新型コロナウイルスの危機の間、難民と協力する責任があります。彼らは、とてもわずかな知識しか持っていないため、もし私たちがこの危機的な状況で支えなければ、彼らは最も苦しむでしょう。それは不公平です。彼らは、正確な情報を得て、尊厳をもって生きる平等な権利があります。」スタッフや物資を確実に送り届けるドライバー、フェルドウシさんCAREバングラデシュのドライバーは、遅れることなく、必要な仕事とサービスが確実に提供できるように、ローテーションで働いています。「私はこの危機の中で、働くことに後悔はしていません。むしろ、この天災に、私の仕事でたくさんの人々を助けられることは素晴らしいことだと感じています。車内の衛生状態を保つために、私たちは毎回車を使うごとに、洗剤で洗い、消毒剤で殺菌しています。」と、ドライバー、フェルドウシ・アクターは言います。----------------------------現在49%に到達しました!たくさんのご支援ありがとうございます。感染拡大を防ぐため、難民キャンプでは、今もディルバさんやフェルドウシさんのような最前線で対応している人達がいます。彼らを支えるためにも、どうか「プロジェクトを支援する」から応援をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!
日本でも報道されている通り、新型コロナウイルス感染拡大などの緊急事態は、失業や経済的貧困、移動の制限等へのストレスから女性への暴力や嫌がらせも増加する傾向にあります。CAREでは、新型コロナウイルス感染症緊急支援活動を通して、世界26か国で ジェンダーに基づく暴力(Gender-based Violence, 以下GBV)防止のための活動に取り組んでいます。GBVに対する私たちの活動1)女性を直接サポートします暴力防止のための啓発ポスター(ネパール)©Lucy Beck/CARE パレスチナでは5千人、ペルーでは4,217人の人々が、CAREの支援により、GBVにあった時に、どのように助けを求めるかについての情報を得ています。また、エクアドルでは、チームが、患者への心理社会的なサポートに加え、家にいる人々にGBVを防ぐためのオリエンテーションを行うために、バーチャル・サポート・システムを開発しました。2)地元のパートナーが情報を入手できるように支援しています©CARE Afghanistanレバノンでは、GBVについて紹介と支援を受けるための情報を、地元のコミュニティに共有しています。エクアドルでは、ZOOMやFacebookライブなどを利用して、GBVの防止などについて、約1万4千人の人々とバーチャルイベントを行っています。チャド、キューバ、ウガンダでは国内の他のNGOにもGBVに関する必要な情報をすべて共有しています。3)医療スタッフと連携しています©CARE Bangladeshソマリアでは、特に保健センターを通して働きかけることで、1万人以上の人々がGBVの情報を手にしています。バングラデシュ、チャド、そしてペルーでは、保健センターのスタッフと協力して、彼らが確実にGBVに効果的に対応できるようにしています。------------------------------CAREは、このように、暴力の危険など、困難な状況に置かれやすい女性や女の子に配慮しながら、緊急支援活動を展開しています。温かいご支援をありがとうございます。もう少しで目標額の半分まで見えてきました!引き続き「プロジェクトを支援する」からの応援、またSNSでのシェア拡散にご協力をよろしくお願いいたします。
新型コロナウイルスの影響で、日本でも失業や減収など、人々の生活に経済的悪影響が起きていますが、世界の難民たちもまた、同じ苦境に立たされています。ヨルダンで、難民キャンプの女性たちと協力し刺繍製品を作っているバスマ・ナゼールさんに聞きました。(※本ストーリーは、4月末時点のものです。)難民キャンプの女性たちと刺繍製品をつくる©CARE Netherlandバスマ・ナゼ―ルさんは、34歳のヨルダン出身の女性です。彼女は、「糸」という意味の社会的企業「Khoyoot」を経営しています。Khoyoot社では、CAREの支援により難民の女性に刺繍の講座を提供し、その後、様々な刺繍製品の製作を依頼することで彼女たちが収入を得られるようにしています。また、製品の売り上げによる収益は、より多くの講座を開くための資金に使われます。バスマさんは、家族の生活資金を一手に背負わなければならない、難民キャンプの女性たちを支えています。新型コロナウイルスはあなたと家族の生活にどのような影響がありましたか?新型コロナウイルスによって、ロックダウンされました。幼い子どもがいながら家で働くことや、仕事と家族のバランスを保ちながら働くことは、簡単ではなく、大変です。私の夫も私も最近は家で働いていますが、幼い子どもがいる家庭では簡単ではありません。私は、難民キャンプにも行くことができません。これまでで、新型コロナウイルスによるビジネスへの影響はなんですか?©CARE Netherlandヨルダンでは、ロックダウンだけでなく、空港も閉鎖されているので、現在は製品の輸入も輸出もありません。Khoyotto社においては、発送もできないので、もはやヨルダン国外に製品を販売し送ることはできません。また、ヨルダン国外からくる材料をとても頼りにしているのですが、それも今は限られています。私たちは、ロックダウン前に入手していた最後の生地を使って作業しています。しかしそれが終われば、この生地は現在全く材料を輸出していないフランスやヨーロッパから仕入れていたため、私たちはこのコレクションの作成に取り組めません。私は難民キャンプに暮らす女性に家でできるたくさんの仕事を与え、製品の在庫を確保したかったのですが、私たちが持っている生地は限られているので、それを惜しみなくすることはできなくなりました。協力している難民の女性たちは、どのような影響を受けましたか?©CARE Netherland持っている資源の限界とロックダウンにより、深刻な状態です。最近では、難民キャンプの女性は、限られたわずかな材料で働いています。彼女たちは、今まで日々の収入で生活していましたが、今では以前のようには収入を得る事ができません。助けてくれる夫がいても、ロックダウン中では、彼も以前もらっていたような日々の収入を得る事ができません。難民キャンプに住む女性の多くは、自分が家族の主な収入源です。現在、大きく売り上げが下落しているので、女性が多くの製品を生産することができず、これが彼女たちに大きな影響を与えています。私たちは彼女たちを助けるために最善を尽くしていますが、材料が限られているため、これ以上の生産を始めることができません。今、難民キャンプに住む女性は、特にこの期間に貸付金を求めたり、食糧の支給がないか慈善団体に確認しに行ったりしています。この難局で、難民のコミュニティにとってあなたのビジネスはどのように重要だと思いますか?難民キャンプに住む女性は、私たちを最も必要としています。彼女たちは辛うじて、収入を得ていて、そして基本的な食糧の支給のほとんど手に入れることができません。だから、私たちは、彼女たちが日々の収入を得ることができるように、新しい製品ラインの立ち上げに挑戦しているのです。Khoyoot社では、現在、主にヨルダン国内から仕入れた材料を使用する、二つの製品ラインを生産しています。難民キャンプにある一つの店と連絡を取ることができ、彼らはたくさんの糸をくれました。私も、それら二つの製品ラインのデザイン作業に注力しています。そうすることで、ヨルダンで揃えられる材料を使った新しいコレクションで、日ごと、週ごとに彼女たちが給料を得ることができます。この厳しい時期を乗り越えて、彼女たちにより多くの収入がもたらされ、助けることができると考えています。※本ストーリーは、4月末時点のものです。6月上旬より、ヨルダンでは全国的なロックダウンが段階的に解除されていますが、バスマさんと難民女性にとって、コロナ以前のような売上に戻すには未だ困難が続いています。------------------------------感染の脅威を免れても、その日暮らしの不安定な職に就くことの多い難民たちは、経済的に苦境に立たされています。私たちはこのような状況の難民たちに、食糧や現金支給による支援も行っています。温かいご支援をありがとうございます。もう少しで目標額の半分まで見えてきました。引き続き「プロジェクトを支援する」からの応援、またSNSでのシェア拡散にご協力をよろしくお願いいたします。