馬場ができるまでの工事の様子をお知らせします。馬場の砂敷きと埒(らち。馬場の囲いのこと)の杭立てが完了し、ついて完成形が見えてきました。仕上げ作業は埒杭にロープを張る作業と的立てです。上の写真は向かって右側がロープ設置済み、左側がこれからロープを張る杭です。220mもあるので、ロープの長さだけでも大変なものです。また、ロープには何箇所か外せるところを設け、馬場の途中で出入りできるようにします。この馬場では稽古だけではなく、流鏑馬本番も行う予定なので、この馬場の途中での出入りは欠かせません。また、下の写真は設置し終わった的の様子です。本番に近い仕様に基づき、なるべく簡易に作ったものです。流鏑馬本番では可搬式の木製の的を設置するため、この稽古用の的は取り外し可能となっています。設計・設置に携わってくださった方の工夫と技量に感心しきりです。さあ、いよいよ馬場の外形が完成間近となりました。皆様も、お越しの際には、こういった馬場の細かい付帯設備についてもご注目いただけますと、工事に携わった人達の苦労と工夫が見え、流鏑馬を支えてくれる人達の大切さにお気付きいただけるのではないかと思います。
馬場が完成し、いよいよ本格稼働です。まず、こけら落としのイベントとして「世界平和・健康祈願流鏑馬」が開催されます。1 日時 令和2年11月29日(日)13:00~15:002 場所 鎌倉流鏑馬馬場 ←今回の新馬場場です3 主催 文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会、公益社団法人大日本弓馬会4 内容 天下泰平・五穀豊穣・万民息災とともに、新型コロナウイルスの早期収束と、来年度に延期された東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の安全な開催及び成功も併せて祈念して流鏑馬を行います。5 観覧 一般観覧不可ですが、コロナ対策を踏まえた新しい生活様式に対応した伝統文化の見せ方として、自宅でもオンラインで観覧できます。 <ライブ配信>大日本弓馬会YouTube 12:50~15:00 URL: https://youtu.be/kvlEw2hkHuU主催者に文化庁が含まれている国家プロジェクトとしての流鏑馬です。多くの方に新しい馬場の魅力と意義をお伝えすることができる絶好の機会です。ぜひ、ご覧ください。
大日本弓馬会の流鏑馬では3種類の的を用います。・神事で用いる「式の的」・略式の「板的」・競射で用いる「土器の的」このうち板的は40cm四方のヒノキの板で、略式ながら、的中して割れたときに「パァーン」という爽快な音がすることから、御観覧の皆様に人気があります。この「板的」ですが、的中して割れた破片は縁起物として重宝されています。文字どおり「一発必中」を狙う受験生や、「当たる」にかけて「商売が当たる」ことを願う経営者など、お求めになる方は様々です。お店の正面や自宅の玄関に飾っている人など、流鏑馬が盛んな街では時折見かける光景です。2012年7月21日に放映された「出没!アド街ック天国」では「鎌倉 若宮大路」が特集され、21位で「当たり的」が紹介されました。この「当たり的」、このたびのクラウドファンディングにおいて、200名様限定で返礼品として準備しておりますので、どうぞ御注目いただき、御支援を賜りますようお願いいたします。なお、2020年はコロナ禍による流鏑馬の中止が相次いでいることから、その分「当たり的」の数も少なくなっております。11月29日(日)に新馬場のこけら落としの流鏑馬(日本博「世界平和・健康祈願流鏑馬」)が行われますので、「当たり的」を皆様にお届けするためにも、たくさん的中させられるよう頑張ってまいります。皆様、応援よろしくお願いいたします。当たり的
稽古の様子をお知らせします。大日本弓馬会の流鏑馬稽古には馬が欠かせません。現在、自馬5頭に対して、毎週稽古に励んでいる門人は25名程度であり、馬の体調に配慮すると、1回の稽古で騎乗できるのは、せいぜい20分程度に過ぎません。通常の乗馬クラブでの1鞍が30分~45分であるのに比べると非常に短いため、その分、1鞍を大事に、1秒も無駄にすることなく稽古に励む必要があります。しかし、馬も生き物なので時々怪我をすることがあります。そうすると、途端に騎乗できる時間が減ってしまい、稽古に支障が生じます。そうならないために、稽古の際は馬の体調に常に気を配ります。特に馬は脚(足)が故障しやすいことから、細心の注意を払っています。写真は馬が歩いて馬場本(スタート地点)まで戻っている様子ですが、このとき馬の歩様を複数人の目でじっくり観察しています。少しでも怪我の兆候が見られたら、そこでその馬は稽古中止、大事を取ってお休みです。よく「人の替えはいるが馬の替えはいない」と厳しいことを言われますが、それだけ馬が大切にされているということです。大日本弓馬会の流鏑馬というと、荒々しく打ち込み(走り始め)、最速60km/hにもなる快速馬が有名ですが、日頃から丁寧に丁寧に馬を扱っているからこそ、これが実現できているのです。皆様、流鏑馬を見る機会があれば、また、新馬場が完成したら、このような馬たちにもご注目ください。
馬場ができるまでの工事の様子をお知らせします。馬場で工事が進む中、敷地の端っこに電柱が立ちました。大日本弓馬会の流鏑馬(やぶさめ)は鎌倉時代さながらのものですが、現代において皆さんに流鏑馬を見ていただくに当たっては、しっかりと電気も使っています。流鏑馬の馬場は220mもあるので、端から端まで見渡すのは困難です。そのため、大日本弓馬会の流鏑馬では、プロのアナウンサーさんによる実況アナウンスをしてもらい、どこの観覧席にいても、馬場で何が起こっているか分かるように配慮しています。音響設備には電気が欠かせません。また、馬は暑さが苦手なので、暑い時期には馬のためだけに扇風機を回します。ここでもやはり電気は欠かせません。鎌倉時代そのままというのも良いですが、幹となる大事な部分はしっかりと守りながら、多くの方に流鏑馬の素晴らしさを伝えるために、時代に合わせて改善していくのも、伝統文化を後世まで維持継承するに当たって大切なことではないでしょうか。ちなみに、大日本弓馬会の流鏑馬における実況アナウンスは、観覧者の皆さんから大変評判が良く、出場している射手(いて)たちにとっても欠かせないものとなっています。2018年5月にトルコ共和国イスタンブル市で流鏑馬を行った際も日本語のアナウンスを入れたのですが、その際、トルコ人の観衆から「TEKICHU!」(的中)の歓声が上がったのには感動したものです。皆さんも、臨場感あふれ、流鏑馬の歴史や見所も伝えてくれる大日本弓馬会の実況アナウンスを楽しみにしていてください。